【試合詳細】6・23 新日本プロレス無観客試合 小島聡vsEVIL 後藤洋央紀vs高橋裕二郎 天山広吉vsYOSHI-HASHI YOHvsBUSHI オカダ・カズチカ&石井智宏&矢野通&SHOvs内藤哲也&SANADA&鷹木信悟&高橋ヒロム
『NJPW WORLD Special NEW JAPAN CUP 2020』
日程:2020年6月22日(月)
開始:19:00
会場:非公開
観衆:無観客試合
▼「NEW JAPAN CUP 2020」1回戦 時間無制限1本勝負
[CHAOS]●YOH
15分42秒 エムエックス→片エビ固め
[L.I.J]○BUSHI
※BUSHIが『NEW JAPAN CUP 2020』2回戦進出
▼「NEW JAPAN CUP 2020」1回戦 時間無制限1本勝負
●天山広吉
17分35秒 バタフライロック
[CHAOS]○YOSHI-HASHI
※YOSHI-HASHIが『NEW JAPAN CUP 2020』2回戦進出
▼8人タッグマッチ 30分1本勝負
[CHAOS]オカダ・カズチカ/石井智宏/△矢野通/SHO
12分28秒 両者リングアウト
[L.I.J]内藤哲也/SANADA/鷹木信悟/△高橋ヒロム
▼「NEW JAPAN CUP 2020」1回戦 時間無制限1本勝負
[CHAOS]○後藤洋央紀
16分40秒 GTR→片エビ固め
[BULLET CLUB]●高橋裕二郎
※後藤が『NEW JAPAN CUP 2020』2回戦進出
▼「NEW JAPAN CUP 2020」1回戦 時間無制限1本勝負
●小島聡
20分8秒 EVIL→片エビ固め
[L.I.J]○“キング・オブ・ダークネス”EVIL
※EVILが『NEW JAPAN CUP 2020』2回戦進出
EVILが小島との壮絶ラリアット合戦を制してNJC2回戦進出!YOSHI-HASHIが天山とのシングル初対決で白星!矢野のバリカンにトラウマが蘇るヒロムが会場外まで逃走!
第1試合
例年のNJCでは見られない、そして今大会唯一のジュニアヘビー級同士の1回戦。
ゴングが鳴るとロックアップでYOHが押し込んで離れ際にチョップを放つと両者張り手で打ち合っていき、YOHが突っ込むとBUSHIがフランケンシュタイナーで場外に放り出しトペ・スイシーダを狙っていくが、YOHは即座にリングインして逆にBUSHIを場外に出してプランチャで追撃。
リングに戻るとYOHは高速ブレーンバスターで叩きつけるが、今度はBUSHIが自ら場外へエスケープ。YOHが追っていくとBUSHIは鉄柵に叩きつけて対抗し、鉄柵を使ったスイングネックブリーカー。YOHが場外カウント18でリングに戻ると、BUSHIはロープを使ったフェイスロック、YOHのエルボーを余裕の様子で受け止めてスイングネックブリーカー、コーナーに押し付けて張り手を連打していくが串刺し攻撃を狙ったところでYOHがカウンターでスペースローリングエルボー。
YOHはフライングフォアアーム連発からコーナーに駆け上ってミサイルキック、さらにドラゴンスクリューからの足4の字固め。BUSHIがブレイクするとYOHはパーフェクトドライバーで叩きつけさらに追撃を狙っていくが、BUSHIはカウンターのドロップキックを突き刺し、自らはエプロンに出てロープを挟んでエプロンにDDTで突き刺し、ライトニングスパイラル。BUSHIはコーナーに上がってエムエックスを狙うが、YOHはこれをキャッチしてジャーマンスープレックスホールドを2連発。さらにドラゴン・スープレックスを狙うが、BUSHIがこれをバックスライドで返すとYOHは顔面へトラースキック。
