「上の人間に今の時代のプロレスを否定されたら何を信じりゃいいんだ」藤波辰爾に“今”のプロレスを見せた高橋ヒロムがシングルマッチで激勝!プロレス界の未来を憂い警鐘を鳴らす

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 22日、東京都・後楽園ホールにてドラディション『DRAGON EXPO 1978』が開催。藤波辰爾と高橋ヒロムのシングルマッチが実現した。

 高橋ヒロムは2010年8月に新日本プロレスでデビュー。ヤングライオン時代は苦労が多かったが、2016年11月に凱旋帰国を果たすと大ブレイク。一気にトップへと駆け上り、新日本ジュニアの中心人物に。
 近年では“ジュニアヘビー級”そのものの地位向上のために団体を股にかけて精力的に活動しており、“新日本ジュニアの中心人物”の域を超えてジュニアヘビー級のアイコンとしての地位を確立しつつある。

 そんなヒロムは、日本での“ジュニアヘビー級”というものの価値を1から創り上げた藤波への深いリスペクトの言葉を口にしかねてから対戦を熱望。
 2023年5月のドラディションにて6人タッグマッチで初対戦。試合後にヒロムがシングルマッチを要求すると、藤波はヒロムが差し出した右手を荒々しくはたき落とし「おい待ってろじゃあ。お前に良い返事を返してやる」と堂々と迎え撃つ姿勢を見せた。

 今大会では、その約束が約1年半の時を経て実現。この試合は獣神サンダー・ライガーが特別レフェリーを務め、新日本ジュニアの歴史と系譜が感じられる試合となった。


試合は時代は違えど互いに新日本道場で何千何万回と練習して来たであろうグラウンドのじっくりとしたレスリングに始まり、藤波はドラゴン張り手で、ヒロムは逆水平チョップで打ち合う打撃戦へ。
 競り勝ったヒロムが「どうした藤波さん?こんなもんか!」と頭を蹴って挑発して行くと、藤波が足を取ってドラゴンスクリューから足4の字固め。さらにドラゴン・スリーパーを狙うが、ヒロムが大暴れして阻止。ならばと藤波はドラゴン・バックブリーカーを繰り出すが、形が崩れてヒザの皿にヒロムの全体重が乗る形となり、痛みで苦悶の表情。
 ヒロムはその隙を逃さず畳み掛け、トラースキック、ヒロムちゃんボンバー、TIME BOMBと大技で畳み掛けて3カウントを奪った。

 ヒロムは「俺は、藤波辰爾さんが『いつどの時の時代のプロレスも面白い』って言ってくれたこと、今この時代にプロレス関係なく頑張ってるみんなを下に下げないで上に上げてくれたこと、この時代のプロレスをリスペクトしてくれたこと、そんな藤波辰爾さんが大好きです。俺が考えてた、俺が好きだった、俺が求めてた!“9受けて受けて10返すプロレス”! 藤波辰爾さんみたいなプロレスラー目指して、この先のジュニア!いや!プロレス界を盛り上げて見せます!」と深いリスペクトを示す。

 バックステージに戻ったヒロムは「70歳なんて嘘だろぉ……。なんて力強い。なんて力強いんだ。何度も危なかった。嘘じゃねーよ。この現役ピチピチの、ジュニア最強の俺が本当に危なかったんだ。今は多分スーパーヘビー級に近い体重だろうから、もうあと10kgくらい痩せてくれたら来年のBEST OF THE SUPER Jr.にエントリーしてほしいくらいの輝きを放ってるよ。あの輝きは誰にも負けない。誰も勝てない。誰もが経験して欲しい」とプロレス少年に戻ったかのようなキラキラした目で語る。

 そして「苦労してるよ。若い人間全員苦労してるよ。上の人間に今の時代のプロレスを否定されたら、なにを信じりゃいいんだよ……。お前ら、アンタらだけは否定しないでくれ。じゃないとこの先のプロレスが無くなっちまう。今の時代の人間は、あなたたちが残してきてくれたプロレスというものを必死に残そうと、必死にお金を稼ごうと頑張ってんだよ。10年後、20年後、30年後、プロレスがあるか分かんないよ。それは今の頑張ってる人間にかかってんだ。その頑張ってる人間のことをもっと褒めてあげてください。いつの時代もそうだ。あなたたちのときもそうだったのかも知れない。だとしたら同じことをしないでくれ。俺は藤波辰爾さんの『いつのどの時代のプロレスも面白い』って言葉は最高に大好きで、最高にリスペクトできる。リスペクトさせてくれ、頼む」と上の世代へ懇願。
 さらに「メジャーだのインディーだの、関係ない。どこに境目があるんだ。もう言葉だけだろ、存在してるのは。くだらねぇ。全団体で力を合わせてプロレスを盛り上げないと、このプロレス村から脱出なんてできねえ。すべてが1つにならないと、すべてがプロレスを上げることを考えないと、プロレス村からは出れません」とプロレス界へ警鐘を鳴らした。

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