新日本10.13両国大会 棚橋が1年ぶりにIWGPヘビー級王座に挑戦!オカダは内藤を相手に権利書の防衛戦
KING OF PRO-WRESTLING
日時:2014年10月13日(月・祝)
開始:16:00
会場:東京・両国国技館
観衆:9100人(超満員札止め)
▼第1試合 スペシャル8人タッグマッチ 30分1本勝負
真壁刀義/永田裕志/本間朋晃/○飯伏幸太
7分48秒 フェニックススプラッシュ→片エビ固め
“ザ・マシンガン”カール・アンダーソン/ドク・ギャローズ/バッドラック・ファレ/●タマ・トンガ
▼第2試合 NWA世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○チェーズ・オーエンズ(NWA)
7分02秒 パッケージドライバー→エビ固め
[挑戦者]●BUSHI
※オーエンズが王座防衛に成功
▼第3試合 NWA世界タッグ選手権試合 60分1本勝負
[王者組]天山広吉/●小島聡
11分22秒 キラーボム→エビ固め
[挑戦者組]○ランス・アーチャー/デイビーボーイ・スミスJr.
※天コジが5度目の防衛に失敗。KESが新王者組となる
▼第4試合 スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
○矢野通/桜庭和志(フリー)
5分30秒 赤霧
鈴木みのる/●飯塚高史
▼第5試合 IWGPジュニアタッグ選手権試合3WAYマッチ 60分1本勝負
[王者組]○KUSHIDA/アレックス・シェリー
18分56秒 横回転式エビ固め
[挑戦者組]ロッキー・ロメロ/●アレックス・コズロフ
※もう1組は[挑戦者組]マット・ジャクソン/ニック・ジャクソン。第38代王者組タイムスプリッターズが3度目の防衛に成功
▼第6試合 IWGPジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○田口隆祐
12分12秒 アンクルホール
[挑戦者]●エル・デスペラード
※第69代王者・田口が初防衛に成功
▼第7試合 NEVER無差別級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]●高橋裕二郎
17分48秒 垂直落下式ブレーンバスター→片エビ固め
[挑戦者]○石井智宏
※第4代王者・裕二郎が2度目の防衛に失敗。石井が第5代王者となる
▼第8試合 スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
中邑真輔/●YOSHI-HASHI
13分49秒 PK→片エビ固め
後藤洋央紀/○柴田勝頼(フリー)
▼第9試合 東京ドーム・IWGPヘビー級王座挑戦権利証争奪戦 60分1本勝負
[権利証保持者]○オカダ・カズチカ
19分17秒 レインメーカー→片エビ固め
[挑戦者]●内藤哲也
※オカダが権利証を防衛。1.4東京ドームでIWGPヘビー級王座に挑戦することが決定
▼第10試合 IWGPヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]●AJスタイルズ
27分04秒 ハイフライフロー→片エビ固め
[挑戦者]○棚橋弘至
※第60代王者AJが3度目の防衛に失敗。棚橋が第61代王者となる
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オープニング
オープニングVTRでは田口に対して「王者の品格がないね」と語るデスペラード、アウトレイジばりの格好をした石井にどよめきが起こり、後半3試合には拍手と歓声があがった。最後は「進撃の2014年・秋 新日本プロレス決定版」と銘打たれた。
第1試合
オープニングマッチは新日本本隊vs.BULLET CLUBの8人タッグマッチ。BULLET CLUBが奇襲攻撃を仕掛けていき試合開始。リング上ではいきなりアンダーソンとギャローズが永田にマジックキラーを狙ったが、辛くも本間がカット。
ギャローズにフロントキックから延髄斬りで反撃した永田は、アンダーソンに張り手から腕固め。ギャローズがカットに入ると、エクスプロイダーで投げ飛ばした永田はその場駆け足で絶好調ぶりをアピール。
永田とダブルタックルを見舞った本間は串刺しジャンピングエルボーからフェースクラッシャー。しかしその場のコケシをかわしたアンダーソンはギャローズにタッチ。ジャンピング・ボディプレスを投下したギャローズからファレは上空にホイップしてからそのまま本間をマットに落とす。
さらにバッドラックフォール(=投げ捨てアウトサイダーズエッジ)の体勢に入ったファレだが、背後に逃れた本間はラリアット。ファレも走り込む本間をカウンターのラリアットで吹っ飛ばすが、本間もどうにか真壁にタッチ。
串刺しラリアットからコーナーで馬乗りナックルを見舞った真壁だが、ファレもラリアットの相打ちからサモアンドロップで叩き付けてアンダーソンにタッチ。ジャンピング・フロントキックから走り込んだアンダーソンだが、真壁は一旦かわして振り向き様にショートレンジラリアット。
タッチを受けた飯伏はトンガの攻撃をかわしてアンダーソンたち3人を場外に追いやると、またもトンガの攻撃をかわして三角跳びケブラーダを発射。さらにエプロンに上がってトンガにスワンダイブ式ミサイルキックを発射。
トンガも走り込んでくる飯伏にカウンターのスピアーを決めると、コーナースプラッシュから旋回式フラップジャック。四つん這いになって飯伏の様子を伺ったトンガはバックドロップを狙ったが、背後に着地した飯伏はハイキック一閃。そこからフェニックス・スプラッシュを投下して3カウントを奪った。
勝った新日本本隊の4人はそれぞれコーナーに登ってアピール。そこから飯伏がバック転してみせると、真壁と永田は「そりゃないぜ」というジェスチャー。飯伏は恐縮したように直立不動になっていた。
<試合後コメント>
真壁刀義
「おい、BULLET CLUBさんよ! お前らシングルで蹴散らしてやるから覚悟しておけよ! それだけだ。あとは飯伏、よろしくなって……いねぇじゃねぇか、おい!」
永田裕志
「絶好調ゼアッ! ……まぁそれはそれとしばらく新日本のファンの皆さん、さようなら。以上」
本間朋晃
「今日の課題はコケシが、コケシが、みんなのコケシが当たらなかったこと。コケシが当てられなかった。それが課題。今度こそ自分の力で勝ちたい。その時には絶対コケシを当ててみせる。」
飯伏幸太
「とりあえずひとつずつヘビーでの勝利を重ねて、採取的にはヘビーのベルトに近づきたいと思います。」
――体重は今、何キロくらいですか?
「今は90(キロ)くらいですね。90を前後している感じで、増やしては減らしていく感じなんで。一番ベストな体重を見つけてヘビーでやっていきたいですね」
――ジュニア時代の技もとどこおりなく使えているようですが?
