【会見全文】ONE Championshipバンコク大会に出陣する三浦彩佳、山田健太、高橋遼伍がカーフキック議論や海外での空港トラブルなど赤裸々トーク!
20日、都内某所にて来年1月10日に行われるONE Championshipバンコク大会についての記者会見が行われた。
ONE Championshipは2011年にシンガポールで設立されて以降またたく間に勢力を拡大し、世界140カ国で放送され、26億人の視聴者を誇るアジア最大のマーシャルアーツ団体。今年3月に行われた初の日本大会は大成功に終わり、10月に行われた2回目の日本大会当日には台風19号の直撃を受けたものの無事開催され8500万人の視聴者数を得るなど成功を収めている。
まずは、ONE Championship日本代表取締役社長の秦アンディ英之が登場し、挨拶と2019年の総括を行った。
秦アンディ英之
「こんばんは!金曜日の、しかも忘年会時期に貴重な時間をありがとうございます!本来であれば新年を迎えて新たなスタートをお伝えしたかったんですけど、1月10日に既にバンコクで大会が行われる予定なんですけど、その選手たちに触れていただく、知って頂く機会を設けるためにはこのタイミングが最適かなと。選手のことを一番に思った形で皆さんにも触れて頂く形で開催させていただきました。今日のコンセプトは前半は皆様方にいろいろな情報をお伝えしつつ、後半は選手たちとより密接になって知っていただこうという趣旨になります。
まず改めて今年はいろいろとありがとうございました。2019年を簡単に総括させていただきますと、今年3月大会で初めて日本に上陸させていただいて、大会結果としましては来場者も数多く来ていただき、全世界の視聴者数もダントツの過去最高の4200万人という形になりました。その後色々我々のパートナーシップ、
Abema TV、テレビ東京でやらせていただいたり、我々が大切にしている競技団体ですね。修斗、パンクラス、新空手。こういった団体ともいろいろな交流、活動をともにさせていただいたということがあります。一方で、いよいよ来年2020年はオリンピックですけども、総合格闘技をオリンピックの競技化しようと、チャトリ会長の強い思い、ビジョンも我々も継承して、GAMMAという団体と組んだというのもあります。同時に、事業も多角化に向かって格闘技についでeスポーツ事業も発表させていただき、まさに今シンガポールノインドアスタジアムで大会が開催されているくらい、新たな歴史の一歩を踏み出している最中でございます。
あとは10月13日、両国で再びやらせていただいて同日のダブルヘッダーをやらせていただき、ここでも3月大会の2倍以上、8500万人の視聴者数を見てですね。開催させていただきました形で、他にもたくさんあるんですけど、2019年、ONEにとっては日本に上陸して色々やらせていただいた年でもありました。
10月大会を終えてから様々な市場の分析をさせていただいております。現状の我々の課題としましては、まだまだ認知が足りなかったりですね、一方で、スポーツを見ている人たちが実際に見に行こうという、この経験値をどう展開していくかということで、より多く知ってもらおうと。3月、10月、海外の大会にも来ていただいている方はみな口を揃えて『非常に楽しかった』『非常に盛り上がった』という非常に好感的なお言葉を頂いているんですが、もっとそれを広げていくという活動をいよいよ本格化している最中でございます。
後はこういった顧客分析、実際にどういった層が見ているか、どういった思いで見ているか、どういった生活習慣で見ているかという、ごく一部ですがこういったデータを見て、我々のためではなく、格闘技界・スポーツ界を盛り上げるためにONE Championshipが出来ることを取り組んでいる最中でございます。
