【試合結果】11・19 吉田万里子引退新宿FACE大会 吉田万里子vs松本浩代 吉田万里子&Leon&メリッサvsアジャコング&AKINO&マリーアパッチェ 吉田万里子&井上京子&井上貴子vsジャガー横田&伊藤薫&デビーマレンコ

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『吉田万里子引退』
日時:11月19日(日)
開始:12:00
会場:新宿FACE
観衆:506人・超満員

▼全女メモリアルマッチ 15分1本勝負
ジャガー横田(ディアナ)/伊藤薫(ディアナ)/●デビー・マレンコ(フリー)
12分51秒 蜘蛛絡み
○吉田万里子/井上京子(ディアナ)/井上貴子(LLPW-X)

▼アルシオン・メモリアルマッチ 15分1本勝負
アジャコング(OZアカデミー)/○AKINO(フリー)/マリー・アパッチェ(フリー)
10分17秒 フランケンシュタイナー→エビ固め
吉田万里子/●Leon(PURE-J)/メリッサ(フリー)

▼ゴールドキッズ・エキシビションマッチ3分間
●成國晶子
2分46秒 フォール勝ち
○成國琴音

▼息吹メモリアルマッチ 15分1本勝負
●チェリー(DDT)/バンビ(K-DOJO)
9分22秒 ソラリーナ
希月あおい(フリー)/○大畠美咲(WAVE)

▼万里子ファイナル 30分1本勝負
●吉田万里子
19分19秒 ロックドロップ→体固め
○松本浩代(フリー)

吉田万里子が全女・アルシオン・息吹と3時代の試合を行い29年間のプロレスラー人生に幕!吉田「プロレスってホントに愛なんだなって感じました」

オープニング

 氏家清春、パンチ田原、オッキー沖田、水原英里の4人がそれぞれの時代の試合のリングアナを務めるということでリングへ登場。

 VTRにて、1988年に全女に入門した頃からその時代の背景を含めて全女時代を振り返った。

第1試合

 先発はデビーと吉田。リストの取り合いからバックの取り合い。デビーがグラウンドに引き倒しマウントも、切り替えした吉田がガードポジションからサイドポジションへ。フロントネックで捕らえるが、お互い回転して切り返しあうとデビーが脇固め。吉田は急いでロープへ足をかける。両者タッチ。

 ラリアットの相打ちを制した伊藤がなぎ倒すと、立ち上がった京子とエルボー合戦。伊藤はショートレンジラリアットを打ち込むと、京子はタッチしようとするが吉田も貴子も拒否。ラリアットの打ち合いとなり、京子が相打ちから再度ショートレンジラリアットでなぎ倒し貴子にタッチ。

 貴子と京子がダブルのガットショットから腕を掴んで動きを止め、吉田が伊藤の上に乗ってポーズを決める。貴子は吉田にタッチ。

 吉田はダブルアームで上げようとするが、伊藤はリバースしコーナーに振ると串刺しラリアット。伊藤はランニングセントーンを投下しフォールも2。
 伊藤は逆片エビ固めからキャメルクラッチへ。これを離すとロープに振るが、吉田は飛び込えて前方回転エビ固め。返されると貴子にタッチ。

 貴子はビッグブーツ連発も、伊藤がキャッチしラリアットでなぎ倒す。伊藤が投げようとするが貴子がエルボーから裏拳も、避けられるとハイキック。再度ハイキックから走り込むが、伊藤はキャッチしエクスプロイダー。伊藤はジャガーにタッチ。

 ジャガーが走り込むも貴子はバックドロップで叩きつける。貴子と吉田がダブル攻撃を狙うが、ジャガーは二人まとめてコルバタで投げ捨てると貴子にラリアット。避けた貴子が羽交い締めにして吉田がビッグブーツを叩き込むと、貴子はそのまま丸め込むが2。ジャガーが今度は丸め込むが2。ジャガーは走り込むと、貴子は足を伸ばすがジャガーはそれを叩き落として串刺しエルボー。さらに走り込むも避けた貴子がバックを取りバックドロップホールド。貴子は京子にタッチ。

 京子はロープにもたれかかるジャガーに串刺しラリアットから投げようとするが、伊藤がラリアットでカットしなぎ倒す。ジャガーがコーナーに登るが、京子は正面に登り雪崩式ブレーンバスター。フォールも2。
 京子はパワーボムを狙うがジャガーはフランケンで切り替えして浴びせ蹴り。ジャガーはデビーにタッチ。

 デビーが京子にダイビングフェイスバスター。さらにロープに振ってジャンピングバックエルボー。再度ジャンピングバックエルボーからフォールも2。
 京子はモンゴリアンチョップ連発で倒し、ラリアットを放つがデビーは避けてエース・クラッシャーを狙う。だが突き飛ばした京子が吉田にタッチ。