YOHがBUSHIを引き起こすとBUSHIは張り手を見舞い、YOHも左右の張り手で対抗。BUSHIの延髄斬り、YOHのソバット、トラースキックが飛び交い、YOHのジャーマンスープレックスを切り返したBUSHIがバッククラッカー、さらにロープへ飛んでいくが、YOHは3Kを放つ際に自身が繰り出す空中で組み付いてのコンプリートショットからスターゲイザーへ。BUSHIがロープブレイクを目指すとリング中央に引き戻してドラゴン・スープレックスを狙うが、BUSHIが脱出してコードブレイカー。BUSHIはファイヤーマンズキャリーから旋回させてコードブレイカーへ持ち込む新技を見せ、最後はエムエックスで3カウント。
<試合後コメント>
BUSHI「これで、文句なし。2回戦進出だよ! この『NEW JAPAN CUP』。何度もやってるだけに、小松、しぶとい。でもな、ここからだよ。(※上を指さして)天山、YOSHI-HASHI。どっちかだろ? 俺にとっても、おいしい相手だから」
YOH「(※足を引きずってインタビュースペースまで来ると、『あーーーっ!』と叫びながら前に倒れ、そのまま床に大の字に)あーーっ! 負けたーっ! (※起き上がりながら)終わり? もう終わり? 何が見えるって…空っぽ。読み負けた。読み違えた。今は何も…。ただ、一つだけ、(※自分の胸を指しながら)信念だけは、絶対に負けねぇ!」
第2試合
YOSHI-HASHIとの初シングルに臨む天山がTwitterで意気込みを述べると、YOSHI-HASHIは「Camon!!」と返し、両者は戦前から戦意を高めていた。
ゴングが鳴るとロックアップからYOSHI-HASHIが押し込んで逆水平チョップ、さらにエルボースタンプ連打からヘッドロックに持ち込みショルダータックル合戦へ。これに打ち勝った天山がモンゴリアンチョップを連打。さらに突っ込んでいくが、YOSHI-HASHIが場外に足を引いて天山を引きずり出すと場外で逆水平チョップ、鉄柵攻撃と連撃し、天山が場外カウント19でリングに戻るとYOSHI-HASHIはさらに逆水平チョップ、ネックロック、チンロックと天山の古傷である首を攻めていき、天山をロープに吊り下げてドロップキック。さらにコーナーに詰めていくが、天山はこれをヘッドバッドで迎撃。YOSHI-HASHIはショルダータックルで返していくが、天山はさらにカウンターのニールキックを叩き込む。
天山はモンゴリアンチョップ連打から逆水平チョップ、ヘッドバッド、「見とけオラ!」と叫びながらコーナーに振って串刺しラリアット、ブレーンバスターを宣言して叩きつけアナコンダスラムの体勢も、これを振り払ったYOSHI-HASHIがヘッドハンター。YOSHI-HASHIは逆水平チョップやエルボーを連打。さらに顔面にトラースキックを叩き込み、スライディングダブルニー。さらにYOSHI-HASHIはコーナーへ上がっていくが、天山が地対空ヘッドバッドを打ち込んでいき雪崩式ブレーンバスターを狙う。
YOSHI-HASHIはこれを耐えて回転しながら組み付いてパワーボム。そしてフィッシャーマンの体勢に入るが、これを振り払った天山がノーモーションヘッドバッド。YOSHI-HASHIの強烈な張り手を耐え、天山がスピアーでなぎ倒してからヘッドドロップ、さらにSTSで絞り上げる。さらに天山はぐるぐると腕を回してからコーナーに上がってムーンサルトプレスを放つが、YOSHI-HASHIがこれを回避して自爆させると、コーナー上からスワントーンボムを発射。天山もこれを回避すると両者ラリアットで突っ込んでいき、互角と見るやエルボー合戦へ。
天山はモンゴリアンチョップ、ヘッドバッドと続けてロープへ飛ぶがYOSHI-HASHIはカウンターのラリアット。さらにコーナーへ上がってダイビングヘッドハンター。続けてバタフライロックにアームロックを加える変形技を見せるが天山はなんとかロープブレイク。YOSHI-HASHIはラリアットを狙ってロープに飛ぶが、天山はカウンターのマウンテンボムからアナコンダバイス、YOSHI-HASHIが立ち上がって返そうとするとアナコンダバスターで叩きつけ、再びアナコンダバイスで捕らえるが、YOSHI-HASHIは上から潰してフォール。天山がキックアウトした瞬間にYOSHI-HASHIがバタフライロックに入ると、天山もついに力尽きてタップアウト。
