全日本12.14後楽園大会 和田京平レフェリー40周年&還暦記念大会、全試合を京平レフェリーがプロデュース
和田京平レフェリー40周年&還暦記念大会
〜和田京平プロデュース〜
日時:2014年12月14日(日)
開始:12:00
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1111人
▼第1試合 青柳優馬デビュー戦 20分1本勝負
○宮原健斗
8分25秒 逆エビ固め
●青柳優馬
▼第2試合 シングルマッチ 30分1本勝負
●中島洋平
11分23秒 変形フィッシャーマンズ・スープレックス→得簿固め
○佐藤光留
▼第3試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
本田多聞/井上雅央/○菊地毅
14分13秒 火の玉ボム→エビ固め
西村修/土方隆司/●野村直矢
▼第4試合 マスカラ・コントラ・マスカラ 30分1本勝負
Mr.クリスマス/●SUSHI
9分29秒 横回転エビ固め
マスクド・バーニング2号/○ウルティモ・ドラゴン
▼第5試合 GAORA TVチャンピオンシップ 60分1本勝負
[王 者]●鈴木鼓太郎
14分39秒 ダイビング・エルボードロップ→エビ固め
[挑戦者]○KENSO
※第4代王者・鼓太郎が5度目の防衛に失敗。KENSOが第5代王者となる
▼第6試合 世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○青木篤志
21分12秒 肩固め
[挑戦者]●渕正信
※第37代王者・青木が5度目の防衛に成功
▼第7試合 和田京平還暦記念試合 60分1本勝負
諏訪魔/○潮崎豪
18分22秒 ゴーフラッシャー→体固め
曙/●大森隆男
40周年&還暦の和田京平レフェリーが諏訪魔と潮崎のタッグをプロデュース!
渕は世界Jrに挑戦するも惜敗!KENSOが鼻血を出汁ながらGAORA TV王座奪取
オープニング
まずはこの日の主役である和田京平レフェリーがジェームス・ブラウンの『セックスマシーン』に乗って、ノリノリの様子で登場。リングに上がってマイクを持った京平レフェリーは「レフェリーをはじめて40年。馬場さんが生きていたら怒られると思います。レフェリーが目立つなって。でも秋山社長が『京平さん、やりましょうよ』って言ってくれて。還暦になりました。本当に感無量です。40周年で60歳……本当にいい数字だなと思います。僕が考えたカードなんです。1つずつ意味があります。何でなんだろうと考えながら楽しんでください」と挨拶した。
カード紹介のオープニングVTRでは各カードをマッチメークした理由を京平レフェリー自ら語った。マスクマン同士のマスカラ・コントラ・マスカラは「マスクマンが好きなんですよ。ウルティモ選手に『負けたらマスク脱げよ』って言ったら『いいですよ』って簡単に言ったんだよ」と語り、渕の世界ジュニア挑戦に関しては「やっぱり全日本のジュニアって渕君倒して初めて納得する」とコメント。メインに関しては「プロレスは大きい人のもんだからね」と馬場イズムを感じさせるコメント。
第1試合
1995年11月2日生まれで長野県松本市出身の青柳優馬(あおやぎ ゆうま)が、宮原を相手にデビュー戦。
青柳はデビューした頃の秋山準と同じ青いショートタイツとニーパット、白いシューズ。入場テーマ曲なしで入場。
まずはロックアップから宮原がヘッドロックで絞め上げる。どうにかロープに振って逃れた青柳だが、ショルダータックルでなぎ倒した宮原。エルボーで向かっていく青柳だが、受け止めた上でエルボーでなぎ倒した宮原は背中を蹴り飛ばすと逆エビ固めへ。