いよいよ2020年に向けて、我々としてはより多くの方に知ってもらおうと、より多くの場を作ろうと、そしてより多くの日本の選手をもっともっと世界に送り出そうと。それは我々のミッションである“実在するヒーローを世に送り出す”“感動を与える”。とにかくこれをもっともっとやっていくために1つ1つ丁寧にやっていきたいと思っております。そしていよいよ2020年が幕開けますと、1月10日にバンコク大会が開催されます。そして次々と大会がアジア中で開催され、6月20日まで大会日程を発表させていただきました。ここでも既に報道でも出ていると思うんですが、4月に予定しておりました日本大会に関しては、代替えが決まり、オリンピック後に移るスケジュールになっております。1番の大きな理由としては、オリンピックの波をうまく活用して、それをしっかり活用して今までで最高の大会をデリバリーするために、1つ1つ時間を財産として最大級の大会を開催させていただくために下期に向けて力をつけている最中でございます。一方で大会は続きますので、継続してONEの価値、ONEの感動をあらゆる形で継承していく予定でございます。
もう1つの大事なポイントとしては、世界にどんどんどんどん選手を送り出して、戦える場を広げていこうということで、これが現状の我々の宿命となっております。ONE Championshipの最高峰の大会に、ONE Championshipの本大会のレイヤーがあるんですけど、その下にはシンガポールで開催しておりますリアリティ番組のリッチ・フランクリンが視界をしております、ONE Warriorシリーズというものを開催しております。今国がどんどん展開しているんですけども、ONE HEROシリーズ、これは国に落とし込んだ形で大会を開催したりと大会数が増えております。これをいろいろな地域に展開しておいく予定でございます。そしてONE主催であったり提携団体とのイベントも開催させて頂く予定でございます。
今日は1つご報告があり、このONE Warriorシリーズに昨年から我々が提携しております新空手のチャンピオンがシンガポールに合宿に行って、我々の世界王者に指導を受けて、そこからいろいろな経験を積んで、10月大会の日本の開催大会に出たら、ONE Warriorシリーズの主催者の目が届いてですね、『いよいよ面白い選手が出てきたな』ということで今日は2名の選手について契約を発表させていただきます」
ここで新空手代表の久保坂左近館長が登場し、マイクを取る。
久保坂左近
「新空手の久保坂と申します。今年からONE Championship様と提携をして、新空手で育った選手を世界につなげるという形でスタートして参りました。毎年3月に新空手では全日本GPを開催しておりまして、そのGPの優勝者をシンガポールのエヴォルヴジムに招待してトレーニングさせるということを試みました。そこにやはりエヴォルブに行った若い子たちがすごくいい経験を得てですね、10月に行ったONE Warriorに新空手から若手選手たちの2名が出場しまして、見事勝利しました。新空手は全国的に徐々に地方の大会からONE Championshipに出たりとか。、ONE Championshipという名前がどんどん広がっているなということをすごく感じております」
そして、久保坂館長からONE契約選手として有井渚海、基山幹太の2名がスライドにて紹介された。
久保坂「有井選手はベビーフェイスなんですけど、ジュニア時代から経験豊富で、アマチュア大会でも結構制覇してきた選手なんですね。すごく若いし動きもいいので、今後世界に出て貫禄を付けてさらに人気が出るんじゃないかと思います。そして基山は幼少時代からやっていて、中学からはキックボクシングをやっていまして、思い切りのいいファイトをするんで、すごく若手の成長株で、この二人は今後期待できる選手です」
続けて、1月10日のバンコク大会に出場する日本人選手である三浦彩佳、山田健太、高橋遼伍の3名が入場し、それぞれ挨拶と試合に向けての意気込みを語った。
高橋遼伍
「はじめまして!高橋遼伍です!タン・リー選手と試合をするんですけど、いつもどおりローキックを蹴って、相手方が足を引きずって痛がっているのを見てたら興奮するんで。しっかりアメリカ人の人が痛がって足引きずってる姿を見せたいですね。いつもどおりローキックで戦って……多分ローキックで勝ったら自分に酔って気分が悪くなってくるかなと。だから、タン・リーに勝って、気分が悪くなって、インタビュー中とかにゲボを吐いて、世界中にインパクを残す!(笑)トータルしたら、タン・リーと戦って、ローキックで足ぶっ壊して、インタビュー中にゲボ吐いて終わりです(笑)いままでインタビュー中とかにゲボ吐いてる人は見たこと無いんで、禁断の扉をちょっと開けたろうかなと(笑)勝っても負けてもKO決着で、自分がサクっと終わらせようかなと思います」
