【インタビュー】武藤敬司が引退記念ブルーレイ発売でプロレス人生を振り返る!

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6月30日に『武藤敬司引退記念Blu-ray BOX PRO-WRESTLING “LAST” LOVE HOLD OUT』が発売された。総収録分数579分となった本作品には全24試合が収録され、Disc1には武藤敬司の引退ロード全試合をノーカット収録した他、三沢光晴との初タッグなどメモリアルな試合など全12試合を収録。Disc2には2023年2月21日東京ドーム引退興行12試合の他、武藤敬司が自身のプロレス人生を振り返る新撮インタビューが収録されている。

 発売にともない、武藤敬司がインタビューに答えた。

――猪木さんと同じく東京ドームで引退興行&引退試合ができたことをどう感じていますか。
武藤「いや、うれしく思いますよ。なかなか東京ドームで引退できる選手もそういないし、こればっかりは俺一人の力でできるものじゃない。それはもうノアの人とか、新日本の選手も参加してくれたりとか、全日本の選手も参加してくれたり、だから本当にみんなに支えられてできたという引退興行であり、引退試合だったと思うよ。本当にありがたい」

――引退試合の相手は内藤さんでよかったですか?
武藤「次がないわけだからさ。あの後がまだあるんだったら色々と考えたりもするけど、内藤で良かったですよ。最初からいろんな全てのバランスを考えて、内藤の俺に対する好意も感じていたし。内藤自身の知名度であったり、カリスマ性であったりとか、やっぱり集客力であったりとか。ふさわしい相手じゃないかなと思って名指ししたわけであって。うん。内藤選手で良かったと思います」

――テンカウントをしていないのが「もしかして・・」とファンは妄想してしまいます。絶対に無いとは思いますが、コンディションが上がるとマスターズで「黒師無双」として1試合だけとか思ったりしますか?
武藤「まあまあ(笑)プロレスはそうやって想像させるってことは、一つのプロレスの特徴でもあるので、俺はいいことだと思うけど。ぶっちゃけ、アメリカなんかは引退セレモニーでテンカウントなんて鳴らさないからね。俺、そこまでテンカウントと引退試合ってイコールなのかな?と思う。俺は橋本が死んだり、ベイダーが死んだりした時に遺影を持って、リングの真ん中でいつもテンカウントを聞いていたんだよ。猪木さんが亡くなられた時とかね。亡くなられた時のテンカウントのイメージが強くて。自分の引退セレモニーではそういうのをやめさせて欲しいと話をしたということです。逆に古舘さん(古舘伊知郎)みたいな方が良いかなと。あの人は本当にプロ中のプロっていうかね。神がかってるよ。何も見ずに丸暗記して詩を朗読して。しかもそれが610文字(ムトウ)だからね。古舘さんは天才です」

――武藤さんの試合はアートだと思いますが、ご自身で一番芸術的だったと思われる試合はどれでしょうか
武藤「俺はアーティストだからな。俺が描いた作品全ての試合に優劣もないし、ケチ付けられないよ。全部一生懸命やってんだよ」

――武藤さんの引退で昭和のプロレスの終焉と言われています。武藤さんは団体の垣根を超えただけでなく、時代も超えてトップランナーだったと思います。今振り返って、武藤さんはどう思われますか?
武藤「昭和のプロレスの終焉だと俺が言ったのは、やっぱり昭和のプロレスを突っ走ったのは俺のお師匠でもある猪木さんとか馬場さん。特に俺は猪木さんの弟子であって。猪木さんと試合やったり、トレーニングをしたり、飯食いに行ったりしてる最後の弟子。多分、第3世代になるとほとんど試合もしてないと思うんですね。本当に直に猪木さんの教えを受けてる俺たちが・・だから俺が最後だな。で、俺が終わるから。多分、きっともうあとは間接的じゃん。だから俺、昭和の時代が終わるっていう風な例えをしてたんだけど。俺も昭和から平成・令和と突っ走ってきたんだけど。俺も経営者をしたりとかして。そんな中で例えば新日本のIWGPのチャンピオンのSANADA。俺がプロレス界に入れたわけであって。全日本プロレス出身でノアのGHCヘビー級チャンピオンのジェイク・リー。あれも俺がプロレス界入れてるんだよ。今の全日本プロレスの三冠ヘビー級チャンプである永田(永田裕志)も俺の付き人だったんだよね。だからもうメジャー団体のチャンプのみんなをなんか知ってるというか。レスラー冥利に尽きるというかさ。なんとなく遺伝子が残ってるなという何かを感じて。本当に本当に嬉しく思うよ」

