10年以上続いた宿命のライバル対決は不完全決着!12月の引退前に最後のシングル戦へ!
11月5日、神奈川県を中心に活動するプロレス団体・HEAT-UPが行う東京・新木場1stRING大会で、シングルマッチ最強の選手を決める『灼熱王バトルリーグ☆2017』の決勝戦が行われた。
『灼熱王バトルリーグ☆2017』とは、田村和宏率いるHEAT-UPが初めて敢行したシングルマッチ最強の“灼熱王”を決めるリーグ戦であり、9月2日より予選リーグが行われていた。
メインイベントのリーグ戦決勝戦とは別に、この大会にはもう一つのメインイベントがあった。9月に突然の引退を発表したガッツワールド所属のダイスケと、田村和宏の最後の一騎打ちだ。
田村とダイスケはインディープロレス界で10年以上切磋琢磨してきたライバル同士であり、現在と立場は違えど昔から互いに互いの団体を背負って戦ってきた間柄。ダイスケの引退発表に田村は納得しておらず、『若い世代の壁としての役割を果たさないままプロレス界を去るのか』と、ライバルの引退表明を寂しさを滲ませながら批判していた。
試合は田村が先制。ローキックからソバットコンビネーション、続けてミノルスペシャル(変形飛びつき式腕ひしぎ逆十字固め)と、UWF直系の血を引く田村らしい攻め方で速攻を狙う。しかしダイスケも田村を知り尽くした選手。関節技を外して丸め込み、さらに自身の必殺技であるスライディングD(スライディング式エルボーバット)を放って対抗していく。
試合は一進一退、田村が多彩な蹴り技から隙を突いての腕への関節技を狙い、ダイスケは持ち前のスタミナとパワーで田村の攻撃を正面から受け止めつつ要所要所で大技を放つ。
田村がバズソーキックからフォールに入り、ダイスケがそれを切り返して丸め込んだその瞬間、フルタイムドローを告げるゴングが鳴らされた。
最後まで互角に戦い抜いた二人はしばらく起き上がれずにいたが、先に田村がマイクを取ると「おいダイスケ、ガッツワールド後楽園ホール初進出のときの対戦相手に俺を指名してくれたよな。ありがとう、俺はめちゃくちゃ嬉しかったんだよあの時。いつかお前とやった時『俺とお前の試合は東京ドームでやっても恥ずかしくない』って言ったの覚えてるか?俺はそれを目指してやってんだよ!だから!お前が引退するのはすげえ悔しいよ。でも一言だけ言わせてくれ。今までありがとう!」とダイスケへの想いを込めて叫んだ。
対するダイスケは、自身も最後に田村と戦えたことに運命を感じ、感謝している旨を述べる。さらに「俺からも最後にひとつだけ田村さんに言わせてください。ホントに俺ら一番のライバルだと思ってます。でも、俺やっぱりこれじゃ足んねえなあ!俺とお前で時間無制限1本勝負だ!白か黒か決着つけよう!」と、自身の対戦相手を”X”としか発表していなかった11月14日のガッツワールド新木場大会での決着戦を宣言。
この試合を“最後のシングルマッチ”として臨んでいた田村は面食らった様子だったが「さっきの『ありがとう』って言葉、撤回させてもらうよ!おい!お前汚えんだよ!そうやってなあ、HEAT-UPのお客さんをガッツワールドに行かせようとしてるんだろ!てめえの面をまた張れると思うと俺は活き活きしてくるよ!次は蹴り殺してやるからな!」と、憎まれ口を叩きながらも喜びを隠せない様子でこの申し出を快諾。
東京近辺のインディープロレス界で長年しのぎを削った二人の真なる最終決戦は、11月14日にガッツワールド新木場1stRING大会にて行われる。