 吉田はダブルアームフェイスバスターからフォールも2。吉田はロープに飛ぶが、ジャガーがエプロンから髪を掴んで動きをとめると、デビーがビッグブーツからジャガーとダブルブレーンバスター。さらに伊藤がダイビングフットスタンプを投下し、デビーがノーザンライトスープレックスホールド。これは貴子がカット。

 デビーはSTFで捕らえるが吉田はロープを掴む。京子がデビーにダブルチョップ、伊藤が京子にエルボー、ジャガーが伊藤にエルボー、吉田がジャガーにエルボー、伊藤とデビーがダブル攻撃を吉田に狙うが、吉田は避けて京子がダブルラリアットでなぎ倒す。吉田はデビーにラ・マヒストラルも2。吉田は蜘蛛絡みでデビーを捕らえると、これでデビーはギブアップ。

<試合後コメント>
ジャガー横田&伊藤薫&デビー・マレンコ
――吉田選手と最後に対戦されたご感想を
伊藤「最後っていう感じが全然しなかったです。吉田さんとか豊田さんの引退が決まってから最近全女AGAINとかいろんな大会で絡んだりする機会が多かったので、逆に今まで当たらなくて、吉田さんが今どうしてるのか、辞めちゃってるのかも分からない中で、ジャガーさんがやったAGAINとかで絡み始めたので、(最後という実感を感じるのは)今からなのかなと。引退っていう感じが全然しなくて。不思議な感じでした」
ジャガー「故障が多くて休場している期間が長くて、このまま引退してしまうんじゃないかっていうときに会って、フェードアウトしていくんじゃなくて自分でピリオドを決めてちゃんと引退するということを決めて、その引退を決めた後に色んな試合にチャレンジした方がいいということで、試合に出ることが多くなって絡むことも多くなっていました。ちょうど調子良くなってきたなってときに引退の日を迎えてしまったのでとても残念です。今の選手は『もう無理だから』って言って辞めていくんじゃなくて、自分でキリが付いたときに辞める人が多くなってきて、私は見送る一方になってしまって寂しいなと思うんですけどもね。第二の人生を決めているようなので、健康な内に引退できてよかったなと思います。残念は残念ですけど、今日は思い出を作れてよかったなと思います」

井上貴子&井上京子
――吉田選手と最後のタッグになりましたが、試合を終えられたご感想を
京子「何ていうんだっけ、こういうの。感……無量?『吉田さん、泣いちゃダメだよ』って言ったら『でも貴女とは最後だから~』って泣くんで、『馬鹿野郎!泣かせんじゃねぇ!』って(笑)吉田さんはまだ何試合かあるんですけどね、私たちは最後だからね」
貴子「ね。最後まで吉田らしいというかね。29周年なんですよ、私達。来年になれば30周年なのに」
京子「『そこまで一緒に頑張ろう!』って言ったら『えぇ~、でも引退するから~』って突き放されちゃったよね(笑)」
貴子「ね。まあ、吉田らしいというか(笑)」

第2試合

 VTRで1992年の時代背景からアルシオン時代を振り返った。

 先発はAKINOと吉田。「普段はしないんですけど最後だから」とAKINOが握手を要求。吉田がその手を握ると逆さ押さえ込みも2。
 AKINOがロープに飛ぶと、Leonがエプロンから蹴りつけ、吉田がそこにタックルで組み付きグラウンドの攻防。吉田が腕を取っていくがAKINOが切り返し、吉田はヘッドシザースで捕らえるがこれを抜けて距離を取ると睨み合う。両者タッチ

 Leonが走り込むとマリーはショルダータックルで吹っ飛ばすが、Leonはアームホイップで投げてブーメラン式アームホイップから走り込むもお互い足を刈っていき睨み合う。
マリーはミドルキックからロープに振るも、Leonはスピアーで倒しメリッサにタッチ。

 メリッサはエルボードロップからリバーステキサスクローバー。これはマリーはロープへ。
 メリッサは足を踏みつけるとフォールも2。メリッサは担ぐが、着地したマリーが走り込むもメリッサはガットショットから担ぐがマリーはそのまま潰してフォールも2。
 メリッサは左右のエルボーからロープに飛ぶが、マリーはニールキックで迎撃しアジャにタッチ。
 アジャはロープに振るとメリッサはラリアット。アジャが走りこんでラリアット。アジャが走れと要求しメリッサはロープに飛ぶが、アジャは追走ラリアットからバックを取る。耐えたメリッサが走り込んでラリアットでなぎ倒すと、コーナーに登りダイビングショルダーアタック。フォールも2。メリッサは吉田にタッチ。

