アイスリボン 3・26アイスリボン道場大会 世羅&雪妃vsつくし&優華 もちvs235
『アイスリボン717』
日程:2016年3月26日(土)
会場:アイスリボン道場
開始:18:00分 開場:17:30
観衆:113人・超満員
▼シングルマッチ10分1本勝負
○松本都(崖のふち)
4分12秒 レフェリーストップ
●長崎まる子
▼シングルマッチ10分1本勝負
○宮城もち
7分0秒 リバーススプラッシュ→片エビ固め
●235
▼シングルマッチ10分1本勝負
○藤本つかさ
6分30秒 極楽固め→ギブアップ
●弓李
▼タッグマッチ20分1本勝負
○世羅りさ/雪妃真矢
15分10秒 ダイビングダブルニードロップ→片エビ固め
つくし/●優華
王者として凱旋した世羅りさに小波女になった優華が必死の挑戦表明!横浜文体で里村とのシングルが決まったつくしは「よく考えないと甘い目に合う」と挑発
第1試合
後楽園ホール大会、西日本3連戦を経て、3週間ぶりの道場マッチ。この日はキャリア組vs若手のシングル3番勝負が組まれた。まずは都vsまる子。昨年11月14日のアイスリボン692での初シングルマッチで都をあと一歩まで追い込んでいるまる子は、この日もスタートから気合十分。
しかし開始4分、逆エビ固めを狙って、都の両足を抱えて反転する際に体勢が崩れ、まる子はそのまま動くことができず担架で運ばれてしまった。試合は試合続行不可能によるレフェリー・ストップ。そのまま病院直行となったまる子は「右肘間接脱臼」と診断された。座談会で都が「まる子は、私のことを初勝利しやすそうな相手だと言っていてナメてて。だから今日はいじめてやろうと思っていたんですけど、こういう不完全燃焼の結果になって残念です。プロレスは本当に何が起こるか分からないと思いますが、私も唇を7針縫っても這い上がってきましたし。心強く持ってまた元気に戻って来てくれることを待ってます。それでまたいじめ抜いてやろうと思ってます」と都流のエールを送っていた。
第2試合
3月5日のアイスリボン712で、後楽園大会出場の査定試合で、もちから三行半を下された235にリベンジのチャンスが巡ってきた。
試合前からやる気をみなぎらせていた235は、前回同様にコーナーから動かないもちに歩み寄ると頬に張り手を見舞った。もちから倍返しの張り手を浴びるも、そこで退くことなく張り手を返していった235。この日はもちに攻め込まれても、すぐに反撃を仕掛け折れない強さを随所でアピール。途中、もちに連続で低空ボディアタックを見舞うシーンでは、思わずもちから「なかなかやるじゃん」という笑みが見られた。最後はもちがコーナーでのリバースフットスタンプ、リバーススプラッシュのラッシュで一気に勝負を決めたが、敗れた235は試合後ももちに食って掛かるなど、これまで見られなかった前向きな気持ちの強さを感じさせた。
試合後、235は「前回の道場マッチで、もちさんにボロクソに負けて何も言い返せず。今回は言い返して、どうだって見せてやろうと思ったんですけど。今回もあっさりやられてしまって悔しさしか残っていません。でも、ここで腐ったら自分の負けだと思います。自分も頑張って這い上がりたいと思います」と語った。
もちは穏やかな表情で「少し前の話をします。後楽園出場前に235と試合をして、後楽園の私のパートナー「X」が235になるか?って話が出たんですが、私はお断りしました。235の後楽園のカードは組まれなかったんですが、そのまま西日本も(235の)参戦は無いだろうなと思っていたんですけど、あかねが負傷して、上手い具合にカードに組み込まれて。私はちょっと納得していませんでした。また道場で戦えればと思っていたら早くも組まれまして。今日はどんな235で来るのかな?と楽しみにしていました。前回よりは地に足がついていたというか、ボディアタックだったら、その連打、235にはそれしか技がない。でもそれを235だから、ボディアタックしかないからそれで攻撃する、それもひとつのプロレスなんだなって。気持ちの見えた気がします。ちょっとだけ地に足がついたような成長が感じられたかなと思います。でも、まだまだだと思います。私もまだまだ(ここで235に視線を向け微笑みながら)だから頑張ろう」と235を評価する言葉を残した。
