小島聡がEVILに敗れて無念のNJC1回戦敗退!「もう若手みたいに伸びしろがあって『明日何かすげぇことやるかもしれない』って思ってもらえるような選手じゃない」
23日、新日本プロレス『NJPW WORLD Special NEW JAPAN CUP 2020』が無観客試合にて開催された。
新型コロナウイルス感染拡大の影響から、新日本プロレスは2月26日の沖縄大会を最後に3ヶ月以上53大会を中止していたが、スポーツ庁の助言を受けながら再開に向けたガイドラインを作成し、全選手・スタッフに抗体検査を実施するなど健康状態をチェックできる体制を構築し、今月15日に満を持して110日ぶりの大会を開催。
6月15日~7月3日までは無観客配信興行となり、『NEW JAPAN CUP 2020』を新日本プロレスワールドで配信。決勝戦は7月11日に大阪城ホールにて観客を入れての興行を行い、翌日12日に同会場で内藤哲也の持つIWGPヘビー&IWGPインターコンチネンタルの二冠にNJC優勝者が挑戦する。
今年のNJCはヘビー級・ジュニアヘビー級問わず32選手が参加。外国人選手の招聘問題などで参戦できなくなった選手もいるものの、ヤングライオンやジュニア選手の参加など例年にはない色の出たシリーズとなった。
この日は、NJC1回戦の最後のブロックの試合として、YOHvsBUSHI、天山広吉vsYOSHI-HASHI、後藤洋央紀vs高橋裕二郎、小島聡vsEVILの4試合が実施。
今回のNJC唯一のジュニア同士の対戦となるYOHvsBUSHI戦では、YOHが予告していた新技の1つと思われるパーフェクトドライバーのような形の変形ファルコンアローを繰り出すなど畳み掛けるが、ラフファイトを封印して正攻法で攻め込んだBUSHIが新技と見られるファイヤーマンズキャリーから旋回させてのコードブレイカーからエムエックスで試合を決めた。
両者の初シングルとなる天山とYOSHI-HASHIの試合では、試合前の天山による意気込みのツイートに対し「Camon!!」と返して戦意を高めていたYOSHI-HASHIがこだわりの逆水平チョップで攻め込んでいき、互いの古傷である首への集中攻撃を展開。
天山もマウンテンボム、アナコンダバスター、アナコンダバイスと大技を畳み掛けていくが、アナコンダバイスを耐えたYOSHI-HASHIがバタフライロックでタップを奪った。
ともにヤングライオン時代を過ごしたこともある後藤と裕二郎の対戦はパワーで勝る後藤が押していく展開となるも、裕二郎は後藤のラリアットを何発も倒れずに耐えるガッツを見せてラリアットで対抗。久々に繰り出すマイアミシャインなどで追い込んでいくが、最後はGTW、GTRと畳み掛けて勝利を奪った。
メインイベントでは小島とEVILが対戦。今年2月には10人タッグマッチながら小島がラリアットでEVILからフォールを奪っており、これを強く意識したEVILはラリアットを中心に据えた攻撃を展開。
EVILは序盤から場外でのイス攻撃や脇固めなどで小島の右腕を中心に攻め立てていき、小島は敢えて痛む右腕でやり返していく削り合いへ。レフリーを使ってのマジックキラーやダークネスフォールズで優位を取ったEVILは小島に見せつけるように右腕のサポーターを外してラリアットを放つが、小島はこれをラリアットで撃ち落とし、正調のラリアットを放つが、EVILは組み付いてEVILで叩きつけて3カウント。
敗れた小島は、「負けたらダメなんだ。俺のキャリアだったらもう、負けていくと、どんどんどんどん、忘れ去られていくだけなんだ。俺みたいな、キャリアの長いベテランレスラーは、負ければ負けるだけ、どんどんどんどん、実戦から遠のいていく。それが、今までそういう過去のベテランと言われるレスラーたちが歩んでる道だったと思うよ。負けていくことで、需要がなくなっていく。いい試合して『次も頑張ってくれ』っていう、そういうレスラーじゃもうないんだ。若手みたいに伸びしろがあって、『明日何かすげぇことやるかもしれない』って、そういう風に思ってもらえるような選手じゃないんだ、もう。だから、絶対に今日は勝たなきゃいけなかった」とベテランとしての悲哀を見せる。
しかし、最後は「だけど、また体が動くんであれば、プロレスができるんであれば、またそれを乗り越えて、違う道を模索したいと思う。諦めるとか、諦めないとか、もうそういうところにいる選手じゃないけど、ただ、プロレスを続けていくことだけは、とても幸せに思ってるから。この自分のやりたいこと、ずーっと、コロナウイルスでできなかったプロレスを、今精いっぱい、自分のやれる試合を、やっていこうと思います」と小島らしく前を向いた。