腕立てしながらロープに這っていく青柳だが、宮原はリング中央まで引きずり戻す。何とかロープに逃れた青柳は宮原のフロントキックを顔面に食らっても、マットを叩いて立ち上がるとカウンターのドロップキック。
さらにもう一発ドロップキックからボディスラムを狙うが、逆にボディスラムで叩き付けた宮原。だが、串刺し攻撃を蹴りで迎撃した青柳はコーナー二段目からミサイルキック。さらに何とかボディスラムで叩き付けるが、自らダウンするほどのダメージ。それでも気合いで立ち上がった青柳はコーナー最上段からミサイルキックを発射。カウント1で返した宮原は、カウンターのフロントキックからもう一度逆エビ固め。
これもロープに逃れた青柳をブレーンバスターで投げた宮原はエルボーで倒すと「立て!」と叫ぶ。必死で立ってエルボーを打っていく青柳だが、宮原はシュミット流バックブリーカーからリング中央での逆エビ固め。ロープににじり寄る青柳だが、リング中央まで戻した宮原が大きく背中を反らせると青柳はギブアップ。
試合後、青柳が起きるのに腕を貸した宮原は青柳の健闘を称える。観客から惜しみない拍手が贈られると、青柳は四方に一礼し、デビュー戦を裁いてくれた京平レフェリーと握手をかわした。
第2試合
お互いに牽制の蹴りを出してから中島がタックルを狙うが、光留はフロントネックロックで受け止める。ロープに押し込んでいった中島が離れ際にチョップを叩き込むと、光留もチョップで応戦。中島のミドルキックには光留もミドルキック。
ミドルキック合戦でお互いの胸板が真っ赤になる。そこかrボディスラムで叩き付けた光留はランニングロー。これをかわしてドロップキックで光留をエプロンに出した中島はドロップキック。しかし光留もエプロンからロープ越しにアームロックを決めると、ジャンピングハイを叩き込む。
リングに戻った光留は中島を蹴り飛ばすと、コーナーに押し付けるように踏んづける。しかし体勢を入れ替えた中島はダブルチョップを叩き込む。光留も蹴り返してからスリーパー。さらにサッカーボールキックを叩き込むと、エルボーで吹っ飛ばす。光留の串刺し攻撃を蹴りで迎撃した中島はハリケーン・ラナからドロップキック。
さらに串刺しドロップキックからミサイルキックを発射した中島はブレーンバスターを狙うが、光留は逆にブレーンバスターを狙う。これを背後に逃れた中島は卍固め。どうにかロープに逃れた光留は、バックを取った中島をカニ挟みで倒すとアンクルホールドへ。中島は延髄斬りで逃れようとしたが、かわした光留はグラウンドでガッチリとアンクルを極める。
何とか耐え抜きロープに辿り着いた中島。10分が経過して光留のバックドロップを回転エビ固めで切り返した中島は、さらに光留のハイキックをブロックしてソバット、スピンキック、ハイキックと叩き込む。カウント2で返した光留だが、中島はジャーマンで追い撃ちをかける。
だが、光留はキックアウトと同時にダブルリストロックに捉える。そのまま立ち上がった中島だが、強引に持ち上げた光留はニーリフトでカチ上げるとストレットボムの体勢からバックドロップで投げ、そのまま中島の腕を極めたままカバーして3カウントを奪った。
第3試合
菊地毅が久しぶりに古巣・全日本に参戦。井上と土方の先発で試合開始。ロックアップからロープに押し込んだ井上はまずはクリーンブレイク。再びロックアップすると、今度は土方がロープに押し込んでいき、離れ際に足を踏んづける。ここで西村にタッチすると、井上は本田にタッチ。
足を取って倒した西村はレッグロックからトーホールドへ。さらにアキレス腱固めに移行するが、本田もアキレス腱固めで対抗。そこに野村も入ってきて本田にアキレス腱固めを決めていくが、井上が入ってきてサミングでカットする。
