アジア太平洋プロレス連盟が設立!台湾のPuzzle、タイのSET UP、中国のDFW、シンガポールのGrapplemaxが新日本&スターダムと連携へ!
5日、都内某所で『アジア太平洋プロレス連盟(APWF)』設立会見が開催。
各団体を代表して、新日本プロレスの菅林直樹会長、永田裕志、スターダムの岡田太郎社長、白川未奈、SETUP Thailand Pro WrestlingのPumi代表(タイ)、Puzzle Promotionの闘魚代表(台湾)、DFW(DRAGON FIGHTING WRESTLING)の王彬代表(中国)、Grapplemax Pro WrestlingのGREGORY HO KUANG LOONG代表(シンガポール)の6団体が出席した。
新日本プロレスの海外戦略は概ね成功しているものの、元々プロレスが盛んなアメリカやイギリスに比べてアジア圏への進出には苦戦。動画配信サービス『NEW JAPAN WORLD』の登録者数もアメリカ・イギリスに比べアジア諸国は桁が1つ、2つ変わってくるという。
昨年10月に行われた『新日本プロレス&STARDOM戦略発表会 2023』では、木谷高明オーナーが「プロレスってアングロサクソンが好きなスポーツなんですよね。日本とメキシコ以外はアングロサクソンの国でしか流行ってない。これをアジアにどうやって広めていくかって考えると、やはり見せるしか無い。配信とかTVよりもリアルで見せたほうが早い。リアルで見たほうが熱が伝わる。台北では12年前に合同興行でやりましたけど、まずはもう1回直に見せるところから始めようと」という今後の海外戦略を熱弁。
昨年10月の戦略発表会で1月の発足は発表されていたが、2024年1月5日に正式に設立することに。『選手の派遣』『試合の提供』『選手の育成』『その他相互に連携し協力することが必要と見込まれること』の4点において連携をとっていくという。
各国での試合はしばらくは提供試合形式で行われ、技術の伝承や育成状況を見てミックスされていくことになるとのこと。
日本の大会での各団体の提供試合、合同興行などの協力も目指していく。
まずは連盟の中心となる新日本プロレスの菅林会長より「新日本プロレスでは、ここ10年間の間にシンガポール大会を2回、台湾大会を2回開催しております。どの会場もお客様の歓声が日本の数倍、ものすごく盛り上がりまして選手もやりがいがあったと思います。今後の発展のために頑張っていきたいと思います」と挨拶。
実際に試合に参戦していた永田は「ボク自身が過去に参戦したのは2012年台湾で、あの当時は全本プロレスと新日本プロレスが一緒に開催した大会でして、そこで初めて台湾で試合をさせていただきました。台湾にあるZチャンネルで新日本プロレスの映像がかなり流れてたようで、空港に着きましたら一部のマニアの方が出迎えてくれてすごく盛り上がって、会場で試合をやった時もすごく盛り上がった記憶があります。台湾の歌手の人かな?伍佰(ウー・バイ)さんっていうすごい有名な方がいらっしゃって、あちらでは超スーパースターみたいな方にお会いした時にすごい勢いで声をかけられて、台湾のプロレス熱は浸透してるんだなという感触を受けました。あとは、タイにゲームショーとかの一環で試合をやらせてもらったことがありました。新日本プロレスはいまアメリカを中心に世界進出してますけど、アジア圏内っていうのは絶対に見逃してはいけないんじゃないかなとずっと思ってましたし、ようやくここに来てアジア圏に進出できるのかなって期待が大きいところですね」とコメント。
スターダムの岡田社長は「STARDOMはブシロード体制になってからコロナ禍もありましたので、昨年2023年に10月、11月『Bushiroad Expo Asia』でin Bangkok、in Singaporeと、タイとシンガポールで2か国開催して参りました。様々なアニメ、ゲーム、その他の日本のカルチャーに親しみのある現地の方がまたSTARDOMに触れていただくということで、会場も大盛況でございました。STARDOMはYouTubeチャンネルも登録者数100万人を突破いたしました。なかでもアジア各地の登録者の割合が増えてまして、こちらはいまの時代に即したYouTube、そしてショート動画。選手の人気も比例してどんどんアジアでも拡大されると思われますので、またこれからどんどんアジアに進出して、アジアにプロレス、そして女子プロレス、STARDOMを広めていきたいと考えております」と意気込みを語る。
試合に出場していた白川は「シンガポールに行った時とかは、空港にファンの方が来てくださって『ウェルカム、ミナ!』とすごい声をかけてくださって嬉しくて。試合もやっぱり動画でチェックしてくださってるんでしょうね。それぞれの選手の特徴的な技とか出たら、ドッカーンって会場がすごい沸いたりしてそれを選手たちも感じると、どんどんアドレナリンが出て熱い試合ができてホントにすごく楽しい遠征でした」と思い出を語った。
ここでAPFW設立連携第一弾として、2024年4月に新日本プロレスが台湾での大会開催を発表。