――橋本さん、蝶野さん、三沢さんの技を出していくのは最初から決めてたんですか?
武藤「そうですね。うん。昭和のプロレスと猪木さんの教えを継いだ俺らが終焉したっていうか。ただ俺らの横のジェネレーションというのは三銃士と四天王じゃん。その中でも多分実質、俺が最後のような気がするんだよね。蝶野とか川田とかはまだ引退はしてないんだけど、多分もうリングにきっとそんなには上がってこないよ。世の中で多分、俺がその三銃士・四天王の最後の中でさ、そういう意味も込めてやっぱり橋本とかね、三沢社長とかね。まあ、ある意味、使える武器は全部使ってやろうっていう感じで臨みましたよ。記者会見の時に振ったからね。橋本とか三沢社長の気持ちも背負って引退試合に臨みたいっていうようなことをコメントしたこともあるからね」

――ムーンサルトを2回飛ぼうとしました。武藤さん的には飛べるものなら飛びたいと思っていたのですか
武藤「いや、飛ばない美学を選んだね。うん。飛んだら美しくないんじゃないかと思って。引退興行自体が。飛ぶかもというのは、まあサイコロジーっていうか。心理的な部分で絶対そこは入れて行かなきゃしょうがないので。最終的に飛ばない美学をチョイスしました」

――2002年の新日本離脱は、今から思えば成功だったと思いますか、失敗だったと思いますか?
武藤「良かったよ。うん。良かったよ。あそこで全日本に行って、経営側に立ったわけだ。経営側に立つってことは全てを考えなきゃいけない。全日本の中で人材育成とかも頑張らなきゃならない中で、早くスターを作らなきゃいけないという。で、武藤塾っていうオーディションをやってて、そういう中で入ってきたやつが今はいっぱい頑張ってるわけで。諏訪魔、ジェイク、KAI、SANADA、BUSHI・・。あれで1レスラーではなくなったよね。あそこで全日本に行ったことによって、そういう色々なこと携わったから、男の人としての厚みもレスラーとしての厚みも出ますもんね」

――引退したから言える、客観的に見た武藤敬司というレスラーは?
武藤「よう頑張ったですよ。ぶっちゃけ、最初に膝を故障をしたのが24歳で。そこからもうほぼ・・。少しずつ壊れていく中で、24歳から自分が描く美学からしたらずっと妥協で。本当はこういうことしたいけどできないわけで。その後30数年。満足な作品でもないんだけど、何かそれも作品なんだよね。このBlu-rayに出てくるムーンサルトもね。飛べない妥協だもんな。客観的に見ていいレスラーだったと思うよ。それこそ22、3歳の俺みたいなやつ。今のプロレス界に欲しいよ」

――ありがとうございました。最後にメッセージをお願いします
「イーヤ!!武藤敬司です。引退試合を観に東京ドームにご来場頂きました皆さん、PPVでご覧頂いた皆さん、誠にありがとうございました。遂に引退試合の収録されたBlu-rayボックスが発売されます。意外と聞くところによると、2月21日の東京ドームの俺の引退試合は評判いいんだよ(笑)。この評判の良い試合というものは、いつでも見られるようにね。自分がもし落ち込んだ時に見たら元気になるような感じの試合をしていると思うんだよね。だから、一家に1個ぐらいあってくれてもいいんじゃないの(笑)。39年間の最後の引退試合も作品として誇らしい試合になりました。内藤選手はこれからのプロレスビジネスを盛り上げてくれる人材だし、蝶野もアドレナリンを出して頑張ってくれた。デビュー戦で戦った選手と引退試合をした人なんていないと思うから、良い終わりだったと思う。是非、Blu-rayでご覧ください」

『武藤敬司引退記念Blu-ray BOX PRO-WRESTLING “LAST” LOVE HOLD OUT』
<収録試合>
■全日本プロレス(Disc1)
2004年10月31日 両国国技館
【武藤敬司デビュー20周年記念スペシャルマッチ】
武藤敬司&三沢光晴vs馳浩&佐々木健介

