【試合詳細】9・8 アイスリボン道場マッチ 世羅りさ&鈴季すずvs雪妃真矢&朝陽 テキーラ沙弥&ジュリアvsくるみ&星いぶき 松屋うのvsつくしvs藤本つかさ 尾崎妹加vsトトロさつき
『アイスリボン991』
日程:2019年9月8日(土)
開始:18:00
会場:アイスリボン道場
観衆:82人
▼シングルマッチ 10分1本勝負
●尾崎妹加(フリー)
7分28秒 ヒップドロップ→片エビ固め
○トトロさつき
▼トライアングル 15分1本勝負
●松屋うの
9分47秒 でんでんむし
○つくし
※もう1人は藤本つかさ
▼ タッグマッチ 15分1本勝負
テキーラ沙弥/△ジュリア
15分00秒 時間切れ引き分け
柊くるみ/△星いぶき
▼タッグマッチ20分1本勝負
○世羅りさ/鈴季すず
16分57秒 羅紗鋏→片エビ固め
●雪妃真矢/朝陽
横浜文体での決戦を前に世羅が雪妃からピンフォール!熱中症からプロレスに恐怖を抱いた朝陽を全員で励ましビッグマッチを前にアイスリボンが結束!
オープニング
この日の前説はメインに出場する二輪走の世羅&すずが務めた。そしてその場ですずがコマンド ボリショイプロデュースによる9月4日『PURE PRINCESS2』で、ファン投票によりMVPに選ばれ、第23代POP王者として認定されたことを報告。初めてのベルトを腰に巻き笑顔を見せていた。
第1試合
9月15日横浜文体前のラスト道場マッチ。オープニングマッチは横浜のオープニングマッチで行われる8人タッグでも対戦する妹加とトトロのシングルマッチ。パワーの妹加とウエイトのトトロは試合前から気合十分。お互いに絶叫しながら対峙すると、真正面からのぶつかり合いを展開した。トトロが妹加を抱え上げてのカミカゼを決めれば、妹加もアルゼンチン・バックブリーカーでトトロを揺さぶる。さらに両選手共通の得意技であるセントーン仕掛け合いも見られた。最後は妹加のダイビングセントーンを浴びたトトロが妹加のカバーを切り返すと、妹加にヒップドロップを決め、そのまま一気に丸め込んでカウント3を奪った。
試合後、敗れた妹加は「今日の試合は大声選手権だったわけですよ。第一試合、一番盛り上げて楽しんだ人が勝ち。自分の中でそう決めてるんです。入場で気合いを入れすぎて、そこで声を出し切ってしまって、本当にミスりました。トトロは自分より身体でっかいし、使う技も似てるんです。ちょっと舐めてたかもしれないですね。でも今日シングル出来てよかったです。これで対策が出来ました。第1試合はグリーンピースが入場から盛り上げて楽しんで勝利します。」とリベンジを誓うと、トトロは「大声選手権も試合も勝ったぞ~!今日油断したから負けたとか思ってるかもしれないですけど、自分は一番大きい技やってないんで。(妹加に)文体よろしくお願いします。」と不敵な笑みで返した。
第2試合
文体では藤本がSareeeとのシングルマッチ、うのがトライアングルリボン王座を賭けての3WAY戦、つくしがCMLL世界王者のマルセラとのタッグ戦と、それぞれが大事な大一番を控えてのトライアングル戦。なんとか勝利でタイトル戦に弾みをつけたいうのだが、策士2人を相手に、なかなかペースを掴めない。混戦、乱戦が続く中、つくしとうのはSareeeの必殺技である裏投げを藤本に決めようとするが、藤本はそれをこらえて逃れる。そして終盤、藤本、つくしにダイビングセイバーチョップを狙ったうの。つくしは藤本の足を踏みつけ間一髪で逃れるも、藤本にヒットし、そのままコーナー際でフォールに入る。カウント1でキックアウトした藤本だが、うのが離れたタイミングでコーナーからつくしがダイビングフットスタンプを藤本のボディに叩き落とした。そのダメージから場外に落ちる藤本を横目に、つくしは一気にうのをでんでんむしに決めフォール勝ち。
