HEAT-UP 11.23王子大会 田村&アミーゴ&風戸vs.アラケン&PSYCHO&ISHIDA
Autumn Jumbo Impact
日時:2014年11月23日(日)
開場:17:00 開始:18:00
会場:東京・王子BASEMENT MON☆STAR
観衆:91名
▼第1試合 "オープニングど根性ファイト〜明訓王子魂〜"シングルマッチ30分1本勝負
○山田太郎(666)
8分02秒 逆片エビ固め
●近藤洋史
▼第2試合 "王子版異種格闘技戦〜空手vs名古屋〜"タッグマッチ20分1本勝負
○たけむら光一(王子空手軍)/中川達彦(王子空手軍)
7分24秒 ランニング・ミドルキック→片エビ固め
柴山貴哉(フリー)/●タケシマケンヂ(スポルティーバ)
▼第3試合 "兼平大介BASEMENT MONSTARデビュー戦"シングルマッチ30分1本勝負
○円華(YMZ)
9分25秒 横入り式エビ固め
●兼平大介
▼第4試合 "スペシャルシングルマッチ〜大阪初進出決定記念試合〜"シングルマッチ60分1本勝負
○ビリーケン・キッド(フリー)
15分15秒 ベルディゴ→片エビ固め
●岩本煌史(スポルティーバ)
▼第5試合 "無宿のISHIDA 〜YOU SOLD OUT〜"6人タッグマッチ60分1本勝負
田村和宏/アミーゴ鈴木(フリー)/風戸大智(ユニオン)
11分48秒 岩本煌史が乱入→無効試合
新井健一郎(無宿/DRAGON GATE)/PSYCHO(無宿)/SHINYA ISHIDA(無宿)
<再試合>
▼6人タッグマッチ時間無制限1本勝負
●田村和宏/アミーゴ鈴木/風戸大智
5分02秒 △(デルタ)ドライブ→片エビ固め
新井健一郎/PSYCHO/○SHINYA ISHIDA
無宿入りしたSHINYA ISHIDAがいきなり田村和宏からフォール勝ち!
"関西の熱き男"ビリーの叫びを聞け!
オープニング
選手入場式前に田村和宏がリングに上がる。
2015年度上半期のスケジュールを発表する。
○1月12日(月・祝)東京・北千住 シアター1010
○1月31日(土)東京・王子BASEMENT MONSTAR
○2月11日(水・祝)大阪・淀川区民センター
○2月21日(土)東京・王子BASEMENT MONSTAR
○3月7日(土)愛知・枇杷島スポーツセンター
○3月22日(日)神奈川・横浜にぎわい座B3Fのげシャーレ
○4月12日(日)東京・夢の島BumBマルチスタジオ
○4月25日(土)東京・王子BASEMENT MONSTAR
○5月16日(土)神奈川・新百合トゥエンティワンホール
来年からほぼ月二回興行となるHEAT-UP。特に新百合大会がアナウンスされると期待の歓声が上がる館内。尚、開始時間等詳細については追って公式サイトで発表されるのでそちらを参照して頂きたい。
続けて選手入場式。メイン出場のアミーゴ鈴木と風戸大智が入場してきた次の瞬間に異変が起こる。普段は入場式に全く出ない無宿の面々が現れたのだ。
枇杷島大会で無宿入りしたSHINYA ISHIDAをアピールしながらリングに上がる新井健一郎。何故か館内の一部から沸き起こる「ISHI〜DA〜」や「USA」コール。きちんとリング上に整列する無宿。
王子で初めて試合を行う兼平大介が挨拶。
「こんばんは!本日はご来場有難うございます!」
と、横からマイクを奪う田村和宏。無宿の面々に対し
「ちょちょちょちょ、オイ!お前らこの野郎!!
オイ、お前らいつも入場式出ないくせしやがって何で今日だけ出て来てるんだこの野郎!!オイ!おかしいだろ!」
新井がマイクを奪う。
「え〜、王子の皆様、本日も我々無宿にいじめられる田村和宏の泣きっ面を見に来て頂き、誠にありがとうございます!!(館内ブーイング)ありがとうございます!
いやいやいや、ね!王子のお客様に、改めてご紹介しようじゃないですか。
我々無宿と一緒に今後やっていく事になったね、石田慎也改め、SHINYA ISHIDAでございます!!
