【試合詳細】10・24 全日本プロレス後楽園ホール大会 【世界タッグ】諏訪魔&石川修司vs芦野祥太郎&羆嵐 【世界ジュニア】岩本煌史vs青柳亮生 【アジアタッグ】ゼウス&イザナギvsライジングHAYATO&フランシスコ・アキラ

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『2020 旗揚げ記念シリーズ ~ReOStaff株式会社 presents~』
日程:2020年10月24日(土)
開始:18:30
会場:東京都・後楽園ホール
観衆:555人

▼タッグマッチ 20分1本勝負
[Evolution]佐藤光留(パンクラスMISSION)/●田村男児
8分21秒 マッドスプラッシュ→体固め
[Enfants Terribles]大森北斗/○児玉裕輔(フリー)

▼10人タッグマッチ 30分1本勝負
○大森隆男/渕正信/ブラックめんそーれ/百田光雄(リキエンタープライズ)/本田竜輝
9分35秒 アックスボンバー→片エビ固め
[ヨシタツ・キングダム]ヨシタツ/岡田佑介/崔領二(ランズエンド)/石切(ランズエンド)/●力(フリー)

▼アジアタッグ選手権試合 60分1本勝負
【王者組/PURPLE HAZE】ゼウス/○イザナギ
11分17秒 仙人の首固め
【挑戦者組/健斗とイケメンとアキラとハヤトの大冒険】●ライジングHAYATO(愛媛)/フランシスコ・アキラ(ICW)
※第110代王者が初防衛に成功

▼2020 世界最強タッグ決定リーグ戦直前 スペシャル6人タッグマッチ 30分1本勝負
宮原健斗/●青柳優馬/関本大介(大日本)
12分59秒 スライディングD→片エビ固め
ジェイク・リー/TAJIRI(フリー)/○田中将斗(ZERO1)

▼世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【王者/陣】○岩本煌史
14分1秒 孤高の芸術→片エビ固め
【挑戦者】●青柳亮生
※第53代王者・岩本が3度目の防衛に成功

▼世界タッグ選手権試合 60分1本勝負
【王者組/Evolution/暴走大巨人】諏訪魔/○石川修司
20分55秒 ジャイアントスラム→片エビ固め
【挑戦者組/Enfants Terribles】芦野祥太郎(フリー)/●羆嵐(フリー)
※第87代王者組が5度目の防衛に成功

諏訪魔&石川が破局の危機を乗り越え世界タッグV5!岩本が亮生を撃破し世界ジュニアV3の自己新記録!HAYATO&アキラがアジアタッグ奪取失敗も心は折れず!田中将斗が最強タッグで宮原を木っ端微塵宣言!

第1試合


 光留と北斗でゴングが鳴るとじっくりとしたリストの取り合いを展開し、クリーンブレイクの際に北斗が放った投げキッスの決めポーズに光留が「なんなんだよアレ!」と不快感をあらわにしつつ男児にタッチ。
 北斗と男児は正面からエルボーで打ち合っていき、打ち勝った男児がボディスラムで叩きつけると北斗は児玉にタッチ。
 男児は気迫のエルボー連打で児玉にヒザを付かせると、突然場外に飛び出して北斗めがけて突っ込んでいき場外ショルダータックル。リングに戻ると児玉もショルダータックルでなぎ倒し、児玉の背中へストンピングの雨あられを降らせてからロープに振ろうとするが、振り返した児玉がドロップキック。北斗にタッチし、2人で男児の顔面をグリグリと踏みつける。
 男児は暴れてこれを脱出すると北斗にエルボー連打からロープへ飛ぶが、北斗がカウンターのエルボーをクリーンヒットさせてからコンプリートショット。うつ伏せに倒れた男児の後頭部へ踵落としを見舞い、児玉にタッチ。
 児玉は男児をコーナーに振っていくが、男児はコーナーに飛び乗ってダイビングショルダーで一矢報い、光留にタッチ。
 光留は児玉へミドルキック連打から「投げるぞオイッ!」と水車落としの体勢も、児玉が回転エビ固めで切り返す。児玉はさらに組み付いていくが、光留は児玉の左腕を取って脇固めに持ち込み、北斗がこれをカットに来ると一旦解放して北斗に延髄斬り。さらに児玉にも延髄斬りを叩き込み、体固めからキックアウトした児玉の腕を取って腕十字へ。児玉がこれをブレイクすると男児が猛烈にタッチを求め、光留は男児に勝負を託す。

