G1 CLIMAX初参戦のKENTAが棚橋弘至に快勝し2連勝!棚橋は「迷子は俺だった」と意気消沈
14日、東京都・大田区総合体育館にて新日本プロレス『HEIWA Presents G1 CLIMAX 29』が行われ、KENTAが棚橋弘至を撃破してG1 CLIMAXで2連勝の好発進を見せた。
KENTAと棚橋は、前日13日の前哨戦タッグマッチで初遭遇。互いを強く意識しながらバチバチとした打ち合いを見せたが互いに白黒は付かず終わり、試合後に棚橋は「G1 CLIMAXに1人、迷子が迷い込んできている。自分がどう行けば良いのか完全に見失っている、1人迷子が入ってきてるから。ヒデオなのか、KENTAなのか、それとも……“ケンタきゅん”なのか……。明日ハッキリさせてやるよ」とニヤリと笑ってKENTAを挑発していた。
双方に深い縁を持つ柴田勝頼が本部席で見守る中、注目の対決はメインイベントで実施。
試合開始から睨み合った両者は張り手からのエルボー合戦で打ち合っていき、これを制した棚橋がエアギターで余裕を見せると即座にKENTAがケンカキックを後頭部に突き刺すなど序盤からヒートアップ。
場外戦を制したKENTAが試合のペースを掴み、ミドルキック、キチンシンク、サッカーボールキックと多彩な蹴り技で畳み掛け、盟友・柴田にも伝授した串刺しドロップキックも見せていく。
この猛攻を受けても涼しい顔で立ち上がって見せた棚橋はKENTAのケンカキックをキャッチしてドラゴンスクリューで一矢報いて反撃開始。KENTAのgo 2 sleepをドラゴンスクリューやツイストアンドシャウトで切り返すなど研究の成果を見せ、ハイフライアタックからのハイフライフローと必勝パターンに持ち込んで行くが、KENTAがこれを剣山で迎撃。
棚橋がこれで失速すると、KENTAはゼロ距離でブサイクへの膝蹴り、PK、go 2 sleepと畳み掛け3カウントを奪った。
初参戦のG1 CLIMAXで2連勝を飾ったKENTAはマイクを取ると「おそらく多分、ココにいる殆どの人がもしかしたら初めて俺のことを見るかもしれない。実際帰ってる人もちらほら。まあそれはいい。今日、棚橋さんと試合して、新日本のファンの皆さんと棚橋さんが築き上げた信頼関係みたいなものをまざまざと感じて、俺は長年時間を裂いてココまで形にしてきたんだろうなと勝手に推測しました。でも、俺も、遊びにココに来たんじゃなくて、久しぶりにみんなに会いに来たわけでもなくて、俺は、G1 CLIMAX優勝するためにココに来たんだ。みんなが俺を知っていようが知っていまいがそんなことはどっちでもよくて、G1 CLIMAX29、まあそんな感じで俺はかならず、初出場初優勝して、また、ここに帰ってこようと思います。せっかくだから覚えて帰ってください。KENTAでした」と語り、ファンは大歓声を贈った。
バックステージに戻ったKENTAは「いや、もうスゲェ充実してるなしかし。色んな、『どんなもんか』っつって、俺を見定めしてるような人たちもいて、スゲェ緊張感で。これすらも今まで無かったから、こんな緊張感の中で出来ることを今一度幸せに感じて、しっかり期待に応えて。期待=優勝目指して……いや、優勝してまた帰ってきたいと思います」と淡々と語り会場を後に。
一方の棚橋はコメント会場につくなり倒れ込み、長い長い沈黙の後に「迷子は、俺だった」とだけ言い残し、意気消沈した様子で去っていった。