 アジャの掌底を吉田が脇固めで捕らえるようとするが、耐えたアジャは下から蹴りつけブレーンバスターを狙う。着地した吉田がスリーパーで捉えるが、アジャはロープを掴みブレイク。
 吉田は投げようとするが、アジャがあがらないと見るやLeonも出てきて一緒に上げようとする。だがアジャは二人まとめてブレーンバスターで投げ捨てAKINOにタッチ。

 AKINOはコンビネーションキックも吉田がハイキックをガードし脇固めから蜘蛛絡み。これをAKINOが切り返し掟破りの蜘蛛絡み。吉田は切り替えしてアンクルホールドも、回転して逃れたAKINOが引き込み式腕ひしぎ。吉田はそのまま潰してフォールも2。
 吉田が走り込むもAKINOはハイキックで迎撃し、マリーがパワーボムを狙うが吉田は着地し首投げで場外に叩き出す。
 コーナーに登ったAKINOはメリッサが正面に上り雪崩式サモアンドロップからLeonがスワントーンボム。フォールも2。
 Leonがが丸め込むもAKINOが返し、ロープに飛んだLeonにマリーが追走ラリアット。さらにアジャがバックドロップからAKINOがバズソーキックを叩き込んでフォールも吉田がカット。
 AKINOが投げようとするがLeonが丸め込もうとするもAKINOが潰しフォールも2。

 ロープに飛んだAKINOにメリッサがバックエルボーから吉田がボディスラムでセットしLeonがマッドスプラッシュを投下しフォールも2。
 LeonとAKINOはお互いの攻撃を避けあうと、AKINOがボディブロー。そこへ吉田がビッグブーツも、メリッサにマリーとアジャがダブルショルダータックルからLeonにサンドイッチを狙うが、Leonは避けて同士討ちさせるとAKINOがハイキック。避けたLeonが走り込むがAKINOがフランケンで丸め込み3カウント。

Leon「おいAKINO!今日お前が勝ったのは、まぐれなんだよ。私わな、まだまだこんなもんじゃねーんだよ。私は今、ボリショイさんとPURE-Jのタッグのチャンピオンなんだよ」
AKINO「だったらなんなんだよ?」
Leon「12月17日、PURE-Jの後楽園ホール、ボリショイさんと私のタッグのベルトに挑戦してこい。そこで本当の実力見せてやるよ」
AKINO「マリー、日本に来たお土産ほしいでしょ?マリーとタッグで取りに行ってやるよ!マリーのお土産とってあげるから!」
アジャ「あのー、どうでもいいんですけど、今日は、吉田の引退で、アルシオンメモリアルなんでしょ。色々喋りたいことあると思うんだけど、え?空気を読めないなお前は。今日は取り合えずそれはそれで勝手にやればいいよ。12月17日?なんで俺選ばなかったのかよくわからないけどさ、俺とマリーが行ったほうが良かったんじゃない?なので、みんなで写真撮りましょうよ。アルシオン勢、みんなそこに、なんで一番最初に出てきた?どこのおっさんだ?アルシオンと名のつく団体で俺が出てんだぞ!」

<試合後コメント>
AKINO&マリー・アパッチェ
――最後に吉田選手と対戦されて如何でしたか
AKINO「吉田さんの引退を聞いたときに『いや、聞いてないよ!』って思って、吉田さんに直接直談判しました。『自分、このまま引退されちゃうと一生悔いが残るんで最後だけは絡んでください』って言ってカードに入れて頂いたんですけど、良かったです。デビュー戦も吉田選手ですし、今のAKINOを作ってくださったのは吉田さんなので……(涙声で)吉田さんが居なければ今のこういうAKINOは出来上がっていませんから。本当に、本当に感謝しているというか、生みの親は吉田さんだったんです。アルシオンという団体でしたけど、吉田さんが産んでくださったAKINOなので。関節技とか何も知らない中、吉田さんの付き人に着いたからこそ、今のスタイルが出来たんです。感謝しか無いんですけど、いつも迷惑ばかりかけていたし、新人のときも何度も追い出されそうになって……」
吉田「ああ、思い出した思い出した」(コメントブース脇を通り過ぎながらAKINOの話に相槌を打って去っていく)
AKINO「それで吉田さんが荷物を持って帰ってきてくださったりとか……(吉田の姿を見て涙があふれる)……いつも吉田さんに助けてもらっていました」