 男児は串刺しショルダータックル連打からダイビングショルダー、さらにダンロックで絞り上げるが北斗が必死のカット。光留は北斗をアンクルロックで捕らえて動きを封じようとするが、北斗は足を取られたままトペ・スイシーダのように場外に飛び出して光留を道連れにし、男児が児玉へタックルを狙ったところへ真横から飛び込んでRKO。アシストを受けた児玉が男児をブレーンバスターで叩きつけ、最後はマッドスプラッシュで圧殺して3カウント。

第2試合


 旗揚げ記念興行ということで、全日本プロレス旗揚げ初期メンバー唯一の現役選手である百田光雄が参戦。
 百田と力の親子対決でゴングが鳴ると、力が絶叫しながら逆水平チョップを打ち込み、百田もチョップで反撃していくと力は怒涛の逆水平連打でコーナーに押し込み「パワーッ!」と雄叫び。百田はがら空きのボディへナックルを入れると両者タッチへ。
 めんそーれと石切の対面となると、めんそーれが組み合うフェイントから「シャーッ!」と威嚇。石切がガットショットで応えると互いにロープに飛んでいき、石切りが側転などの軽やかな動きでめんそーれを翻弄してアームドラッグからドロップキック。めんそーれは一旦場外にエスケープし、石切が突っ込んでくるとサミングを見舞って本田にタッチ。
 本田はボディスラムを狙っていくが、石切が背面着地してプッシュし、跳ね返ってきた本田にカウンターのバックエルボーを突き刺して崔にタッチ。
 崔はミドルキックの連打で本田を倒すとPKのフェイントからのサッカーボールキックを叩き込みヨシタツにタッチ。
 ヨシタツと崔は2人で本田をロープに振ってダブルのミドルキックを叩き込み、ヨシタツがサーフボードストレッチでじっくりと本田を痛めつけ、河津落として後頭部から叩きつけて岡田にタッチ。
 岡田は両手を広げて本田のエルボー連打を受けきった上で逆水平チョップ一発でなぎ倒し、ロープに振ってケンカキックを放つものの、これをかわした本田がロープチャージしてスピアー。渕にタッチ。
 渕はレフリーの目を盗んでグーパンチを叩き込んでいき、「グーだろ!」と抗議されると「パー!」とアピール。観衆がこれを大喝采で支持するとボディスラムで叩きつけて腰を押さえながら自軍コーナーに戻ろうとするも、「もう一回!」と求める選手たちや観衆の声に応えてつらそうな表情で2発目を見舞ってから大森にタッチ。
 大森は岡田へビッグブートからのニールキックを叩き込み、さらにアックスボンバーを宣言するも岡田がドロップキックでカウンター。力にタッチ。

 力は大森をコーナーに押し込んでマシンガンチョップを叩き込み、力の号令に合わせてヨシタツ・キングダムがアッセンブル。力の指揮でヨシタツ・キングダムの面々がトレイン攻撃を見舞い、力が大森をバックドロップ。力がセーバーチョップを狙ってコーナーに上がると大森は追いすがって雪崩式ブレーンバスターで叩きつけ、アックスボンバーを放つも力がこれを空手チョップで撃ち落として見せるが、大森は怯まず組み付いてフルネルソンバスター。最後はアックスボンバーを炸裂させて3カウントを奪った。

大森「皆さん、今日は全日本プロレス、応援に来てくださいまして誠にありがとうございます!今、今、世界中が大変なことになってますけども、お互いに一緒に頑張ってこの状況を乗り越えましょう!そして全日本プロレス48周年、これからも皆さんよろしくお願いします!渕さん!一言お願いします!」
渕「いや、でも48周年。ホント、長いようで短いようで。ねえ、百田さん?なんて言っても、全日本プロレス、創立は1972年。たしかに48年です。その創立時代からずーっと全日本プロレスを見て下さっている、百田光雄さん。僕にとって数少ない先輩です。今、こうして穏やかな顔してますが、昔は前を通るだけでも足が震えた怖い先輩ですから(笑)百田さん、一言でいいんで、優しく、ちょっと……」
百田「えー、48年前、全日本プロレスが旗揚げしたときに、リングの上に立ってた選手は僕1人になってるんですけど、だけど、やっぱり全日本プロレスがあるのはお客さまのおかげだと思います。これからも全日本プロレス、よろしくお願い致します」
渕「これからも、来年は49年、来年は50周年!まだまだ全日本プロレスは躍進します!どうぞこれからも末永くよろしくお願いします。本日は本当にありがとうございます!」