がっくりとするうの、藤本も悔し気な表情をみせた。
試合後、うのは「正直相手が藤本さんつくしさんと分かった時点から、自分の中ではちょっと心配だなって思ってました。そして、試合で丸め込まれて負けてしまい、一気に自信喪失してしまいました。文体までにまた気持ちを盛り上げていきたいと思いました。」と涙目でショックを隠し切れない表情。それを見たつくしはうのを指差しながら大爆笑し「文体まで頑張ってねっていう意味で今日…(うのに)聞いてる?まあいいや。14日マルセラさんと対戦なんですけど、14日横浜文体だけで終わらせたくないし、今後メキシコとかと絡んでいきたいなと思っている一戦なので、自分にとってとても大事な一戦です。メキシコ行くって全然決まってないのに、パスポートも作りました。VIVA MEXICOですよ、みなさん。意味?や~、メキシコだよ、みたいな意味(笑)。そんな感じです。世界のつくしをお楽しみに。」と語ると、藤本は「うの氏、文体で戦う相手にこんな(つくしを指さす)性格の悪い人いないから。いい勉強になったんじゃないかなと思います。チャンピオンになる姿みんなが楽しみにしてるんで、頑張って、松本都から獲ってね。期待してます。そして私は文体、Sareeeとシングルマッチですね。記者会見をやりまして、意外と彼女は何も考えてないんだなってことが分かりました。会見する前の方が楽しみではあったんですけど、と言っても、実力は私の知ってる頃のSareeeではないので、裏投げには気を付けます。勝つことしか考えてません。」と語った。
第3試合
リボンタッグ王者の沙弥&ジュリアのバーニングロウは先週に続き、挑戦者チームのいぶきとの前哨戦。先発を買って出たいぶきに対して、バーニングロウは情け容赦ない波状攻撃を仕掛けていく。くるみが何度もいぶきをアシストするも、バーニングロウの勢いは止まらない。再三、追い込まれたいぶきだが、終盤、コーナーでジュリアに怒りのエルボー連打を爆発するなど、必死の反撃に出る。バーニングロウの2人が途中、防戦に回るシーンも見られ、観客からの声援にも後押しされたいぶきの好ファイトが光った。しかし、バーニングロウも粘りをみせ、試合は時間切れ引分けに終わってしまった。終了後も怒りの収まらないいぶきがバーニングロウに襲撃を仕掛けるシーンもあり、王座獲りを狙ういぶきの気迫が感じられた。
試合後、いぶきは「14日にタイトルマッチが決まって、前哨戦自分がスリーカウント取られて、今日は15分ドローで、凄い悔しいしかないです。文体はデカい会場で、ベルトを巻くのが夢なのに、負けてばっかりいたら夢なんて叶わない。今日ドローになってしまって、北海道にいるハムさんにも迷惑かけたし、自分がここでスリー取ってれば文体に繋げられたのに、今は悔しいしかないです。でも文体は悔し涙を流さないで、嬉し涙を流して終わりにしたいと思います。」と「悔しい」を連発しながらも王座戦に前向きに語った。対するバーニングロウは「今日ドローになってしまって、正直タイトルマッチじゃなくてよかったと思います。今日がタイトルマッチだったら、このベルト剥奪されてたので。9月14日のリボンタッグのタイトルマッチでは、時間切れになったらベルト剥奪となってしまいます。負けることは絶対に許されない、このリボンタッグのベルとは、ジュリアと私の絆の証だと思ってます。なので、9月14日はリボンタッグのベルトを再び高々と掲げる姿を皆さんにご覧いただきたいと思います。」と沙弥が語り、ジュリアは「先週負けて、今日は引き分け。引き分けは勝っても負けてもいない。それは私たちも一緒。今日みたいないぶきと試合が出来て…先週と全然違ういぶき、あんな(先週の)いぶきと正直ベルトを賭けて試合したくなかったけど、今日いぶきと試合して、心と心でぶつかることが出来たと思ってる。だから私は文体でまた、心と心でお互いの夢を賭けて最高のタイトルマッチをしたいから、今日顔蹴られても止まらずにいぶきがガンガン来てくれて、クソ楽しかったし、本当によかったと思う。ドローだったことはお母さんにとって迷惑でもなんでもないと思うよ。ベルトを賭けて、文体思いっきりやりましょう!」といぶきと握手を交わした。