第3試合

 レスリングネタを得意とするお笑い芸人“アマレス兄弟”がネタを披露。

 続いて成國親子によるエキシビジョンへ。お互いポイントを取り合う接戦から、最後は娘の琴音がフォールをとり勝利した。

晶子「めちゃくちゃ悔しいです!」
琴音「勝てて良かったです。ありがとうございました」

<試合後コメント>
成國晶子&成國琴音
晶子「久しぶりのリングと久しぶりのシングルで少し恥ずかしいんですけど……(笑)技術は見せられたかなと思います」

――プロレスのリングでの試合ということで、息吹を思い出しましたか?
晶子「そうですね。やっぱり娘とやるので、力負けしちゃいけないかなと、やったんですけど、力負けしてましたね」

――琴音選手はプロのリングで親子対決の試合をしてみて如何でしたか
琴音「自分の得意技をいっぱいかけられて勝って良かったです」

――プロのリングに上がるのは初めて?
晶子「(琴音が)小学生の時に、私がリングで踊っているときに絡んできたりは」
琴音「踊ったのしか無かったんですけど、初めてここでレスリングが出来てよかったかなと思います」

第4試合

 2005年の愛知万博などの時代背景から息吹時代の映像へ。

 あおいと大畠が殴りかかり試合開始。チェリーとバンビをコーナーに振り二人まとめて大畠が串刺しエルボーからあおいが串刺しボディスプラッシュ。さらにバンビにダブルブレーンバスターから、そのバンビに向けてチェリーをダブルブレーンんバスターで叩きつけ青春ピラミッド。

 大畠がナックルをフェイントにチェリーの足を踏みつけて顔面にドロップキック。大畠はあおいにタッチ。

 あおいはモンゴリアンチョップ連発も、チェリーがガードするとガットショットからモンゴリアンチョップ。あおいはコーナーに振って串刺しラリアットからセントーン。フォールも2。
 あおいと大畠がダブル攻撃を狙うが、チェリーは二人まとめてネックブリーカーから大畠をあおいの上に乗せて二人まとめてフットスタンプ。
 チェリーはあおいを投げようとするが、エルボーで逃れたあおいがバックブリーカーからフェイスバスター。コーナーに登ったあおいがダイビングセントーンも、避けたチェリーが腕ひしぎ。あおいはロープへ足を伸ばす。チェリーはストンピングからバンビにタッチ。

 バンビはコーナーに押し込みチョップ連発から足を刈るとチェリーが串刺しヒップアタック。バンビも串刺しヒップアタック。あおいがコーナーに振って走り込むが、避けたビンビがハイキックからビッグブーツ。フォールも2。
 バンビは串刺し攻撃を狙うが、足を伸ばしてカットしたあおいが前方回転エビ固めも2。
あおいはノーザンライトを狙うが、バンビがエルボー連打からラリアットも、避けたあおいがチョップからノーザンライトスープレックス。さらに走り込むとジャンピングラリアットからフォールも2。あおいは大畠にタッチ。

 大畠は串刺しバックエルボーから串刺しクロスボディアタック。コーナーに上るとダイビングクロスボディも、避けたバンビがケンカキックを叩き込んで投げようとするが、着地した大畠が顔面に低空ドロップキック。ロープに飛ぶがバンビはビッグブーツで迎撃しみちのくドライバー。フォールも2。バンビはチェリーにタッチ。

 チェリーはミサイルキックからバンビとともにダブルのショルダータックル。チェリーはバンビの背中に飛び乗り二人分の体重でボディプレス。さらにチェリーはコーナーに登るとチェリートーンボムを投下しフォールもあおいがカット。

 チェリーはロープに飛ぶがあおいが追走ラリアットから大畠が丸め込むも2。大畠は首固めも2。チェリーは熟女でドーンを狙うが、ガードした大畠が裏拳もチェリーが避けて羽交い締め。バンビがビッグブーツも大畠が避けて誤爆させると、大畠がラリアットからフォールも2。大畠がジャーマンスープレックスホールドも2。大畠は花マルどっかんからフォールもバンビがカット。
 大畠はバックをとるも、耐えたチェリーが熟女でドーンからエクスプロイダー。
 あおいが出てきてダブル攻撃を狙うが、チェリーは大畠をあおいに叩きつけてから大畠を転ばせると春夜恋もあおいがカット。
 チェリーがあおいに熟女でドーンも、背後から大畠が丸め込むが、お互い切り返し合うもバンビがカット。大畠は丸め込み、返されると裏拳からソラリーナで3カウント。

<試合後コメント>

バンビ&チェリー
――久々の息吹としてのリングでしたが、如何でしたか
チェリー「負けてしまって悔しいんですけど、昔を思い出しましたね。みんなで弱肉強食で切磋琢磨したり、試合をした日々をすごく思い出しました」
バンビ「同じく昔を思い出しました。時間が止まっていたような気もします」
豊田「バンビちゃんおっきくなっちゃって~」(コメント会場を通りがかった豊田真奈美がバンビを見て感想を述べる)

