パンクラスが勝敗予想の「パンクラスダービー」、TUFF-N-UFFとの提携、ゲーム化して世界同時リリース、KOPボーナス増額を発表

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12月25日、都内千代田区のホテル メトロポリタン エドモントにて、パンクラスが2016年に向けての記者会見を開いた。出席者は酒井正和パンクラス代表、神部建斗(ライトフライ級キング・オブ・パンクラシスト/ALLIANCE)、石渡伸太郎(バンタム級キング・オブ・パンクラシスト/CAVE)、徳留一樹(ライト級キング・オブ・パンクラシスト/パラエストラ八王子)、鈴木槙吾(ウェルター級キング・オブ・パンクラシスト/ALLIANCE)ら4人のキング・オブ・パンクラシスト(以下KOP)たちだ。
今回の会見では、2016年から始まるパンクラスに関する4つの企画が発表された。

①試合の勝敗を予想して楽天スーパーポイントが当たる「パンクラス ダービー」
パンクラスは楽天チケットを運営する株式会社チケットスターと提携し、楽天IDを持つユーザーを対象に、2016年に行なわれるパンクラスの約11大会の勝敗を予想して、当たると楽天スーパーポイントがもらえる「2016パンクラス ダービー」を開始することとなった。この企画は来年1月31日の「パンクラス275」(ディファ有明)からスタート。各試合を対象に、専用特設サイトで予想を受け付ける。全試合を当てたユーザーで10万ポイントを山分けすというシステム。酒井代表は「現在の日本はポイント社会。この企画でユーザーを取り込んで、パンクラスを知ってもらいたい。また、会場の熱もさらに上がってくると思う。ぜひ多くのかたに利用してほしい」と企画意図を話した。
賭け事とスポーツの線引きは難しいところもあるが、この企画に関しては法的にもクリアしているという。懸賞などと同じように、大会関係者や選手らは参加できないと聞いて、KOPたちはがっかり。しかし、「たくさんの人に興味を持ってもらえるし、選手もモチベーションが上がる」(神部)、「これを機会に、今までパンクラスを見たことのなかった人にどんどん見てほしい」(石渡)、「パンクラスを知らない人も、参加すれば熱を入れて応援してくれると思う」(徳留)、「僕も来年、何試合かすると思うので、僕に投票しないと予想は当たりません」(鈴木)と歓迎ムード。来年4月からは、パンクラスダービー勝敗予想コーナーを設けたテレビ番組もスタートする予定だという。

②アマチュアMMA団体「TUFF-N-UFF」と提携
TUFF-N-UFF(タフイナフ)は、ラスベガスをベースに1994年から20年の長きにわたりアマチュアMMAイベントを運営している団体。元UFCバンタム級女子王者ロンダ・ラウジー、UFC、ストライクフォースに参戦しているライアン・クートゥアをはじめ70人以上の選手をアメリカのメジャーイベントに輩出しているという。
パンクラスはこの団体と提携し、各階級の王者をパンクラスにおいてプロデビューさせる。酒井代表は「ここから様々な選手をナンバーシリーズに出し、活性化をはかっていく。パンクラスも近い将来ラスベガス進出を考えている。また、アメリカだけでなく、他の国でも同じようなスキームを構築し、スポーツMMAのグローバル化けをしていく」と話した。なお、ルールはユニファイドルールで闘われる。このところ外国人選手が多く上がっているが、来年はますます増えそうな気配だ。日本人選手は、うかうかしていられない。