西村が野村にタッチすると、本田は菊池にタッチ。エルボーを叩き込んでいく菊池だが、野村もエルボーで応戦。ヘッドバットを叩き込んだ菊池に続き本田もヘッドバット。さらに本田は井上の頭に野村を叩き付ける。強烈過ぎてダウンする井上に思わず菊池が「大丈夫か?」と声をかけるが、本田の指示を受けてなおも井上の頭に野村を叩き付ける菊池。
だが、野村も井上の串刺し攻撃を蹴りで迎撃するとミサイルキックを返して西村にタッチ。井上をコブラツイストに捉えた西村だが、どうにか耐え抜いた井上は本田にタッチ。
本田は串刺し攻撃を狙った西村をスタンディングの肩固めに捉える。さらにスピニング・トーホールドから足4の字固めを決めた西村だが、ロープに逃れた本田は西村のダイビング・ニードロップをかわすとラリアットを叩き込んで菊池にタッチ。土方とエルボー合戦を展開した菊池は、ローキックにも気合いで耐えたが、土方は張り手からのサッカーボールキック。
タッチを受けた野村はドロップキックの連打からミサイルキックを発射。だが、本田と井上が入ってきてトレイン攻撃を決めると、倒れた野村の上に本田が菊池を投げつける。野村も一瞬の隙を突いて菊池を首固めで丸め込むがカウントは2。
さらにドロップキックからコーナーに登るが、追いかけていった菊池はスパイダー式フロントスープレックスで投げると、ダイビング・ヘッドバットを投下。カウント2で土方がカットしたが、菊池はジャーマンで投げていくと、そのままホールドせずに起こして火の玉ボムで叩き付けて3カウントを奪った。
第4試合
敗者がマスクを脱がなければならないマスカラ・コントラ・マスカラ。SUSHIは新調した煌びやかな半被姿で登場すると、花道にいたちびっこをリングに上げてSUSHIダンス。マスクとコスチュームもクリスマス仕様の赤と緑。謎のバーニング2号は金丸とほぼ同じコスチュームで登場。最後にこの季節になると毎年現れるクリスマスは、袋の中からプレゼントを配りながら登場。
SUSHIとウルティモの先発で試合が始まると、SUSHIが「ヘイ、らっしゃい」ポーズ。コーナーで控えているクリスマスも「へい、らっしゃい」ポーズを披露。腕の取り合いからウルティモが腕固めに捉えると、足をすくって倒したSUSHIをコークスクリュー・シザースで投げていく。
タッチを受けたバーニング2号はドロップキック。SUSHIがクリスマスにタッチすると、足をすくって倒しレッグロックに捉える。さらにSUSHIとダブルのレッグスプリット。逆片エビ固めに捉えたSUSHIは、さらに地獄突きをお見舞い。
クリスマスとダブルのカウンターエルボーを狙うが、SUSHIが間違えてクリスマスだけがエルボー。「オイ!」とSUSHIに文句をつけたクリスマスだが、SUSHIは平謝りしながらコーナーに戻る。するとクリスマスはカニ挟みでバーニング2号を倒して619を狙うが、その前にSUSHIがエプロンから低空ドロップキックをバーニング2号に入れてしまい、クリスマスは619が出来ず終い。
ギクシャクしはじめるクリスマスとSUSHI。SUSHIはスペース・ローリング・エルボーをどうにか決めるとクリスマスを呼び込んでもう一度スペース・ローリング・エルボー。だが、あまりに不格好なスペース・ローリング・エルボーを見て、クリスマスは何もせずにコーナーに戻ってしまう。
タッチを受けたクリスマスはブレーンバスターを狙うが、踏ん張ったバーニング2号は逆に投げていき、ウルティモにタッチ。ローキックからドロップキック、ショルダースルーと決めていったウルティモはローリングソバットからロープに飛ぶが、クリスマスはジャンピングニーで迎撃すると、タッチを要求するSUSHIに渋々タッチ。