希月あおい
――久々の息吹としてのリングでしたが、如何でしたか
「吉田さんをこういう形で送り出すことが出来るので、それに感謝しています!ホント、それに尽きます!ありがとうございました!」

第5試合

 VTRでは吉田のコメントから始まり、今回の引退試合に繋がる松本浩代のオファーから今日に至るまでが流される。

 吉田が握手を要求も松本は拒否。しかし手を出し続ける吉田を見て、迷いながらも泣きながら手を握ると吉田は逆さ押さえ込みも2。
 吉田はガットショットからヘアーホイップ。さらにロープを貫いて顔面を踏み潰すと、ロープの反動を使ってリングに倒すとフォールも2。吉田は首投げからスリーパー。そのまま首4の字で捕らえるが、頭を抜いた松本がヘッドロックンもすぐに抜けた吉田がボディシザース。松本はそのまま後ろに倒れフォールも1。再度フォールも1。吉田は腕ひしぎに移行すると三角絞めへ。松本は力ずくで切り返し逆エビ固め。吉田はなんとかロープへ這う。

 松本は「泣いて損した!」と強烈なチョップを叩き込んでいき、アルゼンチンで担ぐと場外へ吉田を投げ捨てる。
 AKINOがリングへ上がりドロップキックで松本を場外に叩き出すと、セコンド陣が松本を羽交い締めにし吉田がコーナーへ上りプランチャ。

 リングに戻り吉田が松本をコーナーに振ると、吉田が走り込むが松本は「違うだろ!」と足を伸ばしてカット。松本が吉田をコーナーに振ると、次々選手がリングに上がり串刺し攻撃(大半はハグ)。
 松本が最後に「吉田万里子、ぶっ壊すぞ!」と串刺しボディスプラッシュからフォールも2。
 松本は逆エビ固めも吉田はロープを掴む。松本はボディスラムからリバーススプラッシュ式ダブルニードロップ。フォールも2。松本はコーナーに上るとミサイルキックからフォールも2。
 なかなか立ち上がらない吉田の顔面を松本が張り、お互いビンタの応酬から松本がライガーボムの体勢も、着地した吉田がスリーパーから胴締めスリーパー。そのまま蜘蛛絡みに移行すると、松本は回転し担いだまま立ち上がるとコーナーに下がり潰す。
 松本が近づくと吉田は引き込み腕ひしぎも松本はロープへ足を伸ばす。

 吉田はストンピングから松本のラリアットをビッグブーツで迎撃するが、ロープに飛んだ吉田に松本は追走ボディスプラッシュから走り込むが、吉田は巻き込んで腕決めスリーパー。そのまま蜘蛛絡みも、松本はなんとか這ってロープへ足を伸ばす。

 吉田は膝蹴りからエアレイドクラッシュを狙うが、松本は丸め込むが2.松本は強引に担いでライガーボムの体勢も、吉田は丸め込むが2。松本はロックドロップで叩きつけるが両者ダウン。
 
 松本は膝立ちの吉田の顔面にエルボーを叩き込んでいき、吉田はガットショットからエルボー連打。松本はエルボーも吉田はビッグブーツ連発。吉田はエルボーで吹っ飛ばすが、吉田は負けじとビッグブーツ。松本は振りかぶってのエルボーを叩き込んで倒すと、髪を掴んで引き起こしバックエルボーからエルボー。再度髪を掴んで引き起こすと、ライガーボムで叩きつけてフォールも2。
 松本は投げようとするが、吉田は切り返しエアレイドクラッシュ。フォールも2。
 松本はラリアットでなぎ倒し、腕を掴んで引きおすと起き上がりこぼし式ラリアット。さらにロックドロップで叩きつけてフォール。これで3カウント。