いやいやいや、ちょいとお時間頂きますかね!え?いやいやいや、ね!田村さん!オイ!あなた、こういう状況をね、作ったのも、誰の責任だと思ってるんですか?えぇ?ね!王子のお客さんなら、よ〜くよ〜くわかりますよね?
えぇ?オイ、岩本さんよ。オイ!ね、今までず〜っと、ね、名古屋からわざわざ、ね!一緒に、ね!無茶な移動してね、王子までやって来て、こうやってリングの設営までね、やってましたよね?やってましたよね?
そこまでしてるのに、何かあれば上で使われるのは岩本ばっかりで、ね!お客さん今までSHINYA ISHIDAがよ、王子で、メインで、出てるの見た事ありますかね〜?えぇ!
来る日も来る日も、アンダーカードで、えぇ!おう岩本よぉ!お前よぉ、何気に入られてるかわかんないけど、オイ、結局お前なんてよ、田村和宏の敷いたレールの上に乗っかってよ、えぇ?いいカッコしてるだけじゃねぇか。」
罵倒された岩本が突っかかろうとすると、
「おうおう止めろ、今入場式じゃねぇかこの野郎。オイ、慌てんなっつってんだよ。オイ。
いいかお前オイ!SHINYA ISHIDAはなお前オイ、自分でアメリカ行きのな、ブッキング勝ち取って、何か変えようと思ってお前、えぇ?全部構造してきたんだよお前。お前が何か構造してきたのかお前が!えぇ?
全部お前、田村和宏のいい子ちゃんになりやがってこの野郎お前、えぇ?いいかお前、あとお客さん言っとくぞお前!今な、確かに俺ら無宿は『赤虎』ちゃんが怪我して休んでるしCHANGOもいつ帰ってくるかわからねぇ。
人員がいないから急遽俺らに入ってきたと思っただろ。こんなの夏前からな、え?密かに密かに俺ら裏で手ぇ組んでやって来た事なんだこの野郎、えぇ?
という訳で!長々と喋らせて頂きましたけどね、今日もアナタ(=田村)、散々ね、俺らにいじめられて、いい泣きっ面をお願いしますよ。
という訳で、帰りますか...」
無宿がリングを去る。改めて兼平が挨拶。
「あの、プロレス界は何か色々ありますけど...(館内爆笑)
僕達は!僕達の戦いをしますので、皆さん今日は楽しんでいって...」
最後で噛んでしまう兼平、館内は再び笑い。
弥武リングアナの「ありがとうございました、選手退場!」の言葉を皮切りに初めての王子での挨拶でやってしまった兼平に柴山・山田・タケシマ・近藤がリング上で突っ込みを入れる。何故か円陣を組む柴山&山田&タケシマ、巻き込まれる田村。嵐のようなオープニングとなった。
第1試合
かつて王子のリング上で行われていた「明訓王子学校」。監督を務めていた山田太郎、練習生だった近藤洋史。デビュー前の「卒業壮行試合」であるエキシビジョンで両者は対戦しているが、近藤がデビューを果たしてからは初のシングルマッチとなる。元・監督に近藤は成長ぶりを見せられるのか。
「最近技を出す際にバタバタする様子が無くなった」と解説の渡辺宏志が言うように、しっかりと一つ一つの技を的確に出していく近藤。そんな近藤に山田はキツい一発一発を叩き込んでいく。
近藤の逆水平チョップに対し、山田は鋭角なエルボーやヘッドバット、ボディーへのダブルフットスタンプ、ハンマーブロー。食らいついていく近藤、串刺し攻撃をかわしてドロップキック、ド根性ホームラン、初公開となるバックフリップ、ミサイルキック。
近藤の技を受けきった山田、ブレーンバスター狙いを逆に投げ飛ばす。胸を突き出して近藤のチョップに耐え、ロープに走った近藤の首筋に重いエルボーを一発。ボディースラムから逆エビ→逆片エビと絞り上げて勝利。
門下生の成長が嬉しかったのか、近藤の手を挙げて健闘をたたえる山田。近藤がリングを去るが、山田は控室に戻ろうとせず、赤コーナー側のセコンドに就いている。
第2試合
柴山&タケシマの入場時、両手でマットを叩きながら「タッケシマ!タッケシマ!」とエールを送るセコンドの山田太郎。柴山は紙テープまみれになりながら館内の「シバヤマ!」の声に「うっせぇオラっ!」で返答。
王子(キツネ)空手軍には門下生の子供達から「先生!」と声援が飛ぶ。異種格闘技戦ではあるが、王子バージョンはこのように明るいものなのだ。
先発は柴山と中川。中川の蹴りをさばいてグラウンドに持ち込む柴山、セオリー通りの攻め方。と、コーナーに下がった柴山のボディーに中川が不意打ちの廻し蹴り。思えばこの一発が引き金になったのであろうか。