第3試合


 アキラとイザナギでゴングが鳴ると、イザナギが握手を求め、アキラは警戒しながらもその手を握り返すがイザナギはその手を引き寄せながら側頭部へハイキック。さらにコーナーに叩きつけてからのジャンピングハイキック、ブレーンバスターと速攻を狙うが、HAYATOが慌ててカット。イザナギはHAYATOとアキラを場外に放り出すと、ゼウスがアキラを場外でリフトアップホイップ。
 ゼウスに代わると、ゼウスはアキラの後頭部へのエルボースタンプ連打、コーナーで喉元を踏みつけるなど首にダメージを集中させてからブレーンバスターで叩きつけ、首4の字固め。イザナギにタッチ。
 イザナギはサッカーボールキックを叩き込んでストンピングを連打も、アキラはエルボー連打で食い下がってスリングブレイドで一矢報いると、場外に逃れたイザナギへプランチャ。飛び出してきたゼウスにはHAYATOがスワンダイブ式ミサイルキックを叩き込んで場外に排除すると、HAYATOはトップロープを踏み台にしたプランチャで後を追う。
 アキラとHAYATOはイザナギをリングに戻すと、2人でロープに振り、アキラのリープフロッグを身を低くしてくぐってきたイザナギへHAYATOが低空ドロップキック。さらにアキラが両足を落とすギロチンドロップで追撃し、HAYATOにタッチ。

 HAYATOは串刺しジャンピングバックエルボーからフェイスクラッシャー。さらにHAYATOはスワントーンボムを発射するがイザナギがこれを回避して自爆させ、ゼウスにタッチ。
 ゼウスは串刺しラリアットからチョークスラムで叩きつけ、ゼウスが肩車したHAYATOへイザナギがミサイルキックを浴びせる大阪インパクトを炸裂させる。代わるイザナギはHAYATOをコーナーに振ってジャンピングハイキックを狙うが、HAYATOがトラースキックでカウンターし、アキラがメテオラで追撃。HAYATOが5日の後楽園ホール大会でイザナギから3カウントを奪ったジャックナイフ式エビ固めを繰り出すも、今回はカウント2。アキラがイザナギを羽交い締めにし、そこへHAYATOがトラースキック。その勢いを借りたアキラがホップアップ式ジャーマン・スープレックスで叩きつけ、HAYATOがコークスクリューキック。

 ゼウスがカットに来ると2人で突撃していくが、ゼウスはダブルフライングラリアットでなぎ倒し、アキラを場外に放り出そうとするが、アキラはロープの反動を利用して跳び、ゼウスへYukataを見舞って場外に叩き出し、トペ・コンヒーロで追撃。

 HAYATOはイザナギへしまなみドライバーを狙っていくが、イザナギは仙人の首固めで切り返してバズソーキックを発射。HAYATOはこれをかわしてスクールボーイ、イザナギは首固め、HAYATOがラ・マヒストラルからのトラースキックを叩き込むが、イザナギも怯まずトラースキックからのハイキックで反撃。イザナギがロープに飛ぶとHAYATOは追走ドロップキックをたたきこみ、ファルコンアローで叩きつけてから再びしまなみドライバーの体勢へ。
 しかしここでアキラを振り切ったゼウスがリングに上ってくるとHAYATOは技を解いてゼウスをトラースキックで撃退。その一瞬の隙を見逃さなかったイザナギが組み付いて仙人の首固めで3カウント。
 カウント2で返したつもりだったHAYATOはすぐにまたしまなみドライバーを狙っていくが、レフリーに試合はもう終わったことを告げられると信じられないといった表情で猛抗議も裁定は覆らず、アキラとともに肩を落として去っていった。