第3試合
弓李がデビュー2年半にして藤本との初シングルマッチで対戦。何故かテレビ埼玉のキャラクター"テレ玉くん"のかぶり物で登場した弓李は、そのまま試合に臨んだ。
途中ヘッドロックを決められた際に、かぶり物が外れてしまったが、藤本がそれに気づかずにまだヘッドロックの体勢の間にドロップキックを決めた弓李は、さらにそのかぶり物を藤本に逆にかぶらせて視界を奪うと、エビ固めで丸め込み、あわや3カウントという猛攻をみせる。
「藤本さんに元気になってもらおうと思ってかぶってきた」という弓李だが、明らかに一発勝負を狙っていたのは明らか。かぶり物作戦こそ失敗したものの、その後も弓李が良い動きを見せる。関節技の仕掛け合いでは弓李が有利なシーンも見られ、藤本のムーブをしっかり研究し、藤本の動きをうまく切り返しカウンターの仕掛けを何度も見せた。最後はミサイルキックからの極楽固めにギブアップを喫したものの、弓李の好ファイトが光った初シングル戦だった。
試合後、弓李は「埼玉県人といえばテレ玉!今日は藤本さんと初のシングルで、きのう(藤本がREINA女子の)ベルトを落としたので、これ(=テレ玉くんのかぶり物)を見て元気になってもらおうかなと思ったんですけど、藤本さんは鉄人だなと思いました。元気になってください」と藤本に声を掛ける。藤本は「元気だけど、初めてだったんだね。3年間シングルしてなかったんだと思ってびっくりした。今日、試合をして今度いつかノーロープ試合、ねちねちした試合を2人でやりたいと思った。今日メインだったらロープ外してたわ。今度やりましょう」と弓李との再戦、しかもノーロープでのグランド対決を提案した。
第4試合
メインは3月21日の広島リボンでICE×∞王座初戴冠を果たした世羅が道場マッチ凱旋。ベルトを腰にリングに立った世羅に対して、広島大会の試合後にタイトル挑戦をアピールしている優華がゴングと同時に襲い掛かる。
つくしの好フォローを得ながら、雪妃を攻めている時もコーナーの世羅に視線を向けるなど、世羅を意識しまくりの優華。対する世羅は優華に対してはもちろん、つくしに対してもパワーでシングル王者としての力を存分にアピールすると同時に、雪妃とのアジュレボ連係も随所で決めていく。現時点では世羅には余裕が感じられ、一方の優華にはどこか焦りが感じられた。試合は終盤、その世羅と優華の一騎打ちとなり、ミサイルキックからのエンジェルス・トランペット・スープレックスで先手を取った優華だが、カウント2でキックアウトした世羅は、優華のダイビング・エンジェルサンダーをかわすと、雪妃とのダブルチョークスラムを優華に狙う。しかし、これを踏ん張った優華は反転しながら、2人を同時にスクールガールで丸め込む。これを逃れた世羅はエアーズロックからダイビングダブルニーを狙うが、これをかわされ再び優華が世羅をスクールガールに決める。なんとかカウント2で返した世羅は、前日に引退した成宮の得意技でもあるスピアーをヒット。後頭部を打ちつけた優華に再度、ダイビングダブルニーを放ちカウント3。
猛追する優華を下しチャンピオンとしての道場凱旋試合を勝利で飾った。
エンディング