三浦彩佳
「はじめまして。TRIBE TOKYO M.M.A.の三浦彩佳です!マイラ・マザール選手はアメリカの散打のチャンピオンなので打撃がすごい選手なんですけど、いつもどおり首投げでしっかり決めていきたいと思っています!(首投げが来ることを)分かっていて皆さん決まるので、今回もしっかり決めていきます!これを勝って、ション・ジンナン戦につなげていきたいと思っています。女子格闘技界が盛り上がっているのはすごく嬉しいことなので、私が年明け1発目に勝って、さらに盛り上げていけるように頑張りたいと思います!」
山田健太
「改めて、プロフェッショナルシスト、健太です!(笑)92戦目くらいになると思うんですけど、ホントに過去最強の相手だと思います。勝って、過去最高の自己陶酔を味わいたいっていうのと、センマニー戦が用意されたっていうのは、僕はONEでは1勝2敗で正直崖っぷちなんですけど、崖から突き落としに来たなと。必死に抵抗したいと思います。ぶっちゃけ噛ませ犬といってもおかしくないくらいだと思ってるんで、そのまま噛ませ犬で終わらず、噛み付いてビッグサプライズをバンコクで起こそうと思っています。日本をどかーんとなるように!ぜひ日本から応援よろしくお願いします!」
――三浦選手、今年2月にONEデビューを果たし、この1年で随分環境が変わったと思います
三浦「ONEに出てから海外に行くことも初めてだったので、パスポートとか長南さんに指導していただいたんです(笑)パスポートもとり方がわからないので全部メモしてもらったりとか、空港から出れなくて大変だったとか……なんか、書くじゃないですか?その書き方分かんなくて、英語しゃべれないんで、パニックになってそこから泣いてみたいな……(笑)ほんとになんか色々経験させてもらった1年でしたね。試合に挑むまでが色々あり過ぎて、試合はあっという間に終わったなという感じでしたね。PANCRASEに出させてもらってるときから外国人選手とは戦っていたので、特に緊張とかはなかったんですけど、試合するまでが大変でした(笑)」
――健太選手、センマニー戦に向けた秘策は
「センマニーに限らずなんですけど、今までいろんな選手と戦ってきて、試合前に1度も練習変えたこと無いんですよ。ただ、シャドーに対戦相手と戦っているイメージをずーっとしてる。イメージを力に変えています。特別練習を変えるってことをしたこと無いんです。脳の力に頼って生きています」
――今日は高橋選手が隣にいらっしゃるのですが、カーフキックなどについて話はかわしましたか
健太「ちょっとさっき控室で話したんですけど、両者の見解が一致したじゃないですけど、基本的に『もらわない』って言ってました(笑)そんなに有効な技じゃないっていう(笑)最近流行ってますけど、本人も『もらわないなあ』って言ってましたね。僕ももらわないと思います。僕もカーフキックの使い手と戦っても、センマニーがカーフキックしてきても全然OKです!絶対してこないと思いますけど(笑)」
――高橋選手、今回のタン・リー選手、強い相手だと思いますが、試合が決まったときの感想は
高橋「オファーが来て『ハイ』って言った後に『対戦相手はタン・リー』って言われたんです(笑)倒置法、時差がありましたね(笑)でもまあ、やる相手とは思ってなんとなくイメージはしてたんで、取り組みやすかったなと思います」
――タン・リー選手はほとんど打撃の選手ですが、対策は
高橋「自分も健太さんとちょっと練習の取り組み方とか思想が似てて、相手に対して対策するんじゃなくて、自分の攻撃が当たり続けるっていう練習をしてるんで。相手の対策をしてる時点で練習から負けてるなって思うんで。例えば、強いレスラーに対して寝かされて立ち上がる練習。それは悪くないんと思うんですけど、寝かされて立ち上がるっていう練習してる時点で寝かされてるじゃないですか。その考えが良くないんで、自分がローキックを当て続けるって練習をやってます。だから対策はちょっとあんまやってないですね」
――相手の対策はしてないけど、相手のローは当てられる?