<試合後コメント>

ライジングHAYATO&フランシスコ・アキラ
アキラ「イザナギとゼウスはとても強いって知っていたよ。だけど僕たちの中で倒すイメージは出来ていたんだ。僕たちのすぐ目の前まで勝利は来ていたんだ!本当に悔しいよ。ただ、僕はまだ20歳。HAYATOは21歳。まだまだ僕たちは闘って、闘って、闘って!強くなっていつか必ずあの王座を手にする!今日は勝てなくて本当にごめんなさい。またHAYATOと一緒に頑張っていくよ」
HAYATO「結果は、どういう形であれ3カウント取られたんで、僕とアキラの実力がまだまだだったという、その結果です。アキラは10代の頃から母国のイタリアからこの異国に来てプロレスで夢をつかもうとしています。そして僕も愛媛から東京の全日本プロレスに来て、アジアタッグを獲って『ローカルレスラーの星になる』という目標を持ってやってきました。でも、正直言って僕たち2人は、身体も大きくないし、生まれた場所も、育った場所も、決してプロレスが盛んな場所じゃなかった。この時点で『プロレスの神様に選ばれてないんだな』って、そう思っていました。今日、この結果を受けてまだプロレスの神様は僕たち2人に振り向いてくれない。ここから何年かかっても、何十年かかってもいつか絶対に僕たち2人はプロレスの神様を振り向かせます。今日はありがとうございました」

第4試合


 世界最強タッグ開幕を前に出場メンバーたちで行われる呉越同舟の6人タッグマッチ。試合前から宮原は関本に突っかかって不穏な空気を醸し出し、かつてECWで暴れまわったTAJIRIは竹刀を、田中はパイプイスを持って入場し2人で見得を切る。
 宮原と田中でゴングが鳴ると両者じっくりとした腕の取り合いからグラウンドでの首の取り合いを展開し、一旦クリーンブレイク。ロープに飛んだ田中をフロントハイキックで迎撃した宮原は続けてドロップキックを放つも、田中はこれを回避して自爆させスライディングDを発射も宮原は寸前でこれを回避。両者距離を取ってタッチに向かうが、自軍コーナーに歩み寄ってきた宮原へ関本が逆水平チョップを叩き込んでタッチの代わりとする手荒い対応。
 関本とジェイクの対面となると、関本がショルダータックルで吹き飛ばしてラリアットを狙うが、ジェイクはその腕を取って脇固め。関本がロープブレイクするとジェイクはうやうやしくお辞儀して挑発。
 TAJIRIと青柳の対面となると、TAJIRIが青柳をハンマーロックで捕らえ、青柳があらゆる方法で脱出を試みても追随してハンマーロックで絞り続ける巧みなグラウンドテクニックを見せる。青柳が残る腕でエルボースマッシュを放って脱出するとTAJIRIもナックルで反撃。青柳がTAJIRIをロープに振ると田中がブラインドタッチして試合権利を得る。
 このタッチに気づかなかった青柳は場外に逃れたTAJIRIを追おうとするが、その背後から田中がジャンピングエルボー。チンロックから首4の字固めで痛めつけ、青柳がブレイクするとジェイクにタッチ。
 ジェイクはレッグラリアートからPKを発射も、青柳はこれをキャッチしてドラゴンスクリュー。宮原にタッチ。
 宮原は得意のドロップキックコンビネーションからマッスルポーズを決め、三三七拍子でのコールを煽り始めるが、その間にジェイクが復活してフロントハイキック。両者エルボーで打ち合い、宮原がヘッドバッドを見舞えばジェイクもキチンシンクで反撃。宮原は怯まずフロントハイキックを叩き込んで距離を取り、満を持してのブラックアウト発射を狙うが、自軍コーナーの近くに居たため関本が無理矢理タッチして宮原から試合権利を奪い取る。
 関本は串刺しショルダータックルからブレーンバスター、アルゼンチン・バックブリーカーと攻め立てるが、ジェイクは担ぎ上げられながらのスリーパーホールドで反撃し、着地して関本とエルボー合戦を展開。ジェイクは関本の腕を取って腕へのニーリフトを叩き込むと関本は腕を抑えてうずくまるも、関本は敢えてその腕でラリアットを叩き込み、両者タッチ。
 田中と青柳の対面となり、突っ込んでくる田中をビッグブートで迎撃した青柳がフォアアームからダイビングクロスボディ。さらに宮原と関本を呼び込んでトレイン攻撃を狙うが、宮原と関本が仲違いしていたため攻撃が遅れ、その間にTAJIRIが宮原の足を引いて場外に引きずり出す。
 TAJIRIは宮原の頭を竹刀で殴りつけ、リングの下から取り出したテーブルを組み立てて宮原をセット。コーナーに上った田中がテーブル上への場外スーパーフライを狙うが、青柳がコーナーに追いすがって雪崩式ブレーンバスターで阻止し、レッグロールクラッチ。これを田中がキックアウトすると青柳がロープ際に吹き飛ばされ、TAJIRIが場外から竹刀で殴打。ふらついて倒れ込んだ青柳に田中がスライディングDを叩き込んで3カウント。
 TAJIRIと田中はそれぞれの獲物を掲げながら見栄を切って勝ち名乗りを上げた。