<試合後コメント>
YOSHI-HASHI
「天山広吉はね、ファンの時からずっと見てて、今日の試合始まる前、90年代とかずっと見てて、その時の怖い天山広吉だったと俺は思うけど。最近、天山、小島聡もそうだけど、タッグで2回対戦してて、それでもう次シングル当たるときは楽勝だろうと思ったけど、ぜんぜん天山の底力というか、思い知らされた。でも俺は1回戦今日勝って終わりじゃないから。2回戦、3回戦、最後の最後の大阪城出るからには当然、狙っていくからな」
天山広吉
「あぁ、マジか……。あぁ、マジで……。1回戦、1回戦初戦。思いっきりぶつかったけど、YOSHI-HASHIよ、強くなったよ。シングル初めてだからね。正直、手の内がゼロに等しい。何するかわからんかったって思いましたけど、こっちも何するかわからんて気持ちで行ったから、最後はあんな……何だろう。俺が決めて、これでこれでって決めようとしてね、アナコンダ。あんな返し方はね、やっぱココ(頭を指差し)がないと、返せないですよ。正直、その辺はあっぱれYOSHI-HASHIですよ。俺のことを負かせたこの罪、俺は執念深いからね。『NEW JAPAN CUP』初戦で、去年も初戦。まったく良いとこなく。試合で負けて、次に進めない。ほんまコロナ明けでがっちりコンディションもベストに整いましたけど、まだまだ。YOSHI-HASHI強かったです。でも、やっぱり新日本の若手が育っていかないと、強くならないと。俺らも追い越せ追い抜けでやりますよ。また俺が体動く限りは。いやーでもYOSHI-HASHIタフやったな。このまま存分勝ち上がっていいところまで行くんちゃうかな、はい。何かありますか?」
――今日は中西さんが解説席で応援していましたけど
天山「試合前に控室来たから、『おぉニシオくん!ニシオくんが来たらOK、あれ出すしかない!』って思いましたよね。最初からそんなん考えてなかったけど、ニシオくんの一発逆転の一発出せたらスピアー。正直でもどこにいるかわからんかったから。どこやどこやと思ったけど、とにかく相手に対してぶちのめさなアカン思ったから。まあね、やっぱり中西という偉大な第3世代の一人がね抜けて、そして永田、小島、天山残ったもんが中西の分まで面白いとこみせなアカン、勢い見せなアカン。まあ彼の引退がね、一つの刺激じゃないけど俺らもっともっと奮起せなアカンなって思ってますから。今日なんかほんまええシチュエーションでした。ニシオくんがね、背中押してくれとって。まあ素直に俺の完敗でしたよ。また来年の『NEW JAPAN CUP』エントリーされたら行きまっせ。はい。期待して下さい」
第3試合
ヒロムは次戦で当たる矢野とのマッチアップを嫌がり、試合前から場外に避難。矢野の「なんもしないから~!前哨戦やろうよ前哨戦!」の言葉に「信じらんねーよ!ヤダーッ!」と返していくが、矢野が「前哨戦!前哨戦!」とコールを煽るとヒロムは苦悩しながらもリングへ戻り矢野とヒロムの対面でゴング。
ヒロムは矢野を近づけさせず、矢野の左膝に何かが仕込まれてもっこりしているのを見つけるとレフリーチェックを入れさせる。矢野は左膝から消毒液のスプレーボトルを取り出すとレフリーが没収するが、その間に矢野はタイツの中からバリカンを取り出し、トラウマを呼び起こされたヒロムが「やめろーっ!やめてくれーっ!」と絶叫しながら場外へ逃げ出し、矢野とヒロムが場外での追いかけっこを展開してから両者タッチ。
NJC2回戦での対戦が決まっているSANADAとSHOの対面となると、リストの取り合いからヘッドロック、バックの取り合い、グラウンドでの腕の取り合いと目まぐるしいレスリング戦を展開。SHOはSANADAの回転エビ固めを切り返し、PKのフェイントからヒザを踏みつけ、改めてPKを叩き込む。さらに突撃してくるSHOをかわしてエプロンに出たSANADAはスワンダイブでSHOを飛び越そうとするが着地が崩れてしまい、SHOはこれを見逃さずにすぐに串刺しラリアットへ。さらにロープへ飛ぶが、鷹木がエプロンからキックを入れ、SANADAがヒザへの低空ドロップキックで追撃。鷹木にタッチ。