ラリアットからスワンダイブ式ミサイルキックを発射したSUSHIだが、ウルティモがかわして自爆。バーニング2号とのトレイン攻撃からウルティモがソバット→バーニング2号がダイビング・ヘッドバット。SUSHIも地獄突き、チンクラッシャー、トラースキックをウルティモに返すと、クリスマスがランニングニー。さらにSUSHIがダイビング・ヘッドバットを投下。
ここでSUSHIがウルティモを羽交い締めにしてクリスマスを呼び込む。クリスマスはラリアットを放っていくが、ウルティモがかわしてSUSHIに誤爆。すかさずウルティモがSUSHIをラ・マヒストラルで丸め込んで3カウント。
これでSUSHIがマスクを脱ぐことになり、クリスマスはさっさと帰ろうとするが、SUSHIが必死に呼び止める。リングに引き返したクリスマスだが、SUSHIに「脱げ!」と通告! 「誤爆したやん! 誤爆やん!」とクリスマスに抗議するSUSHIだが、ウルティモからも「SUSHI、残念だけど……」と言われてしまう。
観念したSUSHIがマスクを脱ごうとすると、ストップをかけたクリスマスが「いやいやクリスマス前にお前の汚い顔なんて誰も見たくない!」と言ってから「みんな、代わりに俺でいいかな?」とマスクを脱ごうとすると、バーニング2号とウルティモが「いや、代わりに俺が」とダチョウ倶楽部状態で名乗りを挙げる。
最後にSUSHIが「ちょ、ちょっと、しあ…試合に負けたのは俺なんで」と噛み噛みで名乗りをあげると、クリスマスが「大事な台詞を噛むなー! このアホ野郎!」と一喝。結局、クリスマスがマスクを脱ぎ、正体が秋山であることを明かすと「これで許してください!」と謝ってマスクをちびっこにプレゼント。ウルティモも京平レフェリーにソンブレロをプレゼントした。
2014全日本アワード発表
第4試合終了後、スクリーンではファンの投票によって決められた2014全日本アワードが発表。第5位は諏訪魔、第4位は青木篤志、第3位は大森隆男、第2位はジョー・ドーリング。そして第1位に選ばれたのはジャイアント馬場の意思を継いで新生・全日本の社長に就任した秋山準。
SUSHIマスクを被って登場した秋山は客席にSUSHIマスクを投げ入れると、抽選で選ばれたファンクラブ会員さんからトロフィーを受け取った。そして秋山は「皆さん、どうもありがとうございます。選手としてはもっとたくさんいる中で、選手を代表して来年からも頑張れよという全日本プロレスへの応援だと思い頑張ります。また来年もよろしくお願いします」と挨拶した。
第5試合
前回土方にGAORA TV王座を防衛した鼓太郎を襲撃したDK。鼓太郎に挑戦表明したDKに対して、鼓太郎はいきなり大将のKENSOを挑戦者に指名した。
鼓太郎が入場してくるのをリングサイドで待っていた土方は、鼓太郎にひと言声をかけると会場の隅へ移動してリングを見つめる。
ゴングが鳴ると握手を求めていったKENSOだが、鼓太郎は慎重に応じる。だが、次の瞬間、張り手を見舞っていったKENSO。鼓太郎もエルボーで反撃するが、KENSOはレフェリーを盾にする。しかしドロップキックでKENSOを場外に追いやった鼓太郎はトルニージョを投下。
KENSOをリングに戻した鼓太郎はセントーンを落とすと、スリーパーに捉える。鼻血を出したKENSOはロープに逃れると離れ際に張り手。しかし鼓太郎もビット(=ハンドスプリング・エルボー)を返すが、KENSOは鼓太郎をエプロンに追いやると張り手で場外に叩き落としてプランチャ。
そこからKENSOは鉄柵の外にイスの山を築くと、その上にブレーンバスターで叩き付ける。さらに東側の客席まで連れていってブレーンバスターを狙うが、これは鼓太郎が逆に投げて客席に叩き付ける。
