【試合詳細】1・4 新日本プロレス東京ドーム大会 【IWGP世界ヘビー】ザック・セイバーJr.vs海野翔太 内藤哲也vs高橋ヒロム 【IWGP GLOBAL】デビッド・フィンレーvs辻陽太 【IWGPジュニア】DOUKIvsエル・デスペラード 【NEVER】鷹木信悟vsKONOSUKE TAKESHITA 棚橋弘至vsEVIL 

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『JR東海 推し旅 Presents WRESTLE KINGDOM 19 in 東京ドーム』
日程:2025年1月4日(土)
開始:17:00
会場:東京都・東京ドーム
観衆:24,107人

▼IWGP世界ヘビー級王座挑戦権争奪ニュージャパンランボー
○後藤洋央紀
34分35秒 オーバー・ザ・トップロープ
●グレート-O-カーン

<退場順>
ジョシュ・バーネット&ボルチン・オレッグ→永田裕志→YOSHI-HASHI→KENTA→高橋裕二郎→天山広吉→真壁刀義→小島聡→本間朋晃→タイチ→SANADA→矢野通→石井智宏→アレックス・ゼイン

▼IWGPジュニアタッグ選手権4WAY東京テラーラダーマッチ 60分1本勝負
【挑戦者組/TMDK/SUPER Jr. TAG LEAGUE 2024優勝】ロビー・イーグルス/藤田晃生
13分5秒 藤田のベルト奪取
※第76代王者組が2度目の防衛に失敗。ロビー&藤田が新王者となる。
※他3組は【王者組/JET SETTERS】KUSHIDA/ケビン・ナイト、【挑戦者組/UNITED EMPIRE/Catch 2/2】TJP/フランシスコ・アキラ、【挑戦者組/WAR DOGS】クラーク・コナーズ/ドリラ・モロニー

▼IWGP女子選手権試合 60分1本勝負
【王者/STARS】○岩谷麻優
8分46秒 二段式ドラゴン・スープレックス・ホールド
【挑戦者/NEO GENESIS】●AZM
※第3代王者が9度目の防衛に成功。

▼NJPW WORLD認定TV選手権4WAYマッチ 15分1本勝負
【挑戦者】○エル・ファンタズモ
10分4秒 サンダーキス'86→片エビ固め
【王者/H.o.T】●成田蓮
※第6代王者が初防衛に失敗。ファンタズモが新王者となる。
※後2人は【挑戦者/TMDK】大岩陵平、【挑戦者/UNITED EMPIRE】ジェフ・コブ

▼棚橋弘至ファイナルロード・ランバージャックデスマッチ 30分1本勝負
○棚橋弘至
15分7秒 首固め
[H.o.T]●“キング・オブ・ダークネス”EVIL

▼NEVER無差別級選手権&AEWインターナショナルダブル選手権試合 60分1本勝負
【NEVER王者/L.I.J】●鷹木信悟
12分42秒 レイジングファイヤー→片エビ固め
【AEWインター王者】○KONOSUKE TAKESHITA(AEW/DDT)
※第46代NEVER無差別級王者が2度目の防衛に失敗。TAKESHITAがNEVER無差別級新王者となる。

▼IWGPジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【王者/Just 4 Guys】●DOUKI
5分23秒 レフェリーストップ
【挑戦者】○エル・デスペラード
※第97代王者が5度目の防衛に失敗。デスペラードが新王者となる。

▼IWGP GLOBALヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【王者/WAR DOGS】●デビッド・フィンレー
19分39秒 ジーン・ブラスター→片エビ固め
【挑戦者/L.I.J】○辻陽太
※第3代王者が5度目の防衛に失敗。辻が新王者となる。

▼スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負
[L.I.J]○内藤哲也
17分8秒 デスティーノ→片エビ固め
[L.I.J]●高橋ヒロム

▼IWGP世界ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【王者/TMDK】○ザック・セイバーJr.
43分44秒 セイバードライバー(you’ve been tangoed special)→片エビ固め
【挑戦者】●海野翔太
※第11代王者が3度目の防衛に成功。

ザックが海野と43分44秒の激闘を制しIWGP世界ヘビー級V3!内藤とヒロムが師弟対決!DOUKIとデスペラードの試合はアクシデントのレフェリーストップ決着

第0試合


 今年のニュージャパンランボーはIWGP世界ヘビー級王座挑戦権争奪として実施。

 まずはオーカーンとジョシュ・バーネットという衝撃の対面で試合開始。
 じっくりとしたグラウンドレスリングからクリーンブレイクすると、互いに掌底で牽制。ジョシュが再びグラウンドに引き込む中で次の入場曲が鳴る。

 3人目として登場したのはボルチン・オレッグ。格闘技の猛者たちがリングに揃う中、ジョシュとボルチンが柔術の試合のように腕を取り合うレスリング戦を展開。

 4人目として登場したのは後藤洋央紀。後藤はリングインするなりボルチンをラリアットでなぎ倒し、その上にオーカーンを高速ブレーンバスター。そこへジョシュが後藤へフライング・ニールキック。ジョシュとボルチン、オーカーンと後藤がグラウンドレスリングを展開する。

 5人目として登場したのは永田裕志。永田とジョシュが22年前のIWGP戦を思わせる格闘プロレスを展開していくが、ボルチンがカット。オーカーンが後藤を玉座代わりに座りながらこの闘いを見守る。ボルチンがジョシュをOTRさせようとするが、ジョシュが道連れにして2人同時にOTRして失格。

 6人目として登場したのは真壁刀義。真壁はチェーンでオーカーンの首を絞め上げたうえで顔面踏みつけ。永田と後藤がエルボー合戦で打ち合っていく。

 7人目として登場したのはKENTA。KENTAと永田がエルボー合戦、ビッグブーツ合戦からKENTAが永田をエプロンに落とし、ビッグブーツで蹴落とす。永田が失格。

 8人目として登場したのはYOSHI-HASHI。YOSHI-HASHIはピンチに陥っていた後藤を救出し、因縁のKENTAと逆水平チョップで打ち合う。YOSHI-HASHIが優勢も、KENTAがサミングでいたぶっていく。

 9人目として登場したのは高橋裕二郎。裕二郎は場外からYOSHI-HASHIに足払いをかけてKENTAをサポート。2人でYOSHI-HASHIにトレイン攻撃を見舞っていくが、YOSHI-HASHIが裕二郎に隠し狭間。YOSHI-HASHIがKENTAをOTRさせようとするが、裕二郎が協力して2人でYOSHI-HASHIをOTR。YOSHI-HASHIが失格。

 10人目として登場したのは矢野通。矢野がリングインするとKENTA&裕二郎が突っ込んでいくが、矢野がターザンでかわして後頭部をひっぱたく挑発。怒ったKENTAが突っ込んでいくと、矢野がロープを引き下げてエプロンに落とし、裕二郎のタックルを誤爆させてKENTAをOTR。矢野が裕二郎をスクールボーイで丸め込んで3カウント。KENTA、裕二郎が失格。BULLET CLUBの面々が暴れている中でオーカーンと真壁はじっくりとしたグラウンドレスリングを展開していた。

 11人目として登場したのは天山広吉。天山はかつてモンゴリアン・チョップを巡って争ったオーカーンへ真モンゴリアンチョップを連打。さらにヘッドバッドを連打して行く天山を矢野が急襲しモンゴリアン・チョップ。

 12人目として登場したのは小島聡。小島は盟友・天山を救出し、テンコジのモンゴリアン・チョップ連携。さらに小島が矢野を羽交い締めにするも、天山のラリアットが小島に誤爆。矢野が天山をスクールボーイで丸め込んで3カウント。天山が失格。

 13人目として登場したのは本間朋晃。本間は矢野をバックエルボーで倒して小こけしを発射も、案の定かわされて自爆。本間は小島に逆水平チョップを連打。真壁が加勢に入って小島にGBH連携。

 14人目として登場したのはSANADA。小島がSANADAにマシンガンチョップ。真壁もテンカウントパンチで続き、小島と真壁が2人でロープに振るが、SANADAが攻撃を誤爆させて真壁、小島に急所蹴り。真壁はセカンドロープ上から場外に出されるも、なぜかOTRが宣告されて失格。
 続いて小島がOTRされ、小島が失格。

 15人目として登場したのはタイチ。SANADAはタイチを激しく挑発するも、タイチがリングインするのと入れ違いに場外に逃れる。タイチも追っていって場外で殴り合いを展開。リング上では後藤と本間がチョップ合戦を展開する。

 16人目として登場したのは石井智宏。石井とオーカーンがエルボー合戦を展開。さらに本間とショルダータックル合戦を展開し、本間がラリアットでなぎ倒して小こけし。さらにこけし落としを狙うが、石井が着地してエルボー連打。本間もこけしロケットを発射も、石井がラリアットで撃ち落とす力技を見せ、垂直落下式ブレーンバスターで3カウント奪取。本間が失格。

 最終入場者の17人目として登場したのはアレックス・ゼイン。SANADAとタイチがリング内で殴り合いを展開する中、タイチがアックスボンバーを発射。これをかわしたSANADAは急所蹴りを発射も、タイチが回避。ならばとSANADAはタイチの足を自ら足に挟み、レフェリーへ反則を猛アピール。タイチの反則負けがコールされ、タイチが失格。
 なぜかSANADAはトップロープを飛び越えてエプロンに着地してからタイチを挑発。怒れるタイチがフロント・ハイキックで蹴落とし、SANADAがOTRで失格。

 ゼインが矢野に延髄斬りを見舞い、後藤にダブルニードロップからのその場飛びシューティングスター・プレス式セントーン。その間にコーナーマットを外していた矢野がゼインに殴りかかるが、かわされてしまい、勢い余ってOTRして場外落下。矢野が失格。

 オーカーンが石井をアイアンクローで捕らえ、石井をエプロンに落とす。ゼインが背後から迫るも、オーカーンがゼインもエプロンへ落とす。石井とゼインがエルボー合戦を展開する中、オーカーンが石井へ双手刈り。石井が転落し、OTRで失格。

 ゼインが後藤&オーカーンをダブルのヘッドシザース・ホイップで放り捨て、まとめてローリング・レッグドロップ。ゼインが後藤を投げようとする中、オーカーンがラリアット。これがゼインにヒットし、ゼインがOTRで失格。

 最後に残ったのはオーカーンと後藤の2人。
 ロックアップからオーカーンが一本背負い。さらに串刺しラリアットから王統流二段蹴り、モンゴリアン・チョップ。さらにラリアットを放つが、かわした後藤が裏GTRからオーカーンをトップロープ越しにエプロンへ落とす。後藤がラリアットを狙うが、オーカーンがキャッチして奈落式ブレーンバスターを狙う。なんとか着地した後藤がラリアットを叩き込み、オーカーンがOTR。オーカーンが失格となり、最後まで生き残った後藤がIWGP世界ヘビー級王座挑戦権を獲得した。