田中「イスも使ってへん。テーブルも使ってへん。それなのにこのザマか。お前、全日本の顔の1人やろ。次当たるときは、そのテーブルの上でお前を木っ端微塵にしたるからよう覚えとけ!その先になにがあるか、俺はここに確かめに来た。じゃあな!」

第5試合


 この日の大一番に向け、亮生は新コスチュームに髪を明るく染めた新しい装いで登場。
 ゴングが鳴ると手4つで組み合ってからロープに押し込み合い、亮生が離れ際にエルボーを放つ勝ち気な姿勢を見せる。岩本はショルダータックルでなぎ倒してロープに飛ぶが、亮生はリープフロッグでかわしてドロップキックで岩本を場外に叩き出すとプランチャを発射も、岩本はこれをキャッチして鉄柵へギロチンホイップ。さらに場外DDTで亮生を突き刺していく。


 岩本は亮生をリングに戻すとスイングネックブリーカー、チンロック、ヘッドシザース、喉元へのニードロップからSTFと首から上へ攻撃を集中させ、ロープブレイクした亮生に立ち上がる猶予も与えず上からエルボー連打で潰していく。岩本はさらにブレーンバスターを狙うが、亮生が着地して延髄斬り。岩本がヒップトスを狙うと跳ね上げられた反動を使ったドロップキックを叩き込むハイフライヤーとして身に着けた返し技の数々を見せ、場外に逃れた岩本へトルニージョ。

 亮生は岩本をリングに戻すとミサイルキックで対角線上のコーナーに吹き飛ばし、さらに長距離を飛んでの串刺しドロップキック。さらにムーンサルト・プレスを発射し、岩本がこれを回避すると両足でしっかり着地し即座に延髄斬りで追撃。そして得意のハンドスプリング式フォアアームを放つも、これを空中でキャッチした岩本が裏投げで叩きつけ、マジックスクリュー、ニーアッパー、ジャーマン・スープレックスと畳み掛けてからの孤高の芸術を狙うが、これを耐えた亮生が急角度のリバースフランケンシュタイナーで切り返す。

 亮生はハンドスプリング式レッグラリアートからロコモーション式のフィッシャーマンバスターを3連発。さらに美しい弧を描くムーンサルト・プレスを決め、いざ必殺のファイヤーバード・スプラッシュの体勢へ。
 しかし岩本は下から組み付いて雪崩式の背負投からラリアット。さらにブレーンバスターからの孤高の芸術を完璧に決めると亮生も肩を上げられず3カウント。