2006年8月27日 両国国技館
グレート・ムタvsTAJIRI

2008年9月28日 横浜文化体育館
【三冠ヘビー級選手権試合】
諏訪魔vsグレート・ムタ

■WRESTLE-1(Disc1)
2013年9月8日 東京ドームシティホール
【旗揚げ戦】
武藤敬司&ボブ・サップvsレネ・デュプリ&ゾディアック

2014年5月4日 東京ドームシティホール
グレート・ムタ&TAJIRIvsアビス&カザリアン

2014年7月6日 両国国技館
グレート・ムタvs真田聖也

■NOAH(Disc1)
2022年7月16日 日本武道館
【PRO-WRESTLING LOVE FOREVER.1~THE FINAL COUNTDOWN~】
武藤敬司vs清宮海斗

2022年9月3日 エディオンアリーナ大阪第1競技場
拳王&征矢学&タダスケvsグレート・ムタ&グレート-O-カーン&NOSAWA論外

2022年9月25日 ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)
【PRO-WRESTLING LOVE FOREVER.2~OUT BREAK~】
武藤敬司&藤田和之vs船木誠勝&中嶋勝彦

2022年10月16日 福岡国際センター
【PRO-WRESTLING LOVE FOREVER .EX FUKUOKA FINAL~TRANS MAGIC~】
武藤敬司&小島聡&ニンジャ・マックvs丸藤正道&ジャック・モリス&HAYATA

2022年10月30日 有明アリーナ
【PRO-WRESTLING LOVE FOREVER.3 ~TRIUMPH~】
武藤敬司&丸藤正道&稲村愛輝vs棚橋弘至&真壁刀義&本間朋晃

2023年1月22日 横浜アリーナ
【End of Nightmare】
グレート・ムタ&スティング&ダービー・アリンvs白使&AKIRA&丸藤正道

■NOAH(Disc2)
2023年2月21日 東京ドーム
STARTING BATTLE・1 【STARTING LOVE】
マサ北宮&稲葉大樹vs稲村愛輝&矢野安崇

STARTING BATTLE・2 【TJPW Spark】
坂崎ユカ&山下実優&中島翔子&辰巳リカvs瑞希&伊藤麻希&渡辺未詩&荒井優希

STARTING BATTLE・3 【WORLD WARRIOR BATTLE】
杉浦貴&小島聡&ティモシー・サッチャーvsジェイク・リー&ジャック・モリス&アンソニー・グリーン

第1試合 【NEW EXPLOSION】
小川良成&Eita&HAYATA&クリス・リッジウェイ&ダガvs小峠篤司&YO-HEY&吉岡世起&アレハンドロ&宮脇純太

第2試合 【Dramatic Dream Future】
MAO&勝俣瞬馬&上野勇希&小嶋斗偉vs遠藤哲哉&岡谷英樹&高鹿佑也&正田壮史

第3試合 【DRAGONGATEvsNOAH】
シュン・スカイウォーカー&KAI&ディアマンテvs丸藤正道&イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.&ニンジャ・マック

第4試合 【AJPWvsNOAH】
宮原健斗&諏訪魔&青柳優馬vs拳王&中嶋勝彦&征矢学

第5試合 【FINAL DE LUCHA】
外道&石森太二vsNOSAWA論外&MAZADA

第6試合 【TOKYO TORNADO】
高橋ヒロムvsAMAKUSA

セミファイナル 【SHINING THROUGH】
オカダ・カズチカvs清宮海斗

メインイベント 【PRO-WRESTLING “LAST” LOVE】
武藤敬司vs内藤哲也

特別試合
武藤敬司vs蝶野正洋

<商品概要>
タイトル:『武藤敬司引退記念Blu-ray BOX PRO-WRESTLING “LAST” LOVE HOLD OUT』
発売日:2023年06月30日(金)
価格:¥9,900(税抜価格 ¥9,000)
発売元:東京サウンド・プロダクション
販売元:TCエンタテインメント
映像提供:全日本プロレス/株式会社GAORA/WRESTLE-1/株式会社ブロンコス/ABEMA/株式会社CyberFight/プロレスリング・ノア
商品仕様:【Blu-ray仕様】
2023年/日本/カラー/本編計579分(Disc1:327分、Disc2:252分)/リニアPCM(ステレオ、一部モノラル)/16:9 1920×1080i Full High Definition/2層/MPEG-4AVC/2枚組
(C)2023プロレスリング・ノア
商品HP URL:https://www.tc-ent.co.jp//products/detail/TCBD-1341

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