鷹木はSHOにヘッドバッドを連打し、SHOをロープにくくりつけてニーリフトやエルボースタンプの乱れ打ち。さらにブレーンバスターを狙うが、SHOが鷹木をぶっこ抜いてのブレーンバスターで切り返し、石井にタッチ。
石井と鷹木は正面からショルダータックルでぶつかり合い、鷹木が串刺しラリアットを放つと石井は「効かねえんだよテメェコノヤロー!」と絶叫。両者はエルボーで打ち合っていき、鷹木がこれを制してロープに飛ぶと、石井がパワースラムでカウンター。石井は逆水平チョップとナックルを交互に連打していき、鷹木もリバースしてナックルと逆水平チョップを交互に連打する意地の張り合い。石井はブレーンバスターを狙っていくが、鷹木が振り払ってエルボー、ナックル、左ラリアットと叩き込んで石井をなぎ倒す。両者タッチ。
オカダと内藤の対面となると、内藤が水面蹴りでオカダの突撃をいなし、ヒップ鳥栖から低空ドロップキック、スイングネックブリーカーと畳み掛けて拳を突き上げるポーズを決める。続けて内藤はヘッドシザースで痛めつけるが、矢野がカットに来るとヒロムが排除。
内藤はコーナーに飛び乗っていくが、オカダが下から組み付いてリバースネックブリーカー。さらにオカダはツームストンパイルドライバーを狙うが、内藤が振り払ってオカダの突撃をスパインバスターで切り返す。内藤はヒロムにタッチ。
ヒロムはオカダをロープにもたれかからせてロープを蹴り上げ、さらに走るがオカダはフラップジャックで切り返して矢野にタッチ。
矢野はバリカンを持ってリングに上がるとすぐにレフリーに渡し、その隙にコーナーマットを外していく。ヒロムはトラースキックから矢野がコーナーマットを外し他コーナーへぶつけようとするが、ヒロムはスライディングして場外に出ると追ってきた矢野を捕らえてサンセットフリップパワーボムを狙っていくが、矢野はロープに捕まって耐えながらタイツの中からもう一つのバリカンを取り出す。するとヒロムは場外フェンスの外へ脱兎のごとく逃げ出し南側客席冗談まで追いかけっこ。ヒロムは「来るな……来るなァ!やめろ!頼む!」と叫んで会場ロビーまで逃げ出すが、矢野はボディスラムで硬い床に叩きつけ、タイツの中からテープを取り出してヒロムの足を縛り付ける。その間に場外カウントは進んでいき、カウント20で両者リングアウト。
<試合後コメント>
CHAOS
石井「真壁、久しぶりだなオイ。何年ぶりだ? 忘れたよ、オイ。真壁、ここ何年か、何でおれとシングルが組まれなかったか。それと、俺が去年タッグリーグでテメェに言ったこと。それをしっかりと考えて、リングに上がってこい」
矢野「(※手に持ったバリカンを見て笑いながら)ずいぶんビビってるな、オイ! 楽しみだな、オイ! 明日だ明日! 明日! オマエの髪の毛、いい具合に伸びてるなオイ! 俺のことが、好きなんだろーーー?」
オカダ「いやぁ、試合中にあんなに一生懸命走ったのは、初めての経験でした。まぁでも、明日に向けてこんだけ息が上がれば、十分なんじゃないかと思います。永田さん、あなたの1回戦の戦いは……見てません、すみません。まぁでも、あの鈴木みのるを倒したってことは、外道さんよりは強いでしょう。まぁでも俺が目指してるのは、永田さんを倒す、そんなことじゃないから。もっともっと先のことだから。まぁね、『NEW JAPAN CUP』が始まって、まだ先のことは、今度話します」
SHO「昨日から一晩経って、ようやく、これでようやく、スタート地点に立てた。まだまだゴールは、まだまだ遠いぞ。今日、この対戦カード発表されて、すっごく思うことがあった。次の2回戦はSANADA選手。決勝に行けば、もしかしたら石井さんとやれるかもしれない。今日一緒に組んだ、オカダさんかもしれない。そして、矢野さんかもしれない。そしてもしかしたら、高橋ヒロム、なのかもしれない。そして優勝したら、内藤哲也。その次も、その次も、また次も、どんどんでっかい目標を立てて、やっていくしかない」