「今のところは問題なく。ウェートアップしただけパワーアップして。とりあえず影響はないんで、うまくいけばヘビーになってもこのスタイルでいける可能性がありますね」
第2試合
NWAから新たな刺客が新日本に来襲。NWA世界ジュニアヘビー級王者チェーズ・オーエンズに、シングル王座初挑戦となるBUSHIが挑む。NWAのブルース・サープ社長が「コンニチハー! 日本人、ワタシはブルース・サープです! ワカリマスカー!」とマイクで叫んでからオーエンズを呼び込む。
サープ社長は何やらオーエンズに耳打ちしてからリングを降りる。するとオーエンズはBUSHIに握手を求めていき、BUSHIが応じたあとに背後から奇襲攻撃。BUSHIもオーエンズのショルダースルーを着地すると、コルバタで場外まで投げ飛ばしてから場外ダイブ。
ここでオーバーマスクを客席に投げたBUSHIはオーエンズをリング内に戻すと、ダイビング・クロスボディー。しかしオーエンズもエプロンからスタンガンでBUSHIをトップロープに叩き付けると、エルボースマッシュでカチあげる。さらにコーナーに力一杯叩き付けていったオーエンズは、クロスボディーに来たBUSHIをキャッチしながら後転。
そのままBUSHIを持ち上げて立ち上がると、肩口まで抱え上げて山折りを決めた。だが、BUSHIも串刺し攻撃を狙ったオーエンズにエプロンから逆上がりキック。そしてミサイルキックから回転エビ固め、ダイヤル固めと畳みかける。
ロープに飛んだBUSHIに追走式フロントキックを叩き込んだオーエンズだは、BUSHIもコルバタからのスクールボーイでカウント2まで追い込む。さらにスウェーニョ(=コードブレイカー)からコーナーに登っていくが、本部席から立ち上がったサープ社長に一瞬気を取られる。そこにオーエンズが突進すると、BUSHIはうまく飛び越えてもう一度コーナーへ。
だが、オーエンズは下からジャンピングキック。さらに雪崩式変型スタナーを決めてカウント2まで追い込むと、変型バックブリーカー2連発からパッケージ・パイルドライバーで叩き付けて3カウント。王座を防衛したオーエンズはサープ社長からベルトを受け取ると、コーナーに登ってアピール。
さらにサープ社長がオーエンズの次なる挑戦者に獣神サンダー・ライガーを指名。「ドコデスカ、ライガー!」と叫ぶと、スーツ姿のライガーが登場してリング上へ。オーエンズ&サープ代表と睨み合ったライガーに対し、「いつどこでもやってやる! そしてそのマスクを剥がしてやる!」と挑発。だが、ライガーはサープ社長に黙るように言い放つと、チャンピオンの防衛を祝福してから「お前は確かに強いが、俺のほうがもっと強い!」と英語で言ってみせ新日本ファンから大歓声を浴びた。
そしてオーエンズに対して次の挑戦者は自分がやってやると言い放ったライガーは「ライガー最終章、もう1回シングルのベルトを巻いてみたくなりました。ガチで獲りにいきますので、応援よろしくお願いします!」と高らかに宣言した。
<試合後コメント>
獣神サンダー・ライガー
「まあもうそんな現役は長くない。キャリアも……ただ、シングルのベルト、世界のベルト、もう一回腰に巻いてみたいなと思うようになりました。ここでシングルのベルト巻くとね、IWGPジュニアも見えてくる。やはり、棚橋選手はIWGPのヘビーのベルトをどうしても追ってますけど、僕はIWGPのジュニアのベルトシングルのベルトを、どうしても欲しがりますんで、このNWAのベルトきっちり獲って、改めて(IWGPジュニアに)対戦表明したいと思います」
チェーズ・オーエンズ&ブルース・サープ会長
会長「次のNWA世界ジュニアヘビー級王座の挑戦者は獣神サンダー・ライガーに決まった。クラウン・ジュエルの次の挑戦者はライガーだ! リング上で言った通り、彼がライガーを倒してマスクを剥がしてやる! ワカリマスカ?」
オーエンズ「ライガーは世界的なレジェンドで、彼が挑戦してくれるをうれしく思うよ。」
会長「約束しよう! 間違いなくライガーをチェーズ・オーエンズが倒す。ワカリマスカ?」
第3試合
天コジが保持しているNWAタッグ王座にKES(キラー・エリート・スクワッド)が挑戦。奇襲攻撃を仕掛けていったKESは小島を場外に放り出すと、天山を捕まえてトレイン攻撃。さらにアーチャーがホイップしてスミスJr.がジャンピングニーを叩き込むと、アーチャーがジャンピング・ボディプレス。
しかし天山もカウンターのニールキックを返すと小島にタッチ。天山のモンゴリアンチョップから小島がエルボー。さらにヘッドバットとスリングショット式エルボードロップの同時投下。
KESのセコンドのTAKAみちのくがエプロンまで上がってきてレフェリーを引きつけると、アーチャーが背後から小島を攻撃。すかさずスミスJr.が捻りの効いたバックドロップ。さらにアーチャーは滞空時間の長いブレーンバスターで投げていく。KESはサイドバスターとレッグドロップの合体攻撃。
サイドスープレックスで投げたスミスJr.に続いて、アーチャーがオールドスクール(=ロープ歩きからの手刀)。完全に捕まってしまった小島だが、スミスJr.のダイビング・レッグドロップをかわして自爆させるとDDTで叩き付けてから天山にダイビングタッチ。
モンゴリアンチョップから串刺しラリアット、カーフブランディングと決めた天山は、小股救いスープレックスで投げると、ボディへのヘッドバットから突進。だが、パワースラムで切り返したスミスJr.はアーチャーにタッチ。天山に対して掟破りの逆モンゴリアンチョップをお見舞いしたアーチャーだが、天山もマウンテンボムを返して小島にタッチ。
マシンガンチョップから串刺しジャンピングエルボー、行っちゃうぞエルボーと畳みかけた小島は、アーチャーのエルボーを腕へのラリアットで迎撃する。だが、バーディクトで叩き付けたアーチャーは、救出に入ってきた天山を捕まえて突進。
ここで天コジはテンコジカッターを決めると、天山が羽交い締めにしたアーチャーに小島がラリアット。だが、アーチャーがかわして天山に誤爆すると、スミスJr.が小島をタイガースープレックスで投げてく行く。さらにアーチャーがチョークスラムで叩き付けてカウント2まで追い込むと、KESはキラーボム(=アーチャーのフルネルソンバスター+スミスJr.のライガーボム)を狙うが、小島はどうにか回避。
ラリアットでスミスJr.を除外に追いやると、アーチャーにコジコジカッター。さらにラリアットを狙った小島だったが。かわしたアーチャーは小島をフルネルソンで捕まえる。そこにスミスJr.が戻ってきてキラーボムを決めたアーチャーが3カウントを奪って勝利。KESがNWA世界タッグ王座を奪取してみせた。
誤爆した上にタッグ王座から陥落した天山が小島を突き飛ばすと、小島も天山を突き飛ばす。場内がどよめく中、天山は一人さっさと退場。小島も憮然とした表情で引き上げていく。天コジはこのまま解散となってしまうのか……
<試合後コメント>
KES
アーチャー「ハッハー! ついにこのベルトを獲り返したぞ! NWA世界タッグだ。ここからが始まりだ。誰でもいいしどこでもいい。このベルトが獲れるというのなら誰でも挑戦してこい!」
スミスJr.「天山、小島は確かに強いチームだ。だがここにベルトがあるというのがすべてだ! これを獲ったことでIWGPタッグのベルトも恋しくなってきた。ここで保障する! KESはNWA世界タッグに続き、IWGPタッグも獲り戻すと。KESはすべての相手は破壊する!」
アーチャー「KES、イチバン!」
第4試合
飯塚がマス席を徘徊しながら登場すると、矢野の曲を前奏にした『SPEED』に乗って登場した桜庭はいきなり鈴木と睨み合い。桜庭の顔を掴む鈴木の手を払いのけた桜庭。試合が始まると、鈴木が桜庭をロープにソ鋳込み離れ際に張り手。さらに「張って来い」と挑発しておいて、桜庭が張り手を見舞おうとすると、かわして逆に張り手。
そこから桜庭にストンピングかの嵐。桜庭はエプロンにエスケープするが、鈴木はレフェリーを突き飛ばしてなかなか離れない。TAKAも入ってきてようやく鈴木が離れると、桜庭が鈴木をグラウンドに持ち込んでいく。