エンディング

松本「吉田さん、心の底から、ありがとうございました。なんか、終わってからほんとは言いたいこと沢山考えてきたんですけど、今日会場に来て第1試合から吉田さんの大先輩とか同期の方とかたくさん出てきて、すごい歴史を感じて、ホントは私しか対戦相手いないと勝手に思ってたんですけど、ごめんなさい。不安になったりするぐらい、ほんとに第1試合から素敵な方々との対戦見て、尊敬と、メインで対戦相手に選んでくれたことさらに感謝しました。ほんとにありがとうございます。そうだ、ほんとに何言うかわかんなくなってくると思ってたんで、今日は同期の大畠とともに手紙を書いてきました。みなさんと吉田さん聞いてください」
(大畠がリングへ)
松本「吉田さんへ、最後の対戦相手に選んでくださってありがとうございました。吉田さんとの出会いは12年前。私が専門学生の頃スポーツトレーナーとして息吹道場に通っていて、吉田さん練習に誘っていただいて私のプロレス人生が始まりました」
大畠「同じくJDスターのコーチとしてプロレスを教えてくださったのが吉田さんでした」
松本「突然のプロレスとの出会いで、仕事もしていたし親の反対もあった中で仕事の休みに合わせて練習してくださったりと今思えばありえないぐらいの愛情を感じていたんだと思います」
大畠「運動神経ゼロの私にプロレスの楽しさを教えて下さり、プロテストに二回も落ちた私を見限らずに教えて下さいました。入ってすぐのフランス遠征は、私を置いて吉田さんはどこかにいってしまい、当時19歳だった私はとても不安でした。吉田さんの行動力はすごくて、モンゴルに行きモンゴル人を連れてきたり」
松本「練習始めて2ヶ月の私をエキシビジョンマッチで出場させたり、吉田さんメチャクチャだと思ったこともありましたが、息吹という場を作ってくださって、若手に沢山のチャンスをあたえてくださったと思います。息吹は弱肉強食で、そこでライバルに出会えたからこそ今があると思います」
大畠「あんなにやられるのが似合っていた私も、いまやWAVEのシングルチャンピオンで、人気実力共にナンバーワンの看板選手になりました」
松本「私も先日ベルトは取られてしましましたが、喜怒哀楽をリングで感じられることが幸せです。師匠が吉田さんでよかったです。まだまだ私はプロレス界の中心で頑張りたいと思います」
松本&大畠「私たちにプロレスを教えてくれてありがとうございました。そして29年間お疲れ様でした」

吉田「いやもうほんとにありがとうございました。何を言っていいかわからなくて、今、大畠と松本が、手紙を読んでくれましたけど、もう全然全然、大畠が運動神経ないのと言ったけど私もそうなので、全然その気持ちがわかるし、息吹のみんなは私より全然すごい選手でした。今日の映像見てもらったら分かるかもしれないんですけど、ほんとに私も何もできない運動神経も悪いし怪我も多かったし、広島の尾道の島の田舎から出てきて、なんにもわからなくて格闘技の経験もなくて、だけれども、そんな私がこうやって29年間もこの世界にいれたのは、ほんとにみんな助けてくれた可愛い後輩たち、そしてお世話になった先輩方、マスコミの方、関係者の方スタッフの方、ほんとに回りで支えてくださいました。何より、今日会場に来てくださったお客様、ファンの皆さん、会場に来れなかったかもしれないけどずっと応援してくださったファンの皆さんのおかげです。皆様の応援がなかったらこんなに続けることができませんでした。ほんとに皆様のおかげです、ありがとうございました。みなさん本日はご来場まことにありがとうございました。そしてデビューから数えて29年間プロレスラーとして皆さん支えてくださって本当に本当にありがとうございました。ただプロレスが好きで、皆さんの期待に答えたいという思いだけでやってきたように思います。その思いがあればいろんなことができるということもわかりました。これからももっともっと大きな思いを持ってこれからの人生も歩んでいきたいと思います。ほんとうに今日はありがとうございました」

<試合後コメント>
松本浩代
――吉田選手との最後の試合を終えられて如何でしたか
「吉田さんが引退を決められてから、『対戦相手は自分しか居ない』って勝手に思ってて。でも、今日名前を連ねている先輩たちを見たりとか、今日の試合を見ていて、今日一日で吉田さんの歴史をすごく感じて、吉田さんの歴史の重さとか深さとか幅とか広さとか、いろんなものを感じて、メインに名乗り出たのも尻込みする感じだったんですけど、自分自身勝手に思えば、最後に最後の最初のシングルマッチが出来て本当に幸せだと思いましたし、吉田さんの大きさを知った上での対戦だったので、今日は12年間分の思いをすべてぶつけられたのかなと思います」

――試合中には色んな思いが駆け巡った?
「いざ闘うとなったら、過去とか思い返すこととか無かったんですけど、今日はもう吉田さんの入場曲が鳴ってから、『これで聞くの最後なのかな』って思ったりとか、なんか……全部が最後なんだなって。ストンピング一つでも、吉田さんの放つエルボーでも、受け身でも、すべて吉田さんにとっては最後になるので、その責任の重さだったりとか、色々感慨深いものがありました」