<試合後コメント>
後藤洋央紀
「あけまして、おめでとうございます。新年早々、最大のチャンスを勝ち獲りました。東京ドーム、本戦への出場はできませんでしたけれども、2025年、“後藤革命”についてこい! 以上です」

グレート-O-カーン
「今宵も、(※と言って、背中を向けてスポンサーロゴを見せながら)Fate/Grand Order、上田功二、上田健心、K.YUKO、HAKA、安川正孝、宮根誠司、渉、琉城也、COSPA、ジーストア、キュアメイドカフェ、同盟褒めてつかわす。(※前に向き直って)通常なら前KOPW覇者が一番最後に入場するだろうが、そんな愚民の真似事はしたくなかった。余が提唱したIWGP世界ヘビー挑戦ランボー、一番最初に入場して、一番最後まで勝ち残る。それが余なりの、IWGP世界ヘビーへの敬意と本気度を示すやり方だった。あと少しとかそういうのはない。チャンスはまた作る。アイツみたいに、アイツらみたいにお膳立てされるのは好きじゃないんだよ。明日、IWGPタッグを必ず支配する」

ボルチン・オレッグ
「あけましておめでとうございます。今年スタートから東京ドームでランボー、IWGPのチャンスがあったんですけど、うまくいかなかった。でも、まだこれからいっぱいいっぱい頑張って、シングルのベルト獲れるように、IWGP獲れるように頑張りたいなと思うんで。とりあえず、ジョシュさんは一緒に練習してたし、だいぶ関節(技)を覚えてきてるから、またいつか。道場じゃないから、練習じゃなくて、ちゃんと試合したいから、やりましょう。私、もともとジョシュさんのファンだったから。小っちゃい時、まだプロレスやると思わない時から今日も試合すると思わないところで闘えたのは嬉しいけど、ただ、場外に行っちゃったから。負けもしないけど、ベルト挑戦に行けなかったから。でもまたやりたいから、いつかお願いします」

ジョシュ・バーネット
「(※日本語で)アケマシテ、オメデトーゴザイマス! ビックリデショ? (※英語に戻して)誰も知らなかったことだよ。でも、終焉が近づいていることも、実際にその時が訪れないとわからないもの。それぞれの人生に始まりと終りがあるけど、終わりは誰にもわからない。お前たちが最後に見るのは俺の姿かもな。オレッグは道場で指導をしたことがある。でも、試合は別。俺は22年前にユージ・ナガタ戦でデビューした。オレッグはきっと、今日のリングで俺と対峙して、感覚を覚えただろう。そして、もっと闘いたいと思っただろう。時に無知であることが、自分をより強くすることもある。だからもっとやろうじゃないか。『NEW YEAR DASH!!』、1月6日、次は是非シングルで。ランボーも初めてで楽しかった。カオスが大好きだからな。でも、リングから早く出されてしまった。ナガタとも久しぶりに会えた。20年ぶりかもしれない。まだ強い。俺も同じ。俺をこのリングで見る機会、これからも増えるかもな。ファンにとっては嬉しいことかもしれないけど、レスラーにとってはどうかな?」

永田裕志
「今ここで長々としゃべってたジョシュ・バーネット、思い起こせば22年前の今日この日、1月4日にIWGPヘビー級選手権、彼のデビュー戦をしっかり受け止めたのはこの俺だった。リングに上がったらジョシュがいるんで、やっぱりどうしても意識しちゃいましたね、その時のことを。それにしても、この『日本マット界メジャー完全パーフェクト・グランドスラマー』の永田裕志が、よくよくIWGPには嫌われまくって。これ勝てば挑戦権だったけど、やっぱりとことん嫌われまくってるみたいですけど、何年経っても、どんな状況になろうとも、この永田裕志はIWGPをまだまだ狙わなきゃいけないと、今日落とされて、悔しい思いが湧き上がってきたと同時に、その気持ちがより強くなりました。たとえどんな状況でも、それだけは諦めずに闘っていかなきゃと思ってます。これが、プロレスラー永田裕志のこれからの人生ですね。以上です」

──ジョシュとの一騎打ちという気持ちは?
永田「いや、いいですよ、全然。呼んでくれれば。新日本だとなかなか難しいかもしれないですけどね。去年も新日本での試合は少なかったですけど、今年はおそらくもっと少なくなると思いますんで、その有り余った永田裕志のパワーを、新日本プロレスの日本各地のみならず海外にも目を向けて、どんどん試合していきたいという希望がありますんで、そうやって遠回りしてでも、最終的に目指すところはIWGPのベルト、それを生涯のライフワークにしていきたいと思います」

YOSHI-HASHI
「去年、本戦でタッグのベルト懸けて闘って、今日は去年ね、『WORLD TAG LEAGUE』に残れなくてダークマッチ。でも、今回はIWGP世界ヘビーの挑戦を懸けたランボー。でも、活かすことはできなかった。ただ、まだ今年は始まったばっかり。今年は俺自身、去年、『G1』に出ることはできなかったが、今年こそは俺自身、“逆襲”という言葉を俺の心に置いて、闘っていこうと思いました。以上」

真壁刀義
「いや、ていうかさあ、キン●マはダメだろ! な? 放送もできねえけど、キン●マはダメだろ。SANADAにさあ、小学生の時から教育、叩き込んでこいよ、新日本さんよ。俺がどんだけいいブツ持ってると思ってんだ、お前。な? そういうとこだぞ、お前らマジで。お前ら半ニヤけしてっけど、マジだかんな? 見るか、お前?(※長州力の口マネで)すごいぞ、お前! 俺のモノは凄いんだ、お前……(※口調を戻し)あ、もういい? そうだね、シモに走るからね。ま、そんな感じ。とりあえず1.4東京ドーム、1年の締めくくりだけども、何ていうの? 1年の始まりでもあるからさ。こっからたぶん、この試合から、この後の第1試合から凄え試合が始まると思うけど、これからまた来年度、1年かけて勝負懸けてくる人間もいっぱいいると思うし。な、この俺様、真壁刀義もこれで終わりじゃねえよ。何だか分かる? オイ、去年はよぉ、メディアに凄く出てただろう。な? これ以上勝てるヤツがいるか、っているわけねえのはわかってんだよ。なあ、わかってっけどだ、本業のよぉ、プロレスラーとしてのよぉ、試合もな、結果を出していきてえと思ってっからよ。とりあえずそんだけだな。何か質問ある? こっから長いかんな、俺。こっから50分ぐらいやるからな、マジで。試合全部終わっちゃうからさ。……そうでもない感じ? うん、わかった。ありがとね!」

小島聡
「1.4東京ドーム大会、たくさんの人に囲まれてプロレスができること、それを当たり前だと思わずに、今日、そしてまた今年も頑張っていきたいと思います。とにかく、今、プロレスラーでいられること、本当にそれは当たり前でも何でもない。それを今、ホント強く俺の心の中に思ってることだから。この思いを胸に、また今年1年、闘っていきたいと思います。いっっっちゃうぞバカヤロー!」

本間朋晃
「新年……新年1発目からやっちまったよ。アァ、クソッ! 俺がIWGP世界ヘビー挑戦できるなんてチャンス、そうそうなかったけど、今回に懸けてたんだよ。でも、次だよ、次。応援したくはねぇけど、明日、石井にNEVER無差別級獲ってもらって、それに挑戦する。負けて挑戦なんてそんなことねぇかもしんねぇけど、俺は絶対石井智宏から勝つ。ある意味、幸せな2025年のスタートだよ。目標ができた、目標が! ゼッテー勝つ!」

※SANADAがコメントスペースにタイチを連行し、暴行。タイチを床に叩きつけると、そのまま控室へ。

タイチ
「(※SANADAにやられた後、立ち上がって)クソッ! どこ行った!(※と、叫びながらインタビュー用のテーブルにイスを叩きつける)。アァッ! オイ、あの野郎、あの野郎、ゼッテー許さねぇからな。アイツをよ、アイツをぶっ潰さねぇ限り、俺の2025は始まんねぇんだよ。SANADA、シングルじゃ。逃げんなよ、コノヤロー! わかってんだろうな。トコトンやってやるよ、オラ! SANADA! 組めよ、コノヤロー!」

アレックス・ゼイン
「17番目の最後の男としてリングに上がり、今日は勝てるチャンスがあると思ったんだけど、残念だった。今日は勝てなかったかもしれないし、まだタイトルマッチのチャンスも得られないかもしれないが、“まだ”、まだチャンスが来てないというだけ。今日みんなから感じたエネルギーは、永遠に忘れることはないだろう。(※日本語で)アリガトウゴザイマス。次は全員生きたまま食ってやる。(※日本語で)イタダキマス!」

第1試合


 この試合は4組が同時に闘い。天井から吊るされたベルトを最初に獲った組が王者となるルール。
 ゴングが鳴ると全員入り乱れた大乱戦へ。ナイトがスワンダイブ式クロスボディで飛び込んでいって乱戦を終わらせると、TMDKがラダーを持ってリングへ。KUSHIDAが足払いで倒し、ナイトがラダーの上からボディプレス。
 TJPがラダーをJET SETTERSに叩きつけ、アキラが串刺しドロップキック。ここへコナーズ&モロニーがイスを持ち込んで暴れていき、コナーズがアキラにスピアー with ラダー、コナーズ&モロニーがTJPにサンドイッチ式イス攻撃。

