【試合詳細】7・15 PANCRASE大阪大会 三村亘vs獅庵 瀧口脩生vs土肥潤 DARANI DATEvs冨田翔市 キャプテン禎vs岩本達彦
『PANCRASE大阪大会』
日程:2019年7月15日(月・祝)
開始:14:15
会場:城東KADO-YAがもよんホール
観衆:529人
[パンクラスゲート]
▼第1試合 バンタム級 3分3R
○谷 育磨(ゼロ戦クラブ)
判定3-0
●延命そら(総合格闘技スタジオSTYLE)
▼第2試合 フライ級 3分3R
●城戸泰介(ゼロ戦クラブ)
判定1-2
○桐山康平 (パンクラス大阪)
[3対3 道場対抗クラップリングマッチ第1試合 BLOWS対パラエストラ東大阪]
▼先鋒戦
△中務雄太(BLOWS)
時間切れドロー
△上村亮馬(パラエストラ東大阪)
▼副将戦
△イマフク・フェルナンド・シゲル(BLOWS)
時間切れドロー
△占部大河(パラエストラ東大阪)
▼大将戦
△ジプシータロー(BLOWS)
時間切れドロー
△岸田海輝(パラエストラ東大阪)
※この結果により、BLOWS対パラエストラ東大阪は3戦3分でドロー。
[3対3 道場対抗クラップリングマッチ第2試合 パンクラス大阪 対 総合格闘技道場コブラ会]
▼先鋒戦
△坪内一将(総合格闘技道場コブラ会)
時間切れドロー
△一ノ本 大空(パンクラス大阪)
▼副将戦
△錦織隆富(総合格闘技道場コブラ会)
時間切れドロー
△野嶋智裕(パンクラス大阪)
▼△江島孝一郎(総合格闘技道場コブラ会)
時間切れドロー
△スカー・オーディン・シャーン(パンクラス大阪)
※この結果により、パンクラス大阪 対 総合格闘技道場コブラ会は3戦3分けでドロー。
[本戦]
▼第1試合 フライ級 3分3R
○藤田健吾(総合格闘技道場reliable)
判定3-0
●長屋正悟(パンクラス大阪稲垣組)
▼第2試合 フライ級 3分3R
○井上暉也(パラエストラ加古川)
判定2-1
●梅川 毒一郎(総合格闘技道場コブラ会)
▼第3試合 フェザー級 3分3R
○堂園 悠(修和館)
2R 0分17秒、KO(スタンドのパンチ)
●夢虎龍生(パンクラス大阪稲垣組)
▼第4試合 バンタム級 3分3R
○修我(総合格闘技スタジオSTYLE)
判定3-0
●秋田良隆(KING GYM KOBE)
▼第5試合 ライト級 3分3ラウンド
○渡部拓馬(総合格闘技道場reliable)
2R 2分50秒、KO(スタンドのパンチ)
●小川道的(柔術兄弟/ALIVE伊勢支部)
▼第6試合 フェザー級 3分3ラウンド
●キャプテン禎(修斗GYMS直心会)
判定0-3
○岩本達彦(BLOWS)
▼第7試合 フェザー級 3分3ラウンド
●DARANI DATE(Team DATE)
判定1-2
○冨田翔市(パラエストラ東大阪)
▼第8試合 セミファイナル バンタム級 3分3ラウンド
●瀧口脩生(総合格闘技スタジオSTYLE)
判定0-3
○土肥 潤(総合格闘技道場MIBURO)
▼第9試合 メインイベント バンタム級 3分3ラウンド
○三村 亘(パンクラス大阪 稲垣組)
判定2-1
●獅庵(パラエストラ大阪)
“お祭り男”三村亘が稲垣組を勢いづける価値ある勝利!バンタム級KOP戦でハファエル・シウバvs金太郎、ストロー級KOP戦で砂辺光久vs北方大地が決定し決意を語る!