第4試合
文体のメインで行われるICE×∞王座決定トーナメント決勝戦。その最後の前哨戦は、同じく文体でシングル戦を行う朝陽vsすずとのダブル前哨戦として実現した。しかし、雪妃のパートナーである朝陽が入場こそしてきたものの、試合前から様子がおかしかった。コーナーでうつむき、リングに目を向けようとしない。朝陽を気遣ってか、先発は雪妃。となれば二輪走も世羅が先発に出た。序盤からお互いの動きを読み、きっちりとかわしながら仕掛け、それをもう一方がかわすというスリリングな攻防を展開する2人。パートナー対決ならではの独特の緊張感を漂わせる。頃合をみてすずに交代する世羅。一方の雪妃は朝陽の様子を見ながらのロンリーバトルが続く。途中、二輪走のダブルニーのアイストレインに捕まった雪妃。ここで遂に朝陽がカットでリングイン。二輪走の2人にドロップキックを見舞っていった。これに雪妃も奮起し、世羅にミドルキックを叩き込んだところで朝陽に代わった。世羅にドロップキック、ワキ固め、619と得意のムーブを仕掛けていった朝陽。さらに雪妃とダブルで世羅にブレーンバスターも決めた。しかし攻めているうちは良かったが、世羅に捕まり、蹴りを浴びたところで、倒れ込み動かなくなってしまった。戦意喪失状態の朝陽を雪妃の元に引っ張っていたの世羅。雪妃にチェンジするように促す。ここから試合は世羅vs雪妃の完全なタイマン勝負になった。蹴りで勝負に出る雪妃に対して世羅は投げ技で応戦。互角の攻防の中、コーナーへ雪妃をパワーボムで叩きつけた世羅はすずを呼び込むと、コーナーですずをおぶってのダイビングダブルニーを爆発。すでに虫の息の雪妃を羅紗鋏で叩きつけた世羅がカウント3を雪妃から奪い、前哨戦を制した。
そして試合後、マイクを手にした朝陽はうつむいたまま「自分は今試合をすることが凄く怖くなってしまいました…。」と言葉を絞り出し藤本を見つめる。その後藤本がマイクを取り「朝陽の気持ちを代弁させていただきます。先日、熱中症になって試合が中断してしまったんですね。そのトラウマが抜けなくなってしまったようで、今日世羅たちが前説をしている段階で、怖くて試合が出来ないって言い出したんです。分かった、じゃあ今日休むかって話をしていて、私と朝陽は入場式に出れなかったんですけど、でも、一本目二本目三本目と試合が進んでいく中で、彼女自身立ち上がって入場することができました。今また、ちょっと怖くなっちゃったのかもしれないけど、人間の弱さとか儚さとか脆さとか、そういうのを凄く体現している子だなっていうのは感じます。1週間後に文体が控えてるんですけど、今の段階ではどういう気持ちになるか、私でも正直分からないです。ただ、ここで負けて欲しくないなって気持ちはあります。現に今日自分の足でリングに立ったから。今は怖いという気持ちがあるかもしれないですけど、どうなるか分からないですが、これが現状です。」と説明。その横で朝陽が「でも、プロレスが嫌いになったわけではないです。」と語り、藤本は「ありのままを見せてしまって申し訳ありません。1週間考える時間を彼女に与えたいと思います。」とした。世羅に敗れた雪妃は「文体前最後の前哨戦だったんですけど、ボコボコにやられて負けましたね、前哨戦。凄い悔しい。悔しいけど、14日、キッチリと決着をつけて、ベルトは私が巻きます。」