高橋「そうですね、ハイ(笑)」
――高橋選手、先輩である朴選手が負けている相手と戦うことに関して
高橋「えーっと……『頑張ってね』って一言だけ(笑)朴さんには『余裕で勝てるよ』って言われてるんですけど、朴さんが負けてるんで……(笑)説得力があるかって言ったら無いんですけど、日本でも人口が1億2000万人いて、タン・リーと戦ってる日本人って朴さんしかいないんで、そのへんの戦術とかのアドバイスはもらってるんで、それを考えながらトレーニングしてる最中ですね。まあ、『頑張ってくれ』くらいしか声はかけられてないですね(笑)」
――高橋選手、『カーフキックはもらわない』という言葉がありましたが、その中で高橋選手が当てられる理由は
高橋「……才能とかですかね?(笑)控えめに、結構色んな人に言われるんで。『高橋のローは当たるのになんで俺らのローは当たらないの?』って。やっぱり……才、能……?やっぱ自分はローキックでさんざんライバルを蹴落としてきて勝ってきてるんで、攻撃する分、ディフェンスの練習もしてて。これよく言うですけど、例えばクロン・グレイシーが三角絞めのやり方を知ってて、ディフェンスの仕方を知らないっていうのは絶対ないと思うんですよ。攻撃も防御も理解して初めて技になって、そこにスペシャルを加えて武器になるんで、みんな自分が蹴ってることばかりに目が行ってるけど、実はディフェンスもすごい研究してるっていう、ただそれだけです。才能です!(笑)」
――3選手、来年の目標は
高橋「明日、弟がレスリングでオリンピックかけた試合が始まって、とりあえず弟にしっかり優勝してもらい、オリンピックの枠をとってもらい、自分はしっかり勝って、自分は年内に絶対ベルト取りたいんで、弟はオリンピック出てメダル取って、『ONEのチャンピオンの弟がメダルを取った』『オリンピックでメダルを取ったレスラーの兄貴はONEでベルトを持ってる』っていうのが一番いいと思うんで、兄弟でしっかり結果を残せていけたらいいかなとは思っています。弟は高橋昭五、警視庁所属のグレコローマン67kg級に出場します。まあそんな感じです」
三浦「まず1月10日の試合をしっかり勝って、その次にタイトルマッチじゃなくていいので、全勝していきたいという気持ちです。ただ、2020年のうちにション・ジンナン戦をしたいと思っています。そこでしっかり勝ちたいと思います。
あと私You Tubeやってて、『あやゾンビチャンネル』っていうのをやってるんですけど、そこで今、15000人登録者がいるので、そこを10万人を目指して力を入れていきたいと思っています」
山田「2020年の新年早々の1発目がめちゃくちゃ巨大な相手なんで、正直1年の展望と言うよりそこに集中しすぎて、勝ったら調子に乗ってタイトルマッチとかいうのか、燃え尽きてしまうのか分からないくらい新年一発目に集中しているという感じです」
――最後に 社長から3選手へメッセージをお願いします
秦「今聞いたとおり、世界最高峰のレベルでやっている3選手の言葉を改めて聞くとそれぞれ個性があり、本当に日々努力をしていると思います。我々としても、それを応援していく、一緒になって感動を伝えていくという立場であることを、改めて本当に今日こういった言葉を聞いてですね、人に頑張れっていう、頑張っている人たちの生き様を人に伝える姿を見ていると、私でも軽い気持ちで言えないくらい、今すごく魂を頂いた。だから逆に悔いなく、大変だと思うんです世界で戦うってことは。我々が出来ることは、少しでも皆様方にこういった機会を設けますので、こうした選手たちの本当の姿をみんなに伝えて、みんなに知っていただいて、いずれはベルトを持って帰ってきてもらって、『取ってきたぞ!』っていう姿を見せる場をぜひ設けたいと思っているので、皆さん悔いなくやってきてください!」