「俺は親父の七光りでもなんでもない!」ブーイングを大歓声に変えてついに覚醒!海野翔太&上村優也がYuto-Ice&OSKARのIWGPタッグ王座に挑戦決定!

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 19日、東京都・後楽園ホールにて新日本プロレス『ミクチャpresents Road to THE NEW BEGINNING』が開催。海野翔太&上村優也がYuto-Ice&OSKARの持つIWGPタッグ王座へ挑戦することが決まった。

 現在のIWGPタッグ戦線は近年稀に見る熱さを見せている。この熱を創り出しているのは現王者の【Knock Out Brother's(KOB)】のYuto-Ice&OSKARの存在が大きい。
 Iceは新日本プロレスに入るためにニュージーランドのファレ道場まで行って4度目の入門テストで合格。しかしデビュー戦で負傷して長期戦線離脱を強いられるなど臥薪嘗胆のプロレス人生を送ってきた。
 OSKARもファレ道場を経て日本の野毛道場に入門するが、世界的なコロナ禍の影響で母国・ドイツへ帰国せざるを得なくなり、約3年半の練習生生活を送ってデビューに至ったという苦労人。
 ファレ道場時代から友情を育んだ2人は公私ともに仲が良く、は2024年1月から一緒に海外武者修行へ出発。【Young Blood】としてタッグを組み、イギリス、ドイツ、オランダ、チェコ、デンマーク、イタリア、スペイン、オーストリア、ニュージーランドなど世界中のリングを転戦。
 2025年8月17日の有明アリーナ大会では、中島がYuto-Iceとして、オスカーがOSKARとリングネームを改めて凱旋。タッグ名も【Knock Out Brother's(K.O.B)】と改め、同年9月には石井智宏&タイチを破ってIWGPタッグ王座戴冠を果たし、プロレス大賞最優秀タッグも受賞。一気に新日本の中心へと駆け上がった。
 2人をヤングライオン時代から知っているファンは2人の長年の苦労も見てきているため、泥水をすすりながらもここまで這い上がってきたK.O.Bに熱い声援を贈っている。

 そしてIceが次世代の旗手として期待を集めることになったのは今年1月5日の大田区総合体育館での大演説。
 Iceの「棚橋弘至が引退してまださみしい気持ちがあることも分かっとる。俺は太陽にはなれねえんだ。あの人みたいにファンのみんなに愛を叫ぶスゲーことなんて出来ねーし、あの人みたいに真っ直ぐな笑顔でお前らを幸せにする強さもねえ。ヒーローみたいにカッコよくもねーし、カッコいいことも言えねーけどよ。もしだ!もしよ、俺みてーに太陽や月、対戦相手の光でしか輝けねえ成れの果てみてーな奴ら、喜怒哀楽、ナマの感情をすべて曝け出してえ奴ら、プロレスHIGHになりてー奴らは、勝手に俺の背中を追ってこい!この俺がテメーらのことをプロレス使ってブリブリにHIGHにしてやっからよ!また会場にプロレス見に来い!もしよ!テメーらの周りに理由もなく生きとんのがつまんねーって思っとる昔の俺みたいな奴がおったらよ、ここ日本には!新日本プロレスっていう合法的にHIGHになれるモンがあるんだって教えて救ってやってくれ!」という言葉には多くのプロレスファンが勇気付けられた。

 そんなK.O.Bに挑戦表明を行ったのは、海野翔太&上村優也、そして前王者組のタイチ&石井智宏。
 海野が登場すると場内からは大ブーイングが起き、海野が「俺たちは決して諦めない!俺たちともう1回闘え!」と挑戦表明を行うとさらにブーイングの声量が上がるばかり。海野へのブーイングは愛あってのものではなく、ファンからの嫌悪と拒絶が込められたものであり根が深い問題の1つだ。
 その後タイチ&石井がリングに上がって来ると大歓声が起き、タイチは「聞いたか?この歓声。お前ら若い連中、どいつもこいつも、新日本プロレスもそうだ。俺たちの存在、忘れてねーか?俺たちがもっと新日本プロレスの闘いを教えてやるからよ、そのベルト返せ」と挑戦表明。
 Iceは「俺はつえー奴らとやれればそれでいいんだ。お前ら(海野&上村)には2回、お前ら(タイチ&石井)には1回勝っとるな。本隊同士で仲良しごっこやってるお前らとやり合って、勝った方が挑戦してこい。そしたら褒美としてプロレスHIGHを与えてやるよ」と両組に挑戦者決定戦を要求。この日の後楽園ホール大会で『IWGPタッグ王座No.1コンテンダーマッチ』として両組のタッグマッチが行われることとなった。