たけむらの膝蹴り、肩口への廻し蹴りに対し、ねちっこいグラウンドやエルボー、ヘッドバットで攻めていくタケシマ。逆片エビをエスケープしたたけむら、中川と二人がかりでタケシマに廻し蹴りを打ち込んでいく。
中川一本背負いから絞めを狙うが、空手着を上手く利用してタケシマが逆に絞めから腕十字。交代した柴山はフライングメイヤーからスリーパー、チンロック、エルボー。負けじと中川も肘打ちから廻し蹴り、膝蹴り。
ロープに飛んだ中川、柴山がレッグシザースから後頭部への低空ドロップキック、串刺しエルボーからスラム、ダイビング・ボディープレス。
中川のピンチに飛び込むたけむら、二人で柴山の腕を極めて中段蹴り。たけむらが柴山をロープに飛ばして胴回し回転蹴り、かわした柴山がジャンピング・ネックブリーカー。
タケシマと交代、エルボーからスピアをたけむらに叩き込む。グラウンドで上になるタケシマだが、たけむらが骨法の「鬼殺し」のような関節技で逆転。慌ててカットに入る柴山、中川が分断する。
タケシマのエルボーとたけむらの正拳突きのリレー、たけむらが中段蹴りを放つとキャッチしたタケシマがヘッドバット。再びスピアを狙ったタケシマ、ロープに飛ぶが中川がエプロンで上段蹴りを放ってカット。走り込んだたけむらが飛び膝蹴り、踏みつけを挟み、走り込んでタケシマの胸板へ下段蹴りを連発。ガッチリ片エビ固めで押さえ込んで王子空手軍の勝利。
勝負が決した時、セコンドの山田がタケシマを介抱するために飛び込んでくる。勝ち名乗りを受ける王子空手軍、するとそこに柴山が血相を変えて中川に襲いかかる。異常なまでの暴れっぷりに近藤洋史が止めに入るが収まらない柴山。更に山田がたけむらに突っかかる。
最初の明るかった雰囲気はどこへやら、殺伐とした空気が漂うリング内。何とか乱闘は収まったものの、怒りを隠せない柴山、タケシマ、そして山田。
山田とタケシマは事あるごとに一緒になる仲。意気投合するのは自然の摂理と言えよう。試合後の控室でも結束力を深めた二人に柴山も「お前ら仲いいな」と微笑む。"スーパーJボーイズ"と自らを名乗る山田太郎とタケシマケンヂ。この一戦をきっかけにHEAT-UPマットの台風の目となるのか?
第3試合
11月2日、枇杷島大会にてデビュー戦を行なった兼平大介。HEAT-UPのお膝元である王子のリングで初めての試合となった。相手は元インディージュニア王者であるYMZの円華。両雄ともに長身であり、リングが小さく見える。
握手に応じると見せかけてひょいと手を挙げる円華、新人のはやる気持ちを逆なでしようとする。ところがどっこい、デビュー戦に比べて格段に落ち着いているように見える兼平。
円華のグラウンドにもついていき、スタンドでは豪快にフライングエルボーパッド。ストンピングからチキンウイング・アームロック。体勢が崩れるとリバース・チキンウイングで絞り上げる。
ロープに振る兼平、場外にエスケープし観客席の子供とタッチして試合をさせようとする大人気ない行動に出る円華。なかなかリング内に戻らない円華を追いかける兼平、円華の心理作戦に引っかかってしまう。
リング内に戻ろうとする兼平の右膝にキック、不安定な体勢でのドラゴンスクリュー、ニークラッシャーから右膝へのヒップドロップ、低空ドロップキックと攻勢に出る円華。
場外からパイプ椅子を持ち出し、攻撃するとみせかけレフェリーに手渡すと兼平の急所に一撃。更に膝十字固め、兼平の右膝を集中攻撃する円華。
円華の前蹴りにエルボーで対抗する兼平。ボディースラムで投げようとするが円華は持ち上げさせず。しかしロープに飛んだ所を上手くスクープスラムで叩きつける兼平。館内が大きく沸いた。
尚も攻める兼平、串刺しエルボーからロープに飛ばしてフラップジャック。しかしランニングニーを蹴りでストップされる。すかさず首固めで丸め込む円華、カウント2。
慌ててしまったのか、直後の串刺しエルボーをかわされてしまう兼平。すぐにスクールボーイで丸め込む円華、セカンドロープに自らの足を乗せて体重をかけ押さえ込むとカウント3。ミスター村杉レフェリーのブラインドを巧みに突いた円華の技能勝ちと言える。
しかし円華にそこまで出させる兼平も大したもの。試合後兼平の評価はかなり高く、これからが楽しみな存在となってきた。
第4試合