回転体のような動きから桜庭はいきなり桜庭ロックの対し得に。鈴木が防御すると腕十字にスイッチした桜庭だが、飯塚がカットに入る。矢野も入ってきて飯塚を場外に投げ捨てると、鈴木は張り手で反撃。だが、桜庭はミドルキックからスタンディングのまま桜庭ロック。そのまま自軍のコーナーに押し込んだ桜庭は張り手からミドルキック。
座り込む鈴木にストンピングを見舞った桜庭を矢野が止めるが、鈴木は桜庭をフロントキックで吹っ飛ばすと、場外に連れ出して大乱闘。その間に飯塚が矢野にタッチロープを使ってチョーク攻撃。
矢野も素早くコーナーポストを外して「ヤノ・トウ・ルー!」を狙うが、背後から飯塚が阻止。だが、矢野は金具が剥き出しになったコーナーに飯塚を叩き付けると、もう一度「ヤノ・トウ・ルー!」。またも背後から襲いかかろうとした飯塚だが、読んでいた矢野は振り返ってレフェリーを盾にする。驚く飯塚の背後に回った矢野は赤霧(=サイドから決める裏霞)で丸め込んで3カウント。
矢野がしてやったりの「ヤノ・トウ・ルー!」を決めているときも、場外では鈴木と桜庭が大乱闘。珍しくエキサイトした桜庭が飛びヒザで襲いかかっていくが、矢野が割って入る桜庭を引き上げさせる。収まらない鈴木はイスを手に桜庭を追いかけるが、田中翔が必死に止めるに入る。すると鈴木は田中を本部席に叩き付けてからイスで殴打して八つ当たり。
<試合後コメント>
矢野通&桜庭和志
矢野「おい、見ただろ、お前ら! 普段静かだけどな、こいつ(=桜庭)怒らせたら大変だぞ、バーカ!」
※桜庭は俯いたまま控室へ
第5試合
タイムスプリッターズの持つIWGPジュニアタッグ王座をかけて、CHAOSのフォーエバー・フーリガンズとBULLET CLUBのザ・ヤングバックスで3WAYマッチ。シェリーvs.ニックで試合開始。腕の取り合いではどちらも譲らない。するとニックがシェリーをホイップしてマットが背後から攻撃。だが、シェリーもマットを場外に追いやると、マットを捕まえ、KUSHIDAとのクイックタッチで腕を捻りあげる。
するとニックはロメロにタッチして「行け!」と指示。スピーディーなロープワークからアームドラッグで投げたKUSHIDAはシェリーにタッチ。スワンダイブで飛び込んできたマットを蹴りで迎撃したタイムスプリッターズは、ニックにも連係攻撃。
さらにロメロにはKUSHIDAを踏み台にしたシェリーが串刺しジャンピングエルボー。だが、コズロフがシェリーを場外に引きずり出す、鉄柵に叩き付けてからエプロンに上がってジャンピングニーを発射。リングにシェリーを戻すと、ロメロがハーフダウンのシェリーの後頭部に低空延髄斬り。
さらにフーリガンズは連係攻撃。そこからコズロフが羽交い締めにすると、ロメロはロープに執拗に飛ぶ。なかなか攻撃しないロメロに怒ったコズロフは仲間割れかと思わせておいてハグをして仲直り。
キャメルクラッチでシェリーを捕まえたコズロフは、ロメロからロシア帽を受け取るとコサックダンスキックから顔面へのフットスタンプ。そこにヤングバックスが入ってきてフーリガンズとタイムスプリッターズに連係攻撃を決める。マットはシェリーに対してコサックダンスキックを馬鹿にしたように決めると、ニックが入ってきて鮮やかな合体攻撃を連続で決めていく。
「Su●k IT!」とシェリーを挑発したマットがスクリューキックを叩き込むと、背後からロメロが勝手にタッチ。この隙を突いてシェリーがKUSHIDAにタッチしようとしたがコズロフがカット。だが、シェリーはフーリガンズの2人を捕まえると『まとめて』で叩き付ける。
しかしニックが入ってきてシェリーのタッチを阻止。シェリーはヤングバックスの同士討ちを誘い込んでようやくKUSHIDAにタッチ。一気呵成に反撃に出たKUSHIDAはハンドスプリングエルボーから逆立ちキック。さらにニックのヒザに低空ドロップキックを叩き込むと、ムーンサルトプレスと思わせておいて、場外のフーリガンズにプランチャ。素早くリングに戻ってその場飛びムーンサルトとシェリーのダイビング・ボディプレスの合体攻撃を決める。
ヤングバックスもハイジャック式ツームストンパイルドライバーを狙うが、シェリーが阻止。今度はタイムスプリッターズがI-94(=KUSHIDAのパワーボムとシェリーのスライス・ブレッド♯2の合体技)を狙うが、これはフーリガンズが阻止。ニックにスワンダイブ式ミサイルキックを発射したロメロ。
さらにコズロフがスタナーから肩車するとロメロがダブルインパクトを決めたが、マットがカウント2でカット。KUSHIDAのハンドスプリングエルボーを蹴りで迎撃したロメロだが、マットがスーパーキック。しかしマットにコズロフがスクリューキック。ここでタイムスプリッターズがロメロに合体攻撃を決めると、2人同時プランチャ。
これをフーリガンズがかわすとヤングバックスがトルニージョを発射。ここでコズロフがトペコンを狙ったが、ロープに足が絡まって宙づり状態に。その間にニックがコーナーからケブラーダを発射。
ダメージの大きいコズロフだが、ニックにエルボーを打ち込んでいく。そして串刺し攻撃をかわすと、ロメロが戻ってきて連続で串刺しラリアット。だが、ロメロのスワンダイブをマットがスーパーキックで迎撃すると、コズロフにはサンドイッチ攻撃からスピアー→ランニングニーの連続攻撃。
カウント2でタイムスプリッターズがカットしたが、ニックのターンバックルパワーボム+マットに延髄斬りからハイジャック式ツームストンパイルドライバー。タイムスプリッターズがカットに入ろうとするが、マットが阻止。しかしロメロが背後からタイムスプリッターズを押してどうにかコズロフを救出。
ロープに張り付いたロメロにダブルのスーパーキックを叩き込んだヤングバックスは、コズロフにMORE BANG FOR YOUR BUCK!!(=マットのカミカゼからニックが450°スプラッシュ→マットがムーンサルトプレス)を狙ったが、タイムスプリッターズがカット。そこにコズロフが向かっていくが、KUSHIDAがうまくジャパニーズレッグクラッチホールドで押さえ込んで3カウント。
大乱戦を制したタイムスプリッターズが見事タイトル防衛に成功した。
<試合後コメント>
タイムスプリッターズ
ーータイトル防衛おめでとうございます。まさに最高峰の闘いを制しての防衛でした。
KUSHIDA「ありがとうございます! いやぁ……」
シェリー「まだちょっと話せないみたいだね(笑)。2012年、2013年と僕たちはたくさんのチームと闘ってきた。そして2013年の後半からはヤングバックスという新しいチームがこの闘いに加わってきた。その彼らを倒して今日防衛したけれど、やっぱりKUSHIDAは最高のパートナーだと確信したよ」
KUSHIDA「もう! 勝因はこんな小さな、何が他のチームと違うか。レスリングですよ。確かにフーリガンズ、ヤングバックス、素晴らしいチームですよ。同じ時代にあんなタッグチームがある事が誇らしいというか。だけど根本的に言えるのは俺たちは飛んだり跳ねたりするだけのチームじゃない。レスリングが根底に流れている。飛んだり跳ねたりの軽いジュニアのチームと一緒にしないでもらいたいですね。次はこんだけジュニアの素晴らしいタッグチームがあるんだから、例年通りだったらトーナメント、リーグ戦。でもリーグ戦に冠がついていないですね。これまたどういう事か。また今年、2年ぶりに優勝して。(リーグ戦が)開催されるのであれば盛り上げたいですね。」
シェリー「今日僕たちは2チームと闘ったけれど、今度はもっとたくさんのチームが集まってタッグのトーナメントをやろうじゃないか。アメリカ、メキシコ、カナダ……。僕たちはタッグチームチャンピオンとしてそれらのチームと闘っていきたい」
第6試合
KUSHIDAからIWGPジュニアヘビー級王座を奪取した田口。7年ぶりの王座戴冠となった田口を襲撃したデスペラードに対して、田口は“言葉の意味はよく分からん”が、とにかくすごい怒っている様子。自由な田口、流ちょうな日本語をしゃべるようになったデスペラード、そして移籍してくるケニー・オメガ……新日ジュニアがざわつきはじめた!