リングサイドまでKENSOを連れて戻った鼓太郎は鉄柱に叩き付けてからリングに戻すと、ファンネル(=619)から地獄の断頭台。しかしKENSOも串刺しラリアットから張り手を返すと、葉隠れ2(=クローホールドSTO)でなぎ倒す。
鼓太郎はどうにか反撃しようとコーナーに登っていくが、張り手を見舞っていったKENSOは追いかけていくと、雪崩式ブレーンバスター。鼓太郎は空中で身体を捻るが、不十分な体勢でマットに叩き付けられる。それでも走り込んだ鼓太郎だが、KENSOは張り手を連打。10分が経過し、鼓太郎はエルボーの連打からボディへのローリングエルボー。
さらにヘビー級のKENSOをブルーディスティニーで叩き付けるがカウントは2。鼓太郎はランニングエルボーでカウント3寸前まで追い込むが、タイガードライバーをリバースで切り返したKENSO。鼓太郎はならばとエンドレスワルツ(=連続ラ・マヒストラル)で連続カバーするがカウントは2。
鼓太郎の串刺し攻撃をレフェリーを引き込んで誤爆させたKENSOは、場外に出て鉄柵攻撃。さらに本部席のベルトを強奪したKENSOはリングに戻ってベルトで殴打しようとするがキャッチした鼓太郎はドロップキック。しかし、これをかわしたKENSOは走り込んだ鼓太郎をベルトで殴打すると、ベルトの上にブレーンバスターで叩き付ける。
カウント2で返した鼓太郎にダイビング・エルボードロップを投下してKENSO。カウント2で返されると、もう一発ダイビング・エルボードロップ。これもカウント2で返した鼓太郎だが、KENSOは垂直落下式ブレーンバスターからダメ押しのダイビング・エルボードロップを投下して3カウント。
GAORA TVの真っ赤なベルトを腰に巻いたKENSOはニヤリと笑ってマイクを持つと「しゃべってもいいですかー? しゃべってもいいですかー? しゃべってもいいですかー?」と叫ぶ。そこに土方が現れてエプロンに上がってくると、KENSOは「OK、次の挑戦者は土方、お前だ。それでもいいですかー? お前らにプレゼントだ、よく見ておけよ」と言ってコーナーに登ると、DKを結成してからは封印していたエル・アギラ・インペリアルのポーズを披露。
そんなKENSOに向かって土方は「オイ、KENSO。お前にもお前が巻いているベルトにも用はねえ。鈴木が俺以外の奴に負けるのが気に食わねぇ。鈴木の無念は俺が晴らします。ベルトがかかっている以上、正々堂々勝負させてもらいますからね」と宣戦布告した。
第6試合
和田京平レフェリープロデュースということで全日本プロレスの重鎮・渕正信が青木の持つ世界ジュニア王座に挑戦。渕のセコンドには菊池、本田、井上、金丸と馬場全日本の頃に入団した選手がつく。
ガッチリと握手を交わしてから試合開始。ロックアップからロープに押し込んだ青木だが、まずはクリーンブレイク。カニ挟みで倒した渕は腕を取って捻りあげる。さらにフルネルソンに捉えるが、青木もフルネルソンで切り返す。
渕はサーフボードストレッチで切り返すと、青木は反転しようとするが、渕はなかなかそれを許さない。技をかけている渕もスタミナを消耗した様子だが、それでも青木に反転を許さず、青木はロープに脱出。腕十字を狙った青木だが、渕がクラッチするとキーロックに移行。渕はロープに足を伸ばすが、青木はブレイクすると見せかけて腕十字。
悲鳴をあげながら場外に逃れた渕は充分にインターバルを取ってからリングに戻る。しかし青木はロープに渕の左腕を絡ませて絞め上げると、そのまま肘関節を極めていく。サミングで脱出した渕はショルダータックルで青木をなぎ倒すとボディスラムで叩き付ける。
しかし渕のドロップキックをかわした青木は逆にドロップキックで渕を場外に追いやると、「立てよ、立てよ! 早く!」と叫び、渕が立ったところにスライディングキック。そして渕をリングに戻してミサイルキックを発射した青木はコーナーへ。だが、渕は遠ざかるように転がって対角線上のコーナー下へ。
