“ビッグダディ三女”林下詩美が日本武道館大会での赤いベルト戦に志願した上谷沙弥へ「不満ばかりだよ」
17日、東京都・後楽園ホールにて『スターダム10周年記念日』が開催され、林下詩美が舞華を制してワールド・オブ・スターダム王座の2度目の防衛に成功した。
2011年1月に旗揚げされたスターダムが10周年記念大会を開催。スターダムは2019年末に新日本プロレスも属するブシロードグループ入りし、以降は新日本の東京ドーム大会出場や日本武道館への進出発表、全国8局でのレギュラー番組放送など飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長。『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』『ファイヤープロレスリング』など人気コンテンツとのコラボを実施してファンの新規開拓も積極的に行っている。
詩美はバラエティ番組などに数多く出演する“ビッグダディ” 林下清志さんの三女であり、2018年にスターダムでデビュー。その直後から破竹の快進撃を続けて数多くの王座を戴冠。そして昨年11月の仙台大会では、岩谷麻優を撃破してデビュー3年目にして最上位のシングル王座であるワールド・オブ・スターダム王座(赤いベルト)を戴冠し、今年1月5日には団体の顔として新日本プロレスの東京ドーム大会に出場し提供試合を行った。
この日のメインイベントでは、詩美が赤いベルトの王者として舞華を迎え撃った。
2人の出会いは、舞華がJUST TAP OUTに所属していた2019年に詩美を会場に呼びつけて対戦を要求したことに遡る。当時の詩美は「遊び相手にもならない。スターダムの足元にも及ばない選手」と舞華を酷評していたが、当時詩美が保有していたフューチャー・オブ・スターダム王座(若手王座)をめぐる闘いや、昨年7月に舞華がスターダムに入団して以降の幾度にも渡る対戦の中でその力を認めていき、ライバルとして見るように。
そして舞華は詩美が赤いベルトを巻くやいなや挑戦を表明し、詩美もこれを快諾。両者の戦績は1勝1敗1引き分けであり、両者の今の実力が問われる試合となった。
互いに柔道をバックボーンに持つ2人は序盤からじっくりとしたグラウンド戦を展開するが、詩美が舞華の攻撃へ的確に各種ドロップキックを合わせていき試合のイニシアチブを握る。
詩美はキャメルクラッチやスリーパーホールドなど首への攻撃で必殺のBTボムへの布石を打ち、胴絞めフロントネックロックで絞り上げるが、舞華がこれをぶっこ抜いてブレーンバスターで叩きつける荒業を見せ、互いにビンタで顔面を張り合う乱打戦へと持ち込む。
舞華は腕ひしぎや三角絞めで詩美の腕を潰していき、山茶花や炎華落としで試合を決めにかかるが、詩美は逆腕でのラリアットで意表を突き、トーチャーラックボムからBTボムで叩きつけてカウント3を奪った。
試合後、詩美を慕う後輩でありタッグパートナーでもある上谷沙弥がリングに上がり、「詩美さん、日本武道館で、私がその赤いベルトに挑戦したいです。私は何の実績もないですが、必殺のフェニックス・スプラッシュがあります。日本武道館で私が詩美さんからスリー取ります」と3月3日の日本武道館大会での挑戦を宣言。
これに対し、詩美は「フェニックス・スプラッシュは確かにすごい技だと思うけど、それだけで勝負は出来ると思ってる?私は、上谷とこの赤いベルトを賭けて闘うのは、正直不満ばっかりだよ」と突き放すも、「でも、上谷との試合は最高の試合にできる自信もある。この10周年迎えたスターダムが、団体が、私と上谷の未来に期待してくれてるなら、やってもいいのかなって気もする」と可能性を残した。
バックステージに戻った詩美は、「誰ですか?『舞華じゃまだまだ挑戦が早すぎる』だとか、『舞華じゃ詩美と実力差がありすぎる』『赤いベルトにも早すぎる』って言ったの誰ですか?今日舞華との試合で、この赤いベルトの価値、グンと上がったんじゃないですか?今日の試合こそが私が作って行きたいスターダム新時代の試合です。約1年前、私と舞華の初めてのシングルマッチはフューチャーのベルトをかけて試合をしました。そして1年後、同じ対戦カードで、今度はこの団体最高峰の赤いベルトをかけて試合をしました。それほど1年でのスターダムの時の流れの早さ、そして選手の成長の早さをすごく感じています。スターダムの未来の明るさが伝わってるんじゃないでしょうか」と語る。
そして、上谷と武道館で闘う可能性について聞かれると「近くで見てきた上谷の成長ぶりを見ていれば、ここで今日私に言われた言葉をしっかり受け止めて、自分でこれからどれだけ短期間で成長するかで私たちの3・3日本武道館の大会のクオリティが変わってくるんじゃないかなと思います」と上谷にも短期間の成長を促し、期待を寄せた。