枇杷島大会にて王子大会への参戦を直訴、念願かなって岩本煌史との対戦が決まったビリーケン・キッド。「若くて活きのいい、ガッチリした選手は苦手」と言っていたビリーだが、キャリアの差を岩本に見せつけた。
ウエートアップし、体重が90kgになっている岩本をグラウンドでコントロール。サーフボードストレッチを切り返されるとカンガルーキック。攻め込もうとする岩本を上手くいなしてペースを握らせないビリー。
スクープスラムから反撃に転じようとする岩本、しかしグラウンドで逆に腕を取られるとズルズル引き込まれてしまう。サッカーボールキックからジャベ、面白いように岩本の関節を極めていくビリー。
コーナーに詰めた岩本に右ハイからブロンコバスター、胸板への低空ドロップキック。ビリーのブレーンバスター狙いを踏ん張る岩本、ガットショットからロープに飛んでラリアットを放とうとするが、かわした岩本が大外刈り。
ようやく自分の流れを掴んだ岩本、ヒップトスから低空ドロップキック、ニードロップ、串刺しエルボーからフェースクラッシャー。再び串刺し攻撃を狙うが、体勢を入れ替えて岩本を場外に落としたビリーはトップとセカンドロープの間をすり抜けるトペ!
場外で気合を入れたビリー、岩本をリングに戻すとダイビング・ボディーアタック、ショートレンジラリアット。変形のかわず落としで叩きつけると、間髪入れず両腕を極めるストレッチ。ロープに逃れた岩本にアームブリーカーで追い打ち。ソバットからパワーボムを狙うが、リバースで切り返した岩本がそのまま担ぎ上げてハリケーンドライバー、両者ダウン。
立ち上がる両者、エルボーのラリーからロープに走る岩本をキックでストップさせるビリー。走ったビリーに岩本が払い腰。カウンターの一発を決めた岩本、四つん這いのビリーをぶっこ抜くジャーマン!完璧に決まったがカウントは2。
もう一発ジャーマンを狙う岩本、体勢をスイッチしたビリーが変形のフェースクラッシャー。顔面へのソバットを叩き込んでトップロープに上るビリー。気づいた岩本が叩き落とそうとするが、抜け出したビリーが岩本にランニング・パワーボム。
ラリアットを放つビリー、かわした岩本がバックを取って回転足折り固め、カウント2。立ち上がるとビリーの左ハイ。コーナーに振るビリー、反転させた岩本が突っ込むがかわされて後頭部へのキックを食らう。
満を持してベルディゴを決めたビリーが片エビ固めで押さえ込むとカウント3。王子のリングで若い岩本から完勝したビリーケン・キッドであった。
この試合、特に観客席にいた子供達の声援が一番凄かった。常連客も「あそこまで盛り上がったのは初めて」と言っていた程。関西の熱き男が王子のリングを更に白熱させたのである。
試合後マイクを握る...届かず地声で「すとっぷざみゅーじっく〜!へいかもんまいくせんきゅー!」館内は大笑い。改めてマイクを握るビリー。
「え〜〜〜〜皆さん!もう一度、岩本選手に大きな拍手をお願いします!!(館内から大きな拍手)
前回、名古屋大会に出場させて貰い、その時決まったシングルマッチですが、私はどっちかというと岩本選手のような、ピチピチしてガッツもパワーも溢れる選手は苦手なので、別の選手にして下さいと言ったのですけれど、全く聞き入れて貰えませんでした(館内爆笑)。
ご覧の通り、もう必死でした。ですが今日は負けられない理由がありました。
なぜかと言うと僕は、大阪に住んでいますが東京都足立区出身なんです(館内歓声と拍手)。そして!そして大阪プロレスに入る前は、ここ王子のジムで毎日トレーニングをしていました!(館内拍手)ウェルネス、イエス、ウェルネス。
なので今日、同級生やジムでお世話になった方、いろんな方が見に来たんです。だから負けられないんです!!(館内拍手)
皆さんの応援も然ることながら今日は、その友人知人達の応援が、特に僕のパワーとなりました。もし次、王子大会に僕を呼んでくれるなら...もう二回目は友人知人来ないと思うんですよ(館内爆笑)。さすがに、今回はたまたまタイミングよくみんな来てくれたんですけど。その時は皆さん、今日以上の声援をお願いします(館内笑いと拍手)。
さあここからが本題です。来年、遂にHEAT-UPが大阪にやって来ます。2月11日水曜祝日、もちろん僕も出場させて頂く事になりました。
しかし、大阪にはまだくすぶっている選手がいます。この東京で、王子のリングで、HEAT-UPのリングで、試合をしたいと、モヤモヤしてる選手がいます。
