PANCRASE 290で日沖と対戦する高谷が公開練習!14年ぶりの再戦に一国一城の主となった高谷が自信を見せる!
9月14日午後、千葉県船橋市の「FIGHT FARM」で、高谷裕之(高谷軍団)が公開練習をおこなった。
FIGHT FARMは、高谷が今年2月にオープンしたばかりのジム。黒を基調とし、金色の文字が映える。黒と金は高谷のバイクの色だという。大きな窓から入る光は明るい雰囲気。通りに面した1階はわかりやすく、津田沼駅からもほど近い好立地だ。
「PANCRASE 290」(10月8日、ディファ有明)で日沖発(ALIVE)と対戦する高谷は、この新しいジムで3分2Rのミット打ちを披露した。重みのある音を立てて蹴りを打ち込む。ミドルももちろん、前蹴りはパートナーが吹っ飛びそうになるくらいの威力を見せた。
日沖と高谷は、2003年7月、修斗・新人王トーナメント2回戦で闘っている。お互いプロ4戦目で、この時は高谷が判定勝利を挙げた。この後、2人は再び交わることなく別々の道を歩み、実力者となっていった。そして、14年ぶりにパンクラスで再会、メインを飾る。
「前にやってますけど、14年も前のことなので、あまり覚えていないですね。それからお互い実績を上げたので、久しぶりに闘うのが倒しみです。試合が決まったときも、いい相手だ、楽しみだなと思いました」
と話す高谷。お互い格闘技界で名を上げていく中で、日沖を意識したことはあるかと尋ねると、
「うーん、意外と舞台が違っていたので、そこまで意識したことはなかったですね」
という。確かに、高谷はHERO’S、WEC、DREAMで活躍し、日沖は戦極(SRC)、UFCと全く別のルートを歩み、実績を積んできた。それだけに、今回、パンクラスでの2人の対戦に興奮しているファンは多いことだろう。
どんな試合になると思うか尋ねると、高谷は
「前回と似たような感じの試合になるんじゃないかと思います。ただ、今回は倒したいですね。前回は判定だったので、きっちりKOで決着をつけたいです。と言っても、いつも通りなので、ちゃんと当てるようにしたいですね」
と笑った。だからもちろん、今回のテーマは「きっちり倒して勝つこと」だ。ジムでの練習は充実している。自分のジムだからいつでも練習できるし、環境を自分で整えることもできる。
「本当にいい相手なので、きっちり仕上げますよ」
と、自信をのぞかせる。一国一城の主となり最初の試合でもある。
「負けられないですし、良い試合ができると思います」
と力強く話した。
ちなみに、ジムは立派な施設もさることながら、高谷の自慢はトイレだという。トイレのドアを開けると、なんと壁には大きなシカの骨が飾られていた。北海道で獲れたエゾシカの骨だという。黒で統一されたジムだが、ここだけはレンガ造りの暖炉のような雰囲気で、高谷もお気に入りだという。
さて、最近、パンクラスでは、UFCに名乗りを上げる選手が増えている。今回の相手は、元UFCファイターである日沖だ。高谷にも、UFC参戦への心づもりがあるのだろうか。
「そういう思いもありますけど、今はまず一戦一戦やっていくことが大事だと思っています。あ、この間、ISAO選手と闘ったカイル・アグオン選手とかやってみたいですね」
と話すにとどまった。
「ま、勝ちます、ハイ」
と言う高谷。
細かいことはいいんだよ! と言わんばかりの笑顔だ。男は黙って拳で勝負——絶対に見逃せない一戦だ。
(写真・文 佐佐木 澪)