 コナーズは3mの巨大ラダーをリングに持ち込んでリング中央にセット。2人で昇っていくが、KUSHIDAがハンドスプリングエルボーでラダーごと倒して阻止。ナイトが場外にテーブルをセット。モロニーへKUSHIDAとのパーフェクト・タイミングを狙うが、コナーズがカット。ナイトの顔面にイスを投げつけてKOし、場外鉄柵に立てかけるようにテーブルをセット。モロニーはKUSHIDAをドリラ・キラでテーブルへ突き刺してKO。
 もう1脚のテーブルをセットし、今度はアキラをテーブルへFull Clipで叩きつけようとする。これをTJPが救出してモロニーをセット。アキラがクラウンズアップ・セントーンでテーブルクラッシュ。
 TJPがコナーズにアサイDDTを見舞うが、ナイトが復活しスワンダイブ式フォアアーム。ナイトがギガラダーにラダーを固定し、コナーズを叩きつける。そこへロビーがワープ4.5で飛び込んできてラダー上のコナーズに一撃。ナイトが巨大ラダーを上がっていくが、藤田が引きずり下ろして巨大ラダーの隣にもう1脚の巨大ラダーをセット。藤田とアキラがそれぞれ巨大ラダーを上がっていくが、TJPが藤田を肩車する形で落とし、2人でザ・リーニングタワー。
 その隙にロビーが巨大ラダーを上がっていくが、TJPが毒霧を噴射して妨害。TJPが巨大ラダー上からラダー上への雪崩式ファイナルカット。KUSHIDAがアキラを肩車する中でナイトが地対空ドロップキック。
 ナイトが巨大ラダーを上がっていき、頂上からモロニーへパーフェクト・タイミング。大ダメージを負ったナイトの代わりにKUSHIDAが上がっていくが、藤田が追いすがってラダー上での攻防に。KUSHIDAが巨大ラダー上でのアンクルホールドで捕らえつつリング上へと突き落とす。ロビーにも巨大ラダー上でのアンクルホールドを決め、ナイトが下から飛びついてフランケンシュタイナー。
 ナイトがまた巨大ラダーを上がっていくが、ラダーの下敷きにされていたモロニーが下から巨大ラダーをすくい上げてナイトを場外へと落下させる。モロニーとTJPが向かい合わせにラダーを上がっていき、TJPがモロニーを突き落とす。今度はロビーが上がっていってTJPと対峙。もう1脚の巨大ラダーを藤田とアキラが上がっていって対峙。巨大ラダーの頂上での殴り合いの末にTJP、ロビーが落下。アキラがベルトに手を掛けるが、藤田がラダーにアキラの足を絡めながらのネ申スペシャル。右手でアキラを固めながら左手を伸ばしてベルトをもぎ取る。
 見事ベルトを先取したロビー&藤田組がIWGPジュニアタッグ王座戴冠を果たした。

<試合後コメント>
藤田晃生&ロビー・イーグルス&YOH&ロッキー・ロメロ
藤田「まずは……(※と言い始めたところで、横から『ヘイ』とロビーにマイクを渡される)。オー、OK(苦笑)」
ロビー「みんなに言ってやれ」
藤田「まずは、IWGP史上最年少チャンピオンとして、今ここに来ることができた。だが、それだけじゃない。ロビーとやって、今年2年目だな。いろんなことを経験して、いろんなことを言われてきた。『デビューして、お前2年、3年だ。あと4年、5年すれば、ベルトを巻ける、トフィーを獲れる』。散々言われてきた。だが、見てみろ。トロフィーも獲った。そしてドームでベルトも獲った。でも、それはTMDKに入ったから。隣(パートナー)がロビーだったから。ありがとう、ロビー。そして今日の試合で、完全決着。今日やったヤツらより、俺たちの方が強い。ルールがどんな内容だったとしても、俺たちの方が強い。次はいつ、どこで誰が出てくるか知らねえ。ただ今日、東京ドームで、4WAYで勝ったのはロビーだ。以上」
ロビー「まず最初に俺が言いたいことは、オーサカでジュニアタッグリーグを制した時と同じ言葉だ。“勝ッタゾーッ!”。フジタ、お前がいなければ俺たちはこういう結果をつかむことはできなかった。シンニホンプロレス史上最年少チャンピオン、オメデトウ」
藤田「ありがとう」
ロビー「これがTMDK時代の幕開けだ。トーキョーテラーラダーマッチに飛び込むことは悪魔のようだったが、ここから俺たちは進んでいくんだ」
※祝福の拍手をしながらスーツ姿のロッキー・ロメロが入ってきて、ロビーからマイクを受け取る。
ロッキー「チャンピオンズ、コングラッチュレーションズ。今宵、ほかの世界でも最高といわれるジュニアタッグ3チームを倒した。それだけじゃない。4WAYのトーキョーテラーマッチはすごかった。だがトーキョードームでの試合を、このニュージャパンの所属・契約選手の中で俺以上に熟知してるヤツはいないだろう。今ここで、俺は挑戦表明したい。ここトーキョードームで、TMDKの初防衛戦の相手としてROPPONGI reVICEが名乗りを上げる。ロッキー・ロメロとYOHだ」
藤田「ほんとに?」
ロッキー「ホント!」
※ここで菅林直樹会長を抱きかかえ、ビールの売り子の姿をしたYOHが「会長、いりませんか?」と叫びながら入ってくる。TMDKの2人は追い払う仕草をするが、YOHは「会長、持ってきましたあ~」と強引にステージに会場を立たせる。
ロッキー「いいですか、カイチョー。できるだけ早く、今すぐにでも正式決定してほしいんです。それにはカイチョーと何が必要かな? タッグタイトルに必要なのは……(※YOHがビールBOXのあちこちを探り始めるのを見て)チョット待ッテクダサイ。ナンデスカ?(※YOHがどうやって用意していたのかタイトルマッチの調印書を取り出すと『オー!』と驚きの声を上げる」
YOH「(※調印書を手に)調印式始めま~す」
※冷ややかな視線を投げかけるTMDKの2人
YOH「(※それに懲りず)調印式始めま~す」
藤田「(※その様子を見ていて)警備員、警備員出して。これ、変態出して」
※追い払おうとするが、YOHは無視して藤田の前に調印書を置く。
ロッキー「ペンは持ってるのか?」
YOH「I don't have a pen(※と言いながら朱肉を取り出す。そしておもむろに自身の唇に朱肉を押し当て、サインがわりに調印書にキスする。そしてロッキーに調印書を渡す)」
ロッキー「チョット待ッテ(※と言って調印書と朱肉を手にすると、自身の唇に朱肉を押し当て、調印書にキス)」
藤田「(※YOHに調印書と朱肉を目の前に置かれ、無言のまま“ここにサインしろ”という感じで調印書を指で軽く叩くのを見て)やらねえよ。やらねえ(※と拒否の姿勢。ロッキーが『サインしろ』とせがむ。それでも『やらねえ』と拒否。しきりに指でサインする個所を叩くYOH。拒否を続ける藤田の姿勢を見かねたYOHは、“こうやるんだ”とばかりに自身に唇に朱肉を押し当てると藤田の額にキスする)。やってほしい?(※と確認した藤田は、自身の唇に朱肉をつけるとYOHの唇にキスしてから調印書にキス。うまくつかなかったようでもう1度、自身の唇に朱肉を押し当て、YOHの唇にキスしてから調印式のキス。そして)やっちゃった(※と言いながらロビーの前に調印書を置く。渋々ながらロビーも同じようにキスによる調印を済ませる。最後に同様にキスによる調印を迫られた立会人である菅林会長にだったが、懐からペンを取り出して普通にサイン。これでタイトルマッチ開催が正式決定)」
YOH「(※5人のサインが入った調印書を手にすると、シナを作りながら)ありがとうございま~す! (※TMDKの2人向かって)ありがとうございま~す。じゃあ私、会場に戻るわね。会長ありがとう(※と言って会長の額にもキス)。パンフレットいりませんかあ~、パンフレット~?(※と叫びながら消えていく)」
ロッキー「(※やれやれといった表情で)またすぐに会おう。サンキュー、カイチョー。アリガトゴザイマス(※と言い残して消えていく)」
ロビー「(※調印式を覗き込んで)わかったわかった……。いつもこうだよな。こうやって自分の輝かしい瞬間に浸ろうとしたら邪魔が入る。トーキョードームに限らない。前回もそうだったよな? 2人の男が入ってきた。(※藤田が調印書を手にしてじっくり見ている姿を見て)でもこの試合、悪くないよな。2月11日のオーサカか? それはまたあとで考えることにする。なあフジタ、今日の試合は俺たちが勝った。だからこの瞬間は俺たちが輝く時さ。イナカモノ(田舎者の)オートラリア人からの提案だ。シューイをやろうぜ」
※ロビーがリングシューズを脱ぎながら「お前もできるはずだ」と誘うと、藤田もリングシューズを脱ぎ始める。ロビーは「俺のシューズでやるか?」と藤田に声をかけなるシーンも。そして2人はそこにビールを注いで一気に飲み干した。
ロビー「ロッキーとYOH、あのクソッタレが。お前たちにこんなことができるか? ほかのヤツらでもいい。できるならやってみろ。なぜなら、俺たちがイチバン・スイートボーイズであり、イチバン・ジュニアタッグチャンピオンなんだよ。ニュージャパンだけじゃなく、全世界を見渡してもな。俺たちをリスペクトすべきだ。アリガトゴザイマス」
藤田「(※調印書を示しながら)これ、勢いでやるって言ったけど、俺はあの変態、すげえ好きだから、ぜひともやりたいな。2月11日、(大阪で)決まったから。楽しみにしててくれ」

フランシスコ・アキラ&TJP
アキラ「正直、今コノ瞬間、何ヲ言エバイイノ? ワカラナイ。オレタチハ、全力デヤッタケド、結果ハ失敗ダ。TMDK、オメデトウ。2024年ハ、ホントニUP-DOWNガ多イ年ダッタシ、ソシテ2025年スタートハ黒星。デモ、デモ、コンナコトデ落チ込ンデラレナイ! プロレスハ人生トイッショ。勝ツ時モアレバ、負ケル時モアル。負ケタ時コソ立チ上ガッテ、マタ闘イ続ケナキャダメダンダ! 日本、ソレハ俺ノ家! シンニホンプロレス、俺ノ家ダカラ! コレカラ、コレカラモ全力デ闘イ続ケル。(※カメラに歩み寄ってマイクを通さずに英語で)俺が世界最高のジュニアヘビー級のレスラーにになってみせる。俺こそがその男になってみせる。どれだけ時間がかかろうともな。DOUKI、デスペ(ラード)、イシモリ、ヒロム……全員倒して俺がジュニアヘビー級の王様の座に就いてやるんだ。プロレスリングは俺の人生そのもの。なぜならニュージャパン・プロレスリングは俺の人生だから。俺はこの場所で、死ぬ覚悟でやっていく。空っぽになるまでやってやる。俺こそがほかの誰でもないたった1人なんだ(※と訴えて席に戻る)」
TJP「俺は自信とチカラを持っている。そして、ここまで自分の進むべき道を信じて進んできた。しかし『WRESTLE KINGDOM』でまさかの敗北を喫してしまった。これで『WRESTLE KINGDOM』(参戦)が最後だとは思ってないが、負けてしまったから大舞台はまたしばらく先になるだろう。それは仕方ない。俺と向かい合うすべてのヤツ。お前たちがUNITED EMPIREを倒そうとすること、そしてそれによって何が欲しいのかわかってる。そして、俺が求めているものが何かもわかっている。すべての未来のため、そしてUNITED EMPIREのために開かれているだろう。俺たちこそが一番。CROWNS UP(※と言いながらアキラとUNITED EMPIRE流の握手を交わす)」