その男は、糸東(しとう)流空手三段!(道着を着ている子供に)...ちなみに君は何流だ?(子供が「空手です」と答えると)そりゃわかってるがな!何流とかあるでしょ。...言っちゃいけないのかい!(館内笑い)極真?新極真とか...もうやめとうこうな(館内爆笑)。
とにかく糸東流空手三段の織部克己というプロレスラー。彼この前名古屋で田村さんとバッチバッチ、いい蹴り出してたんすよ!ひと皮剥けたと思います、いや、この王子のリングで彼はもっともっと大きくなれる、そんな感じがしました。
田村さん!是非!織部を!この王子の、HEAT-UPのリングに上げて下さい!そして!これからアレですか?月2回あるんですか?ここ。そんな事ないすか?まああの、順番で僕と織部呼んでもらったりして(館内笑い)、僕、織部、僕、織部みたいに。でたまにビッグマッチあったら僕と織部一緒みたいな。
ねえどうですかこの案、どうですか!(館内拍手)それ位だったら僕の友達また見に来てくれるかも知れません(館内笑い)。
そんなこんなで、これ僕から言うよりもやっぱり皆さんの声が、はい、強いと思いますので、この後まず試合をしっかり見て、しっかり応援して、我に返ってから、家に帰ってからでも構いませんので、何かしら田村さんにこの僕のメッセージを伝えて下さい!
それでは、長々と話してしまいましたが(館内笑い)、以上、セミファイナルでした〜!!!」
果たしてビリーの声は田村和宏に届くのか?織部克己が王子のリングに上がる事はあるのか?ローテーションブッキングは実現するのか??
とにかく大人気だったビリーケン・キッド。彼が王子のリングを更に熱くしてくれるのではないか?そんな期待もある。
第5試合
「吹けよ風、呼べよ嵐」に乗せて無宿入場。新規加入のSHINYA ISHIDA、セコンドにはどこから現れたのか無宿マスクが就いている。
HEAT-UP軍は田村のコールと同時に飛びかかる。場外戦で無宿を分断、リング上にはHEAT-UP軍と新井一人。三人の顔面を掻きむしった新井、ロープに走るがトリプルドロップキックを食らってしまう。
今度はISHIDA。同じようにドロップキックを放った三人だが、ISHIDAがロープを掴んだため自爆。その上にPSYCHOが三人まとめてセントーン。
乱戦模様のリング上、HEAT-UP軍が狙うのは当然裏切り者のISHIDA。連携攻撃を駆使して攻めていくが、アミーゴへのサミングでピンチを脱するISHIDA。新井が出てくるが、アミーゴのボディスラム、風戸のエルボーで攻め込まれる。しかし風戸の親指に噛み付いた新井、ここから風戸が捕まる。
無宿の面々に代わる代わる攻撃され、場外ではリング機材を入れるボックスで殴りつけられるなど散々な目に遭う風戸。
新井の攻撃を掻い潜り、ジャンピング・アックスボンバーで反撃した風戸はアミーゴとタッチ。エルボーで新井を吹っ飛ばすアミーゴ、フレアーポーズで待ったをかける新井は隙を見て顔面掻きむしり。ロープに走る新井、アミーゴのフラップジャック。
PSYCHOが出てくるが再びフラップジャック。次はISHIDAだ、と思われたが何故かISHIDAはセコンドに就いている岩本を蹴っ飛ばす。ロープに飛ぶと思ったらまた岩本に一撃、アミーゴがロープに振ると場外に降りて岩本を殴りつける。
アミーゴのブレーンバスターをチンクラッシャーで返すと、場外からパイプ椅子が一脚入れられる。ISHIDAが振りかぶって殴りつけようとすると、その背後には岩本の姿が。イス攻撃を阻止すると、試合中にも関わらずISHIDAをメッタ打ちにする岩本。制止に入った村杉レフェリーを突き飛ばし、他のメンバーも乱闘となり収拾がつかない状態に。
村杉レフェリーがゴングを要請し、無効試合の裁定が下されたメイン。セコンドも一斉にリング内に入り収めようとするが歯が立たない。挙げ句の果てには村杉レフェリーが乱闘に巻き込まれて起き上がれない状態に。
岩本を捕らえた無宿はスーパーパワーボムをお見舞いして戦線離脱させる。マイクを要求する新井、手間取っていると苛立って「マイク持って来いって言ってるだろてめぇ!」とコーナーを蹴飛ばす。ISHIDAの手にマイクが渡る。
「岩本、おい、なんだこの結果。え?岩本、アンタが入ってきたせいで!試合終わっちゃったじゃないすか。え?