第1試合
藤田は2016年より修斗で闘い、昨年12月、大阪大会でパンクラスに初参戦。前戦は加マーク納にTKO負けを喫しているが、キャリアの浅い若手にはどうしても負けられないところ。
長屋はDEEPに出場経験があるが、パンクラスではデビュー戦となる。前田吉朗を筆頭に、藤原大地、伊藤あすか、中村晃司、今月タイトルマッチに挑む北方大地、金太郎など、次々と強い選手を育ててきた稲垣組の新世代だ。果たしてどんな戦いを見せるのか。
1R。大きくパンチを振っていく藤田。長屋もパンチを返すが、藤田のパンチが効いた! ぐらつくがタックルに入り、ケージへ押していく。バックを取った長屋が首を狙う! なんとか立ちたい藤田。残り30秒。極まらずブザーを聞いた。
ジャッジは三者10-9で長屋を支持。堂々たる闘いぶりだ。
2Rパンチを振り先手を取っていく長屋。タックル。これは切られるが、長屋はパンチから再びタックル。しかし、藤田がサイドとなり、バックに回る。カメになった長屋に藤田がパウンド連打。しかし長屋は上体を起こし、尻もちまで戻した。残り30秒。長屋が立つ! しかし、藤田はヒザを入れ、ケージへ。一旦離れ、長屋がローを打ったところで終了。
ジャッジは三者10-9で藤田。イーブンに戻した。
3R。長屋はロー、パンチを振ってケージへ押し込んでいく。藤田はボディを殴り、さらにヒザ! 長屋は片足をつかみ投げるが、藤田が上となる。スタンドに戻り、ケージへ押し込む藤田。入れ替えたい長屋、させない藤田。さらに投げてバックを取る。長屋が入れ替えたところで終了。
ジャッジは三者29-28で藤田が勝利。接戦の末、藤田が長屋を振り切った形。長屋は敗れたものの、ポテンシャルの高さを十分感じさせた。ただ、まだ3Rを走り切るスタミナに欠けるか。今後、経験を積んだ長屋の成長が楽しみだ。
第2試合
パンクラス大阪大会、DEEP OSAKAなど関西で活躍する井上。対する梅川は、この5月に修斗大阪で判定負け、舞台をパンクラスに移して新たな一歩を踏み出す。
1R。ジャブの井上、ローを蹴っていく梅川。梅川のタックルにヒザを合わせた井上がケージへ押し込む。投げを試みる井上だが倒せず、バックに回って上に。梅川は下から三角を狙う。さらにヒジ連打。サイドに移行した井上が鉄槌を落としたところで終了。
2R。大きくパンチを振っていく井上。タックルからケージへ押し込む。投げるが、立つ梅川。梅川は中に入ってヒザ、さらにバックブロー。井上は組んでケージへ。片足を抱えている。抜けたい梅川はヒザを打ち込むが、井上は離さない。梅川が細かく殴って終了。
3R。パンチで出る梅川。井上のタックルを切る。梅川の右パンチがヒット、ぐらつく井上。さらに梅川が跳びヒザ! しかし井上は組んでケージへ押していく。
なんとか突き放した梅川。逆にケージへ押していくが、井上が入れ替える。梅川は細かく殴り、さらにヒザを打ち込む。離れると、お互いパンチ、蹴りを出し、井上がケージへ押し込んだところで終了。
判定は割れ、2-1で井上が勝利した。
第3試合
昨年12月、大阪大会のパンクラスゲートに出場した堂園が、本戦に昇格。対する夢虎はDEEP OSAKAを経て今回がパンクラスデビュー。フレッシュな若手同士、デビュー戦を白星で飾るのはどちらか。
1R。蹴りで攻める夢虎に対し、堂園は大きくパンチを振る。夢虎がタックルからケージへ押し込むと、入れ替える堂園。夢虎がパンチ、堂園は離れる。
パンチで入っていく堂園だが、夢虎は組んでヒザを打ち込む。ケージへ押し込んだ堂園がヒザを入れると、突き放した夢虎。堂園が大きくパンチを振ったところで終了。
2R、いきなり打ち合う両者。堂園のパンチがヒット、目の覚めるようなKO!