KUSHIDA&ケビン・ナイト
KUSHIDA「結果がすべて。チャンピオンチーム、おめでとうございます。(※英語でケビンに向かって)どんな気持ちだ、ケビン・ナイトよ?」
ケビン「ダイジョーブ……ジャナイ。まったく気分よくないよ。タイトルマッチでこんな負け方したんだから。オメデトウ。おめでとう、TMDK。フジタサン、そういえば俺の日本での初めての試合はアンタとだったな。そして俺の初めての『WRESTLE KINGDOM』、お前の初めての『WRESTLE KINGDOM』でも闘うことになるとはなあ……。今日は負けたけど、JET SETTERSは正しい道を踏み外してはいない。俺たちがこの階級において世界で最高のチームということは何ら変わらない。それを今日、結果として証明したかったけどな。ベルトは失ってしまったが、まずはお前たち、そのベルト、そしてこの勝利を十分に味わえばいい。なぜなら、未来は何が起こるかわからないからな。ただJET SETTTERSは常に、どこであろうと狙ってる。TMDKよ、今の喜びを楽しんでおけ。俺たちがシリーズに戻って来た時には、お前らからタイトルを取り戻すから」
※互いに立ち上がると「アリガトウ」と言いながらハグを交わして控室に向かった

クラーク・コナーズ&ドリラ・モロニー
(※女性4人を従えて引き揚げてきて)
コナーズ「俺たちのビールはどこにあるんだ?」
モロニー「勝利者用のビールだよ」
コナーズ「ほら、勝者に用意されてるやつだよ」
モロニー「あのSAPPOROだよ。勝者のためにここに並べられてるだろ? どこにあるんだ? ビールなしでどうしろっていうんだ?」
コナーズ「まあ、いい」
モロニー「(※後方に並ぶ女性たちに向かって)サンキュー、レイディーズ。でも見ろよ、俺たちの勝利だ」
コナーズ「トロフィーもベルトもないけど、見てくれ、こうやって素敵な女性に囲まれてるんだからな。俺は素敵なリングを手に入れ、兄弟のそばにいる。ビールがないけど、どうする?」
モロニー「じゃあ、行こうか。それで大問題も解決だ」
コナーズ「いい響きだな。また来年会おう。よし、行こうぜ」

第2試合


 ゴングが鳴ると同時に2人とも突っ込んでいってエルボー合戦を展開。
 岩谷がソバットからロープに振るが、AZMが足払いからサッカーボールキック、低空ドロップキックと連撃。岩谷が場外に逃れるも、AZMはコーナーにふわりと飛び乗り、コーナーポストを飛び越えてのプランチャ。
 AZMは岩谷にミスティカから串刺し攻撃を狙うが、かわした岩谷がスクールボーイからバカタレスライディングキック。さらにロープへの串刺しドロップキックからコーナーに上ってフロッグ・スプラッシュ。続けてジャーマン・スープレックスを狙うが、AZMが振り払って突撃。岩谷がカウンターのトラースキックからフブキ・ラナを狙うが、AZMが追いすがってマリンスパイク。
 AZMがコーナーに上ってダイビング・フットスタンプを突き刺し、ハイキック。さrないロープに飛ぶが、岩谷がカウンターのトラースキック。岩谷が串刺しバカタレスライディングキックからコーナーに上ってミサイルキック。コーナーに上ってムーンサルト・プレスを発射も、AZMが回避し二段式バズソーキック。
 AZMはカナディアン・デストロイヤーでぶっ刺し、ダブルアーム式カナディアン・デストロイヤーで追撃。さらにダイビング・フットスタンプを発射も、岩谷が下から蹴り上げて迎撃。AZMがミスティカからのあずみ寿司もカウントは2。ならばとジャーマン・スープレックス・ホールドも岩谷がカウント2で返してジャーマン・スープレックス・ホールドでお返し。ロコモーション式で二段式ドラゴン・スープレックス・ホールドを狙うが、AZMが回転エビ固め。岩谷がミスティカを狙うが、岩谷がキャッチしてツームストーン・パイルドライバー。さらにムーンサルト・プレスを決めるもカウントは2。最後は岩谷が二段式ドラゴン・スープレックス・ホールドを決めて3カウントを奪った。
 試合後、2人はしっかりと握手を交わして健闘を称え合った。

<試合後コメント>
岩谷麻優
「皆さん、こんばんは! “スターダムのアイコン”岩谷麻優です。第3代IWGPのチャンピオンとして、今回で9度目の防衛ができました。
本当に2024年はこのベルトを1年間、去年、ドームに出られなかった悔しさと共に守り抜いてきました。去年出られなかったから、今年は絶対出てやるって、このベルトの価値を自分が高めてやるんだって、そういう気持ちでこのベルトをずっと守ってきた。
それで今日、念願の1.4東京ドームに出られて、本当に嬉しいです。本当に嬉しいし、出られるって決まった瞬間、それだけで嬉しくて、正直、燃え尽き症候群になっちゃうんじゃないかなって思うぐらい、出られることが嬉しかった。でも、今日終わって、出られることだけじゃなくて、ちゃんとこのベルトを自分の腰に戻ってこさせることができて、これからも自分はこのベルトと共に成長していきたいなって、改めて思いました。
今、女子プロレスの中で最高の闘いを、AZMとできたと自分は思います。男子プロレスしか見たことがないとか、スターダム見たことがない、女子は興味がないとか、そういう言葉がまだまだあるかもしれない。けど、その感情を自分たちの試合で覆すことができたと思っております。これからも女子プロレスラー・岩谷麻優、頑張っていきますので、これからも目を離させないんで、よろしくお願いします。2025年もIWGP女子、岩谷麻優の年にしていきたいと思います。ありがとうございました」

AZM
「はい、スターダムのAZMです。今日、1.4東京ドームに出られたこと、素直に嬉しいけど、最後は岩谷麻優から勝てなかったし、アイコンの座も獲れなかったし、でも闘ってみて、やっぱりスターダムのアイコンは岩谷麻優だけだなと思いました。
だから私はアイコンも欲しいけど、アイコンよりもっともっといい肩書きを見つけて、スターダムのトップに絶対立って、また岩谷麻優をこの私が倒しに行きます。そして、なんか岩谷麻優は前の記事で、私はNEO GENESISに合ってないとか、STARSの方がいいって言ってたけど、それは勧誘ってことでいいですか、麻優さん? まぁしょうがなく、考えといてあげましょう。では、また。ありがとうございました」

第3試合


 最終入場者として王者の成田がリングインするなり3人が詰め寄っていき、成田が場外に退避。ファンタズモがトペ・スイシーダで飛んでいって奇襲をかけ、試合開始のゴングが鳴らされる。
 リング上ではコブと大岩がショルダータックルでぶつかり合い、カットに来たファンタズモをダブルショルダータックルで吹っ飛ばす。大岩がファンタズモにヒップトス、コブが投げっぱなしボディスラムを見舞って排除し、再び大岩とコブがショルダータックル合戦。打ち勝った大岩がコブのヒジへのストンピングからチキンウィング・アームロックも、成田がチョーク攻撃でカット。ファンタズモ、コブにもしつこくチョーク攻撃を見舞っていく。
 コブが腕力だけで振り払うが、成田が足に絡みついてヒザ十字。これをボディプレスでカットした大岩が成田に大剛式バックドロップを狙うが、成田がサミングで脱出。大岩が成田にスリーパーホールドから大剛式バックドロップで場外に放り出す。ファンタズモがコルバタで大岩を場外に放り出し、コブの腕を取りながらロープ渡り。そのままラ・ケブラーダを狙うが、コブが突き落としたため場外に落下し、大岩&成田を押しつぶす形に。コブがその巨体でノータッチ・トペ・コンヒーロで飛んでいき、3人まとめて圧殺。
 コブは成田をリングに戻して無双からギロチン・ラリアット、その場飛びムーンサルト・プレス。大岩がコブにドロップキックからサイド・スープレックスも、ファンタズモがドロップキックでカット。ファンタズモがコーナーに上るが、大岩が雪崩式ブレーンバスターを狙う。コブがカットし、大岩にパワーボムを狙う。大岩もファンタズモに雪崩式ブレーンバスターを狙う姿勢を崩さず、裏摩周の形で叩きつけられる。
 すかさず成田がコブに地獄の断頭台。成田が3人にそれぞれエビ固めを狙っていくが、すべて返されてしまう。しかし成田は返された反動を使ってレフェリーに体当たり。無法地帯となったリングの中に成田がプッシュアップバーを持ち込むが、邪道が凶器を没収。
 3人がかりで成田を排除し、コブが大岩にドロップキック。ファンタズモがサドンデス。ファンタズモはコブにブーメラン・アタックも、コブがキャッチしてF-5000。大岩がコブにラリアットを叩き込み、ドクターボム。完璧に決まるも、成田がレフェリーの足を引いて妨害。
 成田がプッシュアップバーを持ち込んで大岩に一撃。コブにも殴りかかるが、コブが奪い取ってプッシュアップバーをへし折る怪力を見せる。その隙を突いて成田が急所蹴りからダブルクロスを狙うが、コブがツアー・オブ・ジ・アイランドで切り返す。そこへファンタズモがスワントーン・ボムで飛んできてカット。場外の大岩にもプランチャを見舞い、成田にサンダーキス'86を見舞って3カウントを奪った。

<試合後コメント>
エル・ファンタズモ
「誰が東京ドームの『WRESTLE KINGDOM』でELPが試合できると思った? ついに、新日本で初めてのシングルのベルトを勝ち獲ることができた。お前も、お前も、お前も、誰も俺を信じてなかったよな? 俺がこうやって試合できるなんて思わなかったよな? 俺だって思わなかったよ。2024年は言葉にできないぐらい最低の年だった。でも俺は語彙力があるから、ここで一生懸命言葉にしてみせよう。2024年は友人を失い、また新しい友人を得たけどまた失い、『G1 CLIMAX』は最低だった。HOUSE OF TORTUREが来て、何だかよく分からないけど、どうしようもない最低の列車に乗ってしまって、ただただ流されていくような気持ちだった。でも、神に誓って言っていい。俺は自分の人生をどうにか変えられると信じて生きてきた。ここまで5年かかったが、闘い続けることで、自分自身の中にファイティング・スピリットがあるということに気づき、それに助けられた。死ぬかもしれない病気にも冒されたが、それでも自分は見つけた。自分に信じるものがあるということは、何よりも強い。そして今日の勝利を、自分自身ですら俺のことを信じられなかった時に、俺を信じてくれたみんなに捧げる。ELPの時代がこれから始まる。というわけで、何か質問ある人いる?」

──初防衛戦はいつになりますか?
「明日は『WRESTLE DYNASTY』があるが、俺はオフを取っているから出ない。『NEW YEAR DASH』もあるし、サンノゼでの試合もあるが、いつになるだろうな。誰かアイデアあるかい?」