そうやって、いつも出しゃばってばっかなんで、いい加減気づいて下さいよ。...帰りますかもう。」
新井も「たまにゃこんなのもいいだろ!」と言い帰ろうとする無宿の面々。
「おいちょっと待てこの野郎!おい!ちょ待て待て待て待て!おい!
何もしてねぇんだよ俺この野郎!おい!こんなもんでヒートアップ出来るわけねぇだろこの野郎!!再試合だ再試合!上がってこい!!」
田村が叫ぶ。場内からはヒートアップコール。しかし新井が言う。
「再試合だっつってもなぁ、レフェリー潰したの岩本だぞ。おい!お前のチームの一員が雑なことやってんだよ。え?
こんなん再試合ってやりようがねえんだよ。今日はもう終わりだ。」
「待ていっ!!」本部席の渡辺宏志が突然叫ぶ。リング内に駆け込むと
「レフェリーはここにいるぜ!再試合だ!ゴングを鳴らせ!!」
渡辺がレフェリーとなり、再試合が可能な状態になるとゴングが鳴らされる。湧き上がる館内。
再試合
ゴングと同時に場外の無宿メンバーを連れ戻すHEAT-UP軍。文句を言う新井、お構いなしに場外乱闘を繰り広げる面々に「リングに戻れ!」と叫ぶ渡辺。
田村とPSYCHOがリング内へ。チョップを放つ田村、顔面を掻きむしってコーナーに振るPSYCHO、田村カウンターのウルトラタイガードロップ。アミーゴがスリーアミーゴス、風戸がスライディングアックスボンバーと立て続けにPSYCHOを攻め込んでいく。
風戸のブレーンバスター、背後に降り立ったPSYCHOが風戸の背中を押すとコーナーで新井のビッグブーツ。ISHIDAがエルボー、PSYCHOがローリングネックブリーカー。
カットに入ろうとしたアミーゴ、田村を蹴散らして風戸を引きずり起こす新井とPSYCHO。ISHIDAに攻撃させようとするが、蘇生したアミーゴがISHIDAをカット、PSYCHOにもトップロープを使ってチンクラッシャー。
新井のビッグブーツで叩き落とされたアミーゴだが、こちらも蘇生した風戸が新井にアックスボンバー。リング内は田村とISHIDAの図式に。
田村がミサイルキック、串刺しエルボー。スリングブレイドを狙うが、タイミングをずらしてかわしたISHIDAがRKOの体勢、外した田村が今度こそスリングブレイドを決める。
アピールからPKを叩き込む田村、フォールは新井がカット。ISHIDAのボディーにソバットを突き刺した田村、ISHIDAがコーナーに振ると再びウルトラタイガーを狙うがPSYCHOのパウダー攻撃で撃墜される。
ここで新井とISHIDAが合体フェースバスターへ。ややタイミングがずれてしまうが合体パワーボムで田村にダメージを与えると、PSYCHOがハイフライバムを投下。ISHIDAがフォール、カウント2で田村を引きずり起こす。
強引に田村を立たせると、リバースDDTの体勢から真横に田村の身体ごと一回転させるISHIDA。危険な角度で顔面をマットに強打された田村はISHIDAの片エビ固めを返す事が出来ず。
△(デルタ)ドライブと名付けられたこの技、無宿に新規加入したSHINYA ISHIDAがいきなり田村和宏から堂々のフォール勝ちを収めたのだ!勝負が決した瞬間、新井は両手を大きく広げて「どうだ!」とアピールする。
エンディング
横たわる田村を尻目に、新井がマイクを握る。
「いや〜、いやいやいやいや、なあ!おい!HEAT-UPのエース田村さんよお前。えぇ?今まで散々、えぇ?チャンスも何も与えないでよぉ、その場しのぎの人数合わせのレスラーとして扱ってなかったISHIDAちゃんに、えぇ?アンタ、どんだけの目に遭わされてるんですか今日?えぇ!?