――最後、吉田選手の魂を受け継ぐことになると思うのですが、松本選手の今後は
「私はプロレスラーとしてすごく幸せで、プロレスラーとしての人生しか想像できないんですけど、それは吉田さんが師匠だったからこそ、デビューしてから自由気ままにワガママに生きてきて、先輩の言うことも聞かず、ホント後輩にしたくないようなプロレスラーだったと思うんですけど、その中でも吉田さんがそれを否定すること無く、ずっと見守ってくれていたので、今こうして自分の歩みたい道を見つけることが出来たし、『松本浩代の人生はプロレスラーなんだ』って自信を持って言えると思うので、私はまだまだ吉田さんから勝ちを奪ったロックドロップでまだまだ女子プロ界の中心を歩き続けていきたいなと思っています」

――吉田さんから教わったことはたくさんあると思うのですが、一番心に残っていることは
「今日の対戦までに思ってきたことの一つは、ありきたりかもしれないんですけど、『挑戦すること』なんだなって。吉田さんは、ご自身が怪我をされてからもサブミッションをやったりとかスタイルを変えたりとか、プロレス界が衰退してきた中で若手を集めた興行とかをやって、ほんとうにリスクを大きく抱えた挑戦をしてきた方なんです。そういう挑戦があったからこそ、私達の世代も自分の生きる生きがいを見つけてこうしてプロレスラーとしてリングに立つ理由を見つけることが出来たと思うので、私はそういうリスクを考えずに挑戦する気持ちは常に持ち続けていたいし、息吹の中で感じてきた弱肉強食という、一つ気を抜いたら食われる世界で生きていく闘争心や挑戦する心を持ち続けて、これからもプロレス界を進んでいきたいと思います」


吉田万里子
――今の率直なご感想を
「……終わったんだな、って感じがします」

――一日3試合あって、色々なことが頭にあったと思います
「ホント真面目に答えたほうがいいのかなと思うんですけど、マリー・アパッチが先週来ているはずなのが来ていなくて、いつくるかも分からない状態で、じゃあそのカードを変更するのかとか、ギリギリまで待つのかっていう話があって、さらにデビー・マレンコ選手が飛行機に乗り遅れたという連絡が来て、それもチケットがどうなるか分からなくていつ来るかわからないという話があって、連絡を取り合いたいのに時差があって……みたいな、そんな大会前の一週間そんなことがあって、あっという間にこの日が来てしまったという感じでした」

――今日の試合については
「かっこいい言葉で言うと、プロレスってホントに『愛』なんだなって感じました。受けがあって、他の格闘技とかスポーツは、『いかに自分が強く在るか』だけど、プロレスは受けがあるから、それが不思議なスポーツというか格闘技というかエンターテイメントなんだけども、なんかそれが不思議で、皆さんの愛を感じました。おかげさまで良い大会になったので、本当に皆さんのおかげです」

――一日3試合というのは初めてですか?
「初めてです初めてです。ワンデートーナメントはあったんですけど、勝ち進んでも2試合でした。勝ったら3試合だったけど、負けたんで2試合で」

――ブランクも長かった中での3試合でした
「いや、大変ですよ。プロレスから4,5年離れていて久しぶりにやったら、痛い痛い……。受け身をとっても頭がクラクラして……交通事故ですよアレは。それくらい、みんなすごいことをやってたんだなって。ロープ走るのも背中痛いですし、つんのめってちゃんと走れなかったりとか、プロレスってスゴイんだなって思いながらやっていました。だから私は出来ないと思って、最初は『5分間のエキシビジョンで』って言ってたんです。それがまさか3試合になってしまったので……(笑)これも皆さんのおかげです。皆さんの愛を感じました。色々な方がこの愛について言っているのは知っていたんですけど、あまりそれを感じたことなかったんです。だけど、今日それをすごく感じました」

――場外プランチャも飛び出しました
「ね。大丈夫だったかしら……。三角飛びも一応練習してたんですけどね。ホントいいとこまで行ってたんですけどね、もうちょっとだったんですけどねぇ。……でも、それが出来たら引退してないかもしれないし、ということで(笑)」

――最初は松本浩代選手からの引退試合の話を断ったということでしたが、最終的にこうして引退試合をしてから幕を引こうと思った理由は
「浩代がしつこいから!(笑)でも、それが彼女の強さというか、彼女が今日最後に言ってたけど、先輩とか色んな選手がいる中で、『自分しか居ないと思ってたけどそうじゃなかった』って不安になったって言ってましたけど、彼女は自分が思ったことをどんどん押し通して、その分のプレッシャーも味わうだろうし、大変な思いをすると思う。でも、それを乗り越えて成長したり大きくなったりするにはいろんなことを試してみないとわからないから、ずっと同じことばかりやっていたら変化がないので、いろんなことを試してみたり挑戦したりしているので、彼女の今があるんだと思います。だから、彼女の言葉を聞いたときに『ああ、だから彼女は今ここに来ているんだ』って思いました。今日だけじゃなく、彼女は素晴らしいと思います」