と語ったあと、朝陽に「こんなところで私が言うことでもないですけど、私は元々パニック障害という病気を持ってて、例えば私は乗り物に一切乗れなくなった。人混みがダメになった。ビニール袋の音を聞くのがダメになった。そういう風になってしまってから、生活するのもしんどい。そのパニック障害と戦うのが凄く苦しい時期もあった。けど、それを治すためにどうしたらいいか、薬に頼るとかそういうことじゃなくて、無理矢理電車に乗り込む努力を、トレーニングをしてください。苦しくなって、呼吸困難になっても、途中で降りるっていうことを繰り返して、電車に慣れてください。そうしたら、乗れるようになったりしますから。もしくは、安心できる人と一緒に乗ってください。誰か頼れる人と乗ったら平気になったりするから。そういうのを繰り返して私は今、空いてる電車だったら乗れるし、遠征のバスとかに乗れる機会も増えてきて、リング上でついてしまったトラウマをぬぐい去るにはリングに立つことしか、たぶん克服する方法はなくて、だから、やっぱりチケット代を払って試合を観に来てくださってるお客様の前で、それを克服する姿を、トレーニングを見せるのが正解かどうか分からないけれど、安心する人と一緒にリングに上がることが朝陽の恐怖を克服する一番の近道だと思うので、是非応援していただけたらありがたいと思います。朝陽も応援してくれてる人がいるんだって、対戦相手は敵だけども、お客さんの中に敵はいないから、リングには上がり続けて欲しいなと思います。文体も間近だし。」と涙ながらにアドバイスを送った。
すずも泣きながら「アイスリボンにベルトを一本持って帰ってきました。自分は今チャンピオンです。だからもっともっとプロレスがやりたい。もっともっと感情的になって、もっともっと自分の気持ちをさらけ出して、自分の心で自分の身体でプロレスがやりたい。今日は世羅さんと組んで勝ったけど、まだまだまだまだやり足りないです。文体はどうなるか分からないですけど、自分はどんなカードでも受けいれます。でも朝陽さんを信じます。文体楽しみにしてます。以上です。」と力強く語り、世羅は「勝ったぜイェ~イとはならないですよね。勝ったけど。なんだろう?朝陽はリング上に立っただけで十分凄いと思います。ぶっちゃけ2対1になると思ってたし。それでも、対角に立って一度でも上がってきてくれて、闘争心のない人をボコボコにするような変な性格じゃないんで、チェンジに行かせちゃいましたけど、文体までに立ち直ることを期待しています。ユキちゃん、今日で分かったと思うけど、優しい世羅はもういないと思ってください。(「元々いると思ってないよ」と雪妃)アジュールレボリューションとして、雪妃の横で笑ってる世羅はもういないから。14日、今日以上にボコボコにしますんで。楽しみにしててね。」と語った。
そしてこの日、座談会の進行役を務めたくるみも「自分も一言だけいいですか?自分も膝を怪我して、シングル恐怖症だったんですよ(涙声)。朝陽の気持ちは凄く分かるんです。自分も試合に復帰したけど、なんかな~って思う時期があって、シングル無理って言ってタッグに変えてもらって、でもそれじゃダメだなって思ったんですよ、自分の中で。自分のその不安に勝たないと、この先プロレスやってけないなと思って、それからしばらくして、トーナメントがあった時に、やりますってことをつっかさんに伝えて、そこから這い上がって、自分は、怪物になれたと思ってるんですよ。だから朝陽のその気持ちは凄く分かるし、不安だし、もう1週間切っててあとちょっとで文体、焦る気持ちは分かるけど、不安に打ち勝って欲しいなって思います。そしたら、朝陽も這い上がって、どんどんどんどん暴れられると思うから。あとちょっとしかないけど、気持ちを切り替えて頑張って欲しいなと思います。自分はハードコアで文体をぶっ壊します。」と語った。