インディープロレス統一を目指すTORUが怪我を乗り越え7ヶ月ぶりに復帰!「コロナ自粛と怪我で死んだように生きていた。ようやく生き返れた」
16日、東京都・新木場1stRINGにて『TTT旗揚げ1周年記念興行』が行われ、TORUが右肩脱臼の怪我を乗り越え約7ヶ月ぶりに復帰を果たした。
TTT(TOTAL TRIUMPH TEAM)とは、ターザン後藤に薫陶を受け、ミスター雁之助を師に持つ黎明期インディープロレスの後継者的存在であるガッツ石島が昨年1月に“インディープロレス統一”を掲げて旗揚げした団体。旗揚げ直後から新型コロナウイルス流行による大会自粛という苦難に見舞われるも、昨年7月に再開してからはほぼ全ての大会が札止めとなっており、根強いファンの支持を得ながら勢力を拡大してこの日1周年大会を迎えた。
TORUはフリーであった2018年には全国を飛び回り、全プロレスラーの中でもっとも多くの団体に出場したと言われる売れっ子であったが、ガッツから「TTTのエースに」という期待を受けて旗揚げと同時に入団。団体最上位のベルトであるCCWカナディアンヘビー級王座を守り続けてきたが、昨年6月の無観客試合の中で右肩を脱臼。以前から脱臼癖が付いてしまっていたというTORUはこれを機に根治のための長期欠場に入り、王座も返上。リハビリを経て昨年12月に「一番いかつい手術したから、もう外れることは多分無い!」と復帰を表明。
復帰戦の相手に指名したのはプロレスリングBASARAの阿部史典。 TORUと阿部はかつてガッツワールドで“アベトオル”のタッグを組んでおり、GWC認定タッグ王座を獲得したこともある間柄。TORUは「復帰したら真っ先に阿部とやりたいと思った。阿部史典と、バチバチに殴り合って『生きてる』ってことを実感したいと思います」とその意気込みを語っていた。
TORUは以前より体を絞り、黒を基調とした新コスチュームにアゴヒゲを携えたワイルドな姿となって登場。
阿部はTORUの意図を汲み、試合は序盤から真っ向からビンタ、エルボー、チョップで打ち合う乱打戦に。阿部がTORUの古傷である右肩を攻めたのはTORUのグーパンチに起こった際に放ったショルダーアームブリーカーのみ。試合は終盤までスタンドでの打撃戦と足関節の取り合いで進行していく。
阿部の伊良部パンチをフルスイングのエルボーでカウンターしたTORUがシャイニング・ウィザード、Dガイストと大技を続け、必殺の垂直落下式ブレーンバスターを狙うが、阿部はこれをフランケンシュタイナーで切り返してバズソーキック。さらにレインメーカー式ハイキックから顎先に伊良部パンチを叩き込み、澤宗紀直伝のお卍固めでガッチリ絞り上げると試合続行不可能と判断したレフェリーが試合を止めた。
試合後、TORUは「コロナで自粛もあって俺は10ヶ月も休んでたことになります。その間はホンマに……生きてんだけど、死んでるような日々の繰り返しで、『なんのために俺は生きてんだろう』って。プロレスも出来ない、自粛続きでプロレスも復活の見通しが立たない中、なんのために生きてんのかわかんないこの10ヶ月だったんで、今日は阿部とボコボコに殴り合えて、阿部に生き返らしてもらったなって感じですね」と語り、ダメージも癒えぬ中で朗らかに笑う。
そして、この日のメインイベントで後輩の佐山駿介がCCWカナディアンヘビー級王座を戴冠したことに触れ、「俺はエースと呼ばれていたけど怪我で離脱して、その間に佐山がずーっとTTTのメイン戦線を引っ張って今日ベルトを獲ったのを見て『俺はエースじゃないな』って思いましたね。もっかい万人に認められて『やっぱりTORUがエースだな』ってなるときまで、俺はエースの名を返上します。佐山がこの団体の中心だと思うし、それは僕も認めてますから」と佐山を新エースに指名し、自らは裸一貫からのスタートを宣言。
最後に復帰まで支えてくれたファンに向け「僕も素直じゃないんで『ファンの皆さんのおかげで』とか『応援していただいた声が力になりました』とかあんま好きじゃないんですけど、素直にこの欠場期間はファンの支えが本当に大きかったです。今日は支えてもらったファンのみんなの前で試合ができて、無事に自分の力で控室に戻ったところまでをお見せできたのが良かったと思います」とメッセージを送った。