L.I.J
鷹木「昨日の敗戦は、ショックはショックだが、俺はもう切り替えてるから。そこで一つ、SHOに忠告しとこう。確かに昨日は、俺の負けだ。昨日だけは、な。だがよぉ、SHO、一度勝ったぐらいで、立場が逆転したと思うなよ。立場は! 何も変わっちゃいねぇ。それから! この俺から勝ったんだ。この後は、無様に! 負けてみろ。ただじゃおかねぇからな、この野郎!」
内藤「(※2冠のベルトを引きずりながら現れ、2本とも床に置いて)俺は他の選手たちよりも元気だよ。だって試合してないからさぁ。ダメージもそこまでないよ。でも、試合勘であったり、ダメージに対しての体の慣れなんかは、他の選手の方が状態はいいんじゃないの? だって試合してないからさぁ、どうしても、試合勘だったり体の慣れの部分に関しては、俺は劣る、かな。まぁでも、俺は俺なりの調整の仕方で、7月12日、大阪城ホールへ、向かいますよ。『NEW JAPAN CUP』も、だいぶ盛り上がってるんじゃないですか? 俺もさぁ、(※目を見開くポーズで)毎日新日本プロレス・ワールドで、チェックしてるよ。いやぁ、熱い戦いが続くねぇ。さぁ一体誰が勝ち上がってくるか。それにしても、高橋ヒロムはすげぇな。あぁ!? 存在感がピカイチだね。まぁ彼のポテンシャルからすれば当たり前のことかもしれないけどさ、彼の『NEW JAPAN CUP』への気持ちが、ヒシヒシと伝わってくるよ。その点やっぱり、一番の注目は、ヒロムかな」
ヒロム「(※足首をテーピングで固定されているため、チョコチョコと小刻みに足を動かして少しずつ前進しながら)オイ、ちょっと待ってくれ。この定位置まで行くのが大変なんだよ。オイ、クッソー、コメントブースまで来るのに何分かかった? 10分以上かかってるじゃないか! (※座り込んで)寂しいじゃねぇか、ロス・インゴ! 誰も切ってくれねぇよなぁ。オマエら、ハサミだの何だの言ってたけど、オマエらの手の力で何とでもなっただろう? ……あ! そうだーーーー! (※仰向けに寝て、縛られた足首を上に上げた状態で)俺も手ぇ使えたーーーーー! (※手でテーピングをはがしながら)こうやってできるじゃねぇかよ! は? 俺、すげぇバカじゃん! (※テーピングをはがしていく)マジうぜぇ! マジうぜぇ! 取れんじゃねぇかよ、本気出せば! マジか、気づかなかったよ! ふざけんなよ! あー、チクショウ! あー、俺がバカだったな! 何だよ、そうだ! 手が固められてると勘違いしてた! 手ぇ使えたぜ! 言えよ! ……いや、コレは俺だな! ロス・インゴどうのこうのも確かにそうだけど、気づいたなら言えよ! でも絶対アイツら、気づいてないから言わなかったんだろう? ま、元を辿れば俺がバカじゃねぇかよ! 何だよ、チクショウ! (※テーピングを足首のフサフサからはがし、捨てていく)フサフサがいっぱい取れる! チクショウ!(※両足が自由になり、カメラを向いて正座して)面白れぇじゃねぇかよ、矢野通! デカさ。ヘビー級。面白い。正々堂々と、ぶつかり合いましょうか。(※何かに思い当たった表情になり)アレェ? 何か忘れてる気がする…。ア~レ~? 何か忘れてるぞ、俺……。ぶつかり合い……いや、ぶつかり合いはしたぞ……ぶつかり合い……ぶつかり合いしたっけ? (※髪に手をやり、小声になり)アレ? バリカン……バリカンだ!(※前に突っ伏して)……思い出した! バリカン!……バリカン!……やっぱりヤだ!……やりたくない!……そうだ!……バリカンだった!……そうだった!……そうだった!(※顔を上げると、完全に錯乱した表情でけいれんするように体を跳ねさせ)ウヘヘ……バリカンだった!……ウヘヘヘ……バリカンー!(※と、笑いとも叫びともつかない声を上げながらヨロヨロと控室へ)」
第4試合
