12.13パンクラス237で清水清隆とフライ級王者査定試合を行う神酒龍一と、ビクター・ヘンリーの挑戦を受けるバンタム級K.O.P石渡伸太郎が公開練習
11月19日夜、都内墨田区のCAVEで、「PANCRASE 273」(12月13日、ディファ有明)に出場する神酒龍一と石渡伸太郎が公開練習をおこなった。内容は1分2ラウンドの打撃スパーリング。両者とも鋭い動きを見せながらも、普段からの仲の良さがにじみ出て和やかな時間となった。
「PANCRASE 273」において、神酒はフライ級王者査定試合で清水清隆(TRIBE TOKYO M.M.A/王者)と闘う。清水は今年、パンクラス以外の大会で4連敗中だ。これに対して、コミッションより「パンクラスのルール上、“王者として不適格な試合”に抵触する」との伝達で、王者査定試合をおこなうこととなった。試合結果はもちろん、内容次第では清水は王座返上、もしくは王座を剥奪される事態にもなるという。その場合、神酒と他のランカーで、第3代王者決定戦がおこなわれることとなる。神酒にとってはこの上ないチャンスだ。
一方、石渡はバンタム級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチでビクター・ヘンリー(CSW)の挑戦を受ける。ビクターはGRAND SLAMで所英男、上田将勝を破り、パンクラス参戦をアピール。今年5月にパンクラス初参戦を果たし、中島太一、福島秀和を破り、パンクラス3戦目にしてタイトルへの挑戦権を手にした。石渡は今年1月、左上腕 三頭筋腱断裂で11ヶ月の長期欠場を余儀なくされたが、ついにケージへ帰ってきた。怪我はしていても、トレーニングは続けており、ブランクは関係ないと言う。「日本人キラー」のビクターを相手に、貫禄を見せつけるか。
両選手のコメントは以下。
神酒龍一
コンディションはバッチリ、大丈夫です。
ディファでセコンドをしたこともあるので、パンクラスの雰囲気は分かっていたつもりでしたけど、実際に試合をやってみて、今までの会場よりもやりやすいと思いました。でも、ちょっと緊張していましたね。でも、今度は2回目なので、もっとやりやすいと思います。
やりやすさですか? まず、マットがかみやすくて、滑りにくいこと。足が踏み込みやすかったですね。それから、周りが暗いので試合に集中できました。後楽園はちょっと明る過ぎますね。
前回は連敗中の参戦で、“負けられない”という気持ちが強かったけれど、今回は“負けられない”というよりは“勝ちたい”という気持ちでいます。
査定試合というのは…いろいろあるでしょうけど、自分が勝って王者に引導を渡したいと思います。
王者は「負けない試合」が巧い選手なのかな、という印象ですね。ある意味、自分と似たタイプなのかも知れません。同じペースでやっているとあまり差がつかないので、どこかで差をつけたい。差がつくとしたら、スタンドでつくんじゃないかと思います。
王者はKOで勝ったりもしていますよね。ああいう勝ち方はなかなか出来ないなとは思いますけど、自分はそうならないと思います。僕は修斗の王者だったので、パンクラスの王者VS修斗の王者という見方もあるかとは思いますけど、自分に関しては今現在ベルトを持っていないので、裸一貫、獲りにいくだけ。自分は守りに来たんじゃなくて、獲りに来たんです。
勝ったらですか? 自分がベルトを巻くだけ。その次の相手がどうこうとかは考えていません。まずはこの一戦に集中していきます。相手も崖っぷちでしょうし、下手な試合をしたらベルトを剥奪みたいなことも言われているようなので、気合いをいれているだろうと思います。でも、自分は気負っても仕方ない。フラットな気持ちでいきたいです。
石渡選手と同じ大会に出るのは、去年の大晦日(DEEP DREAM IMPACT)以来ですね。石渡選手はメインということもあるので、勝って石渡選手に繋げたいです。
自分個人にとっても、恐らくこの試合が今年の締めになると思います。去年は年末にDEEP、そこから今年は修斗、それからパンクラスと、自分にとってありがたい経験ばかりでした。でも、参加することに意義があるわけではないので、勝って終わりたいです。スタンドの攻防を制して勝ちたいですね。
今、パンクラスのフライ級が注目されるようになってきていて嬉しいです。その中で目立ちたい。今回も潰し合いのような試合が多く組まれているので、その中で一番輝きたいです。
石渡伸太郎
コンディションはいいです。いつから練習を始めたかは覚えていないですね。スパーリングとかはできなくても、ずっと何かしらはやっていたので。今は普通です。
試合は楽しみですね。不安も普通にあります。普通の試合と同じくらい、不安も普通にありますよ。ブランクはあるかも知れませんけど、でも、それ以上にやって来ましたし、もうベテランくらいキャリアもあるので大丈夫です。
ビクターは、寝技の極めと、実は打撃が要注意です。打撃は倒せるものを持っていますね。ビクター対策はもちろんありますけど、試合前なので言いません。こうだろうなというのは想像がつきますし、最初からいけると思っているので、映像を見ても見なくても変わらないです。でも、強い選手だとは思っていますし、ミスをすれば負けると思います。ポイントは、どちらのぺースに持っていくか、どちらがやりたいことをやれるか、でしょう。
上松(直哉)さんとの話は意外とザックリという感じですね。試合が始まってみないとわからないですね。
去年の大晦日にいい勝ち方ができたので、期待されていると思います。この復帰戦で、人とは違うのか、周りと同じようになるのか分かれると思います。
今はビクターが何も言って来ないので(何も発言していないので)怒ってないです(笑)。何か言われた方が燃えるかな? うーん…燃え上がるのもいいですけど、僕の場合、本当に怒っちゃうので、今のままでいいかも(笑)。
5分5ラウンドは、堀口(恭司)選手との試合がそうでした(2013年6月、VTJ 2nd)。途中で終わっちゃいましたけど。でも、5ラウンドだからって変わらないです。スロースターターと言われますけど、本当はそうじゃないはずなので大丈夫です。どちらかと言ったら、ビクターもスロースターターじゃないかな。試合は、すぐ終わってしまうか、フルにやるか、どちらかになるだろうと思います。
休んでいる間、パンクラスは強い外国人選手が来たり、テレビが始まったり、どんどん華やかになっていくのを見てウズウズしていました。ケガをした時に、「遅れてきて、最後は全部持って行く」と言ったので、そうします。新しくなって帰って来たので、自分自身、どうなっているのか楽しみです。
【写真・文/佐佐木 澪】