コーナー上で棒立ちの青木はそのままマットに降りて渕に串刺しジャンピングエルボー。10分が経過し、渕はロープに走ることも出来ないほどスタミナをロス。スリーパーで絞め上げていった青木だが、渕は何とかロープに脱出。グッタリする渕にナックルを叩き込んでから踏みつけていった青木。
青木「もうダメだろ?」と言うが、京平レフェリーは「まだまだ」とストップするつもりがない様子。渕もナックル攻撃にナックルパートを返していくと、脳天唐竹割りから袈裟斬りチョップを乱打。しかし、またもドロップキックを自爆させた青木はスリーパー。これをバックドロップで切り返した渕は、さらにもう一発。
エプロンにエスケープした青木にドロップキックを見舞って場外に落とした渕だが、青木をリングに戻すと、ボディスラム、ドロップキックからバックドロップ4連発。これをカウント2で返した青木だが、渕はさらにバックドロップ2連発。3発目を着地した青木は胴絞めスリーパーに捉える。
そこからカバーした青木だがカウントは2。ならばともう一度スリーパーに捉えた青木だが、渕はロープに脱出すると、青木のバックドロップを身体を捻って押し潰す。しかしカウント3寸前で返した青木は顔面へのスライディングキックからノーザンライト・スープレックス。さらにチキンウイング・フェースロックを狙うが、渕は投げて逃れるとバックドロップの体勢に。
しかし青木はヘッドロックで絞め上げて阻止すると、そこからスリーパーへ。ロープに伸ばした渕の左腕を掴んで巻き込んだ青木はコブラクラッチのような肩固めで絞め上げる。これで渕もついにギブアップ。
王座を防衛した青木が大の字に倒れた渕に声をかけると、立ち上がった渕は青木とガッチリ握手。青木が足早にリングを降りていくと、マイクを持った渕が「京平ちゃん、お互いに40年、還暦。今日はどうもありがとう。皆さん、どうもありがとうございました」と“同期”であり“同志”の京平レフェリーと握手を交わした。
第7試合
和田京平還暦記念試合として諏訪魔と潮崎がタッグを組んで、曙&大森と対戦。四者、緊張感でピリピリとしたムードを漂わせながら入場。しかし最後に「レフェリー、和田京平」とコールされると、「キョーヘー」コールと共に大量の紙テープが投げ込まれた。
拍手で京平レフェリーの40周年と還暦を祝福した曙が先発で出て来ると、潮崎を一瞥した諏訪魔が先発で出ていく。曙がショルダータックルでなぎ倒していくと、大森にタッチ。潮崎がタッチを要求するが、諏訪魔は無視。大森をコーナーに押し込んでいった諏訪魔に潮崎がもう一度タッチを要求すると、諏訪魔は軽く張り手を見舞ってタッチ。
しかし京平レフェリーがそれをタッチと認めず、諏訪魔は渋々潮崎の手にタッチ。ロックアップした大森がロープに押し込むが、ここはクリーンブレイク。腕の取り合いからヘッドロックに捉えた大森だが、潮崎もヘッドロックで切り返す。ロープに飛ばした大森は潮崎をショルダータックルを受け止めるとチョップを叩き込む。
潮崎も逆水平チョップで対抗すると、カウンターエルボーからフロントネックロック。大森がそのままコーナーに押し込むと、諏訪魔が勝手に潮崎にタッチしてリングイン。串刺しラリアットからスロイダーで投げた諏訪魔はフロントキック。チョップを返した大森をダブルチョップでなぎ倒した諏訪魔はジャンピング・エルボードロップ。
さらに軽くチョップするように潮崎にタッチすると、潮崎が諏訪魔を呼び込んでダブルタックルを試みるが、諏訪魔は合体攻撃を拒否。潮崎はダイビングショルダーを狙うが、大森はエルボースマッシュで迎撃。アゴをカチあげられた潮崎は場外にエスケープするが、曙が鉄柵に叩き付けていく。