──誰とやりたいですか?
「ザック・セイバーJr、マット・リドル、棚橋、コブ、そういった過去のチャンピオンは俺が全部倒してやったから意味ないけど、じゃあジェリー・リンは誰がいいかなあ?」

──TAKESHITAとの防衛戦はどうでしょう?
「俺たちのリマッチ、見たくない人はいないよな? でもその試合をやるならビッグステージを用意してもらわなきゃいけないと思うし、新日本でやるのか、それとも相手のリングでやるのかということも考えたい。TV王座の試合は15分というリミットがあるから、このビッグマッチを15分1本勝負で見たいのか、それとも長い試合を見たいのかということを考えると、『チャンピオンvsチャンピオン』ということで60分1本勝負としてやるのがいいかもしれないな。とはいえ、鷹木も相手としては悪くないし、石井ともまだシングルをやったことがない。日本人のファンは俺と石井の試合、見たいよな? 石井、TAKESHITA、鷹木、この3人のうちの誰かならいいんじゃないかな。みんな、SNSでぜひバズらせてくれ。誰と闘ったらいいか、教えてほしい。俺はカナダ人唯一のプロレスラーとして、ここに帰ってきた。そして明日、同じカナダのケニー・オメガがここに戻ってくる。真のファイティング・スピリットを見せているカナダ人レスラー全てに乾杯!(※と、ビールを飲む)」

ジェフ・コブ
「こうやって俺は3WAYに負け、4WAYでも獲れず、またチャンピオンになれなかった。ELP、お前がどこにいて、今何をしているのかわからないが、お前がチャンピオンだ。HOUSE OF TORTURE、成田のこれ、取ってきたぞ(※と、自ら破壊した改良型プッシュアップバーを掲げる)。ELP、お前は勝ったが、俺はこの試合でフォールを取られなかった。というわけで、まずお前には『おめでとう』と祝福を述べたいが、1対1でTV王座にチャレンジしたい。『キング・オブ・テレビジョン』がそう言うんだから、お前も受けてくれるよな? お前に挑戦するよ。東京ドームでお前が俺のベルトを持って逃げていったんだから、ボールはお前のコートにあるってことだ」

第4試合


 ランバージャックデスマッチということで、EVILはH.o.Tの面々を、棚橋は本隊&CHAOSの矢野、ワト、ボルチン、タイガーマスクをセコンドとして連れて登場。
 ゴングが鳴ると早速SHOが場外からちょっかいを掛け、EVILが急襲。棚橋とEVILが髪を引っ張り合い、棚橋がブーメラン・アタックで先制。棚橋がエアギターを奏で、ロープに振ってスリング・ブレイドを狙うが、EVILが場外に退避。追おうとした棚橋の足にEVILが噛みついてからのドラゴンスクリューで場外に落とすと、H.o.Tの面々が集団で暴行。EVILが棚橋の首にイスをセットし、もう1脚のイスでホームラン。さらにワトの胸に黒スプレーで「HOT」とペイント。
 EVILは東郷から借りてきたスポイラーズチョーカーで首を絞め上げ、いつの間にかコーナーマットが外れていた金具むき出しのコーナーに棚橋を叩きつける。さらにサミングから急所蹴りを狙うが、キャッチした棚橋がドラゴンスクリュー。棚橋は太陽ブロー連打からフライング・フォアアーム。さらにサンセット・フリップからスリング・ブレイドを狙うが、EVILが場外に退避。ボルチンが担ぎ上げて強制的にリングに戻すと、EVILが命乞い。棚橋は信じずにツイスト・アンド・シャウトで反撃。再びスリング・ブレイドを狙うが、EVILがレフェリーを棚橋にぶつけて妨害。
 レフェリー不在となったリングにH.o.Tの面々がなだれ込んできて全員で棚橋を暴行。東郷が棚橋の股間にダイビング手刀からスポイラーズチョーカーでチョーク攻撃。矢野が救出し、タイガーがトペ・スイシーダで追撃。さらに金丸&ワトにはボルチンがダブルブレーンバスター。ワトがノータッチ・トペ・コンヒーロで追撃する。
 リング上は棚橋とEVILの1vs1に。EVILがラリアットを連発していくも、棚橋は倒れず耐えてロープに飛ぶ。EVILがカウンターのラリアットでなぎ倒してからEVILを狙うが、棚橋が掟破りの逆EVIL。さらにドラゴン・スープレックスからスリング・ブレイドで叩きつけるもカウントは2。ならばと棚橋はハイフライアタックからハイフライフローを狙うが、EVILがレフェリーをロープにぶつけ、棚橋がバランスを崩したところに東郷が棚橋へパウダー攻撃。
 EVILが棚橋に雪崩式ブレーンバスターを見舞い、ダークネス・フォールズからScorpion Deathlock。棚橋はギブアップ寸前まで追い込まれるが、EVILが自ら解除してラリアット。棚橋もドラゴン張り手で反撃するが、EVILはラリアットからEVIL。そのまま抑え込みにかかるが、棚橋が下から首固めで3カウント。

 この結末に納得行かないH.o.Tの面々がなだれ込んできて集団で棚橋をリンチ。そんな中、フードを目深に被った謎の男がリングに飛び込んできて棚橋を救出。その正体が柴田勝頼だと判明すると、場内からは悲鳴に近い大歓声。
 柴田が「棚橋くん、もし疲れてなければ明日試合しませんか?」と握手を求める。棚橋は「柴田さん、俺は疲れたことがないので。やりましょう!」とガッチリその手を握り返し、2人は満面の笑みで見つめ合った。

<試合後コメント>
棚橋弘至
「(※マスター・ワトの肩を借りて引き揚げてくる。用意されていたイスに座り、息を整えてから)勝つには勝った。でも、これじゃダメなんだ。悔しいけど……。今の俺にできる精いっぱいを、これからも重ねていくけども……。こんな『俺はやられてねえぞ』って、EVILは絶対言ってくるであろうから、先手を取って、2年後か3年後かに、またやってやるよ。(※いったんマイクを置くも、少し間を空けて再び手にして)そして、ひとつ話題を変えて、昨年(※正確には一昨年)から社長に就任しました。昨年のドームは、社長に就任してすぐでした。だからドームへの道のり、その会社の動き、社員の動き、ファンの気持ち、どういうとこがきっかけになってドーム大会が成功するのかっていうのを1年間考えてきた結果の今日、明日です。まだまだコロナ前の動員には足りないかもしれない。けど、ファンの皆さんの1人ひとりの熱量、今日の会場の声援の大きさ。ほんとに第0試合から始まって、第1試合の盛り上がり。ほんとに、心の底からうれしかったです。僕たちレスラーは、ファンの皆さんのその気持ち、喜びやうれしさを、声援でしかわからない部分があります。その声援が今日、たくさんいただけたということ。それが、僕が1年間社長として歩んできた、歩んでこれた。感謝します。明日も、あさっても、大会がありますんで、ぜひJRの新幹線を使って、新日本の会場にご来場ください。ありがとうございました」

――棚橋選手にとって、通常の1.4東京ドームは今回が最後になります。それを終えた今、どのような気持ちですか?
「そうですね、来年はまだ未定なので、どうなるかわかりませんけども、ドーム大会っていうのはやはり、選手を大きく成長させてくれる場所でした。ほんとに、今日ドームで闘う選手は成長して、今年1年、しっかりと新日本プロレス盛り上げてくれると思います」
※写真撮影に移るも、ポーズを取りながら棚橋は「おかしいなあ、昔はもっと撮ってくれたのになあ……。昔はもっとパシャ、パシャ、パシャって……」とボヤく。それを聞いてかカメラマンから「こっちに(目線)ください」と声が懸かると「そういうの」と笑みを漏らす。

――最後に同期の柴田さんが助けに来てくれましたけど、どういう気持ちでした?
「柴田さんはね、今、海外で活躍されてますけど、ほんとに新日本プロレスのヤングライオンで同じ日にデビューして、切磋琢磨を誓って、でも時に考え方の相違から袂を分かって。それでも、今ね、日本での試合は厳しいかもしれない。ただ、どんな形になっても、柴田選手とは闘っておきたいって思いはあったんで、会社としても考えます。(※と言っていったんマイクを置くが、持ち直して)あえて言うんだったら、お帰りと……」

EVIL
「(※イスを蹴飛ばし、しばしの沈黙ののち)……ふざけやがってよ。こんなクソ会社……やってらんねえよ。もう出ねえわ。ふざけやがって……。(※集まっている取材陣を蹴散らすように)どけ!」

第5試合


 ゴングが鳴ると、激しいショルダータックル合戦を展開。TAKESHITAがロープに飛んでフライング・ラリアットを見舞うも、鷹木はヒップトスからのショルダータックルで反撃。鷹木はエルボー連打も、TAKESHITAは表情1使えずに自らの首を指さして好きなように打たせる。受けきったうえで強烈なエルボー一発で鷹木をふっ飛ばし、セカンドからのダイビング・セントーン。
 TAKESHITAはスリーパーホールドからニーリフト連打。さらにティヘラで場外に放りだしてプランチャを狙うが、鷹木が足を引いて落とし場外でホップアップ式デスバレーボム。リングに戻した鷹木が串刺しラリアットから雪崩式ブレーンバスターからスライディング・ラリアット。カメラを探して「キタキタ!来たぞ東京ドーム!俺の時間がキタキタキターッ!」と叫ぼうとするも、背後からTAKESHITAがスリーパーホールド。鷹木はラリアットでふっ飛ばして「俺の時間が!キタキタキターッ!」と叫ぶ。
 鷹木はMADE IN JAPANを狙うが、阻止されるとエクスプロイダー。TAKESHITAがすぐにジャーマン・スープレックスでやり返すと、TAKESHITAはバックドロップ。鷹木もすぐにバックドロップでやり返す。両者同時に突っ込んでいってラリアットで正面衝突からエルボー合戦。鷹木パンピングボンバーを狙うが、TAKESHITAがラリアットでカウンターし大車輪ジャーマン・スープレックス。TAKESHITAが突っ込むも、鷹木がカウンターのパンピングボンバーからMADE IN JAPAN。
 鷹木のパンピングボンバーとTAKESHITAのラリアットがぶつかり合う中、TAKESHITAがジャンピング・ニーを発射。鷹木は顔面にかすめるだけに留めるが、ふらついて反撃に転じることは出来ず。TAKESHITAは鷹木をコーナーに上げて雪崩式フランケンシュタイナー。さらにワガママからブルーサンダー・ボム。さらにレイジングファイヤーを狙うが、鷹木は垂直落下式の変形MADE IN JAPAN。
 鷹木はショートレンジ・ラリアットを連打も、TAKESHITAは倒れずリバース・フランケンシュタイナー。鷹木もすぐに起きてリバース・フランケンシュタイナーでやり返すが、TAKESHITAは後頭部へのエルボー。TAKESHITAはエルボーパッドを外して行くが、鷹木がヘッドバッド。TAKESHITAがワガママを叩き込むも、鷹木すぐに起きてパンピングボンバー。TAKESHITAも強烈なエルボーで反撃し、天を指さしてからレイジングファイヤーで3カウントを奪った。