ギターを抱えたデスペラードはTAKAと共にマス席最後方から登場。一方、自主制作の「オーマイ&ガーファンクル」Tシャツをアピールしながら入場した田口はリングインするとデスペラードと睨み合い。
ところが、背後からもう一人のデスペラードが現れて田口を急襲! TAKAを含めた3人で田口を袋叩きにすると、最初に登場したデスペラードが自らマスクを脱いで正体がタイチであることを明かす! 「タイチは帰れ!」コールの中、田口を場外に連れ出したタイチはイス攻撃。さらにデスペラードが鉄柵に叩き付ける。
完全にデスペラードに舐められた態度をとられている田口だが、「舐められたら舐め返す。シックスナイン代王者だから」と言い放ってい。だが、デスペラードはそんな田口をロープに張り付けると、ダイビング・レッグドロップを投下。さらにサミングからレフェリーを引きつけると、場外からタイチが田口を攻撃。
デスペラードはトップロープの上に田口を乗せて跨らせると、ロープを揺らして急所攻撃。さらに田口をセカンドロープに座らせると、ケツを何度も蹴り上げる。そしてアトミックドロップから結び目固めに捉えたデスペラードはなおも臀部(でんぶ)を攻撃していくが、田口は逆手に取ってカウンターのジャンピングヒップアタックから越中詩郎ばりのヒップバット。
そしてもう一発ヒップアタックを叩き込んだ田口は、デスペラードを強引なフェースバスターで叩き付けるとアンクルホールドへ。すぐに防御したデスペラードだが、田口は顔面への低空ドロップキックで場外に叩き落とすと、かつての盟友プリンス・デヴィットの羽根を広げるポーズからノータッチ・トペコンを発射。
デスペラードをリングを戻した田口はスワンダイブ。うまくかわしたデスペラードだが、田口はリバースのインディアンデスロックから反転して吊り上げるジャベ。しかしデスペラードも張り手を返すとブレーンバスターを狙う。これをスリーアミーゴ(=3連続高速ブレーンバスター)で切り返した田口だが、デスペラードも3発目を防御。
しかし田口はブルーサンダーで叩き付けると、串刺し攻撃を狙う。これをヘッドシザースで切り返して田口をコーナーに叩き付けたデスペラードは大暴走でアタック。さらに首をかっ斬るポーズからギターラ・デ・ラ・ムエルタ(=リバース・ゴリースペシャル・ボム)を狙うが、高角度前方回転エビ固めで切り返した田口は、そこからアンクルホールド。
ロープに逃れたデスペラードは下から田口の顔面を蹴り上げ、さらにレフェリーを引きつける。その間にエプロンからタイチで田口をイスで殴打。デスペラードは今度こどギターラ・デ・ラ・ムエルタで叩き付けたがカウントは2。ならばとギターラ・デ・アンヘル(=旋回式カナディアンパイルドライバー)を狙うが、これを逃れた田口は延髄斬りからどどん。
TAKAがエプロンに上がってくるが、ドロップキックで叩き落とした田口はデスペラードにアンクルホールド。タイチが場外からデスペラードの手を掴んで引っ張るが、レフェリーが蹴り上げて離すと、田口はデスペラードをタイチに叩き付ける。そこからどどんスズ・スロウン(=どどんの体勢からマットに叩き付ける相手にプリンスズ・スロウン)を決めた田口はアンクルホールドに捉えてタップを奪った。
見事初防衛に成功した田口だが、TAKAとタイチが急襲! 田口からベルトを奪い取ったタイチが田口を踏みつけると、TAKAが鈴木軍のフラッグを広げる。大の字に倒れた田口に馬乗りになって挑発してからしてやったりの表情で引き上げていったTAKA&タイチ。田口はまたしても鈴木軍にオーマイ&ガーファンクルなことをされてしまった。
<試合後コメント>
田口隆祐
「あぁ、なんだ。鈴木軍、聞きたいか? 言わせたいか? オーマイ……オーマイ&ガーファンクルを! 言わせたいか。乱入か? お家芸か? オーマイ&ガーファンクルか。ワシャお得意さまか? お家芸、乱入? 乱入したから挑戦が認められる? そんなの許さないよ。あたしゃ認めない。あたしゃ認めないね。そんなもんはお天道さんが認めてもあたしゃ認めないね。あの2人の挑戦はあたしゃ認めない。どんだけ。どんだけだよ。どんだけ〜だよ。IKKOさんも出てくるよ。IKKOさんより言ってやる。どんだけ〜。クソッ! 試合は自分がケツをガバガバにしてやる。いわせてやると言ったら逆に食らっちゃって。明日は我が身だよね。中盤、終盤はわりとシリアスな闘いだったよね。ただ中盤ちょっとスワンダイブ、かわされて相手の足に乗っちゃって。右足首をひねっちゃった。ちょっということ聞かなくなっちゃった。中盤、僕は動きが鈍ったんですけど、相手の足に乗ったんでイーブンで。いい具合に最後までイス(攻撃が)あったけど。たいして効かなかったんで。あれがまともに入っていたら危なかったな。あとコメントがなんか波紋を呼んでいるというか、品がないというお叱りを受けましたけれど、俺は何も下ネタはひとことも言っていない。こっちの発している言葉をキクモンがね、聞くもんが。ケツの話じゃないよ。聞くもんが変な獲り方してるだけで、何も下ネタなんて言ってない」
ーータイチとTAKA選手はまとめて相手してやるとアピールしていますが?
「3Pでやりたいという事ですか? 3WAY? 3Pですか?」
ーー複数プレイの方はプライベートでも経験豊富?
「複数プレイですか? そんな恥ずかしい事をカメラの前で言わせるんですか? ……僕はチェリーですから。チェリー・ブラッサム・ボーイですから。……ひいちゃったじゃないですか(苦笑)」
ーータイチ、TAKAの挑戦を認めるんですか?
「あたしゃ認めないよ! どんだけ〜ですよ。IKKOさんより使っていきますよ」
ーーやられたらやり返すの精神は?