苦しそうにリングに戻った潮崎にナックルを見舞っていった大森は曙にタッチ。豪快なチョップを叩き込んだ曙は潮崎の上に乗っかって全体重を乗せていく。10分が経過し、潮崎も脳天チョップからブレーンバスターを狙うが、突き飛ばした曙はコーナースプラッシュからエルボードロップ。
続くボディプレスをかわした潮崎は、ついに手を伸ばした諏訪魔にタッチ。ショートレンジラリアットを連打した諏訪間は走り込んでのラリアットで曙をなぎ倒す。「投げるぞ!」と叫んだ諏訪魔はパワーボムの体勢。しかしリバースで切り返した曙。諏訪魔は背後からスリーパーに捉えるが、コーナーに押し込んで脱出した曙h、走り込んだ諏訪魔をスクラップバスターで叩き付けて大森にタッチ。
ビッグブーツからニールキックを叩き込んだ大森は、パイルドライバーの体勢。リバースで切り返した諏訪魔は素直に潮崎にタッチ。逆水平チョップからブレーンバスターを狙った潮崎だが、踏ん張った大森はビッグブーツを狙う。これをかわしたジャンピングショルダーを決めた潮崎はフィッシャーマンバスター。
カウンターのビッグブーツを返した大森だが、そこに諏訪魔が飛び込んできて大森のバックを取る。潮崎がトラースキックでアシストしようとしたが、大森がかわして諏訪魔に誤爆。潮崎に諏訪魔が詰め寄って突き飛ばすと、曙がショルダータックルで2人まとめて吹っ飛ばす。さらに大森が走り込むが、潮崎はカウンターでドロップキック。
カバーした潮崎だが、その上から曙がボディプレス。一番下の大森も大きなダメージを負ったが、曙は潮崎にコーナースプラッシュからエルボードロップを落とすと「大森、行けよ!」と指示。
大森を起こした曙はトレイン攻撃を狙ったが、諏訪魔が飛び込んできて1人で2人にチョップ。すると潮崎が大森のバックを取って諏訪魔を呼び込む。諏訪魔のフロントキックはまたも大森がかわして誤爆。またも小競り合いをはじめる諏訪魔と潮崎に、曙と大森が襲いかかるが、それぞれが迎撃すると諏訪魔は曙を連れて場外へ。
リング上では潮崎が大森にトラースキックを放つが、蹴り脚をキャッチした大森はアックス・ギロチン・ドライバーで叩き付ける。カウント2で何とか返した潮崎に、大森はトドメのアックスボンバーを狙うが、かわした潮崎は逆にラリアットを狙う。これを相打ちに持ち込んだ大森だが、潮崎は豪腕ラリアットで大森を吹っ飛ばす。そしてダメ押しのゴーフラッシャーで叩き付けて3カウント。
和田京平還暦セレモニー
試合終了後、出場選手がサンタ帽を被ってリング上へ。その真ん中には和田京平レフェリーが立つ。まずは秋山社長から赤井ちゃんちゃんこがプレゼントされる。やや照れくさそうに京平レフェリーがちゃんちゃんこを着ると、周りの選手から「似合いますよ」という声が飛ぶ。
続いて役員を代表して諏訪魔専務が記念品を贈呈。さらに曙からは花束が手渡され、最後に選手会を代表して潮崎会長から、いつもの白いリングシューズに赤いラインの入った“還暦シューズ”がプレゼントされると、京平レフェリーは嬉しそうに「まだ(レフェリー)やれって? いや〜ありがとうございます。何か本当にやらなきゃいけないな」とつぶやいた。
京平レフェリーを中心に記念撮影をしたあと、マイクを持った京平レフェリーが「感無量です。ありがとうございます。今年最後の全日本の大会で和田京平がレフェリー40周年、還暦……何かすごいハッピーで、昔馬場さんが還暦を迎えた試合を思い出します。何か本当にありがとうございます。先ほど選手会から靴をもらってビックリしたんだけど、まだ10年(レフェリーを)やらなきゃいけない!(※観客大歓声)まだまだ頑張ります。全日本プロレス応援してください。よろしくお願いします」と挨拶すると、選手たちで京平レフェリーを胴上げした。