相次ぐキックボクシング→MMA転向。RIZINが明かす格闘技界の金銭問題と那須川天心の言葉
5日、都内某所にて12月31日にさいたまスーパーアリーナで開催される『RIZIN DECADE』についての記者会見が行われた。
この日発表された大雅vs梅野源治の試合は、なんとキックボクシングではなくMMA。両者ともにMMAデビュー戦となる。
RIZINだけで見ても久保優太、平本蓮、皇治、芦澤竜誠、YA-MAN、安保瑠輝也といったキックボクシングの雄たちが続々とMMAに転向しており、また立ち技の大物がMMAへと“流出”した形となる。
この原因として、キックボクシング業界とMMA業界での選手の待遇の違いが挙げられている。
キックボクサーのファイトマネーの安さは数多の選手が口にしている問題であり、報酬が金銭ではなく大会チケットの現物支給であるという例も珍しくない。キックボクシングを中心とする某人気アマチュア格闘技団体の選手が某キック団体からプロデビューを打診された際、ギャラの話を聞いて辞退したという話もある。
2人のMMAデビューについて、RIZINの榊原信行CEOは「大雅選手から『MMAに転向する。やらせて欲しい』って。梅野選手もそうですけど、僕らがMMA転向に背中を押しているわけではないんですよね。今キック界を見てたらそうだと思うんですけど、じゃあRISEでチャンピオンになったからって大雅が有名になったかって言うと、中々そういうことでも無いと思うんで。本人的にはRISEでチャンピオンになって、そこで一区切りってことなんじゃないですか。RISEに関しては」と両者ともに自らMMA転向を志願してきたのだという。
さらに「おんなじ試合して汗流して、血流して、時間削って10万円貰うか100万円貰うかって言ったら100万欲しいじゃないですか。それはみんな同じことだと思うんで。金に釣られてサッカー選手とかもサウジアラビアに移動するわけで。これは那須川天心と話したときに言ってたんだけど『僕の客観的な評価はお金でしか中々されない。金が欲しいわけじゃないけど1000万出してもらえるのか、1億出してもらえるのか。それが僕らプロ選手としてのアスリートの評価なんです』と。選手たちも生きていくためにはお金はたくさん必要ですから。ファイトマネーがチケットで配られるなんてのは、僕はナンセンスだと思ってるんで。どこって言わないですよ?(笑)そういう団体があるっていうのは。半分チケット代、半分ギャラって。もう辞めたほうがいいですよ、プロモーター。そんなの世界で通用しないと僕は思ってるんで。色々スタイルはあると思いますけど、RIZINはそういうことはしたくないなと思ってます」とキックボクシング界隈を激しく批判した。
会見の中で、 梅野は「大雅選手も僕も生半可な気持ちでMMAに、いいとこ取りをしようと思ってリングに立つわけじゃない」とMMAに集中する意向を示した。
一方、大雅は「(MMAの練習を)始めて2ヶ月くらいで。難しいのは分かってるんですけど、そんなのは最初から分かってたんで。絶対やるって決めたんで」と決意を語り、RISEとRIZINを並行するかどうかを聞かれると「今の一番の目標はRIZINでベルト獲ること」と回答を濁した。
キックボクシングで“食える”ようにならなければ、MMAへの選手流出は止まることはないかもしれない。
『RIZIN DECADE』
日程:2024年12月31日(火)
開始:10:00(予定)
会場:埼玉県・さいたまスーパーアリーナ
▼RIZIN MMAルール 5分3R 61.0kg
大雅
vs
梅野源治