「(顔芸を見せながら)やられたらやり返す! ……この先は言いません。舐めれたら……まぁ今日も舐められましたけれど、もうデスペラードはカピカピでしょう。出るもの全部出したから。イッちゃいましたよ。足首イッちゃったんで。足首イッたら次はナニ首がイクかってことでしょう。全部使えないですね。……僕も思っていない方向に行ってるんで、困っています。僕が一番困っています。誰か僕を軌道修正してください! 僕はもう向こう側にイっちゃいました(苦笑)」
タイチ&TAKAみちのく
タイチ「お前ヒップアタックだ、下ネタだ、と、おめぇ何目指してんだ?」
TAKA「ウワハハハ」
タイチ「そういうとこよ、俺から言わしたらよ、田口もKUSHIDAも一緒なんだよお前」
TAKA「恥ずかしいよ見ててよ」
タイチ「どっちもどっちだよ」
TAKA「恥ずかしいよ」
タイチ「恥ずかしいよお前ら」
TAKA「恥ずかしい恥ずかしい」
タイチ「だから俺らが戻ってきてやったんじゃねーか。田口、くだらねー、ケツとか下ネタとか、な?そういう事言ってるようじゃな、この下ネタ大嫌いな俺にしてみたらな、話になんねーぞこの野郎。田口、やるか?やるか満を持して俺と! やってやってもいいぞ」
TAKA「次はタイチかじゃあ?」
タイチ「ケツ対股間か?いいぞ、なんでもやってやるぞこの野郎」
TAKA「あぶねーな」
タイチ「田口、テメーは恥ずかしいんだ。新日本のジュニアの象徴は俺でなきゃいけない。決まりだ田口、田口対タイチ、紛らわしーんだよ名前も。負けたほうが名前やめよう紛らわしい」
TAKA「紛らわしいから俺にもやらせろよ」
タイチ「いや俺で決まりだ田口、俺のが強いからな」
TAKA「いや俺でもおもしれーんじゃねーか?」
タイチ「え?」
TAKA「お前、俺に勝ったことねーだろ」
タイチ「おめーよ、ええからダメだよ。次、俺だぞ。田口、テメー」
TAKA「俺に勝ってからやれ、じゃあ」
タイチ「あ?」
TAKA「俺に勝った事ねーだろ、お前」
タイチ「生意気だなテメー」
TAKA「生意気だと? どっちが生意気だコラ!」
タイチ「まあいいぞ別にやってやってもいいけどな、まあいいよおめーには挑戦権ねーよ。やってやってもいいよバカ野郎」
TAKA「勝ってから言えこの野郎」
タイチ「田口、俺だぞ」
TAKA「俺だ、俺!」
タイチ「俺、俺!」
第7試合
エロ発言&反則攻撃とやりたい放題のNEVER王者・裕二郎に対し、再びNEVERを輝かせるために出陣する石井。裕二郎はBULLET CLUBパーカーを着たセクシー美女を帯同して登場。リングに上がった美女はパーカーを脱いでセクシーなビキニ姿を披露すると、艶めかしく腰をくねらせた。
試合が始まると、ロックアップから石井がロープに押し込むが、体勢を入れ替えた裕二郎が殴りかかる。かわした石井だが、裕二郎はサミングからストンピング。怒った石井は髪の毛を掴んでロープに押し込み、「来いよ」と挑発。
挑発気味な張り手を見舞ってから突進した裕二郎を石井がショルダータックルで吹っ飛ばすと、裕二等は場外へ。だが、石井はすぐに裕二等をリング内に連れ戻すと逆水平チョップを叩き込んでからロープに飛ばす。またも場外に逃げた裕二郎は、追いかけてきた石井を蹴りで迎撃。
しかし石井も裕二路を鉄柵に叩き付ける。先にリングに戻った裕二郎は、エプロンまで上がってきた石井に襲いかかると、コーナーに叩き付けてからフロントキックで場外に蹴落とす。さらに鉄柵の喉元から叩き付けていった裕二郎はニヤリと笑ってセクシー美女とウルフパックポーズ。
石井をリングに戻した裕二郎は、頭部をナックルで連打。さらに顔面を踏みつけるが、石井は「来てみろ」と挑発。チンロックに捉えていった裕二郎は、顔面に低空ドロップキック。さらに挑発気味に石井の頬を張ってからフロントキック。倒れることなく受け止めた石井は、バックに回り込んで投げ捨てジャーマン。
逆水平チョップとエルボーを交互に叩き込んだ石井は、ショルダータックルでなぎ倒してからラリアット。かわした裕二郎が突進するが、石井はパワースラムで叩き付ける。そして裕二郎の顔面を蹴飛ばして挑発すると、裕二郎はフロントキックからフラップジャックで石井をロープに叩き付ける。
石井をコーナーに座らせた裕二郎は、雪崩式フロントスープレックスでブン投げるがカウントは2。「オ〜イエ〜」と叫んだ裕二郎はフィッシャーマンバスターを狙うが、石井も踏ん張る。ならばと投げ捨てジャーマンでコーナーに叩き付けてからフィッシャーマンバスターを決めた裕二郎。
完治していない左肩を押さえてうずくまる石井だが、顔面を蹴ってくる裕二郎を睨み付けながら立ち上がると、裕二郎のエルボーを食らっても退くどころか前に出ていってエルボーから串刺しラリアット。さらに裕二郎をコーナーに乗せた石井は、雪崩式ブレーンバスター。
カウント2で返した裕二郎だが、石井は右腕を突き上げるとラリアットを狙う、ダブルハンマーで叩き落とした裕二郎は石井の延髄斬りもはたき落として突進。しかしカウンターのラリアットで吹っ飛ばした石井は、豪快なパワーボムで叩き付ける。カウント3寸前で返した裕二郎に石井は垂直落下式ブレーンバスターを狙うが、裕二郎も必死で踏ん張る。石井はバックに回り込むが、裕二郎は急所蹴り。
読んでいた石井は蹴り脚をキャッチすると突進。だが、裕二郎はカウンターのラリアット。両者フラフラになりながらエルボーを打ち合うと、石井が「来いよ、この野郎」と挑発してからワンツーエルボー。しかし裕二郎はバックドロップで投げていく。
すぐに立ち上がって突進した石井だが、ラリアットをかわした裕二郎は石井の腕を掴み、レインメーカー式のインカレスラムで投げていく。東京ピンプス(=フェースバスター式カナディアンハンマー)を狙う裕二郎をリバースで切り返した石井はラリアットを狙うが、フロントキックで足止めとした裕二郎は至近距離からエルボー。
前のめりにダウンした石井を東京ピンプスで叩き付けた裕二郎だが、石井もカウント2で返す。15分が経過し、裕二郎はターンバックル・パワーボムで石井を投げつけると、マイアミ・シャイン(=肩口に抱え上げた相手を捻りを加えながら落とす変型デスバレーボム)を狙うが、石井も背後に脱出。
逆にファイアーマンキャリーで担ぎ上げるが、裕二郎も脱出。すると石井はノータッチヘッドバットからターンバックル・パワーボムをお返し! 両者突進してのラリアットは相打ち。片膝をついた石井に裕二郎がラリアット。だが、受け止めた石井はノータッチヘッドバットで裕二郎を座らせると、スライディング・ラリアット。続く垂直落下式ブレーンバスターを逃れた裕二郎は石井をレフェリーに向かってプッシュ。
そして背後から急所攻撃を狙ったが、読んでいた石井はかわしてスラディング・ラリアット。カウント2で返した裕二郎だったが、石井は今度こそ垂直落下式ブレーンバスターで叩き付けて3カウント。
大の字に倒れた裕二郎にセクシー美女が駆け寄るが、そんな裕二郎を尻目にNEVERのベルトを誇らしげに掲げた石井。ピンク色だったNEVERのベルトが再び無骨な色に輝き始めた。
<試合後コメント>
石井智宏
「これで無駄な4か月は終わった。それだけだな、この試合は。俺からは何もない」
ーービデオでも『NEVERのベルトに魂を吹き込んだ男』と言われていましたが?
「それは周りが言っているだけで、俺は俺が吹き込んだとか思っていない。それは周りが勝手に言ってくれよ。俺の理想と周りが違うだろうし、交わるかどうかもわからないし。それは周りが決めてくれ」
ーー改めてベルトを獲ってどういうチャンピオンを目指しますか?
「それはもうどういうチャンピオンとかは語らないようにしているから。やっぱりチャンピオンというのは自然についていくものだろう。俺はだから価値を高めるとか、そういうチャンピオン像を目指すとか、そういうのはないから。試合だけ見てくれよ。試合から感じ取ってくれよ。それが、その試合が面白ければそれでいいし、つまらないならつまらないでいい。そんなものは俺の知ったこっちゃない。俺が思う道を突き進むだけだよ。それをどこを目指してるとか言う事じゃない」
ーー以前「IWGPと戦う」とおっしゃっていましたが、その気持ちは変わらないですか?