まあ、ね、ISHIDAちゃん!私の思ってた通り、あなたはやっぱりコッチ側の人間ですよ。えぇ!?
なあおい、ISHIDAちゃん、あなたいきなり無宿に入って、言ったらまだ『初心者』なのに、ね!無宿の初心者なのに、いきなり!エースを!エースから!正真正銘、特に何か凶器を使った訳でもなく!えぇ!?正々堂々、ピンフォール勝ちですよ!
お客さん!これは、ねぇ!来月、どうしたらいいんですかねぇ?えぇ?完全にこっちがもう主導権握ってるんで、ねぇ、もう何も言わなくても、聞かなくても、もう腹は決まってますよねISHIDAちゃん。来月どうしましょ?」
新井のアピールを受け、ISHIDAは
「来月、自称?HEAT-UPのエースの田村和宏さんと、シングルがやりたいです。」
こう言うと田村ににじり寄るISHIDA、何様のつもりだとISHIDAをはたく田村。
「チビッコだおいおい田村、あそこら辺で観戦してる小学生と一緒にいりゃ丁度いいんだお前、えぇ?見分けもつかねぇ位のチビッコが、偉そうにしやがってよお、えぇ?」
新井の挑発に激昂したのはアミーゴ鈴木であった。マイクを奪うと
「おいさっきから聞いてたら好き放題言いやがって、だいたいなぁ、アンタの存在も昔っから気に食わなかったんだよ!!(館内大きな声援と拍手)
昨日今日じゃねぇんだよ!!えぇ?馬鹿野郎、俺がデビュー前から散々いじめてくれやがってお前!!CHANGOはなぁ、お前にホイホイついて行ったがなぁ、俺は忘れてねぇんだ!!
てめぇ、来月!俺と勝負しろ!!先輩だったら、受けてくれますよね?」
アミーゴのアピールに対して、新井の返答は...
「宜しくお願いします!」と深々と頭を下げて了承した新井。
「まあ、ね。人間何で恨みをかうかわからないですからね(館内爆笑)。俺も40数年間生きてきて、おお...やっぱり、あの時もっと優しくしてりゃ良かったのかなぁ?(館内笑い)えぇ!?
まあいいや、まあとりあえず、ISHIDAちゃん!ね、我々はマイクを置いてもう帰りますけど。まあ田村はもう喋る気力も無いだろうから、ね、この後どう締めるかわかりませんが、とりあえず!なあお前ら!
これからお前、SHINYA ISHIDAが!もっともっと引っ掻き回してやるからな!今日はホントに、ありがとう。」
意気揚々と引き上げる無宿の面々。悔しげにその背中を見つめる田村。
「こんなんでなぁ、諦めちゃいられねぇよ。おい!まだまだ、まだまだヒートアップするんだ。おい!あんな若い奴らにな、負けていられねぇぞ。
先輩の意地を見せてやろうじゃねぇか。俺だってなぁ、伊達に練習してねえんだ。まだまだ、34だけど、気持ちは15歳!(館内のあちこちから「若すぎる!」とツッコミが入るが)まだまだ青春真っ盛り!これからもっともっと、いい事するんだ俺は!
来月は!SHINYA ISHIDA!日本の意地!見せて、勝ってやるよ!!(館内の一部から「ニッポン」コール)
アミーゴ!新井健一郎、勝てよ!(館内から「田村も勝てよ!」の声に)俺も勝つ!!」
旗揚げから二度目の年末を迎えるHEAT-UP。無宿の勢いに押し流されてしまうという光景は去年と同じになってしまった。
しかし違う点が一つ、それはプロレスファンだけではなく王子の人達が会場でヒートアップしているという事。田村和宏の「何くそ負けるか」の精神が、人々を惹きつけているのかも知れない。
【記事提供/HEAT-UP】