後藤と裕二郎の一戦、裕二郎は邪道を伴って入場して不穏な空気を醸し出す中でゴング。
ゴングが鳴るとリストの取り合いからグラウンドにもつれ込み、一旦距離を取る。ロックアップから互いにロープに押し込み合い、裕二郎が放った離れ際のエルボーをかわした後藤がショルダータックル。裕二郎は後藤の髪の毛を掴んで捻り上げるが、後藤はブレーンバスターで反撃。裕二郎は場外にエスケープして後藤の攻め気を削ぐ。
しびれを切らした後藤が場外に追ってきて鉄柵攻撃などを繰り出していくが、裕二郎はリバースDDTで切り返し、リングに戻してギロチンドロップ、エルボードロップ、ヘッドドロップ、チンロックから低空ドロップキックと連撃。裕二郎は今度は自分から後藤を場外に放り出すと、邪道が後藤を鉄柵に叩きつける。後藤がふらふらとリングに戻ってくると、裕二郎は挑発的に後藤に打撃を誘っていき、串刺しビッグブート、フェイスクラッシャー、さらにランニングビッグブートを放っていくが、後藤は強烈なラリアットで反撃。これを耐えた裕二郎はビッグブートで意地を張り合っていくが。後藤がローリングラリアットで叩き伏せる。
後藤はエルボー連打から串刺しの村正、さらに牛殺しを狙いに行くが裕二郎はサミングでこれを抜け出す。後藤はコーナーに上っていくが、裕二郎が追っていって雪崩式フィッシャーマン。追撃を狙う裕二郎に対して後藤はカウンターのラリアットを狙うが、裕二郎はロープワークで翻弄してラリアット。ラリアット同士の相打ちとなり裕二郎が突っ込んでいくと後藤が担ぎ上げて牛殺し。
両者はエルボーで打ち合っていき、打ち勝った後藤が組み付いていくと裕二郎は後藤の指に噛み付いて脱出してビッグブート。さらにフィッシャーマンの体勢に入るが後藤が耐えて持ち上げ、裕二郎の足をトップロープに引っ掛けてのGTR。さらに正調GTRを狙うが、ここで裕二郎がレフリーを引っ掴んで倒すと、後藤はロープに飛ぶ。しかし邪道がエプロンから後藤の背中へ竹刀で一撃。すかさず裕二郎がラリアットでなぎ倒し、マイアミシャイン。さらにピンプジュースで決めにかかるが、後藤が暴れるとトラースキック。グロッキー状態の後藤へ裕二郎がステッキを持ち出して殴りかかるが、後藤がこれをかわしてヘッドバッドからGTW、GTRと続けて3カウントを奪った。
<試合後コメント>
後藤洋央紀
「イメージ通りだね。ま、全てがイメージ通りかって言われたら、やっぱ多少ね、そうでないところはあったけど、結果だけ見てもこれは俺のイメージ通りだ。改めて思ったよ、あのリングが俺の生きる場所だって」
第5試合
ゴングが鳴ると両者ジリジリと距離を詰めていき、先手を取ったEVILがヘッドロックからショルダータックル。小島もショルダータックルでやり返すとEVILは一旦場外にエスケープ。小島は場外へプランチャで飛んでいくが、EVILがこれを回避したため小島が自爆。EVILは場外での鉄柵攻撃、イスを持ち出して小島の右腕を集中攻撃。小島のラリアットを潰していく。
小島がリングに戻るとEVILは右腕をリストロックで絞り上げていくが、小島は敢えて右手での打撃を放つ意地を見せる。EVILは「来いよ来いよ」と余裕の表情で受け止めて右腕へのエルボードロップ、ロープを使ってのアームロックやショルダーアームブリーカーと腕攻めを徹底。小島が隙を狙って放ったスワンダイブのエルボードロップもかわされて窮地に。EVILはリング上で小島にセントーンからグラウンドでアームロック、サーフボードストレッチと絞り上げていくが、小島はリバースしてDDTで切り返す。
小島はEVILの突撃をブートでカウンターするとコーナーに押し付けてマシンガンチョップ。そして串刺しジャンピングエルボーから「いっちゃうぞバカヤロー!」と叫んでからダイビングエルボードロップを狙おうとするが、EVILが追撃してエプロン上での攻防へ持ち込む。小島はエプロンでDDTを見舞い、EVILをリングに戻して改めてダイビングエルボードロップ。さらにエルボー連打からローリングエルボーを狙うが、EVILはサミングで切り返し、小島の足をレフリーに持たせてがら空きのボディへトラースキック。