「変わらないね、チャンピオンになったからには。あの裕二郎みたいな試合はしないよ。くだらない試合はしないよ」
第8試合
棚橋と歴史的な握手を交わした柴田が、今度は中邑と相まみえる注目の一戦。この日は柴田の曲に乗って入場した後藤&柴田。白いインターコンチのベルトを巻いて登場した中邑は、花道からかなり滾っている様子。そしてリングインして前に立ちはだかった柴田をスカすようにロープ際に移動して大きく仰け反った。
するといきなり中邑vs.柴田で試合開始。お互い慎重に構えながら組み合うと、まずは柴田がロープに押し込む。クリーンブレイクした柴田に対し、脇を差していった中邑はロープに押し込んでから両腕ダラリの脱力ブレイク。
ここで柴田が蹴り懸かると、かわした中邑も蹴っていく。尻餅をついた中邑に柴田は思いきり蹴りかかるが、かわした中邑はYOSHI-HASHIにタッチ。柴田も後藤にタッチすると、まずは後藤がショルダータックルでなぎ倒す。しかしアームドラッグで投げたYOSHI-HASHIはショルダータックルで後藤をなぎ倒すと、控えの柴田にも攻撃。
ロープに飛んだYOSHI-HASHIを追走した後藤は時間差ラリアット。さらに串刺し式村正(=ニールキック)からのバックドロップ。後藤が逆エビ固めに捉えると、柴田が飛び込んできて相手コーナーに中邑にジャンピング・フロントキック。中邑はカットに入れないが、YOSHI-HASHIは自力でロープに逃れる。
後藤のブレーンバスターをうまく逃れたYOSHI-HASHIは、続く牛殺しとローリングラリアットも防御すると、前方回転ネックブリーカー。ここでお互いにタッチして中邑と柴田がリングイン。エルボー合戦になると、お互いに拳を握ってから渾身のエルボーを打ち合う。そこから中邑はその場跳びのエルボーで柴田を吹っ飛ばすと、踏みつけてからコーナーに上に寝かせての串刺しニーリフト。
リバースパワースラムを踏ん張った柴田は、スリーパーと思わせておいてジャーマンで投げ捨ててからコーナーに押し込んでエルボーを連打。そして座り込んだ中邑に対して対角線上から串刺し式低空ドロップキック。ハーフハッチで投げた柴田だが、中邑もニーリフトからスピンキックを返すとリバースパワースラム。
滾り始めた中邑はボマイェを狙ったが、かわした柴田はスリーパー。気合いでそのまま立ち上がった中邑だが、柴田はそのまま中邑の身体に絡みつくと、何とパロ・スペシャル。YOSHI-HASHIがカットすると、中邑は腕十字を狙うが、これは後藤がカット。タッチを受けたYOSHI-HASHIは串刺しラリアットから柴田をトップロープの上に乗せて逆さ吊りにしてからドロップキック。
柴田もパワーボムをリバースで切り返して突進するが、キャッチしたYOSHI-HASHIは変型のジャックハマーで叩き付けてから豪快なパワーボム。そこからジャックナイフ式エビ固め。カウント2で返した柴田にスワントーンボムを狙ってコーナーに登ったYOSHI-HASHIだが、後藤が足止めすると、柴田が立ち上がってダブルで雪崩式牛殺し。
さらに後藤が中邑に牛殺しを決めると、柴田が蹴り飛ばして場外へ。柴田はYOSHI-HASHIに向かって走り込むが、YOSHI-HASHIはアッパー気味のラリアットで迎撃して突進。だが、ドロップキックで迎撃した柴田はスリーパーに捕らえる。そこから座らせた柴田は盤石のPKを叩き込んで3カウント。
YOSHI-HASHIに駆け寄る中邑を見下ろした柴田。すると立ち上がった中邑は額をくっつけて柴田と睨み合い。その肩にかかった白いベルトが何を中邑に引き寄せるのか……マイクを持った中邑は「次の挑戦者、いま決定! 柴田ァ! チャンピオン権限だ。もう答えは決まっているよな? 答えはこうだ……イヤァオ!」と挑戦者に柴田を指名。その様子を花道で見ていた柴田は頭を指差してから大きく手を開いてみせて立ち去った。
<試合後コメント>
後藤洋央紀&柴田勝頼
後藤「巡業だ、巡業!」
柴田「巡業!」
後藤「巡業」
柴田「巡業! 巡業! 巡業行くぞ、巡業!」
後藤「巡業行こう!」
柴田「巡業!」
ーー中邑選手からチャンピオン権限で……
柴田「巡業が先だ! 以上!」
中邑真輔
「さっそく、チャンピオン権限……あんのかな? 使わせていただきました。あいつにこのベルトの、凄さが分からなくても、どっちでもいいよ。だって、チャンピオン権限だもん。もう答えは決まってる。実行委員会、楽しみにして、待ってます!」
ーー柴田選手を挑戦者に指名した理由は改めて
「そうだな〜。まあ、なんだろね、美味しいじゃない、今一番。そうじゃない? 棚橋と握手してどうすんだろ? 桜庭とはどうなったの? 他の本隊の選手とはどうなんの? 俺からすればな、まさに、渦中の人だぜ。これから、どうやって振る舞っていくのか、熱は熱いうちに叩けって言うだろ? オイ。柴田も、今一番美味しい。俺にとっちゃ、G1で負けたって大義名分もあるだろ? 特に、ないでしょ、ほか?」
第9試合
今年のG1公式戦でオカダから勝利している内藤。これまでなかなかチャンスをモノに出来なかった内藤だが、ここでオカダから東京ドームIWGOヘビー級王座挑戦権利証を奪い取ってG1での勝利が奇跡じゃないことを証明できるか?
レインメーカードルの雨が降る中をオカダが入場。まずは腕の取り合いから試合がスタートすると、オカダをロープに押し込んだ内藤が離れ際に張り手。今度はオカダがロープに押し込むが、オカダは余裕のクリーンブレイク。
フロントキックからベースボール・スライド(=スライディング式ドロップキック)を叩き込んだオカダはレインメーカーポーズ。内藤が張り手を返すと、面食らった様子で崩れ落ちたオカダ。朦朧とした様子でなかなか立ち上がれないオカダを強引にロープに飛ばそうとした内藤だが、オカダは足元がおぼつかず倒れてしまう。
場外にエスケープしたオカダだが、内藤は場外に降りてオカダをリングに戻すとランニングサンセットフリップを投下。クルックヘッドシザースに捉えていった内藤は、オカダをコーナーに叩き付けて踏みつける。
内藤の串刺し攻撃を蹴りで迎撃しようとしたオカダだが、その足をロープの上に乗せた内藤はネックブリーカー。アームホイップからロープに飛んだ内藤だが、フラップジャックで切り返したオカダはエルボー、フロントキック、串刺しエルボーと畳みかけると、内藤をコーナーに座らせてから下からのドロップキックで場外に蹴落としていく。
さらに鉄柵に叩き付けてからフロントキックを叩き込んだオカダは、鉄柵の外に出た内藤を引きずり上げてDDTで場外に叩き付ける。10分が経過し、内藤をリングに戻したオカダだが、内藤はオカダの攻撃をかわしてロープを駆け上げってのスイングDDT。さらにミサイルキックを発射してから振り子式の串刺しドロップキックから、オカダのドロップキックを自爆させて顔面への低空ドロップキック。
さらに雪崩式フランケンを狙ったが、これはオカダがリバース・ネックブリーカー(=こうもり吊りの体勢から相手の後頭部にヒザに叩き付ける)で切り返す。ジョン・ウーで内藤を吹っ飛ばしたオカダはヘビーレイン(=ファイアーマンキャリーからの変型エメラルド・フロウジョン)。カウント2で返した内藤は、オカダのツームストンパイルドライバーをどうにか逃れるが、オカダはDDTで叩き付けてからヘッドスプリングで立ち上がるとダイビング・エルボードロップ。
そしてレインメーカーポーズからレインメーカー(=相手の腕を掴んで引き込むように決めるアックスボンバー)を狙うが、内藤はエルボーで防御。しかしオカダもエルボースマッシュでカチ上げてからドロップキックを狙う。これをジャンピングエルボーアタックで防御した内藤はオカダをコーナーに乗せて雪崩式フランケン。
続けてジャーマンで投げるがカウントは2。15分が経過して内藤はドラゴンスープレックスを狙うが、オカダも踏ん張る。ならばと延髄斬りからジャンピングエルボーアタックを狙った内藤。かわしたオカダはレインメーカーを狙うが、かわした内藤は低空延髄斬りから裏投げ。そしてグロリア(=リストクラッチ式変型エメラルドフロウジョン)で叩き付けてから一気にスターダストプレスを投下。
間一髪かわして自爆させたオカダだが、ダメージが大きくてなかなか立ち上がれない。それでも突進してきた内藤をキャッチしてツームストンパイルドライバーを狙うが、内藤も必死に抵抗。
ボルボ・デ・エストレージャ(=変型グラウンドコブラ)を狙って飛び付いた内藤だが、抱きかかえるようにして持ち上げたオカダは、そこからもう一度ツームストンパイルドライバーを狙う。だが、必死で離れた内藤は浴びせ蹴りからドラゴンスープレックス。カウント2で返したオカダだが、内藤はもう一度グロリアを狙う。これを背後に逃れたオカダは内藤の後頭部にドロップキック。そしてツームストンパイルドライバーで叩き付けたオカダは両ヒザをついたままレインメーカーポーズ。
レインメーカーをカサドーラで切り返そうとした内藤だが、オカダはキャッチして強引に持ち上げると、トップロープの上に乗せて1回バウンドさせてから高角度ジャーマンで投げていく。カウント2で返した内藤だったが、その直後、オカダがレインメーカーを叩き込んで3カウント!
