“元キック王者”前口太尊が元修斗世界王者・勝村周一朗に戦慄のKO勝ちで、6・22新木場でSOG世界無差別級王座に挑戦!「飯伏幸太さんに恩返ししたいんで、必ずベルト巻く!」

ガンバレ☆プロレスが6月1日、東京・高島平区民館で『グラン・ブルー2025』を開催した。キックボクシングの元J-NETWORKライト級王者・前口太尊(飯伏プロレス研究所)が『ガンプロ・アルティメットルール』でのタッグマッチで、元修斗世界フェザー級王者で元スピリット・オブ・ガンバレ(SOG)世界無差別級王者の勝村周一朗に戦慄のKO勝ちを収めた。前口はこの実績を引っ提げ、同22日の東京・新木場1stRING大会でSOG世界無差別級王者の今成夢人に挑むことが決まった。
前口は2021年7月にキックボクシングを引退し、同8月にプロレスに転向。その直後からガンプロにレギュラー参戦。2023年5月には佐藤光留(パンクラスMISSION)との変態パンチドランカーズでSOG世界タッグ王座を戴冠するも、同7月に勝村、和田拓也(元ウェルター級キング・オブ・パンクラシスト)の元総合王者コンビに敗れ王座を明け渡した。だが、その後も地道な努力でコツコツとプロレスラーとしての歩みを続けてきた。
この日、前口はタノムサク鳥羽との元キックボクサーコンビで、勝村&和田と激突。試合形式は初の試みとなった『ガンプロ・アルティメットルール』。試合の決着は3カウントはなく、KO、ギブアップ、レフェリーストップのみでつく。ロープエスケープなし、またロープやコーナーを使った攻撃、カットプレーや同じチームの2人による同時攻撃は認められない。グラウンド状態でエプロンサイドに近づいた場合はレフェリーが『ドント・ムーブ』をかけ、同じ体勢でリング中央で再開する。 故意による反則は即刻失格となり、悪質ではない反則には警告が与えられ、警告は2回で失格となる、限りなく格闘技に近いルール。
元キックボクサーコンビはともにキックボクシンググローブを着用。和田はオープンフィンガーグローブを着けたが、勝村は素足、素手で出陣した。開始早々、前口はボディへのパンチで和田からダウンを奪い、鳥羽はキックで勝村からダウンを奪取。勝村と和田はタックルからグラウンドに持ち込み、サブミッションを狙うも、前口も鳥羽もなんとか脱出していく。和田は鳥羽の腕にキックを見舞いダウンを奪うも、鳥羽のパンチで和田もダウン。前口のパンチで勝村からダウンを奪うが、グラウンドに持ち込んだ勝村はニンジャチョークを狙うも前口が抜け出す。前口は勝村にソバット、勝村はハイキックで返す。ここで前口の右バックハンドブローが勝村にズバリとさく裂しダウン。勝村はカウント9で立とうとするも、再び倒れ、10カウントを聞いた。前口は総合の元世界王者相手にKO勝ちで、大きな実績をつくった。
メインイベント終了後、意を決してリングに上がった前口は「今成さん! そろそろ俺とやんないですか? 俺はこの1年インディー団体で泥水すすってきて、ここまで這い上がってきました。今日ずっと勝てなかった勝村さんにKOで勝てたんで文句ないでしょ!」と挑戦表明。今成は「そのラブコール受け止めますよ。前口太尊、このシングルのタイトル懸けてやりましょう。最速でお願いします」と快諾。この事態に、三島通義社長は6・22新木場でのタイトル戦を即決した。
2023年1月5日、東京・板橋グリーンホールで当時王者の渡瀬瑞基に挑んで以来、2年半ぶりのSOG世界無差別級王座挑戦となる前口は「今日は自分がグローブ付けるとヤバいかなというのを見せられたと思います。次回もこの勢いでグローブ付けて、今成さんを倒したい。グローブ付けたときだけ、前口“アルティメット”太尊に改名しようかなと思ってます。前回、(SOG世界タッグを獲ったときは)ベルトがなかったんで、今度は勝ったらベルトを巻く。飯伏(幸太)さんにも恩返ししたいんで、必ずベルト獲ります。(2年半ぶりの挑戦だが?)ここ1年、ガンプロが独立してから活躍できなかったんで、悔しい思いをしてきて。最近インディー団体を渡り合って、泥水すすって。勝ったり負けたりで。今日ホントに久しぶりに結果出せたなと思います」と初のシングル王座獲りを宣言した。
受けて立つ今成は「自分も前口さんも飯伏プロレス研究所なんですけど、研究所のなかでもインディーを回ってる印象で。この前も水道橋のお好み焼き屋の地下でプロレスしましたし、一緒になることが多くて。泥水すすってるというのは気持ちは分かるので。その意味で前口さんの眼差しは理解できるんで。だからこそタイトル懸けてやりたい気持ちがあります。(元々格闘技の選手だが?)怖いです。対策も残りの期間で、付け焼き刃でどうにかなるものではないと思うんで、今あるもので、対前口さんということで肉付けできればいいと思います」と話した。
また、同団体では毎年恒例の埼玉・所沢パークタウン商店街でのイベントプロレスを、今年も9月27日に開催することを発表した。
なお、練習生の元島仙多郎が紹介された。元島は鹿児島県出身で、2001年10月4日生まれの23歳。中村宗達、川上翔大と同学年になる。デビューに向け、最終段階に入っており、今後はエキシビションマッチなどを経て、機が熟したタイミングでデビューすることになる。