3.15さよなら!「鹿島町立体育館」 天龍&高岩vs.アントライダー&JOKER、アントレディvs.真琴
新・紅の鹿伝説第一章 アントライダー!聖地見参!
さよなら!「鹿島町立体育館」
日時:2015年3月15日 (日)
開場:16:30 開始:17:30
会場:茨城・高松緑地公園体育館(旧鹿島町立体育館)
観衆:400人(超満員)
▼オープニングマッチ
○アレックス・リー with 飯田将
3分1秒 2人まとめて押さえ込む→体固め
●木藤裕次
▼オープニングセレモニー〜アントレディマスク贈呈式
▼第1試合 大日本プロレス提供マッチ 30分1本勝負
○橋本和樹
9分32秒 逆エビ固め
●関札皓太
▼第2試合 アイスリボン提供マッチ 30分1本勝負
○くるみ
7分00秒 ラ・マヒストラル
●成宮真希
▼第3試合 夢の覆面対決! 30分1本勝負
○超電戦士バトレンジャー
13分31秒 コルバタ→片エビ固め
●菊タロー
▼第4試合 かしまニューヒロイン!紅天女誕生! 第10代クィーン・オブ・ザ・リング王座決定戦
○アントレディ
10分36秒 卜伝キック→片エビ固め
●真琴
※アントレディが第10代クィーン・オブ・ザ・リングとなる
▼第5試合 鹿島町立体育館ファイナルタッグマッチ
天龍源一郎/○高岩竜一
13分22秒 デスバレーボム→片エビ固め
アントライダー/●ドラゴンJOKER
プロレス教室
40年の歴史を誇る鹿島町立体育館が老朽化のため、この3月で閉館し、取り壊されることを記念してさよなら大会が開かれた。体育館の北側には鹿島高校書道部が書き上げた巨大な垂れ幕が掲げられ、体育館の壁にはレスラーの似顔絵が描かれたり市民からのメッセージが寄せられた。
午前中にはプロレス教室が行なわれ、地元ヒーローであるアントライダーとこの日、アントレディに変身する朱里がコーチとして指導。地元の子供たち30人を相手に一緒になって楽しく汗を流した。
オープニングマッチ
試合前、ほとんどが始めてプロレスを観る観客のために『プロレスを100倍楽しむコーナー』として、かしま元気プロジェクト代表・飯田将氏がMCとなり、木藤裕次、アレックス・リーをモデルとしてのプロレスルール説明から開始。しかし、ルール説明なのに、ギブアップ技や反則技など、女性に対して思い切り締め付ける木藤にリーが激高し、抗議する。
すると、木藤は「オイ、飯田、オマエの仕切りが悪いからだ、こうなったらオマエも入れて2対1で試合やってやるよ、この田舎者!」と飯田代表に対しアピール。飯田代表も「鹿島を馬鹿にされて黙っているわけにはいきません。だったらやってやります」と言い返し、急遽、木藤対リー&飯田戦の開始となった。
木藤は飯田を蹴散らした後、リーにブレンバスター。木藤がやりたい放題の展開に。しかしリーもドロップキックを3連打で突破口を開く。そして起き上がってきた飯田とともにクロスライン。さらにダブルによるブレンバスターを決めて二人がかりで押さえ込むと、見事、木藤を葬った。
飯田は「わかったか、鹿島の強さは」と強がったが、その後は代表としての立ち場に戻り、「すいません、木藤さん、あと5試合あるから見て行ってください、お願い」と嘆願し、オープニングが終了となった。
オープニング
まずは試合に先立ち、鹿嶋のご当地ヒーロー、そしてプロレスラーとしても活動するアントライダーが朱里とともに登場。鹿嶋市民にはアントライダーはヒーローとして認知されているだけに歓声は高い。アントライダーは「鹿嶋に元気を、子供たちに夢を、今日の試合もがんばります」と力強く語り、続いて朱里が「今日はアントレディとしてデビューします。よろしくお願いします」と決意を述べた。
朱里はすでに1月より鹿嶋をはじめとする茨城の各地域にて町おこし活動に協力。駅伝への参加や、市民まつりで子供たちとダンスを踊るなどの活動を繰り広げてきた。