――女子プロ界の先頭を走る松本浩代選手ですが、今日当たってみたご感想は
「見たらわかりますよね(笑)もちろんパワーもスゴイし、いろんなこともスゴイんですけど。今日の選手たちからもそうですけど、浩代からもすごく愛を感じました。プロレスって面白いなと思いましたね」

――吉田選手は29年の選手生活の中で、全女時代、アルシオン時代、息吹時代と3つの時代を生きてきたと思うのですが、それについては如何でしょう
「得した感じですよね。なんか、ホント全女時代とアルシオン時代で違う人みたいに変わったとか、色々言われました(笑)『吉田性格悪くなったな』とか(笑)皆からそういうことを言われるくらい色々変わったから。それで、息吹は息吹で全然違った立ち位置に行って……。だから、人生面白いですよね。楽しませてもらっています」

――それが今日、プロレスラー人生が完結しましたが、本来であればフェードアウトするつもりだった?
「そうです。そう思いました。フェードアウトというか、もう試合ができる状態ではないと思っていたので、全く動いていなかったんです。首もヘルニア3箇所です。首のヘルニアで手術して、ホントは復帰しちゃいけないのに復帰したから、今度は両端もヘルニアになったので、痺れて全然動けない状態だったのが、おかげさまで動けるようになったんです。人間の身体が動かないのに動くようになったり、手の痺れがとれたり、ゆっくり呼吸したりリラックスしたり、筋肉の緊張を緩めただけで整体とかマッサージとか病院に行ったとか、なにもしてないんですよ。もちろんプロレスは休んでたけど、筋肉の緊張を緩めただけで。やっぱり、人間って自然治癒力があるんだと思いました。人間の体の素晴らしさとか凄さとか、それこそ誰よりも怪我が多かったので、それなのにこうして日常生活が送れていることも驚くのに、またプロレスが出来ているなんて考えられないことなので、それが出来たことも驚きです。私がどうとかじゃなくて、人間はみんなそれを持っているので、それを伝えていけたらいいですね。(自身を指差しながら)人体実験はいっぱいしているので(笑)」

――今後、プロレスと区切りをつけて第二の人生を歩んでいくわけですが、それについては
「さっき言った、人間の身体について……具体的に言っても誰もわからないけど、フェルデンクライスというメソッドがあるんです。それがすんごい面白いんです。それをやってなかったらリングに上ってないです。絶対怪我してました。4,5年走ってもないし、腹筋とかも何もしてないんですよ。身体も固くなっていて。でも、フェルデンクライス・メソッドというのは深いので、一言では説明できないんですけど、骨の動きとか、背骨が一本一本動くとか、簡単に言えば怪我を防げるんです。今日も頭から何回も刺さってるんですけど、多分骨がちゃんと動いていたり、それにつられて骨盤もちゃんと動くとか、骨のつながりです。すごく面白いです。それをやっていたから、この一年間怪我なく、今日も色んな技を喰らいましたけどなんとか怪我なく出来たと思います。だから、それを皆にも知ってもらいたいなと思います。4,5年休んでたときもそれをやっていたんですけど、新たにプロレスを始めて、そのすごさをまた実感したので。これを知ったら楽になる人いっぱいいると思います」

――もし今後、後輩の選手たちから「たまにでいいので教えに来てくれ」と言われたらどうしますか?
「断ります!(笑)」

――今後はあまりプロレスとはかかわらない?
「(プロレス界の)スピードは早いので、今の情報とか、今のプロレス界がどうとか、今のお客さんが何を求めているかとか、そういうのが分からないと。プロレスの形もどんどん変わっていってると思うので、何を教えていいかとかも違ってくるかなと思うんです。全女から息吹にかけてでも、ずっとプロレスをやっていたのにも関わらず、息吹で若手を教えるときに、私達が全女で若手時代やっていた練習をやろうとすると、それをやるための練習が必要だということが分かったりとか、その業界に居ても『こうした方がいいのか』って試行錯誤しながらやっているのに、離れていたら、いいものは提供できないと思うんです」

――最後に、プロレス人生でやり残したことは
「無いです!無いですというか、本当にありがとうございました!ずっとフェードアウトすると思っていて、まさか引退試合を出来ると思っていなかったので本当に感謝しています。本当に皆さんのおかげです。ありがとうございました!」

――しっかりケジメが付けられたということでしょうか
「そうです。きっと、次のステージも良くなると思います!」

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