1.4東京ドームでIWGPヘビー級王座への挑戦権を死守したオカダ。外道が誇らしげに権利書の入ったアタッシュケースを掲げる。一方、またしてもあと一歩が届かなかった内藤は悔しさいっぱいの表情で引き上げていったが、観客からは健闘を称える拍手と声援がたくさん飛んでいた。
<試合後コメント>
オカダ・カズチカ
「まあ、何もなければ別にないんで、失礼させてもらおうかな。次の試合、ほんのすこーしだけ興味があるんだ。それは、どっちが勝つかじゃねー。俺の対戦相手に相応しい人がいるかどうか、ちょっとだけ、見させてもらおう。何もないんだったら、さよなら」
ーーG1で負けた二人に勝って、これでオカダ選手のG1も終わったかなと思います
「そうですね。もう、今年のG1は思い残すことなく終わりました。ということで次は、東京ドーム、行かせてもらいます」
内藤哲也
「(※長い沈黙の後)……新日本プロレス、そして新日本プロレスファンのみなさん! 潰れなくてよかったね。オカダが勝ってよかったじゃん。これで新日本プロレスは安泰だよ。でもね……でも! 今日、これだけ潰れてもいいと。内藤を応援したいんだっていう声がスゲー届いたんで。スゲーうれしかった。でも! こんなんじゃ満足してられないんでね。やっぱ俺はこのリングの主役に立ちたいし、みんなに今まで応援してもらった分、返していきたいんでね。これで今年の闘いは終わりか? ドーム(のメインに立つチャンス)はもうないのか? 知ったこっちゃねぇよ。いいか、俺がいるんだ。俺は新日本プロレスのリングに立ち続けるんでね。俺をどんどん応援してくださいよ。応援してくれた分、2倍3倍、10倍でお返ししますから」
第10試合
ちょうど1年前にオカダに敗れてIWGPヘビー級王者から陥落した棚橋は「さらばだIWGP」と宣言。1年間、IWGPヘビー級戦線に加わらなかった棚橋だが、現IWGPヘビー級王者のAJスタイルズにG1公式戦で勝利。するとAJはベルトを賭けての再戦を要求。さらに棚橋側と思われていたジェフ・ジャレットに裏切りのギターショットを食らった棚橋にとってその屈辱を返すために、そして再び愛しのベルトを再び巻くために“IWGPがくれたチャンス”をモノにして、1.4のメインに辿り着くか?
大一番用の侍ヘアーで登場した棚橋は、実に凜とした表情でコーナーに登り人差し指を突き上げた。一方、AJはギターを持ったジャレットを従えて登場。リングインしたAJは棚橋に向かってバレットポーズ。しかし棚橋は敢えてその“銃口”に顔を近づけていった。
ジャレットとウルフパックを合わせたAJだが、海野レフェリーを突き飛ばしたジャレットに観客からは「帰れ」コール。しかしAJがジャレットをセコンドとして残すように懇願したためそのまま試合開始のゴング。バックの取り合いからロープを掴んだAJだが、棚橋はクリーンブレイク。
カニ挟みで倒した棚橋がガブっていくが、ロープに押し込んだAJもクリーンブレイク。ヘッドロックに捉えたAJだが、回転して逆にヘッドロックに捉えた棚橋。執拗に絞め上げていった棚橋だが、AJはどうにか脱出。しかし棚橋はアームドラッグからコーナーに飛び乗ってクロスボディーを決めると、再びヘッドロック。
ヘッドシザースで脱出したAJだが、リストロックに捉えた棚橋。AJの腕を固めていった棚橋だが、ロープに押し込んで逃れたAJは離れ際に棚橋のアゴを蹴り飛ばす。シュミット流バックブリーカーからロープに飛んだAJだが、追走した棚橋は珍しくラリアット。これでAJを場外に落としてプランチャを投下したが、かわしたAJは逆にスライディングキック。
しかし棚橋もこれをかわしてAJを鉄柵に叩き付ける。鉄柵にホイップした棚橋だが、ジャンプで飛び越えたAJは突進してくる棚橋にエルボー。さらに鉄柵の上に飛び乗ってジャンプするが、キャッチした棚橋はエクスプロイダーで投げていく。
棚橋にリングに戻されても場外に再び出たAJは、追いかけてきた棚橋をエプロンと鉄柵に叩き付けてリングに戻る。10分が経過し、AJは高さのあるニードロップを落とすと、チンロックに捉える。エルボーで逃れた棚橋はロープに飛ぶが、AJはリープフロッグからのドロップキック。さらにショルダーをぶつけていったAJは、串刺し式ジャンピングラリアット。
だが、2発目を蹴りで迎撃した棚橋はダブルスレッジハンマーからフライング・フォアアーム。エルボーと太陽ブロー、コーナー二段目からのローリングセントーンを投下した棚橋だが、AJも逆水平チョップから延髄斬りを返すとスワンダイブを狙うが、棚橋はうまく突き落として場外へ。
コーナーに駆け上がった棚橋は場外のAJにプランチャ式ハイフライフロー。15分が経過し、AJをリングに戻した棚橋はコーナーに登るが、AJはボディブローを叩き込むと、グッタリする棚橋を抱え上げてスタイルズクラッシュの体勢に。どうにか防いだ棚橋だが、AJはブレーンバスターでコーナーに投げつけると、スワンダイブ式エルボーアタック。そこからスタイルズクラッシュを狙うが、棚橋はうまく着地するとマージャンスープレックスで投げていく。
AJはローキックからチョップ、さらにローリング掌底。かわした棚橋はダルマ式ジャーマンで投げるがカウントは2。棚橋はスリングブレイドでAJを叩き付けると、もう一発狙ったが、AJはバックに回り込んでジャーマンで投げると、そのままクラッチを離さず持ち上げてシットダウン式のC.T.B.(=クラッシュ・サンダー・バスター)のような形で叩き付ける。
ブラディサンデー(=垂直落下式インプラントDDT)を狙ったAJだが、踏ん張った棚橋は投げ捨てドラゴンスープレックスで切り返す。そしてコーナーに飛び乗った棚橋はAJの背中にハイフライフローを投下すると、続けてハイフライフローを投下。完璧に決まったが、ジャレットがレフェリーを場外に引っ張り出してカウントを阻止!
エプロンに上がってきたジャレットに棚橋は怒りの表情で詰め寄っていく。ギターを手にしたジャレットだが、ここでAJが棚橋にオーバーヘッドキック。さらにブラディサンデーで叩き付けるがカウントは2。ならばとAJはスタイルズクラッシュを狙うが、棚橋は張り手。するとAJは棚橋をレフェリーに叩き付ける。
ここで上半身裸になったジャレットがギターを手にリングに上がってくるが、何と元WWEのヨシタツ(山本尚史)がリングに飛び込んできてジャレットを蹴りで排除。逃げるジャレットを追いかけてヨシタツも姿を消した。リング上はAJと棚橋だけとなり、エルボー合戦。朦朧とする棚橋だが、太陽ブローからエルボースマッシュ。しかしAJはレフェリーがいないことをいいことに急所蹴り。さらにスタイルズクラッシュの体勢からそのままパイルドライバーで叩き付けると、スワンダイブ式450°スプラッシュ!