<試合後コメント>

岩本煌史
「よし!世界ジュニアV3!まだまだ3回目だけど、この1回の積み重ねっていうのが、ホントどれだけ大変かって、本当に身に染みますね、毎回防衛する度に。今までの自己新が2回。今日更新して3回ですから。やっぱ1回1回の重みってのがありますし、全部タイプ、違う。ベルトを取り返した横須賀選手、ジュニアだけどジュニアらしからぬパワー、田村男児。真っ直ぐ実直なファイト、日高さん。メチャクチャテクニシャンな技巧派、亮生。今まで全日本にはいなかった飛び技を多用するタイプ。やっぱ色んな種類があるし、チャンピオンは色んなタイプに対応してかなきゃいけない、勝たなきゃいけない。色んなタイプだ、色んなタイプ。分かるか?この意味が。もう次から最強タッグに入るんだ。次。次のシリーズ。自分はジュニアながらエントリーされてるから、世界ジュニアの防衛戦っていうのは、ほぼほぼ、もう事実上今日で、今年2020年は終わり。フィニッシュだ。全日本の、全日本プロレスの世界ジュニアヘビー級王者として、あのヘビー級たちの猛者の中の、最強タッグで証明してやるよ。勝ってやるよ。『ジュニアだから負けたかぁ』とか、『ジュニアだからやっぱヘビーに勝てないかぁ』って……違うって。あぁ!小さいからこそデカい奴に勝った方が面白いんだよ。それを俺が証明してやるよ。ジェイク・リーと去年出れなかった悔しさもあるからね。去年はアジアタッグチャンピオンとして出れなかったから。それを、ね。2年分の想いっていうのを俺が最強タッグでぶちかましてやる。で、亮生に関して。売生に関しては……どうだろ。シングルしたのはもう多分、半年以上ぶりかな?やっぱもう、全然違う。別人。顔つきも違うし、体つきも違うし。『怪我で遅れ取った』て彼は言っているけど、怪我で彼の気持ちだったり、『何糞!』っていう反骨精神っていうものは、絶対、誰よりも多分若い中で強くなってるんじゃないかなって今日実感しましたし、あと、試合で、アイツは昔はなんか丸め込み使うイメージがあったんですけど、今日1回も使わなかった。ということは、あいつはもう自分の技に自信を持っているっていうことなんで。このまま磨いていけばいいと思うし、また成長していくだろうし、そんときにまたね、俺がね、このままチャンビオンに居座って、また挑戦を受けたいと思うし、あいつも努力を積み重ねるだろうけど、俺もそれに負けない……いや、追いつかせないぐらい積み重ねて先行くから。待ってるぞ。……楽しかった」
 

第6試合


 諏訪魔と芦野でゴングが鳴ると、ともにレスリングをバックボーンに持つ2人が目まぐるしいバックの取り合いを展開し、揉み合いになりつつロープブレイク。芦野がヘッドロックで捕らえると諏訪魔はいきなりのバックドロップを狙うが、着地した芦野が足を刈ってアンクルロックの体勢へ。諏訪魔は決まり切る前に下から蹴り上げて距離を離すと、両者にらみ合いながらタッチへ。
 石川と羆嵐のスーパーヘビー級同士の対決となると、ロックアップで組み合って押し合う純粋な力比べから、無限に続くかと思われるショルダータックルでのぶつかり合いといった全日本プロレスを象徴するような肉弾戦を展開。これに打ち勝った石川がロープに飛ぶも、場外から芦野が石川の足をキャッチして動きを封じると羆嵐がラリアットで石川を場外に叩き落とし、場外に倒れた石川へ羆嵐がエプロンを駆けてのダイビングセントーンで圧殺。羆嵐は石川をリングに戻すと芦野を背負って2人分の体重で石川を踏みつけた後にセントーンを見舞い、芦野にタッチ。
 芦野は石川の足に狙いを定め、ヒザへのエルボードロップ2連発からアキレス腱固め。そこへ羆嵐がセントーンで降ってくるという同時攻撃を展開。芦野は雷電ドロップで追撃してから羆嵐にタッチ。
 羆嵐は両手を広げて打撃を誘い、石川が膝立ちになりながら弱々しいチョップを放っていくと顔面を蹴飛ばして芦野にタッチ。
 芦野は胴締めから胴締めスリーパーに移行し、石川がブレイクすると羆嵐にタッチ。
 羆嵐は大の字になった石川をぶっこ抜いて担ぎ上げてからシュミット式バックブリーカー。さらにセントーンで追撃してからラリアットを狙うが、石川が重爆ドロップキックでカウンターしてようやく諏訪魔にタッチ。
 諏訪魔は羆嵐をフライングショルダーで吹き飛ばして「投げるぞオイッ!」とラストライドを宣言。ここに芦野がカットに入り、2人で諏訪魔にエルボーを放っていくも、諏訪魔は1人で2人を相手取ってダブルチョップを見舞い、それぞれをラリアットでなぎ倒す。さらに諏訪魔は羆嵐を引き起こすが、羆嵐は下から諏訪魔を担ぎ上げてバックフリップを見舞い、芦野にタッチ。