続いてマスクの贈呈式へと移り、錦織孝一鹿嶋市市長よりマスクの贈呈。「この度、アントレディには美貌と実績と兼ね備えた選手になっていただきたい、そういう選手を探したところ彼女しかいない、ということで朱里選手を指名させていただきました」とコメントし、市長自らが出来たてのアントレディマスクを朱里にかぶせる。
ここに鹿嶋のニューヒロイン・アントレディが誕生した。
第1試合
第1試合は大日本プロレスの若手対決。橋本の重い蹴りとボディスラムの連続攻撃で苦戦を強いられる関札。さらにブレンバスターで勢いをつけ、サッカーボールキックから顔面攻撃と橋本の勢いはとまらない。そして逆エビへ移行していく。
しかし橋本の飛び込みざまをドロップキックで迎撃した関札が反撃開始と思われたが、コーナーの攻撃はデッドリードライブに切り返される。それでも逆エビは根性でロープに逃れる。
それでもチョップで息を吹き返した関札がミサイルキック。しかしミドルキックを食らうと、続けてファルコンアローを決められる。ここで橋本がガッチリと逆エビに取ると関札がギブアップを喫した。
試合後、橋本はカメラと観客それぞれに向かい「見ろ! 真っ赤になってるだろ! プロレスは痛いんだ!」とプロレスの凄さを訴えた。
第2試合
第2試合はガラリと雰囲気が変わってアイスリボン提供試合。まずはくるみの豪快なボディプレスで館内が沸く。成宮も逆エビで応戦すると、鹿嶋の観客は両者に拍手で後押し。
くるみはタックルを連打。さらにボディプレスからサマーソルト。これに対して成宮もスピアー連発からのブレンバスターで一歩も引かず。
しかし成宮の丸め込み3連発を切り返したくるみがマヒストラルでフォールを奪い、勝利を得た。
第3試合
試合前からセミファイナルに登場するかしま未来りーなの座る方向ばかりを気にする菊タロー。
試合が始まってもその様子は変わらず、早くも吉野レフェリーから「どこ見てんねん、はよやれ! それやると思ってたけどファイト!」と試合を促した。
バトレンジャーが腕を取ると、菊タローは「ギブアップ〜!」と言うもののレフェリーがゴングを要請しようとすると「じゃないよー」とあわてて言い直す。
菊タローが場外に落ちるとラジオ体操を開始。なぜか終わりの部分だけ。そして最前列の女性客の隣に座る。この状況を見たバトレンジャーやレフェリーが菊タローを追い詰めようとロープをまたぎる瞬間、これを見た菊タローがロープを挙げて股間を激突させる。場 外で悶絶するバトレンジャー&吉野レフェリー。
気を取り直してリングに戻ると、菊タローがバトレンジャーをコーナーへホイップ。続けて吉野レフェリーをホイップしようとするが、バトレンジャーが腕を組み、体を入れ換えて菊タローに投げ返す。
すると、そのまま弾みで吉野レフェリーが菊タローをコルバタで大回転。これで一気に目が回った菊タローが3カウントを奪われた。
立ち上がった菊タローがマイク。「僕の育った高松緑地体育館が…」と言うと「オマエ、大阪やろ!」とレフェリーが突っ込み。
菊タローは再びマイクを取り「今日ここにきまして、確か2年前にダイヤモンドリングでこの会場へ来たことを思い出しました。(最前列にいる)市長、ここは大量の税金を使って建て直すんですかね。ぜひ立派な体育館になってもらって、鹿嶋で試合をするのを楽しみにしています」と鹿嶋市長へのお願いで締めくくった。
第4試合
鹿嶋の地元アイドルグループである『かしま未来りーな』の生ライブによりアントレディが、鹿嶋の高校生たちの騎馬により登場した。しかも歌詞はオリジナルソングである「My city」をアントレディバージョンに直しての応援ソングだ。歌詞のラストである「アントレディー」の部分でアントレディが入場、リング中央に立ち、かしま未来りーなが取り囲んだ。
そして今宵、復活される元JDスターのメインタイトルであったクイーン・オブ・ザ・リング王座が、同王座のコミッショナーに就任したMARUによりお披露目となった。吉野レフェリーも挟み、4人での記念撮影に収まる。第9代王者である武藤裕代がベルトを返還して以来、約11年ぶりの復活となる。