EVILはマットを両手で叩いて気合を入れるとブロンコバスターから脇固め。小島が足を伸ばしてロープブレイクすると、「終わりかオイ」と小島を蹴りつけてからラリアットを放つが、小島はこれをラリアットで撃ち落としてコジコジカッター。小島はエルボー連打で畳み掛け、EVILをコーナーに上げて雪崩式コジコジカッター。小島はブレーンバスターを狙うが、EVILが耐えてフィッシャーマンスープレックス。
EVILはダークネスフォールズを狙い、小島が抵抗するとラリアットを連発。小島は鬼の形相で倒れずに耐えてカウンターのラリアット。優勢だったはずのEVILが崩れ落ち、小島が右腕のサポーターを外してラリアットを放つが、EVILもラリアットでカウンターして小島を吹き飛ばす。EVILはダークネスフォールズ、さらに見栄を切ってEVILの体勢も、小島が振り払ってラリアットを放つ。EVILがこれをラリアットで撃ち落とすと小島は返す刀の左ラリアットを叩き込み、垂直落下式ブレーンバスター、さらに大きく右腕を突き上げてトドメのラリアットを狙うが、EVILがレフリーを引っ掴んで小島へ向かって突き飛ばし、小島が急停止したところへ組み付いて小島の足をレフリーに引っ掛けて一人マジックキラー。
EVILは串刺しラリアット、コーナートップからの雪崩式ブレーンバスター、そしてEVILが右腕のサポーターを外してラリアットを狙うが、小島がカウンターのラリアット。小島は「立てェ!」と絶叫してラリアットも、EVILにかわされると後頭部へのラリアット、さらに正調ラリアットを放つが、これをキャッチしたEVILが即座にEVILで叩きつけ、これが完璧に決まると3カウント。
<試合後コメント>
EVIL
「(※インタビュースペースに着くと片膝を立てて座り込み)小島のラリアットは、強烈だ。確かに、強烈だ。だが、勝ったのはこの俺だ! リング上でも言った通り、この俺が、今年のトーナメント、何が何でも、優勝してやるからな。そして、内藤の持つベルト2本を奪い、覇者で王者の3冠王になってやる。よく、覚えとけ!」
小島聡
「(※肩を借りてインタビュースペースまでたどり着くと、前に倒れて床に仰向けに寝た状態で)負けたらダメなんだ……(※上体を起こしながら)負けたらダメなんだ。リーグ戦だから負けちゃいけないとか、そうじゃなくてさぁ、俺のキャリアだったらもう、負けていくと、どんどんどんどん、忘れ去られていくだけなんだ。俺みたいな、キャリアの長いベテランレスラーは、負ければ負けるだけ、どんどんどんどん、実戦から遠のいていく。それが、今までそういう過去のベテランと言われるレスラーたちが歩んでる道だったと思うよ。(※立ち上がって)だから、だから絶対に、勝たなきゃいけなかった。どんどんどんどん、負けていくことで、需要がなくなっていく。いい試合して『次も頑張ってくれ』っていう、そういうレスラーじゃもうないんだ。な。若手みたいに伸びしろがあって、明日何かすげぇことやるかもしれないって、そういう風に思ってもらえるような選手じゃないんだ、もう。だから、絶対に今日は勝たなきゃいけなかった。とても、とても悔しい。だけど、全力で試合したのは確かだから、それはEVILが強かったってことだと思う。毎回、負けたらもう、目の前真っ暗だよ。次どうしようって、俺みたいなキャリアの人間は、明日どうすりゃいいんだって、そういう風になる。だけど、また体が動くんであれば、プロレスができるんであれば、またそれを乗り越えて、違う道を模索したいと思う。諦めるとか、諦めないとか、もうそういうところにいる選手じゃないけど、ただ、プロレスを続けていくことだけは、とても幸せに思ってるから。この自分のやりたいこと、ずーっと、コロナウイルスでできなかったプロレスを、今精いっぱい、自分のやれる試合を、やっていこうと思います。ありがとうございました」