 芦野は倒れたままの諏訪魔をぶっこ抜きのサイドスープレックスで叩きつけると、エルボースマッシュを連打。諏訪魔がエルボーで反撃すると、芦野は組み付いてフロントスープレックスからジャーマン・スープレックス。しかし諏訪魔も即座に起き上がってジャーマン・スープレックスでやり返す意地を見せ、芦野もスライディングエルボースマッシュを見舞ってやられたままでは終わらせず、両者タッチへ。
 再び石川と羆嵐がショルダータックルでぶつかり合い、これを制した石川が串刺しラリアット、セカンドロープからのダイビングフットスタンプを見舞い、諏訪魔を呼び込んで合体攻撃を誘う。羆嵐は暴走大巨人のトレイン攻撃をかわすとそれぞれにラリアットを叩き込み、諏訪魔へセカンドロープからのダイビングセントーン。さらに羆嵐は石川をアルゼンチン・バックブリーカーで担ぎ上げるが、その背後から諏訪魔が組み付いて羆嵐をジャーマン・スープレックス。

 ここ最近は誤爆などが続き、仲違いしてきた暴走大巨人だが、ここで諏訪魔が「石川選手!」と右手を差し出すと石川はその手をガッチリ握り返して絆の力を取り戻す。

 暴走大巨人は境川から諏訪魔のスロイダー、石川のランニングニーからファイアーサンダーと畳み掛けていくが、石川が宮原殺しを狙ったところで羆嵐がフライングクロスボディでカウンターし、さらにラリアット。ここで芦野が入ってくると、羆嵐を高々と持ち上げてホイップし、羆嵐がセントーンの形で押しつぶす連携攻撃を叩き込み、羆嵐が埼玉に乾杯!。さらに羆嵐がコーナートップからのダイビングセントーンを狙っていくが、諏訪魔が羆嵐の足にすがりついて妨害し、石川が雪崩式ブレーンバスター。これは芦野がカットするも、諏訪魔は怒涛のチョップ連打で芦野を怯ませ、芦野のジャーマン・スープレックスを受けても場外に道連れにするサポート。
 石川は羆嵐にドラゴン・スープレックス、ランニングニーを叩き込み、芦野がこれをカットすると諏訪魔がバックドロップで排除。暴走大巨人はサンドイッチ式のローリングラリアットを見舞い、ロケット・ブロッサムを炸裂。最後は石川がカミゴェ、ランニングニー、奥の手のジャイアントスラムとラッシュをかけて3カウントを奪った。

石川「芦野、羆嵐。メチャメチャ強かった。諏訪魔さんとケンカしたままだったら勝てなかったです。いやぁ、45歳になって何ケンカしてんだっていう、客観的に見たらすごい恥ずかしかったんだけど、45歳だから中々謝れずにいて、どうもすみませんでした!」
諏訪魔「すみませんでした……ホント、俺の馬鹿さでさ、問題起こしちゃって申し訳ないよ……。俺も色々あったけどさ、やっぱ、最高のね、仲間をさ、このまま喧嘩別れするのはいかがなものかと思ったんだよね。ホントに申し訳ない!次さ、最強タッグもあるし、2年連続のさ、優勝を目指してさ、よろしくお願いします!」
石川「えー、ちょっと、最強タッグ前の後楽園が、40オーバーの2人がお互い謝罪して終わるのもちょっと忍びないんで、ちゃんと締めたいと思いますんで……」
諏訪魔「ちょっとさぁ、石川選手、さっき45っつったけど、俺まだ43だから。そこだけ言いたかった」
石川「……すみません、僕の個人的な意見でした、すみません。えー、いやあ、まあ、ね。色んな大変なときですけど、この会場に来たお客さん、楽しんで帰ってもらうために暴走大巨人、全日本プロレス、ガンガン闘っていきますんで、これからもよろしくお願いします!じゃあ最後に締めたいと思いますのでご起立をお願いします!行くぞ!のあとの『オー!』は心の『オー!』でお願いします(笑)来月18日から最強タッグが始まります。そこも盛り上げて、全日本プロレス、どんどん進んでいきますんで、これからもよろしくお願いします!行きます!行くぞーッ!俺たちは全盛期だ!オイッ!」