試合後、優華は「世羅さんと戦う事って、多分一番(多く)あるんですよ。すごく戦う回数が多くて。でも勝った事って1度も無いんです。世羅さんって、キャリアすごい上に見えるじゃないですか!?なんか大御所加減?すごいあるんですよ。でも自分とキャリア1年しか変わらないんです。キャリア1年の差ってすごい小さく感じるんですけど、自分にとって世羅さんは本当に大きな壁で、生活面からも絶対に勝てない存在っていう壁が出来ているんです。だから、だからこそ広島で目の前でベルト獲って、水色のベルトですごい似合うと思うし、相応しいと思うんですけど、悔しいし、すごいむかついたし、絶対に世羅さんから初めて勝つ日は、ベルトを獲る日って自分の中で決めているんで。自分は水色が似合わないかもしれないですけど、自分が勝ったらベルト白色に染めますから。白ペンキで塗って、それか会社にお金出してもらって新しく作って(「自分で出せや!」と藤本から突っ込みが入る)世羅りささん、覚えておいて下さい。これから優華の逆襲が始まりますから。昨日の負けは今日の勝ちです」と真顔で語ると、世羅は「昨日の負けは今日の勝ちっておかしくないですか?今日の負けは明日の勝ちならわかるけど」と突っ込み。
ムッとした優華が世羅のマイクを奪うと「今日の負けは明日の勝ちです」と訂正してマイクを返す。「言い直しただけ」と藤本から突っ込みを受けるが、優華は動揺すること無く、まっすぐに世羅を睨みつける。優華の視線を意識しながら「日本語はおかしいけど、言っていることはストレートに伝わってくるので、優華の気持ちを受け止めた上で、自分も防衛戦の場を考えたいなと思います」と世羅。優華の挑戦をほぼ了承してはいるが、その防衛戦の時期についての明言は避けた。
一方の優華の青写真はもちろん、5月4日の横浜文体のメインでのタイトル挑戦。そしてタイトル奪取だろう。実際に試合中、世羅にダイビングエルボーを放つ際に「横浜文体ーっ!」と絶叫している。タイトル挑戦をアピールしながら、その最初の試合で王者にフォール負けを喫してしまった優華。果たして優華が予告する"優華の逆襲"でどこまで巻き返せるか?横浜文体まで40日。戦いは更に激しさを増していきそうだ。
また横浜文体で里村とのシングル戦を要求したつくしは「里村さんの件どうなりましたか?(藤本が「快く了承していただきました」と報告すると)はぁ?オファー受けんのは当たり前なんだよ。2012年に里村さんとタッグ(で試合を)しました。それ以来の対戦となってます。4年前と自分はプロレススタイルも変わったと思うし、気持ちも全然違います。よく考えないと甘い目に合うとツイッターにつぶやいておいてください。自分もつぶやきます」と決めるが、藤本から「甘い目ってなんでしょうか?皆さん、ツイッターつぶやいといてください」と突っ込み。地団太踏むつくしに雪妃が「甘く見ていると、痛い目に合うですかね?」と助け舟。「そう、それ!」と激しく同意するつくし。さらに雪妃は「本日は世羅さんが勝ってくださいました。なんか世羅さんがシングルのチャンピオンになられたので、これは文体に向けて、アジュレボがその大舞台に立つことは無いと思いまして、自分は文体で、また7番勝負の1本をやらせていただけるんでしょうか?」と藤本に尋ねると、藤本は「ちょっとまだ文体は分からないすけど、4月9日の大さん橋(横浜リボン)、そこで雪妃真矢7番勝負3番目やって頂きます。雪妃真矢対ダイナマイト関西。たぶん最後だと思うし、私もしたことない。本当に試練だよ。ユキの7番勝負は本当に試練だよ。でも今、すごく輝いてる。だから7番勝負終わった後は、バケモノになっているよ。本当に変わると思う。だから期待してます」と文体の前に行われる横浜大さん橋での横浜リボンでの雪妃のカードを発表。引退を表明している関西との一戦に向けて、雪妃も「血反吐吐きながら頑張らせていただきます!」と力強く語った。
(記事・写真提供/アイスリボン)