 NEVER無差別級&AEWインターナショナル王座の二冠王となったTAKESHITAは、次期挑戦者に決まっている石井智宏に歩み寄ってベルトを突きつけながらの視殺戦を展開した。

<試合後コメント>
KONOSUKE TAKESHITA&ドン・キャリス
TAKESHITA「お前ら、よう聞けよ。鷹木信悟は強かったよ。でもよ、ここ数年のうちに自分でも信じられねぇくらい、俺自身が強くなり過ぎちまったみてぇだ。俺が日本で最も強ぇと思っていた鷹木信悟に、この東京ドームという舞台で勝っちまった。俺の元にはAEWインターナショナルのベルト、そしてNEVER無差別級のベルトが来ちまったんだよ。明日は石井智宏。今日はよ、俺はこのAEWインターナショナルのチャンピオンとして、この舞台に立った。だから、俺の中ではこのベルト、そしてAEWを代表して来ているというプライド、それを見せたつもりだ。明日はまた違った闘い、つまりNEVER無差別級王者としての闘いを見せてやる。楽しみにしとけ」
キャリス「お前ら、何見てんだよ。ここにいるこの男こそが、ベスト・オブ・ベスト。俺がずっと言ってきたことは本当だった。AEWの最強じゃない。この男こそが世界最強なんだ。6フィート3インチ、245ポンドのこの男こそが、世界最強、最高の男なんだ。イノキ、そしてリキドーザンよりもだ。だから俺たちはTAKESHITAを“THE ALPHA”と呼ぶ。新聞、テレビ、みんなに伝えろ。“THE ALPHA”はコイツ。そしてコイツこそが真のチャンピオンだ」
TAKESHITA「オイ、石井、明日オメーを120%の力で、ぶん殴れるのを楽しみにしてるよ」

石井智宏
「TAKESHITA、決まったな。俺の顔面ぶん殴るんだろ? 殴ってみろ、オラ、オイ! ヒザでもエルボーでも、なんでもぶちかましてこいや。耐えてやるからよ。テメーの攻撃、全て受け切ってやるよ」

鷹木信悟
「(※机をドンと叩いて)アァ、負けたーッ! ……もう今は何も考えられねぇよ。考えられない。試合憶えてねぇよ、ほとんど。序盤、いいの食らってマウスピースがズレてから憶えてねぇよ。最後もなんか自分でやったしょっぱいフランケンでまた頭打って、憶えてねぇ。憶えてねぇけど、ほとんど内容なんか憶えてねぇけど、TAKESHITAに負けたことはわかってるよ。団体対抗戦だ、ダブルタイトルだ言って、この負けは大きいよ。情ねぇな。短期決戦狙って、自分が11分だか12分台で、15分以内で負けてんだから情ねぇ。いや、本当に何も考えられない、今後、申し訳ないけど。ただ、1つだけ言わせてもらうと、TAKESHITA! 絶対やり返すからな」

第6試合


 DOUKIは、白獅子姿で現れた中村獅童さんが毛振りを見せる中で登場するという豪華な入場を見せる。

 ゴングが鳴ると、互いにロープに飛んでドッグファイトを展開。DOUKIがコルバタで場外に放り出してトペ・スイシーダ。デスペラードが素早くリングに戻ってセカンドロープ上を通り抜けるトペ・コンヒーロで反撃。場外鉄柵に叩きつけ合う乱闘が続くが、場外カウント16でリングに戻る。
 デスペラードがバックドロップを見舞うと、DOUKIが逆水平チョップを連打し延髄斬り。DOUKIはロープに振ろうとするが、デスペラードがスパインバスター。DOUKIが下からイタリアンストレッチNO.32に捕らえるが、デスペラードは強引に変形逆エビ固めに持ち込む。DOUKIがロープへ。
 DOUKIがエプロンからデイブレイクを狙うも、デスペラードが振り払う。DOUKIはミステリオ・ラナで場外に放り出してDOUKIボムを見舞うも、この際にDOUKIが左腕を骨折。ひと目見て試合続行不可能という状況であったためか、レフェリーが即座に試合を止めた。

 デスペラードが事態を収拾しようとマイクを取るも、コードの長さが足りずスタッフに怒鳴るなどデスペラード自身も取り乱している様子。

デスペラード「DOUKI、一生懸命やってたらこういうこともあるよな。ごめんなさいとは言いません。一生懸命やった結果です。ごめんなさい。言っちゃったけど!また必ずやるんで、また見に来てください。まだイッテンヨンは終わんねーぞ!このあとまだまだあるからな!楽しんでいけよ!」

<試合後コメント>
エル・デスペラード
「(※ベルトをテーブルに置くと、用意されていた缶ビールを1本一気に飲み干し、着席せず立ったままで話し出す)大丈夫だ。1年経ちゃあ、『今日があったから』って言えるさ。1年後、『あの日があったから今日があるんだ』って言える日が必ず来る。
しょうがねえじゃん。みんな一生懸命やってんだ。ケガしたくてするヤツも、させたくてさせるヤツもいねえんだ。痛くて、しんどくて、つらくて、何にも楽しくもねえ、地味な練習をやってんのは、そのためなんだ。しんどくてさあ、こうやってケガしてさあ、60分一本勝負が5分で終わって、そういう日もあるさ。仕方ねえじゃん、闘ってんだ。
なあ、DOUKI、大丈夫だろ、お前なら。悔しいよ、俺も悔しい。だが、心配はしてない。絶対お前は帰ってくるから。わかってるよ。
メキシコのどうしようもない、俺だったら『いやあ、ここに住むのは無理だわ』つって、光熱費が日本みたいな水準でバカ高い、きったねえ宿で共同の便所とシャワーでさあ、『夜10時過ぎると電気つかないんです』みたいなとこに住んでたヤツが、『タイトルマッチでヒジが外れました、もう心折れました』ってなるかよ! ならねえよ! 大丈夫だ。
と、いうわけだ。(※置いていたベルトをポンポンと叩き)誰だ、かかってこい。アメリカでも、メキシコでも、イギリスでも、どこだっていいよ。かかってこい。
(記念撮影後)こんなこともある。これでケチがついたと思うな」

第7試合


 ロックアップでの力比べに始まるも、フィンレーが髪を掴んで引きずり回す。辻は強烈なエルボーでふっ飛ばし、変形カーブストンプから風車式バックブリーカー。場外に逃れたフィンレーに向けてトペ・スイシーダを放つも、フィンレーがキャッチして鉄柱に叩きつけるという離れ業を見せる。フィンレーはアイリッシュ・カース・バックブリーカーから頭部へナックル連打。ブーイングする観衆へ「F●ck you!」と中指を立てていく。
 その隙を突いて辻がカーブストンプのコンビネーションからボディプレス。辻は串刺しスプラッシュからティヘラで場外に放り出し、フォズベリー・フロップ。リングに戻してエルボー合戦を仕掛けていくが、フィンレーが身体を浴びせるラリアットで辻もろとも場外に転落。フィンレーは辻を解説席のテーブルへアイリッシュ・カース・バックブリーカー。辻は場外カウント19でリングに戻る。
 フィンレーは投げっぱなしボディスラムから串刺しバックエルボー。さらにブレーンバスターを狙うが辻が逆にターンバックル・ブレーンバスター。辻はフィンレーをコーナーに上げて地対空延髄斬りから雪崩式フランケンシュタイナーを狙うが、フィンレーが雪崩式パワーボム。続いて餅つき式カナディアン・ハンマー3連発。さらにショートレンジ・ラリアットを連打していくが、辻がジャンピング・ニー。さらにフィンレーのタックルをジャンピング・ニーで撃ち落とす。
 マーロウ・クラッシュを狙う辻だったが、かわしたフィンレーがパワーボム、ターンバックル式パワーボム、パワーボムと連撃。さらにパワーボムを狙うが、辻がフランケンシュタイナーで切り返して串刺しジャンピング・ニーからマーロウ・クラッシュ。
 辻がジーン・ブラスターを発射も、フィンレーがRKOで迎撃しINTO OBLIVION。さらに掟破りのジーン・ブラスターを見舞うが、辻も掟破りのPrima Nocta。立て続けに辻がジーン・ブラスターを突き刺すもフィンレーがロープに足をかけてギリギリで3カウントを逃れる。
 辻は歯を見せて不敵に笑い、強烈なエルボー連打からヘッドバッド。さらにカーブストンプからジーン・ブラスターを発射も、フィンレーがOVERKILLで迎撃。さらにOVERKILLを狙うが、辻が掟破りのOVERKILLからパワーボム。さらにジーン・ブラスターをぶっ刺して3カウントを奪った。

<試合後コメント>
辻陽太
「よく見ろ。IWGPだ。IWGP、獲ってやったぞ。俺以外に! これからの新日本を背負えるヤツがいるか? 俺以外に! このIWGPを育て、守れるヤツがいるか? な、上村、そしてゲイブ。(※IWGP GLOBALヘビー級のベルトを掲げ)見ろ、よく見ろ。俺は獲ったぞ」

――明日(vsジャック・ペリー)に向けて一言。
「昨日の会見でも言った通り、彼のインタビューを見て俺は、彼と闘うことがすごく楽しみになった。お互い、団体のホープだ。これからの団体を背負ってる。言わなくてもわかるな。絶対に俺は負けられない闘いなんだよ。AEWか、新日本か。そして、しっかりとこのベルトを守って、アイツからのアクションを堂々と、セルリアンブルーのリングで待つことにするよ。もしもお前にまだ、プライドが残ってればな……」

デビッド・フィンレー
「クソッ!(※と叫んで手にしていたウォーターボルト投げつける。そのあとテーブルに顔を突っ伏すも崩れ落ちる。立ち上がろうとするがふらついてテーブルの前に崩れ落ち、仰向けになったり上半身を起こしたりしながら)どこだ、俺のベルトは? 俺のベルトはどこにいった? 時代を問わず最高のチャンピオンとなるために、俺の人生、そして魂を懸けて守ってきたあのベルトを。俺に対して“デビッド、ここまでよく頑張った”とかいう言葉なんて必要ない。そんなもの聞きたくない。お前らの笑顔なんて、俺にとっちゃ一文の価値もない。とっととここを出てビールを飲んでやる。スポンサーなんて関係ない。俺の好きなビールをな。ツジ、俺を倒してベルトを獲って人生で最高の瞬間に浸ってるかもしれないが、俺からすれば最低の瞬間だ。すぐにでもTHE LEBELが戻ってきて、必ずやお前をぶちのめしてやる。なぜなら、憎悪こそが道を開かせるからだ」