第4試合
昨年12月、大阪大会で本戦初出場したが、増田拓真に判定負けを喫した修我。今回は、当初の相手選手の怪我により、急きょ相手が変更となったが、どうしても初白星をつかみたいところ。
対する秋田は、アマチュア修斗、GRACHANを経てパンクラスへ。急きょの参戦となったが、どのような闘いを見せるか。
1R。 プレッシャーをかけていく修我。秋田は左フック。ケージ際で打ち合うと、修我が組んでテイクダウン! さらにサイドへ移行、ヒジを落とす。しかし秋田が腕を狙う。極まるかと思われたが、修我が回転して外して終了。
2Rも修我がプレッシャーをかけていく。ロー、遠い距離からのパンチ。フェイントをかけながらボディブロー、左右のパンチと攻めていく。一気に中に入った秋田だが、修我が倒す。サイドポジションからパウンド! しかし、秋田も腕を狙っていく。これを外した修我はマウント! パウンドを落として終了。
最終ラウンド。プレッシャーをかける修我。秋田は低空タックルを仕掛けるが、これを潰した修我は殴って立つ。ボディを殴る秋田だが、修我が倒してサイドに移行。残り30秒。秋田はマウントを許さないが、修我はそのまま殴り、ヒジを落として攻めきり終了。
判定は3-0で修我が勝利。
第5試合
2016年、パンクラス大阪大会に初参戦した小川は、この試合でアゴを骨折。治療と海外修行を経て、今回は3年ぶりのパンクラス登場。見事にビルドアップされた身体が目を引く。
DEEP大阪大会の常連ファイター・渡部は、2017年にパンクラス初参戦し、2戦している。1年半ぶりのパンクラスでどのような闘いを見せるか。
1R、パンチで出た小川は、組みにいくとバックに回り殴る。小川を背負ったまま立った渡部は、下ろして正対し、ケージへ押し込んで殴る。小川が入れ替えたところで終了。
2R、パンチで押していく小川。パンチの圧力が強い。組んでケージに押し込むが、入れ替えた渡部は片足を抱える。小川が突き放すと、渡部のパンチがヒット! 小川がきれいにダウン。全体に押していた小川だが、渡部の起死回生の一発に沈んだ。
北方大地&金太郎あいさつ
『PANCRASE 307』(7月21日、スタジオコースト)においてキング・オブ・パンクラス タイトルマッチに挑戦するパンクラス大阪稲垣組の北方大地、金太郎がケージイン。地元ファンへ勝利を誓った。
▼金太郎
「パンクラス大阪稲垣組の金太郎です。7月21日、ハファエル・シウバとベルトを懸けてタイトルマッチをさせていただきます。
この大阪で積み上げてきたものがあります。僕にしかできないKOを見せたいです」
〜バンタム級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ〜
ハファエル・シウバ(ASTRA FIGHT TEAM/第3代王者)
VS
金太郎(パンクラス大阪稲垣組/1位)
▼北方大地
「お客さんに質問があります。自分が応援している選手以外でも、せっかく(会場で)見ているのなら、チャンピオンを、強い奴を見たくないですか?
せっかくなので、金太郎と二人、ベルトを獲って、大阪で防衛戦をしたいと思います」
〜ストロー級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ〜
砂辺光久(reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE/初代王者)
VS
北方大地(パンクラス大阪 稲垣組/1位)
第6試合
2017年より大阪大会に参戦している岩本。今年、第25回NBTにエントリーしたが惜しくも敗退。地元・大阪で再起をはかる。
対するキャプテンは、2014年よりパンクラスに参戦。2016年3月を最後にパンクラスを遠ざかっていたが、3年4ヶ月ぶりに戻ってきた。両者ともに負けられない復帰戦。
1R。岩本がパンチで出ると、キャプテンも返す。岩本はケージへ押し込み、腕を狙うが外すキャプテン。お互いパンチを打ち合う。キャプテンのローがローブローに。再開してすぐ終了。
2R、いきなり打ち合う両者。岩本の蹴り足を取ったキャプテンがケージ際でバックに回りヒザ連打。岩本がパンチを振って終了。
3R。お互いパンチを出しているが、決定打が出ない。決め手がないまま終了し、判定は3-0で岩本が勝利。
第7試合
インド王族武術の使い手DARANI DATEは2017年よりパンクラスに参戦。特徴的な足技で東京ではおなじみだが、大阪大会には初出場。関西でも存在感を示せるか。
対するは、昨年7月から参戦している冨田だ。9月には東京進出を果たし、木村一成を破った。しかし12月、杉山和史に敗れ、初黒星。今年最初の試合は地元での再出発となる。
1R、いつものように変則的な蹴りを連発するDARANI。冨田がローからタックルに入ると、DARANIがチョークに抱える。冨田が潰し、ハーフマウントになったところで終了。