 この試合を前にIce&OSKARがベルトを持って登場し、放送席へと着席すると場内は大歓声。
 試合が始まると早速上村と石井が顔面を張り合うバチバチの打撃戦を展開。続く海野とタイチも“打ち合い”というより“受け合い”と言える我慢比べのような打撃戦を見せていき、互いにIWGPタッグのベルトへの思いを垣間見せる。
 しかし、すべてを受け止めようとする海野の意地が仇となったか2人から集中砲火を浴びる展開となるが、海野が自力で生還してみせると力を溜めていた上村が2人を同時に相手取る大暴れ。これに呼応して海野も加勢に入り、タイチには海野の雪崩式ブレーンバスターから上村のダイビング・ボディプレスにつなげる連携攻撃を、石井にはダブルのバックドロップと合体攻撃を見舞って一気に優勢に。
 最後は海野と石井の対面に。互いに一歩も退かないエルボー合戦を展開。上村もタイチも隙あらば2vs1の構図に持ち込もうとするスリリングな攻防が展開されていき、石井がタイチのハイキックに合わせたパワーボムを海野に決め、ラリアットで叩き伏せて試合の流れを掌握。満を持して必殺の垂直落下式ブレーンバスターを狙うが、海野がこれを急角度DDTで切り返して窮地を脱出。海野は石井へお返しのパワーボムを見舞ってから観衆を煽っていくが、観客席から返ってきたのは大・石井コール。
 場内が石井への歓声で溢れる中、海野が石井をラリアットでなぎ倒し、ストライクニーからSecond Chapterを狙う。これをタイチがカットしてエメラルドフロウジョン。さらにタイチが放送席のK.O.BへIceのポーズを真似てアピールしてからKOBの必殺技を意識したかのような合体攻撃(石井のドリル・ア・ホール・パイルドライバー+タイチのサッカーボールキック)を見せると場内はこの日一番の盛り上がりを見せる。

 ここに上村が飛び込んできて石井にフランケンシュタイナーを見舞い、タイチのアックスボンバーを巻き取ってかんぬきスープレックス。さらに上村のドラゴン・スープレックスに海野がラリアットを合わせる合体攻撃を石井へ叩き込み、海野が渾身のラリアットからSecond Chapterを決めて3カウント。30分38秒の激闘に終止符を打った。

 海野&上村は、試合後にタイチ&石井へしっかりとリスペクトの意志を見せ、無言のまま去ってしまった石井の代わりにタイチが2人をしっかりと抱きしめて応える。
 マイクを取った海野が「タイチさん、そして石井さん、本当にありがとうございました。また先輩の胸を貸してください」と深々と頭を下げ、上村が「強い新日本プロレスにはタイチさんや石井さん、若手からベテラン、みんな必要です!次、まだまだ俺たち、新日本プロレス盛り上げましょう!」と叫ぶと場内からは大歓声が起きる。


 海野が「次!大阪、K.O.B、次の挑戦者は俺たちだ! Ice、OSKAR、今の率直な気持ちを聞かせてもらおう。リングに上がってくれ」と語りかけると、これに応えてK.O.Bがリングイン。
 Iceは「オメーらHIGHになるなぁオイ。石井とタイチとやってさらに強くなったかオイ?今まで一番強いテメーらと一緒にHIGHになろうか。オメーらはよ、何も考えなくていい。ただ感じろ!Let’s get high!Big up!」と海野&上村を挑戦者に足る相手と認め、そのままリングを後に。

 後を受けてマイクを取った上村は、海野の額と額を合わせながら「海野さん!後輩に先越されて、ファンからブーイングされて悔しくねぇか?!悔しいだろ!俺はメチャクチャ悔しいぞ!この逆風を俺たち追い風にしてやろうぜ!俺たちが、俺たちで変えてやろうぜ!」と絶叫。
 海野も「後輩に置いてかれてブーイング受けて、悔しくないわけねーだろッ!寝ることもできずに悩みに悩んでずっと悔しい思いをしていたんだよこのまま終わっていいわけねーだろう。この悔しい気持ちを!今まで味わったことない気持ちを!全て大阪でぶつけよう。そのために一緒に闘おうぜ」と上村とガッチリ握手を交わした。

 そして海野は「こうやってカッコつけさせてもらってるけどホントは違って、俺自身クソダサいんだ。笑いが起きてもブーイングが起きても、俺はカッコ良くもなんともない。汗水垂らして、泥水すすって頑張ってる奴の方がカッコいい。ただ!勘違いしないでほしい!俺は親父の七光りでもなんでもない!入門してから父親のコネなんか1ミリも使ったことがない。そんなもん、このプロレス界では通用しない!プロレスラーになることを目指して、悔しい思いをたくさんして、ヤングライオンとしてデビューして、やっと海外に行って、帰ってきて、順風満帆にいかずにブーイングを浴びて!笑われて!今日に至ってる!でも、そんなダサい俺とは今日でおさらばだ!悔しい思いをしてきて!してきて!不甲斐ない自分をみんなに見せてきて!ブーイングをたくさん浴びて!それでも付いてきてくれてるファンがいて、サイン会で毎回笑顔で来てくれて、地方に『また来年も来てね!』って来てくれる1人1人のファンがいる!そういう人たちを大事に、今この場にいる後楽園ホールの皆様を大事に、プロレスを愛してくれる皆様を愛して!俺はこれからも闘っていきます!悔しい思いをたくさんしてきたからこそ、今言える!たくさん笑って!笑って!楽しもうぜッ!プロレスをッ!」と魂のマイク。会場は海野への大歓声に包まれ、ブーイングを飛ばすファンは誰一人としていなかった。

 海野がブーイングを受ける理由の1つに、情熱を内に秘めてクールに振る舞う仕草にファンが“ノれない”というミスマッチが挙げられていた。しかし、この日の海野のマイクは紛れもなく海野自身の熱い気持ちが籠もったマイクであり、感情が先走って噛んでしまっても観衆が笑うこと無く聞き入る説得力があった。
 内に秘めた熱い気持ちを表に出して爆発させたことで、間違いなく海野は殻を破った。K.O.Bvs海野&上村のIWGPタッグ王座戦は2月11日の大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)大会で行われる見込みだが、この試合で勝っても負けても海野にブーイングが起こることは無いだろう。

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