『PANCRASE 355』でフライ級KOPに挑戦する選手が調印式に参加!両者燃え上がる闘士と意気込みを語る!

7月11日夕、都内新宿区にて、『PANCRASE 355』(7月27日、立川ステージガーデン)出場選手の記者会見が行われた。会見は三部に分けて行われ、まずは第一部・メインイベントとなるフライ級チャンピオンシップの調印式をお送りする。
この試合は、第9代王者・伊藤盛一郎の王座返上により、第10代王者を決する一戦として決定した。闘うのは、1位の濱田巧(THE BLACBELT JAPAN)と、4位の大塚智貴(CAVE)。
濱田は元キックボクサーで、キックボクシングでは22戦13勝の実績を誇り、2度のタイトルマッチを経験。MMA転向後は5戦5勝の無敗でランキング1位となっている。前戦は昨年7月のラファエル・リベイロ戦以来の1年ぶり。対する大塚は、極めの強さとパンチ力を兼ね備えたタフファイター。今年4月に浜本“キャット”雄大に判定勝ちを収めている。
両者は、2023年11月に一度対戦しており、濱田が判定勝ち。再戦となる今回は、大塚がリベンジを果たすのか、濱田が連勝するのか。
質疑応答の様子は以下。
――では、両選手から一言ずつ意気込みをうかがいます。まず、青コーナー、大塚選手からお願いします。
大塚「CAVEの大塚です。濱田選手とは2年前やって負けているので、再戦でリベンジマッチでタイトルマッチ、もうめちゃくちゃ燃えてます。絶対勝ってチャンピオンになります。よろしくお願いします」
――ありがとうございます。では、赤コーナー、濱田巧選手お願いします。
濱田「THE BLACKBELT JAPANの濱田です。やっと決まったタイトルマッチ、必ずベルトを巻いて、いつも応援してくださる皆さんに感謝の気持ちを表したいです。応援よろしくお願いします」
――では、質疑応答に移ります。両選手にうかがいます。この試合が決まった時の気持ちと、対戦相手の印象をお聞かせください。
大塚「オファーが来た時、僕、寝起きだったんですけど、めちゃくちゃビックリしました。濱田選手の印象は、元キックボクサーだったんで、もちろん打撃が強くて、組み技も全部できるオールラウンダーという印象です。
これ、ちょっと質問から外れるかも知れないんですけど、ちょっと言いたくて。濱田選手と僕、同い年(※ともに1994年生まれ)なんで親近感が湧いてるっていうのと、それから、前回やった次の大会くらいで同じ興行に出ていて(※2024年3月、『PANCRASE 341』)、その時も立川だったと思うんですけど、僕が試合に勝ってバックステージに戻って行く時、濱田選手は試合を控えていて、濱田選手と目が合ったら、何も言わずに拳を合わせてくれて。それがすごく僕の中で印象に残っていて。僕、今まで負けた相手ってみんな正直嫌いなんですけど、濱田選手のことはちょっと好きです(笑)」
濱田「まず、タイトルマッチが決まった時は、チャンピオン(※伊藤盛一郎)とやると思っていました。理由が分かんないんでなんともいえないんですけど返上されて、で、まあ相手が変わってしまって、2位とか3位なのかなと思ったら4位の大塚選手っていう話が来て、僕の中では結構びっくりしたんですけど。
2年前に一度やってるんですけど、大塚選手とはどこかでもう一回闘うんじゃないかなと自分の中で少し思っているところがあって、(今回の試合は)すごく良いタイミングだなと思います。
印象は、一度闘ったんで、相手を……なんて言うんだろ、『ぶっ殺してやる』みたいな気持ちは全くなくて、前回の試合よりどれだけ僕が成長したか、どれだけ良いパフォ―マンスを出せるか、という気持ちで闘いたいなと言うふうに思っております」
――前回の試合よりも、自分が成長したな、変わったなというところを教えてください。
大塚「全部です。前回やった時の僕とこの試合の僕は、別の選手です」
濱田「そうですね、前回より全体的にレベルアップしてるのと、身体が大きくなったのもありますし、技術だったり体力面でも今回はかなり仕上がってるんで、当日はかなり良いパフォーマンスが見せられると思います」

――大塚選手は前回、「自分の中にある狂気を見せたい」とおっしゃっていましたが、どのくらい出せたのでしょうか。今回はどのくらい出したいでしょうか。
大塚「前回の試合は20%くらいしか出してないです。今回は120%出そうと思ってます」
――濱田選手は、これを出したい、見せたいというものは何でしょうか。
濱田「はい。全体的に気持ちを出したいですね。パンクラスのメインイベントなので、今回、ベテランのISAO選手や、若手注目の鈴木(悠斗)選手が出る中、僕と大塚選手の試合がメインに選ばれるので、その選手たちの試合を上回るような、メインにふさわしい試合を僕はしたいと思います」
――改めて、ベルトが懸かった試合に対する意気込み、そして、ベルトというものに対する思いをお聞かせください。
大塚「こうやって目の前で見てもメチャクチャかっこいいなあと思ってます。パンクラスのベルト、僕は世界一かっこいいと思ってるんで、そのかっこいいベルトを僕が巻きます」
濱田「僕は元キックボクサーなんですけど、キックボクシング時代は2回タイトルマッチをやって、どちらも負けてしまってベルトを獲れませんでした。今回はMMAで3度目という形になるんですけど、僕、MMAをやるって決めた時は、必ずタイトルマッチまでいくって自分の中で決めてたんで、たどり着いたなっていう思いと、今目の前にあるベルトを必ずまくっていう気持ちを持って闘いたいと思います」
――先ほど、濱田選手からメインイベントということに関してのコメントがありましたが、大塚選手はメインということについての考えはいかがですか。
大塚「もちろん、ベテランのすごい選手たちも出る大会で、あと同じ日に埼玉で大きいイベント(※『超RIZIN.4 真夏の喧嘩祭り』)があると思うんですけど、そういう中で、多分このタイトルマッチって注目度が低いですよね。でも、濱田選手とだったら、他の選手や大きいイベントに出るような選手にも負けない試合ができると思うんで、ぜひこちらに注目してください」

――濱田選手、メインイベントにふさわしい試合とは、どんな試合だと思いますか。
濱田「ここ最近、パンクラスのタイトルマッチってKOとか一本が多くて、チャンピオンがすごい試合をしたり、挑戦者がすごい試合をしたり、すごい試合がずっと続いてるんで、自分もそういう試合をしたいなと思ってるんですけど、なかなか5Rをフルに通して闘うことがないので、5R動き回ったり、お客さんが熱くなるような試合をしたいと思ってて。
僕の中で一番印象に残っているのは、仙三選手と若松佑弥選手(※2018年2月、『PANCRASE 293』)の試合が自分の中では、フライ級タイトルマッチですごく印象に残っていて、僕はあの試合を超えるような試合をしたいなと思っております」
質疑応答の終了後、両選手は廣瀬隆司・キング・オブ・パンクラス評議会評議員長の立ち合いのもと、出場誓約書にサインした。
物静かに淡々と語る濱田と、ハキハキと話す大塚。キャラクターは違うが、両者とも31歳、格闘家として脂の乗り切った今、シルバーのベルトを懸けて闘う。今後、パンクラスのフライ級を背負って立つKOPとなるのはどちらなのか。見逃せない一戦だ。
(写真・文/佐佐木 澪)