まずはグラウンドの展開からスタート。先に動いたのは真琴だ。二段式キックで突破口を狙うが、アントレディもミドルキックで反撃。真琴は体を入れ替えるとフライングボディアタック。さらにグラウン ドコブラへ。
ここで子どもたちの「アントレディー、がんばれー」の声が響く。地元ヒーロー・アントライダーの女性版ということで、レディの人気も高い。この声援をバックにアントレディボールキックから低空のドロップキックへ。ここで二段式の膝蹴りを披露したアントレディが投げっぱなしジャーマン。すぐに真琴もトラースキックで返し両者ダウン。
真琴はダブルアームからW.W.ニー。それをアントレディがハイキックで返すと、ジャーマン。
ここで茨城県を示す、指を3本突き出すポーズ。ここから必殺の卜伝キック。卜伝キックとは、鹿嶋の剣豪、『塚原卜伝』が源にある。現在でも脈々と受け継がれる武道、鹿島新当流、その太刀の様なアントレデイのキックが初披 露された。この一発が見事に決まり、アントレディが復活クイーン王座のベルトを腰に巻いた。
コミッショナーのMARUが腰にベルトを巻き、最後は田口伸一茨城県議会議員から勝利者トロフィーが渡されるとアントレディに子どもたちから祝福の声援が起きた。
「今日はアントレディーとしてのデビュー戦でしたけど、みなさんの声援が力になりました。これからもアントレディとして鹿島を盛り上げていきたいと思います」とアントレディはこれからも地元ヒロインとして闘っていく。
第5試合
サンダーストームがなり響いた瞬間、鹿嶋のファンが一気に爆発。入場路には天龍の姿を一目見ようと、ファンが殺到した。天龍引退カウントダウン第3戦はこの体育館で迎えることになった。昭和62年10月ジャイアントシリーズ以来、27年ぶりの同地登場だ。
まずは高岩とジョーカーの攻防からスタート。続いて地元の雄・アントライダーが出ると、まずはキックで威嚇。
そしてついに天龍とアントライダーの絡みへ。まずはライダーが腕を絞り上げていく。、続けてJOKERにタッチ。JOKERがチョップを打ち込むものの、天龍も反撃へ。水平チョップからグーパンチ、そして再びの水平チョップからSTFに固めていく。一つひとつの動きに鹿嶋の観客から大声援とどよめきが起きる。
天龍の二度目の登場では水平チョップとグーパンチのコンビネーション、そしてコブラツイストでJOKERを締め上げていく。
そしてアントライダーが登場すると、高岩に対してキックの連打から得意技であるジーコボンバーに決めて鹿嶋をアピール。
今度は天龍へ。天龍はアントライダーに水平チョップを決めるがもキックで反撃される。ここで天龍チョップとアントライダーのキック合戦となる。地元ヒーローと天龍が真っ向からぶつかる図式に鹿嶋のファンは大興奮。
続いてJOKERもスワンダイブのドロップキック。これに対して天龍はラリアットへ。天龍が高岩にスイッチ。JOKERへラリアットからエルボー、しかしJOKERも高角度のエビへ。高岩が2で返す。天龍の水平チョップのアシストを 得た高山が垂直落下ブレンバスターにトドメのでデスバレーボムでついにJOKERをしとめた。
エンディング
鹿島町立体育館の最後を見事、天龍が勝利で飾った。出場全選手がリングイン。鹿嶋出身の大会プロデューサー・平山陽が今大会の挨拶。
「僕はこの体育館で小学校のころからプロレスを見て育ち、なかでも天龍さんの大ファンで、いつも応援していました。この体育館最後の日に天龍さんに来ていただいて、締めくくることができて、本当にありがとうございました」と感謝の気持ちを述べた。
最後はアントライダーの「3、2、1、カシマーッ!」という恒例のポーズを全選手と観客が決めて大会を、そして体育館を締めくくった。
【記事提供/かしま元気プロジェクト】