③パンクラスをゲーム化。世界同時リリース
パンクラスがゲームになる。その名も「MMA Federation」。このゲームはネット上で無料でダウンロードでき、利用することができる。ユーザーは自分が所属するチームを選択。アバターをカズタマイズし、トレーニングをして選手を育成していく。トレーナーとしてさまざまなレジェンドやファイターが登場し、指導を受けることができる。会見に出席しているKOPたちや、高阪剛、中井祐樹らは、日本人チーム「侍」のトレーナーとして登場する。オンラインで世界中のユーザーと対戦することができ、その対戦動画をSNSにアップすることもできるという。ウェアなど課金して手に入れられるものもあるが、ボーナスポイント、復活するエナジーポイントなどによって、課金しなくても十分楽しめるという。
ゲストとして同席した中井祐樹は「初めは驚いた。僕はゲームをあまりやったことがないが、周りにはたくさんいる。今の時代に合った新しい格闘技の広げ方だと思うし、MMAを伝えていくのにこれほど有効なものはないと思う。世界に日本の格闘技が浸透していくのは喜ばしいこと。自分のゲーマーになってしまうかも」と話した。トレーナーキャラとして登場するKOPたちは「ゲームが好きで、1日やってしまうこともある。特に格闘ゲームが好きなので、そこに自分が出るのはすごく嬉しい。自分の名前も知ってもらえるし、何よりゲームに出られるのが嬉しい」(神部)、「今まで格闘技に興味のなかった人にもやってもらって、知ってもらえれば」(石渡)、「まさか自分がゲームに登場するなんてビックリ。嬉しい。海外の人にも知ってもらうことは重要。ゲームを通じてパンクラスを知ってほしい」(徳留)、「酒井代表、これは選手も登録できますよね?(笑)。ゲームの中で、あの選手を倒したぞ、なんていうことも出てくるかも。広がっていくことが嬉しい」(鈴木)とそれぞれ感想を述べた。
現在は男子選手キャラのみだが、ゆくゆくは女子選手も登場する予定。女性も気軽に楽しめるゲームになりそうだ。

④KOPボーナスの増額に関して
これまで、KOPが試合に勝った場合、ファイトマネー以外に30万円〜上限100万円までのボーナスが支給されていたが、来年1月大会より増額されることとなった。
王者が防衛した場合は30万円〜上限150万円、ノンタイトル戦で勝利した場合は10万円〜上限40万円のボーナスが支給される。金額は試合内容を考慮してその都度決定される。また、これまでは王者にのみボーナスが支給されていたが、日本人選手が外国人選手に勝利した場合、上限30万円までのボーナスが支給されることとなった。
酒井代表は「KOPの価値をもっと高めていくためのシステム。150万円でもまだ少ないと思っている。現在はこれができる範囲だが、200万、300万を目指してやっていきたい。また、新設の外国人に勝った場合のボーナスだが、やはり日本に負けてもらいたくないし、日本人選手のレベル向上をはかり、選手のやる気を出すためのもの」と話した。
一斉に目を輝かせたKOPたち。
2016年から始まるパンクラスの発表会見②神部「めっちゃ嬉しい。早く帰って練習しなきゃ、って感じ。それだけのものをもらうには、それなりの責任があるし、実力が必要。俺は1回も負ける気はないし、全員倒すつもり。いっぱい倒して、いっぱいお金をもらって、本当の頂点に立ちたい」
石渡「命を削ってやっている。パンクラスの価値を上げて、価値のある選手になって、200万、300万と言わず、ゼロをもっと増やしたい」
徳留「代表も、これでは少ないと言ってくれたので、来年みんなが驚くような試合をして、頑張りたい」
鈴木「毎回、何かがいただけるような試合にしたい。防衛戦が国際戦の場合はどうなりますか?(酒井「プラスになります」)国際戦がやりたいです。よろしくお願いします」

当然のことながら王者たちはモチベーションが上がったようだ。石渡が話したように、まさしく命を削って挑むのが格闘技。本当に体調を整え、練習日打ち込むためには、きれい事は言っていられない。しかもチャンピオンともなれば、夢や情熱だけで続けていける世界ではないのだ。
プロファイターといえども、格闘技のみで生活できる選手はまだまだ少ない世界。KOPたちにはボーナスでモチベーションを上げ、素晴らしい試合をしてもらいたい。そして、それを見て格闘技の素晴らしさを知り、未来の王者を志す新しい選手たちに出て来てもらいたい。パンクラスからそれが始まれば、こんなに素晴らしいことはない。

【写真・文/佐佐木 澪】

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