第8試合


 内藤は試合前にヒロムと拳を合わせようとするが、ヒロムはじっと見つめた後に応じること無く下がっていく。
 ゴングが鳴ると、ロックアップ。内藤がすかさずに応じて力比べを展開し、ヒロムの攻撃をかわして寝転んでトランキーロポーズ。ヒロムの低空ドロップキックをかわして内藤が低空ドロップキック。
 内藤はネックロックからマンハッタンドロップ、ネックブリーカーから足を使ったネックロック。ロープに逃れたヒロムがチョップを連打も、内藤は顔面にツバを吐く。ヒロムは低空ドロップキックからロープに飛んでヒロムちゃんボンバーを発射。内藤はこれをかわしてアームドラッグからバックエルボーで倒し、後頭部へ低空ドロップキック。
 内藤は串刺しバックエルボーからネックブリーカー。さらに首筋へのバックエルボーを連打するも、ヒロムが担いでエプロンに落とし、サンセット・フリップ・パワーボム。ヒロムがリングに戻してTIME BOMB 1.5。さらにTIME BOMBを狙うが、内藤が着地。ならばとヒロムがジャーマン・スープレックスからヒロムちゃんボンバー。続けてTIME BOMBもカウントは2。続けてビクトリー・ロイヤルを狙うが、内藤が着地してスイングDDT。クラッチが浅かったのか、ヒロムがすぐに体固めに転じ、トラースキックからヒロムちゃんボンバー。さらにTIME BOMB IIを狙うが、内藤がデスティーノで切り返す。
 内藤が首筋へのバックエルボー連打からエスペランサ、コリエンド式デスティーノと決めるもカウントは2。内藤が正調デスティーノを狙うが、ヒロムがTIME BOMB IIで切り返す。内藤は首筋へのバックエルボー連打から延髄斬り。さらにデスティーノを狙うが、ヒロムが名も無きヒロムロールからショットガン・ドロップキック。
 ヒロムが掟破りのデスティーノを初解禁し、TIME BOMB II。さらにTIME BOMB 2.5を狙うが、内藤が着地して顔面にビンタ。ヒロムが突っ込んでいくが、内藤がスパインバスターで迎撃し、デスティーノ。ヒロムがカウント2で返し、正調式が返されるという珍しい光景が広がる。
 ならばと内藤は奥の手のスターダスト・プレスを狙うが、ヒロムが「行かすか!負けらんねーんだよ!」と足にすがりつく。内藤は顔面にビンタを見舞って突き放し、バレンティアからデスティーノを決めて3カウントを奪った。
 最後は2人で掲げた拳を合わせ、師弟の絆を確かめあった。

<試合後コメント>
内藤哲也&高橋ヒロム&グレート-O-カーン&ジェフ・コブ
内藤「(※ヒロムと一緒にやって来て)2020年3月に、本当はこのシングルマッチをやるはずだったんだけどね。コロナの影響で中止になってしまい、そして『WORLD TAG LEAGUE』で優勝した時、『1月4日、東京ドームでどうだ?』と言った結果、彼の返事がいい返事だったんでね。今日、こうして初めてのシングルマッチを迎えることができました。彼はもうこの新日本プロレスのトップレスラーだよ。いや、新日本プロレスだけじゃない。日本中、世界中のプロレス界のトップだよ。そんな選手にプロレスを教えられたこと、俺の誇りだね。まぁでもこうして今回、師匠としての意地を見せることができたんで、彼にとっては最初で最後だったかもしれない。でも、この先、どうかな? それはわからないけど、でも、高橋ヒロムっていう選手、パートナーとしてもそうだけど、対戦相手としても凄く魅力的な選手だなと、今日対戦して改めて思いましたよ。さぁ、師匠超えできなかった弟子・高橋ヒロム選手、何か残すことはあるかな? 残すコメントはあるかな?」
ヒロム「ずっと言ってた通り、最初で最後の対決に嘘はないですよ。内藤さん、俺はもうアナタとやるつもりは一切ない。内藤哲也を、内藤哲也の強さを超えられなかった。それで構いません。ただ、内藤哲也の存在感をいつの日か、必ず超えてみせますよ。今日、俺がシングルでアナタを超えたところで、その存在感を超えたことにはならないんでね。アナタより強いということは、証明できるチャンスだったかもしれないけど、負けてしまった以上、これが現実だ。今回で勝てないんだったら、1年後、2年後、5年後、10年後、組まれて闘って勝ったところで、何も嬉しくない。だったらアナタの今の存在感を超えてみせますよ。昨日も言ったよね。アナタを裏切ったり、L・I・Jを裏切ったりする簡単な注目の集め方はしない。俺は俺なりに考えていることがある。今日、なんかその一歩を踏み出せる気がしました。俺の中で1つ覚悟が決まりました。その一礼をしたんです。そして、内藤さんが師匠で良かった。アナタに教えてもらえて、本当に良かった。本当に感謝しています。熊本でも言いましたけど、何度も言うのは恥ずかしいんですよ。これで最後にしてください。内藤さん、ありがとうございました。(※ここでオーカーンが突然コメントスペースにやって来たのに気付いて)どうしました?」
内藤「オヤオヤ、どうしたんですか、広報さん? 何か広報でもしに来た?」
オーカーン「貴様らにチャンスを恵みに来てやった。明日、一旦返上したベルトを取り戻すためにヤングバックスを処刑するが、貴様らにも恨みがあるんでな。明日のIWGPタッグ選手権試合、貴様らを加えて3WAYでまとめて処刑してやる。どうする? やるか?」
内藤「なんの恨みがあるのかな? なんの恨み? 『WORLD TAG LEAGUE』優勝できなかった恨みかな? なんの恨みだっけ? ないの?」
オーカーン「忘れてるならそれでもいい。ちなみに余が指名するパートナーはコイツだ(※と、オーカーンに呼び込まれて、コブが姿を現す)。第93代、95代チャンピオンチームのHENAREの思いも背負って、貴様らを処刑してやる」
内藤「いいの?」
コブ「お前ら聞け! ヒロム、お前はジュニアに戻れ。ナイトー、お前は眼科に行け。お前らがHENAREを怪我させたおかげで、今こんなふうになってるんだ。あれがなければ、俺は未だにチャンピオンだし、俺たちはまだまだ順調に行ってるはずだった。明日はオフだったけど、でもやってやるよ。オーカーンが俺の家族をビジネスクラスのチケットを払ってくれて、今回日本に来ている。HENAREのリベンジ、やってやる。ヤングバックスなんて、なんの意味もなくタイトルマッチなんだからな。一石二鳥でベルトをUNITED EMPIREの元に戻してやるよ」
内藤「ちょっとなんて言っているかわかんないだけど、日本語で通訳してくれるかな? 広報さん、日本語でわかりやすく説明してみたら。アナタ、広報でしょ? 広報さんの仕事をしてみたら」
オーカーン「やるかやらないかを聞いただけだ」
内藤「アァ、そう?」
ヒロム「内藤哲也、敵に回したら面倒臭ぇぞ。俺はよくわかってるよ。内藤さん、いいじゃないですか。なんかわかんないけど、こうやってチャンスが来たんですよ。なんかわかんないけど、内藤さんに負けて、俺の体がボロボロの状態で、なんかわかんないけど、舞い込んだチャンス。いいよ。喜んでやろうじゃないですか。ただこのダメージでどうなるか、わかんないんですよね」
内藤「そうだな」
ヒロム「俺は早く戻りたいんでね。早くしてください」
内藤「じゃあ、明日、ちょうど休みだしね。東京ドームに来ちゃおっかな~? 遊びたいんでしょ? 俺とヒロムと遊びたいんでしょ? じゃあ、来てあげてもいいよ」
オーカーン「決定だ」
ヒロム「だってよ。良かったな、オーカーン(※と言って、先に控室へ)」
コブ「(※日本語で)マタネ~(※と言って、オーカーンと共に退出)」
内藤「これで決まったのかな? よくわかんないけどさ、明日ゆっくり、ゆ~っくり目覚ましセットせずに寝るつもりだったけど、明日一応、東京ドームに来てみよっかな~? 試合があるのかないのか、その答えはもちろん、トランキーロだぜ。アディオス!」