これを受けてPUZZLEの闘魚代表は「まずは今回このようなアライアンスにお声がけいただき、ありがとうございます。PUZZLEは日本やその他の国々から選手団体と交流があります。ただ、今回のアライアンスを通して新日本プロレスのご指導を受けることができるということは、我々にとって大きなステップアップになります。4月の(新日本プロレス)台湾大会では、我々も全面協力させていただきます。また、連携の第一弾として複数ある国の中から台湾を選んでいただき、大変感謝いたします。ありがとうございます」と挨拶。
PUZZLEはFREEDOMSや琉球ドラゴンプロレスを中心に交流を続けてきており、所属のガイア・ホックスはPPPTOKYOなどにも参戦している。
続いてDFWの王彬代表が「今回のご招待ありがとうございます。10年前、アントニオ猪木さんが日本のプロレス文化をもち中国にきました。その時、私は夢をいだきました。それは日本のプロレス文化を中国で広めることです。そのことで、中国のプロレス人口が20万から1000万人まで増えました。その中で新日本プロレスのファンは200万人ほどいます。ただ、中国には14億人の人口がいます。私たちのDFWの努力によって2000万から2億まで成長させることができると信じています。このアライアンスを通して、協力しあうことによって相乗効果を生み出せたらと思います。各アジア団体と楽しく協力し合いたいと思います。ありがとうございます」と挨拶。
中国は元々WWEなどは放映されていたが、2013年にイノキ・ゲノム・フェデレーションでデビューした王彬はその後中国人初のWWENXT選手として所属に。
2016年8月にIGF上海道場が旗揚げされており、中国のプロレス団体『東方英雄伝』がIGFの姉妹団体として活動していた。当時は中野たむや刀羅ナツコも参戦しており、その地盤を引き継ぐ形でDFWは活動を行っている。
続いてSET UPのPumi代表が「このAPFWのメンバーとして参加できることはとても光栄です。このパートナーシップにより才能の交換だけではなく、世界トップのプロレス団体などの知識共有や、経験を得る手助けになるでしょう。タイのプロレスは15年以上の歴史を有しています。これは私たちにとって重要な転換点であると確信しています。タイには皆様ご存じのようなムエタイのような格闘技の歴史が長く、私はここでプロレス文化を築き上げたいと考えています。タイのプロレスがどれほど素晴らしいかをお見せできることを楽しみにしています。ありがとうございます」と挨拶。
現在AEWで活躍するさくらえみが、アイスリボン退団直後の2012年タイで旗揚げした『バンコク女子プロレス我闘雲舞』。そこでリングアナを務め、地元のテレビ局との交渉も行っていたのがプミだった。我闘雲舞が日本で大会を開催する時はジャパンツアーとしていたが、元々ミックスドが多い団体でありタイも男子選手が中心であることから2019年にプミを代表とした別会社をタイで設立し、我闘雲舞が解散してSET UPが旗揚げされた。当時の我闘雲舞には水森由菜や細川ゆかり(リンリン)が所属していた。
続いてGrapplemaxのグレッグ代表が「私たちはまだスタートアップであり、さらなる成長を望んでいます。今日はGrapplemaxがアジア太平洋プロレス連盟の先駆けメンバーとしてシンガポールを代表することができて非常に幸せです。日本のプロレスはつねにGrapplemaxにインスピレーションを与え続けています。2016年に私は数か月、日本に滞在してトレーニングをし、ここでの文化を学びました。そして2018年には新木場1stRINGでシンガポール人として初めて日本でも試合をおこないました。日本のプロレスにはなにかマジックのようなものがあり、昨日の東京ドームでも再び感じました。選手やファン同士の尊重、素晴らしいレベルのプロレス、そして何十年も語り継がれるストーリー。Grapplemaxではシンガポールのプロレスにこのマジックの一部をとらえ、東南アジアでのプロレスの拠点を築くことが夢です。APFWはGrapplemaxの進化にとってとても自然なステップである。新日本プロレス、STARDOM、そしてAPFWのメンバー全員と協力して、この地域でのプロレス文化の成長を加速させることを楽しみにしています。シンガポールでの経験とネットワークを活かし、新日本プロレスとSTARDOMのブランド認知をシンガポールで強化するためのプロフェッショナルで価値のあるパートナーになることを目指しています。昨年、STARDOMのシンガポールでの初興行をサポートしたことを皮切りに、皆さんとこのエキサイティングな仕事を一緒にできることを楽しみにしています。ありがとうございます」と挨拶。
グレッグ代表は2016年当時グレッグホーのリングネームで我闘雲舞やHEAT-UPに参戦。その経験を活かして旗揚げされたGrapplemaxはプロレスの撮影もできる新木場1stRINGとHEAT-UPのプロレス教室のようなビジネスモデルをあわせた形で興行を行い、ディック東郷や高梨将弘などが参戦している。
ローカライズがいらない文化として日本のプロレスを世界進出させるため、新日本プロレスとスターダムは責任を持ってこの連盟を進めていくと明言。
アジア太平洋プロレス連盟(APFW)のロゴも発表され、各団体の代表が揃って記念撮影が行われた。
今回連盟に参戦していないアジア団体も数多くあり、今後どの団体が加盟して世界的な連携が行われるのか期待が集まる。