東京オリンピック柔道金メダリストのウルフアロンがプロレスデビュー戦でベルト奪取!「やっぱり僕が全員の上を行きたい」

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 4日、東京都・東京ドームにて新日本プロレス『サンセイアールアンドディ presents WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退』が開催。第5試合では“キング・オブ・ダークネス”EVILの持つNEVER無差別級王座にデビュー戦のウルフアロンが挑戦した。

 ウルフアロンは6歳で柔道を始め、幼い頃から才覚を発揮し日本代表として数々の国際大会に出場。持ち味である泥臭い柔道を極めて2020年の東京五輪では100kg級で金メダル&混合団体で銀メダルを獲得、2024年のパリ五輪では混合団体で銀メダル獲得を果たした。
 昨年6月に現役引退を発表したが、その2週間後には新日本プロレスへの入団を発表。日本人選手としては史上初の五輪金メダリストのプロレス転向、そしてテレビタレントとしても著名なウルフのプロレス界入りはプロレスの新時代を切り拓くものと熱い視線が注がれており、デビュー戦からNEVER無差別級王座に挑戦することが決定。

 ウルフのデビュー戦の相手であるNEVER無差別級王者の名は“キング・オブ・ダークネス”EVIL。
 極悪非道なヒールユニット【HOUSE OF TORTURE(H.O.T)】の首魁であり、闇の王。リング内外で傍若無人な言動を繰り返す巨悪だ。
 しかし、EVILは非常に表情が豊かであり感情がそのまま顔に出るコミカルさも持ち合わせた選手。大悪党と小悪党の間を行ったり来たりする姿に可愛さを見出すファンも増えており、闇の名勝負製造機とも言われるリング上の実力と合わせて新日本ファンから絶大な信頼を寄せられている選手と言える。

 リング上でいつものように悪事を働くEVILに対し、デビューすらしていないウルフが自らの正義感に則ってリングに上りEVILを投げ飛ばしたことから2人の因縁が勃発。
 2人の対戦が決まると、EVILは「この俺がプロレス界の金メダリスト。お前はド素人のグリーンボーイだ。内心、オリンピックの金メダルのほうが上だと思ってんだろ。この売名野郎」と罵倒。プロレス界の金メダリストvsオリンピックの金メダリストの闘いが幕を開けた。


 東京五輪&パリ五輪をともに闘い抜いた鈴木桂治監督が出陣の太鼓を叩く中、ヘアスタイルを丸刈りにして柔道着に身を包んだウルフが入場。
 新人ではあるものの過去の実績を加味してコスチュームは最初からある程度自由にすることが棚橋社長の口から語られていたが、ウルフが柔道着を脱ぎ捨てると黒のショートタイツという伝統のヤングライオンスタイルに。

 ゴングを待たずに激しい殴り合いから試合の幕が開き、ウルフがショルダータックル合戦に打ち勝ち、ラリアットからブレーンバスター、エルボードロップと猛攻。闇の王と言えど危機を感じたのか、EVILはすぐさま場外へと退避する。ウルフが追っていくと、H.O.Tの面々が場外でウルフを袋叩きにし、EVILがウルフの頭にパイプ椅子を被せ、もう1脚のイスで思い切りフルスイング。東京ドームでホームランを放ったEVILには場内から怒号とも言える大ブーイングが巻き起こる。
 ウルフがなんとかリングに戻ると、いつの間にかマットが外されていた金具むき出しのコーナーに叩きつけられてさらなる大ダメージを負うことに。EVILは執拗な連続エビ固めでスタミナを削っていくが、ウルフはガバリと起き上がって逆水平チョップの猛連打。EVILはサミングで怯ませようとするが、ウルフが払腰。さらになだれ込んできたH.O.Tの面々を払腰や背負投げで撃退していくが、EVILがパウダー攻撃からScorpion Deathlock(※サソリ固め)。ウルフは苦悶の悲鳴を上げながらもなんとかロープブレイク。
 EVILがラリアットを放っていくが、ウルフは倒れず耐えて雄叫びを上げながらエルボー連打。EVILが再びラリアットを狙うが、ウルフは豪快なパワースラムで迎撃。さらに本物のオリンピアンによるアングルスラムが炸裂。さらにボディスラムから「行くぞーッ!」の雄叫びとともにコーナートップに上がり、この日引退する棚橋弘至の得意技であるハイフライフロー。完璧に決まるも、H.O.Tのセコンドが場外からレフェリーの足を引いてカウントを妨害。
 さらにH.O.Tの面々がイスでぶん殴ると正規軍の面々が救出に入るが、次々とH.O.Tに撃退されてしまう。リング上にはテーブルがセットされ、ウルフがその上に寝かされると192cm156kgのドン・ファレがダイビング・ボディプレスで振ってきて机ごとウルフは圧殺される。さらにEVILがラリアットを叩き込むも、ウルフはギリギリでキックアウト。
 EVILは必殺のEVIL(※変形大外刈り)を狙うが、ウルフが一本背負いで切り返して三角絞め。クラッチを外そうと暴れるEVILの腕まで捕らえて絞め上げると、EVILが失神しレフェリーが試合をとめた。


 試合を終えたウルフは「今日からやっとプロレスラーになれました。正直、今日の勝利はビギナーズラックみたいな部分が大きいと感じています。ここからが本当の闘いだと思います」と謙虚なコメント。初めて見たプロレスの試合が柴田勝頼vs石井智宏のNEVER無差別級王座戦だったというウルフはデビュー戦でそのベルトを手にしたことについて「夢にも思っていなかった」と感慨深げにベルトを撫でた。

 質疑応答の時間となり、柔道着を脱いでショートタイツ姿になった入場について問われると「今日の入場だけは最初柔道着を着ようと思っていたんですよ。本当に柔道っていう競技からプロレスに転向するっていう意味で、これから先、柔道着を着て闘うことはないというアピールを皆さんにしたかった」とその意図を明かす。

 試合中に放ったハイフライフローについては直伝ではなく自力で練習したものだと明かし「一応棚橋さんの許可はいただいています。棚橋選手が引退する日が僕のデビューする日で。本当に偶然が重なってこの日になったので運命的なものを感じてますし、ハイフライフローを自分のものにしたいと感じていました」と思いを吐露。
 フィニッシュの技については「逆三角絞めを狙ったんですけど、逆三角だけだと極めが甘かったので、右手と左手両方の関節も取りながら絞めも狙いました」とその場のひらめきで生まれたもので、技名は決まっていない様子。
 一方、アングルスラムの旧名である“オリンピックスラム”という言葉が使われた質問に対しては「その言葉はIOCに怒られちゃうので……」と苦笑いしつつ“アングルスラム”での表記を申し出た。


 試合中に起きた大・ウルフコールについて話が及ぶと「これだけ大勢の人が見てくれている中で試合をしたのは僕の人生でも初めてでした。今日だけではなくこれからもずっとこれだけの人に見られながらプロレスがしたいと思いました。(ウルフコールは)嬉しかったですね。身体に力が入らなくなってしまったときにああいったコールが起きると、意識とはまた別の所で身体が動こうとする。そんな感覚がありました」と、柔道の試合では存在しない観衆からの大声援というプロレスラーのみが得られるパワーを噛み締めた。

 今後の目標を聞かれると「やっぱり僕が一番になりたいという気持ちが強いので、全員の上を行きたい。大きな目標は変わらずIWGP世界ヘビー級のベルトを獲ることです」と宣言。圧倒的な強さで鮮烈デビューを飾ったウルフの夢が叶う日は、ウルフが思うより近いかもしれない。

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