だが、これを剣山で迎撃した棚橋はハイフライフローを投下。ところがAJも剣山で迎撃! 「棚橋」コールが起こる中、AJはコーナーに登って棚橋を引きずりあげると、何と雪崩式スタイルズクラッシュを狙う。これを逃れた棚橋は張り手からデッドリードライブで投げると、立ち上がったAJにクロスボディー式のハイフライフロー。続けて渾身のハイフライフローを投下して3カウントを奪った!
エンディング
両者大の字で倒れたまま。それだけの熱戦だったが、IWGPがくれたチャンスをモノにした棚橋はベルトと共に1.4東京ドームでのオカダ戦まで引き寄せた。一度は別れを告げた愛しのベルトを再び腰に巻いた棚橋は万感の表情。台風が来ているにもかかわらず駆け付けた満員の場内を見渡した棚橋だが、そこに権利書を持ったオカダが外道と一緒に登場。
マイクを持った外道は棚橋に向かって「棚橋! 正直なところオメーだとは思わなかったよ。オメーの怖いところはそこだよな。ベルトのほうから寄ってきやがる。東京ドームのメインイベントのほうから寄ってきやがる。だがよ! それすらもレインメーカーには通用しねぇぞ、この野郎。いいか、2015年1月4日東京ドームのメインイベントでレインメーカーが必ず締めてくれる。そうだろ、レインメーカー」と言い放つ。
外道からマイクを渡されたオカダは「棚橋さん、お疲れ様でした。あたな、太陽の何とかって言うらしいですけど、あなたのようなくすんだ太陽じゃ、この新日本プロレスは照らせません。黄金色に輝く太陽、この俺が新日本プロレスを……いや、プロレス界を照らします。くすんだ太陽には沈んでもらいますよ」と宣戦布告。
それを聞いた王者・棚橋は「何回も言うけどな、俺は疲れていない。オカダ、お前にカネの雨を降らすことが出来ても太陽にはなれない。なぜだか分かるかー? ……俺がいるからだ!」と言うと、観客からは両者への声援が飛ぶ。オカダがコーナーに登ってレインメーカーポーズを取れば、棚橋もコーナーに登って両手を広げてナルシストポーズ。そしてオカダが外道と共にリングを降りていくと、棚橋は「1年ぶりにIWGP戦線に帰ってきました。ただいまー!」と叫ぶと、観客からは「おかえりー!」の声。「ただいまー!」「おかえりー!」「ただいまー!」「おかえりー!」というコール&レスポンスから「ありがとう。AJを倒してこのベルトを巻いたからには、ベスト・イン・ザ・ワールド、その先に新日本プロレスを世界一の会社にしてみせます。今日はどうもありがとうございましたー!」と叫んでリングを降りようとするが、観客がそれを許すわけがない。
リングに戻った棚橋は「両国! 盛り上がっていこうぜー!」と肉声で叫ぶとエアギターを披露。さらにアンコールを受けてコーナーに登ってもう一度エアギターを披露すると、最後はエアギタークラッシュ! しかし「もう1回」コールが起こると、観客から投げ込まれたエアギターを受け取り、「ラスト新曲いきます!」と言ってからエアギターを掻き鳴らすと、そのギターをブン投げた。
「棚橋最高!」コールが起こる中、ベルトを肩にかけた棚橋は「ありがとう。今日が長い時間、ご観戦ありがとございました。じゃあ最後に両国の皆さん、愛してまーす!」で締めくくった。
<試合後コメント>
棚橋弘至
ーーIWGPが戻ってきました
「苦しい思いをした1年でしたね。誰もが、経験できることじゃないから。1年間ベルトに挑戦できないってなんだよって。まあ自分で言い出したんですけど」
ーー再び戻ってきたベルトを手にして以前手にしていた時とベルトへの思いは変わりました?
「そうっすね。柴田には、おかえりって言ったけど、俺からIWGPへの感覚としたら、ただいまって。そして、1.4、行ってきますって感じですね」
ーーただいまという言葉に、両国の大観衆からのおかえりコールはどのように届きました?
「オカダとAJが、俺の居ない1年間を進めてきて、まあちょっとしたね、どうなるんだろうっていう不安みたいなものは少しあったけど、ウェルカムでホッとしました」
ーーオカダ選手の言葉を受けてどんな気持ちですか?
「疲れてないよって返したけど、疲れてないからまた戻ってきたっていう、ちゃんと整合性があるでしょ? 元を正せば、誰との闘いの中で1年間、ベルトに挑戦できなかったかっていったら、オカダだから。まあ敗れた俺が一番悪いよ?ただその、1年分の借りを返せるでしょ。そう思ってます」
ーーオカダ選手からくすんだ太陽だという言葉もありました
「それはね、あながちね、否定しませんよ。黒いっていうか、グレーな部分もあるし、いっぱい過去を背負ってきたけど、なんか、太陽って、あるじゃん黒点って。いっぱいあるじゃん。くすんだ太陽のほうが時として、強い輝きを放つから」
ーーまた名言いただきました
「リング上でも言ったけど、オカダは太陽になれない。なぜなら、俺がいるから。太陽は一個でいいでしょう」
ーー今日の試合ですが、色んな事が起こったと思います
「そうですね…まあなんか今日はね、AJしか見えてなかったからこそよかったかな。俺から見てもAJって素晴らしいし、ベスト・イン・ザ・ワールドだと思うし。でも俺も世界一になりたいし。グラウンドでも、全てで上行ってやろうと思って、そんな気持ちでした」
ーーセコンドの介入や、棚橋選手を助ける存在も現れましたが、棚橋選手はAJしか見ていなかったと
「岐阜の子じゃないですか? 世界の子か岐阜の子かどちらか。今後なんかしら動きがあるんじゃないですか? 僕はわからないっす」
ーー改めてベルトを腰に巻いてドームの花道を歩きます。ドームへの気持ちを
「1年間が、貯めになるとは思ってないから。進化するから。俺の進化が、新日本の進化に繋がるから。若手の頃から、1試合1試合ね、新しい動きを、新しい技をやってみようって、何千試合とやってきてその積み重ねが今あるから。これから、もっともっと変わっていけると思うし、期待には期待以上で答えるから、まあ見ててください。頑張ります」
ーー有言実行で東京ドームのメインイベントを手にして、5年連続で東京ドームのメインイベントは棚橋選手になるんですが特別な思いはありますか?
「あまりプレッシャーをかけないでください。でもなんとかしますよ、逸材だから」
ーーベルトを取り戻したということで、ベスト・イン・ザ・ワールドの称号も取り戻したという思いはありますか?
「はい。あの、まあ、あのね、異論はあるかと思うんですけど、新日本プロレスは俺が中心じゃないと面白く無いんです。SUNだけじゃ駄目だし、火だけでも駄目だし、両方兼ね備えてる存在……いや、あんまり言うのやめよう(苦笑)。俺が中心に戻ります。そんな感じです」
ヨシタツ
ーーヨシ・タツ選手、今の登場というのは?
「いや、これは計画したものでもなんでもないです」
ーー棚橋選手を助けた事に意味はあるのでしょうか?
「いや別に棚橋弘至を助けにきたわけじゃなく、会場に来て、勝手に体が動いた。そういう事ですね」
ーーそれは新日本プロレスのリングから何か刺激を受けるものがあったのですか?
「それはもちろんありましたし、ここが結局(笑)、僕が帰ってくるところはここだから(ニッコリ)。あと、やっぱね。BULLET CLUBがすごい幅を利かせているから、いても立ってもいられなかったというのが本当のところですかね。別に棚橋弘至を助けに来たわけじゃなくて。まぁBULLET CLUBがすごい幅を利かせてるみたいだから、別に俺が一人で壊滅させてもいいですけどね。外国人をボコボコにするのは慣れてるから(笑)。なんだったらいきなりAJスタイルズとやってもいいけどね」
ーー今ヨシ・タツ選手と呼びかけられましたが、これからリングネームはどうされるのでしょうか?
「いや、ヨシタツでいいですよ。僕の父親の名前から取った名前なんで。ひとこと、ワンワードで(ヨシ・タツではなく)ヨシタツで」