青木篤志が世界ジュニア王座を奪還し盟友・佐藤光留との防衛戦が決定!「今は俺が全日本ジュニアの真ん中にいる理由はない」
20日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『2019 SUPER POWER SERIES』が行われ、青木篤志が岩本煌史を破って世界ジュニア王座を奪還した。
岩本は、昨年8月に悲願の世界ジュニア初戴冠を果たしたものの、昨年9月に近藤修司を相手に防衛0回で王座を流出。しかし近藤からは「全日本プロレスのためにお前がやるしか無いんだよ」と発破をかけられ、その後11月に王座を奪還。全日本ジュニアの象徴となるべく今後の絶対防衛を誓いを固めていた。
そして、長年全日本ジュニアを支えてきた青木篤志が今年4月に挑戦を表明。今月11日に沖縄で行われたタッグマッチでの前哨戦では青木が岩本から直接ピンフォールを奪うなどその存在感を見せつけており、結果の読めない展開を見せていた。
これまで幾度となく激闘を繰り広げてきた2人だが、この日の結果次第では世代交代を印象づけることが出来る岩本にとって重要な一戦でもあった。
試合は、青木が序盤から丸め込みで速攻を狙い、岩本が場外に逃れれば即座にトペ・スイシーダで追撃するといった青木ペースで進行。しかし場外戦で逆転した岩本がスイングネックブリーカーやマジックスクリューなどで青木の首を一点集中攻撃。青木もこれに腕攻めで対抗し、アームロックDDTや腕へのオーバーヘッドキックなどを放っていく互角の攻防を展開。
青木がコーナーに上がると岩本は雪崩式一本背負いで反撃して流れを掴み、必殺の孤高の芸術を狙っていく。しかし、青木は多彩な返し技で孤高の芸術を一発も食らわず、攻め急ぐ岩本のドラゴン・スープレックス、大外刈り、ジャーマン・スープレックスをすべて受けきった上で岩本の孤高の芸術を切り返してのトラップオーバーで執念の勝利を掴んだ。
試合後、青木の盟友である佐藤光留がリングに上がり、すでに退場していた青木を呼び戻すと「ずっとずっと青木篤志の横で一緒に全日本プロレスのジュニアで戦ってきました!でも、ベルトを獲った青木篤志を見て、いても立ってもいられずここに来ました!大事なところで勝てなかったり、いつもヘビー級に放り投げられたり、佐藤光留に不満はあるかもしれませんが!全日本ジュニアで誰より強く貴方を敬愛しています!絶対に逃げられない関節技で貴方を追い詰めて、僕が勝ちます!次の初防衛戦の相手、佐藤光留を選んでください!お願いします!」と青木に挑戦を表明。
これに対して青木は「疲れてるときに呼び戻すな!この責任は、タイトルマッチで俺が思いっきりのしてやるからな!覚えとけ!」と光留とガッチリ握手を交わした。
バックステージに戻った青木は、「岩本は強いですよ。一筋縄ではいかないし、アイツもベルト獲って成長した部分もあるし、リーグ戦勝ち抜いたっていう実績ももちろんある。だけど俺が勝ったのは執念じゃないかと思う。ワンチャンスをモノにすることで相手のペースを乱すことが出来るというのはチャンピオン・カーニバルで俺は経験して分かったから。今日はとにかく“孤高の芸術潰し”!それだけ。それでアイツのリズムを全部狂わせた。それのみ」と岩本戦を振り返った。
そして、「俺はベルトをまた持った以上は、この世界ジュニアのベルトを獲りたい、世界ジュニアを獲って俺は全日本のトップになる、俺は世界のトップになる……そういった志を持った人間と防衛戦をやっていきたい。今までは『俺が中心になってやるしか無い!』と思ってたけど、今は俺が真ん中にいる理由はない。みんなで取り合えばいい。でも、ホントにこのベルトを欲しい、ホントにこのベルトを獲って世界一になりたいという志がないと、俺は挑戦を受けないつもり。でも佐藤光留は十分それがあると思う」とジュニア戦線全体の未来について語った。
対して、5月になってからアジアタッグに続き世界ジュニアも失った岩本は「底の底まで搾り取られてもう何もないよ。何もない」と意気消沈。
しかし最後には「ベルトはすべて失ったけど、ベルトがなければ価値がないレスラーになるくらいなら、俺はプロレスラー辞めてやるよ。俺は岩本煌史というレスラーの価値を作り上げてきた。『岩本煌史がスゲー』という岩本煌史というブランドをこれから俺が作り上げて行くよ。世界ジュニア、すぐ挑戦したいなんて言わないよ。俺は俺のブランドをあげていくよ」と今後に向けて前を向いた。