第9試合


 ゴングが鳴ると、手4つから組み合ってロープへの押し込み合い。目まぐるしいリストロックの応酬からクリーンブレイク。
 再び手4つからリストロックの応酬。さらにサーフボード・ストレッチの奪い合い、フルネルソンの奪い合いとじっくりとした攻防。海野が延髄斬りを放つとザックがかわしてサッカーボールキックを発射。海野もかわして低空ドロップキックを見舞う。
 海野は首筋へのバックエルボー連打からネックロックも、ザックがアームブリーカーで切り返す。ザックは腕に狙いを定め、アームブリーカー、アームロック、ヒジへのフットスタンプ、腕へのミドルキック連撃。海野は痛む腕でエルボーを放っていくが、ザックは容赦ないエルボースマッシュで突き放す。さらにコブラツイスト、腕へのミドルキックと見舞ってロープに飛ぶが、海野がドロップキックで迎撃。
 海野はエルボー連打から串刺しバックエルボー、フィッシャーマンズ・スープレックス・ホールド。さらに投げようとするが、ザックが腕へのオーバーヘッド・キック。海野もトップロープ越しの断崖式DDTでエプロンに頭から突き刺す。
 場外戦となり、ザックを鉄柱にたたきつけてショットガン・ドロップキックを見舞うと、場内から海野へブーイングが起きる。海野は鉄柵を使った断崖式DDTを見舞うと、またもブーイングが起き、海野は観衆をギロリと睨みつける。海野はザックをリングに戻してミサイルキックからトライデント。さらにイグニションを放つも、ザックがかわしてアームツイストから後頭部への低空ドロップキック。
 ザックはサッカーボールキックを見舞っていくが、海野は自ら背を向けて座り込みサッカーボールキックを要求。ザックが挑発に応えてサッカーボールキックを連打。顔面をゲシゲシと蹴りつけたうえで「コイヨッ!」と絶叫。海野もこれに応えてエルボー連打も、ザックが引き込んで飛びつき式腕十字。さらにダブルアームバーから三角絞めに入るが、海野が持ち上げてバスター。スライディング・エルボースマッシュで追撃する。
 海野はブレイズブレイドを発射するが、ザックがかわしてドラゴン・スープレックスから珍しくラリアット。さらにザック・ドライバーを狙うが、海野はリバース・ツイスト・アンド・シャウトで切り返す。
 足を止めてのエルボースマッシュ合戦となり、打ち勝った海野がエクスプロイダー。ザックのミドルキックを受けても怯まずドロップキックも、ザックはすぐに起きてサッカーボールキック。海野はスイングDDTからデスライダーを狙うが、ザックが切り返してザック・ドライバー。ザックのダメージも深く、カバーにはいけず。
 ザックはゴッチ式パイルドライバーを狙うが、海野がショルダースルーで切り返してフィッシャーマンDDT。さらにイグニションから旋回式デスライダー。さらにデスライダーを狙うが、ザックがカニバサミのような形で倒して裏足4の字固めにヒザ十字を合わせる複合関節。長時間捕まるも、海野は必死のロープブレイク。海野へのブーイングは止み、大歓声が贈られる。
 ザックはヒザへのストンピングを連打し、海野が立ち上がるとミドルキックで倒したり、ヒザへの低空ドロップキックを見舞ったりと古傷の左足に容赦なく攻撃を加える。海野も雄叫びを上げながら立ち上がってスイングDDT。
 海野は後頭部へのランニングニーからザックをコーナーに上げて雪崩式の攻撃を狙うが、足のダメージから足を踏み外す。ザックが下からフロントネックロックで吊り上げて絞首刑に処すが、海野がなんとかヘッドバッドで脱出。海野は雪崩式デスライダーを決めて大逆転。
 しかし、海野がエプロンで倒れているザックへ容赦ないストンピングの猛連打を見舞うと、再び海野に大ブーイング。海野はエルボーバッド連打から渾身のエルボースマッシュ。ザックもアリキックで海野の左足を狙っていくが、海野はザックの両腕を掴みながら顔面へのストンピング連打。大ブーイングが起きる中、ザックが強烈な張り手を叩き込んで歓声に変える。
 ザックがサッカーボールキック連打から腕を掴んで固定しながらの張り手。海野も張り手で返してバチバチと顔面を打ち合っていく。ザックが全力の張り手からザック・ドライバーを狙うが、海野が変形エメラルドフロウジョンからブレイズブレイド。さらにデスライダーを狙うが、ザックがアンクルホールドで切り返す。前転して脱出した海野がカウンターのラリアットを叩き込み、走ろうとした瞬間に足の痛みからよろけてしまう。
 ザックはこの隙を見逃さず、顔面への低空ドロップキックからセイバー・ドライバー。さらにゴッチ式パイルドライバー、セイバードライバー(you’ve been tangoed special)と畳み掛けて3カウントを奪った。

 ザックはマイクを取ると、ほぼ日本語で語り始める。

ザック「勝ちましたーッ!翔太くん、待って。翔太、まだまだエースではないけど、ここまでおいで。俺は待ってるから。頑張って。皆さん、どうですか?!じゃあね、多分明日、勝つから。またマイクで会いましょうね。じゃあ今日少しだけ大丈夫かな?じゃあみんな、あけましておめでとうございます!明日も楽しんで!今年の中心は、T・M・D・K!」

<試合後コメント>
ザック・セイバーJr.
※ザックとともにハートリー・ジャクソン、ロビー・イーグルス、大岩陵平、藤田晃生がやってきてザックを祝福。ビールを手にして、ザックが話し出す。
「(※日本語で)じゃあ乾杯しますか。でも明日も試合、どうする? 少しなら大丈夫か。乾杯!(※それぞれと乾杯し、英語で)TMDK、ありがとう。このユニットができてから自分のキャリアは変わった。様々な国から来ている最高のグループ、そして今、新日本プロレスのトップチームと言えるだろう。でもまだまだ始まったばかりだ。なるべく早い段階で今、海外にいる連中も戻したいと思う。オレンジは誰にも止められない」

※他のメンバーは口々にザックをねぎらいながら帰り、ザックは残って着席。

「『G1 CLIMAX』に勝ち、東京スポーツプロレス大賞のMVP、そして『WRESTLE KINGDOM』でのメインイベント。ここ4ヵ月で誰もできないような物事を達成してきているかもしれない。だがこれが自分の目標、終わりではなく、ここはまだ始まりだ。いろんな『やりたいことリスト』があって、それを一つ一つクロスしていくというのが今の状態、もちろんその夢は叶った。
そしてこの夢が。自分自身がまた新たな挑戦をするに値する選手であることを証明してくれた。(※日本語で)翔太、がんばったよ。凄いね。(※英語に戻って)彼自身も自分が今日、僕の相手になるだけの男であるということを証明したと思う。ただ、彼が今チャンピオンじゃないのは自分がチャンピオンだから。まだ彼の時間は来ていない。
もちろん、将来的にトップに立つ男かもしれないけれども、今はザックの時間なんだ。これから若手の選手たち、三銃士以外にもたくさんの選手たちが僕を追ってくると思う。若手は頑張ってるし、それを自分はとても楽しみに見ていたい、そして待っていたいと思う。
今、新日本はオレンジ色に染まった。質問はあるかな?」

──明日はリコシェを相手に大一番になりますが。
「今日、1.4での試合は、新日本プロレスのカラーが変わった、とても象徴的な大会になったと思う。若手選手たちが会社の未来をの方向性を示してくれた。そして明日もまたもう一つ特別な試合。AEWとのパートナーシップのもとで行われる大きな試合になる。ここ4ヵ月やってきたことで、新日本プロレスが一番であるということを、明日の試合でも証明したいと思う。
また今日は、外国人選手にとっての偉業達成という点について一段楽になると思う。昨日の記者会見でも言ったが、IWGP世界ヘビー級王座を2日連続、東京ドームで防衛した選手というのは、日本人も外国人も含めても1人もいない。
だから、今日までは『外国人選手の偉業』だったかもしれないが、明日からは『新日本プロレスの新たな歴史を作る』という上でも自分にとっては大切な試合だし、とても楽しみにしている。リコシェがどんな試合を見せてくれるのかも楽しみだ。彼は日本でもとても経験があり、みんなによく知られているので、彼がどのような試合をするのか、そして自分との対峙でどちらがベストなのかを見せていきたいと思う」

──『WRESTLE KINGDOM』で初めて、外国人選手としてメインイベントで勝利してリングを降りるという偉業を達成しました。
「(※日本語で)めっちゃいい感じ! (※英語に戻って)言った通り、僕は外国人としてここにいて闘い続けたが、プロレスのキャリアはほとんど日本で過ごしていると言ってもいいと思う。
でも、そんな中でも、これから新しいゴールを決め、そして前進していかなきゃいけないという思いが、今日特にある。リコシェとの試合ももちろん楽しみであり、次の目標は、確か今このベルトの連勝記録は4だったはずなので、それを破ることだ。TV王座は15分という時間制限がある中だった。この王座は60分になるので、10回の防衛を目指したい。
そして次の来年の1.4もチャンピオンとしてリングに上がり、大成功を収めたチャンピオンとしてこれからの歴史を作っていきたい」

──1月11日にはアメリカのサンノゼでの試合があり、エチセロとのシングルが決まっているが、ここにIWGP王座を懸けることはあり得ますか?
「現チャンピオンが対戦相手を決める権利があると思うので、できればサンノゼでの試合もタイトルマッチにしたいとは思っているが、もしそうじゃなくても、それ以上価値のあるものになったらいいと思う。
1週間で3回防衛したいという思いもあるので、もちろんイギリスで試合をして勝ってきたし、タイトルマッチになったらいいと思っている。ブライアン・ダニエルソンは自分にとってソウルメイトであり、テクニカルレスラーとしてとても尊敬している。エチセロ戦は、『ルチャ対テクニカル・レスリング』という素晴らしいイデオロギーがこの2人にはあると思うし、今自分自身はこうやって戦い続けることを生きがいに感じている」

──後藤選手が今日のニュージャパン・ランボーに勝って王座への挑戦権を得ましたが、2・11大阪あたりで防衛戦を行う可能性がありますか?
ザック「去年からここまでずっと、ネクスト・ジェネレーションに焦点を当てていろんな話をしてきたが、後藤選手も長年新日本でやってきた選手であり、まだまだ強くて、そして上の世代ではあるが、新日本プロレスを引っ張っている選手の1人だと思う。
彼との防衛戦は悪くないと思うし、志の高い選手なので、できる限り早い段階で試合をしたいと思っている。後藤選手は今コンディションも良さそうだし、大阪でという可能性もあるかもしれない。
東京は二つ目のホームで、そして大阪は三つ目のホームだと思っている。大阪では苦い思い出もたくさんあるけれども、去年は『G1』でも2勝し、鷹木選手にも勝って自分にとっては縁起の良い場所になっているので、大阪に戻って試合ができるなら、それはとてもいいことかもしれない」

海野翔太
「(※床に仰向けに寝そべって)負けたか…。悔しいな…悔しいな…。イスにも座る資格がないから、下から、ドン底から喋らせてもらう。2年前の今日、1月4日、東京ドームで武藤さんに言われたんだ。『経験をしろ。たくさん失敗をしろ』と。『その傘が大きくなれば大きくなるほど、自分のためになる』って、『だから失敗しろ』って、『たくさん経験しろ』って、言われたんだ。振り返ってみろ。今まで前例があったか? 実績も、結果も、戴冠歴も何も残してないヤツが、1.4のメインに立ったことがあったか? ブーイングが起こるなんて当たり前だよ。悔し過ぎんだよ。でも俺には夢がある。胸を張って、東京ドームを超満員札止めにするって誓った。今までそう言ってきたレスラーはたくさんいたと思う。でも、実現できてこなかった。『お前も一緒か』って、『入るわけねぇよ』って笑われるだけかもしんない。でも俺は絶対にその夢を諦めないし、自分を信じるし、プロレスの力を信じてる。必ず東京ドームを超満員にしてやる。AEWだとか、東京ドームを満員にできなかったオカダとかオスプレイとか、ふざけんな! そんな名前忘れてくれ。取っ払ってくれ。俺らが、未来が、新日本プロレスの新時代が、新世代が、必ず東京ドームを超満員にしてやる! 今はドン底かもしんない。俺の手元にはベルトがないかもしんない。またゼロからのスタートかもしんない。でも、必ず逆転満塁ホームラン打って、超満員にしてやる! 絶対だ! 絶対に、だ! 今日来てくれた人、新日本プロレスを好きでいてくれる人、ありがとう。20代の小僧でも東京ドームのメインを張ったんだ。自信を持って今年1年、走らせてもらう。必ず自分の手元に、IWGP世界ヘビーのベルトを取り返してやる! チャンピオンになって、東京ドームを満員にして、メインで勝って、花道から帰ってやる。以上! (※体を起こして)今、この瞬間から前向いて歩きます」

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