2R、フェイントをかけ、組んだ冨田。DARANIが投げたが冨田が上に。冨田は殴りながらハーフマウント。DARANIがガードに戻す。お互い殴るが、決め手なく終了。
3R。片足タックルからケージへ押し込むDARANI。冨田は投げて上になり、パンチを落とす。DARANIが一気に立って離れ、組むが、冨田が上になって終了。
判定は3-0で冨田が勝利。
第8試合
日本拳法、空手ベースの打撃を武器に7戦5勝1敗1分と高い勝率を誇る瀧口。大物食いのチャンスとなった4月DEEP大阪大会では、赤尾セイジに終始押さえこまれ自身の持ち味を発揮できず敗退している。
一方、卓越したグラップリング技術で、東京大会でも強い印象を残している「聖帝」土肥。どんな状況でも表情を変えず、「氷のグラップラー」とも呼ばれ、関西若手選手の高い壁として立ちはだかっている。ストライカー対グラップラー、どちらに軍配が上がるか。
1R、土肥のタックルを切り、蹴りを入れる瀧口。しかし土肥は粘り強くタックルを繰り返し、ハーフマウントからサイド、さらにバックに回る。瀧口が背負ったまま立つと、首を狙う土肥だが、極まらず終了。
2R、土肥がタックルからケージへ押し込み、マウントへ。返す瀧口はパンチ、ヒジを連打するが、土肥はさらにケージへ押し、上に乗っていく。瀧口が立ち上がって終了。
3R。全く表情の変わらない土肥。片足タックルで尻餅をつかせ、殴りながらサイド、ハーフマウントとじわじわポジションを奪っていく。残り10秒でついにマウントとなり、殴って終了。
判定は3-0で土肥。
第9試合
「稲垣組のお祭り男」こと三村亘が、メインイベントに初登場。
同門の北方大地と金太郎がタイトルマッチに挑む『PANCRASE 307』まであと6日。大一番を控える同門につなげるためにも、また、次世代の自分自身をアピールするためにも勝たなくてはならない一戦だ。
対する獅庵は、地元大会で頭角を現し、東京大会にも進出したが、2017年12月の大阪大会以降、闘いの場を遠ざかっていた。1年7ヵ月ぶりの再起戦は地元大阪で。フライ級から階級を1つ上げた獅庵のパンチが、若手の台頭に待ったをかけるか。
1R。打撃で前に出る獅庵に対し、三村がすくい上げるようなタックル。バックに回った三村がポジションをキープして終了。
2R。タックルを切られた三村だが、組んでケージへ。しかし、バランスを崩し、獅庵が上になる。立って正対した三村は再びケージへ押す。ヒジを連打する獅庵。立った獅庵に対し三村が組むと、獅庵がフロントチョーク。極まりそうに見えたが、三村が終了まで耐えたが、獅庵にも疲労の色が見えている。
3R。三村がいきなり飛び込んでいき、ケージへ押す。乗っていくが、獅庵は立って逆にケージへ。入れ替えた三村の、ボディへのヒザが効いた。離れる獅庵を追っていく三村。獅庵はタックルを切りヒザを打ち込むが、三村が再びタックル、バックを奪って終了。
判定は2-1で、三村がギリギリの闘いを制した。
[三村コメント]
「試合はいつもハードなので、自分ではすごいという意識はない。相手も怪我からの復帰で必死だし、お互い大事な試合とわかっていた。相手はとても強かった。次のステージに向けて糧にしたい。
相手はストライカーだし、一発ももらわずに勝つのは競技の性質上、ないこと。(勝因として)大きかったのは、(稲垣組に)強い仲間が集まっていること。このチームだから勝てた。
メインだったが、重圧はなく、試合に向かう気持ちはいつもと同じ。ただ、メインなので応援がいつもよりも多くてモチベーションが上がった。前に出続ける姿を見せたかったので、(観客が)盛り上がってくれて、身を削る甲斐があった。自分が「お祭り」と言っているのは、こういうこと。人が集まって、同じ空間で盛り上がること。お客さんも一緒に闘ってくれていると思うから。
(21日に北方と金太郎がタイトルに挑むが)2人ともチャンピオンになる実力のある選手。一緒にやっている仲間だけど、ライバルでもある。ぜひ獲って、これからも良き仲間でいてほしい。僕はそれを追いかける。
(もし同門対決になったら?)相手が誰であっても闘うのが稲垣組。もし同門でタイトルマッチをやれたら最高かも。
今後は、稲垣組VSどこかのチームとか、外国人を呼んでやれたらと思う。そういう祭りをやりたい。
やはりパンクラスで頑張っていきたいし、まずランカーになること。シンプルに、強い相手と闘いたい。金太郎選手がチャンピオンになった後を俺が荒らしていく。試合が好きだし、選手は試合してナンボ。声がかかればどこでもやるのが信条です」
北方大地ら稲垣組のファイターや、秋葉太樹、福島秀和など東京大会へ進出する選手が増え、今の大阪は新たな若手が台頭してくる時期。特に稲垣組は選手の層が厚く、初メインを務めた三村や、今大会でデビューを果たした長屋、夢虎らポテンシャルの高い選手が揃っている。
これまでNBTに関しては優勝選手を出していない稲垣組だが、来年は夢ではないかもしれない。
また、関西は格闘技の道場も充実しており、今後もイキのいい選手が出てくるのが楽しみだ。
(写真・文/佐佐木 澪)