<試合後コメント>

諏訪魔&石川修司
石川「あぁ、ああ……本当にリング上でも言いましたけど、芦野、羆嵐。予想以上に手強かったですね。強かった」
諏訪魔「あぁ、つえーな」
石川「ちょっと、あんまりフィーチャーされなかったけど、羆嵐のパワーと破壊力は正直ヤバかったですね。本当に諏訪魔さんと、ホントにこんな仲違いしてる場合じゃ、絶対に勝てない相手だったんで。いや、ホントに、ちょっとね、自分も意地になってた部分があって、中々アレだったんですけど、戦いの中でそれはなんか純粋に助けを求めたっていうか、背中押されて。そういう面でも、プロレスっていいなと思います」
諏訪魔「いや、もう、石川選手に頑張ってもらっちゃってさ、今日はね。そこんとこ、なんかやっててさ、もう、なんか申し訳なくなったな、やってて。最後ねぇ、気持ちはね、繋がったから良かったんだけどさ、中々……。初めてだな、こんな人の前でごめんなさいするの。いやぁ、でもね、中々素直に言えねぇな!言えねぇもんなんだけどさ、まあね、ファンのみんながいるから言えるっつーのもあるけど、ただ、もうね、ここで結束出来たからにはさ、もう次はさ、最強タッグ2連覇、俺はしたいと思うんだよね。まだまだ伝説をさ、伸ばして、更新していくと、そういうつもりでいますよ、暴走大巨人で」
石川「そうっすね。結束したんで、最後華々しく優勝して、『2020年、やっぱり暴走大巨人だった』っていう1年で締めたいなと思います。やりましょう!」
諏訪魔「ありがとうございます!」
石川「ありがとうございました!」
(2人はガッチリと握手)

――今日の試合の中で今まで以上に誤爆をしないように意識した?
諏訪魔「いやっ、しましたね、今日だけは。だからさぁ、振ってきたじゃん。『行こう!』って。なんかこう、俺もね、ちょっと意識した。そこは。ヒヤッとする部分であったり」
石川「だから、『行こう!』って言ってからちょっと諏訪魔さんの入ってくるテンポがちょっと遅かったんで、逆襲されたんで、まだそこではちょっとまだしこりがまだありますね」
諏訪魔「いや、ちがーうよ。複雑に考えてたわけ」
石川「えぇ……?フフッ(笑)でも、今はもう大丈夫です。もう仲直りしましたんで」

――今まで組んできた中で解散の気持ちがよぎることはあった?
諏訪魔「無いですよ。ねえ?でも、『ここまで仲悪くなっちゃったら解散するしかねーんじゃねーの?』と、思ったよね。こんな感じでねぇ、戻れて俺は良かったな。戻れるもんなん だな。ああ。まあ、別れても戻る奴らもいるし。佐藤なんてよ、勝手に出てって、勝手に戻ってくる奴だから。またなんか、『再び』っつーのもあるんじゃないの?でも良かった。割れてねーんだから、今日は。割れては無いよ」

――これで気持ちよく世界最強タッグへ乗り込めると
石川「そうですね。ホントここ数年の最強タッグは、俺たち暴走大巨人が作ってきたと言っても過言じゃないと思うんで。やっぱ2020年も僕らが最強タッグを引っ張らないと面白くないと思っているんで。色んな魅力的なチーム、いっぱいいますけど、その中でも我々が結果と内容、全部独占しますか!」
諏訪魔「(あ)ったり前だよ!独占だよお前オイ!全部もう支配しよう!」
石川「独占して完全優勝。それで終わりですよ、2020年は」
諏訪魔 「台風だからもう!」
石川「……だいじょぶっすか?(笑)」
諏訪魔「荒らしちゃうよもう!」
石川「荒らしましょう」
諏訪魔「そうだよぉ!若い奴らに教えてやるお前!叩き込んでやるからお前!『ヤベーなアイツら』って!調子に乗ったら、次もう、誰も止められないからね!」
石川「ありがとうございました!」
諏訪魔「ありがとうございました!……あっ、ビールあるよ!(※祝杯用の缶ビールが置かれているのに気づいて)」
石川「いや、ちょっと飲めないんで……」
諏訪魔「運転だからなぁ~」

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