『猪木さんの遺志を継いで邁進していきます!』50周年最後の試合で藤波辰爾が20年ぶりに棚橋弘至と対戦し「1!2!3!ダーッ!」

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 1日、東京都・国立代々木競技場第二体育館にて、ドラディションが藤波辰爾デビュー50周年記念大会『THE NEVER GIVE UP TOUR FINAL レック株式会社 Presents DRAGON EXPO 1971』を開催し、藤波辰爾と棚橋弘至が約20年ぶりのシングルマッチを行った。

 藤波は1971年5月9日に日本プロレスでデビューし、新日本プロレスで活躍。現在は自身の団体であるドラディションを率いているが、1プレイヤーとしても衰えを見せることなく、2021年にはプロレスリングHEAT-UPにてHEAT-UPユニバーサル王座&PWL WORLD CHAMPION王座のシングル二冠王を戴冠。68歳になった今も一線級の実力を保持している。
 半世紀にわたってプロレス界を支えてきた偉人の1人であり、2015年にはWWEで師匠・アントニオ猪木さんに次ぐ2人目の殿堂入りを達成。藤波辰爾の名は世界に轟いている。
 
 昨年から東京・大阪と合わせて5回行われてきた50周年記念大会も今回の6回目でFINAL。藤波の晴れ舞台に華を添えるべく11団体+大勢のフリー選手がこの大一番に駆けつけた。

 メインイベントでは、藤波辰爾vs棚橋弘至のシングルマッチが実施。
 今年5月のドラディション後楽園ホール大会では、藤波が新型コロナ感染後のコンディション調整が間に合わず無念の欠場。その穴を埋めるべく真っ先に立候補したのが棚橋であり、見事試合を勝利を導いた。その試合後に藤波が12月1日でのシングル戦を打診すると、棚橋は二つ返事で承諾。2002年10月6日以来、およそ20年2ヶ月ぶりの師弟対決が実現した。


 メインイベント前には田中ケロリングアナが登場し、北沢幹之さん、蝶野正洋、武藤敬司、藤原喜明、長州力が登場し藤波へメッセージを贈った。

 藤波の入場時には、『マッチョ・ドラゴン』『RISING』『超飛龍』『ドラゴンスープレックス』と歴代入場曲がメドレーで流れ、最後に『炎のファイター』が鳴り響くとともに猪木さん風のガウンを身にまとい“闘魂”と書かれた赤いタオルを首に巻いた藤波が登場。一番の藤波ファンとも言える棚橋は、この演出に思わず泣きそうな表情を浮かべる。


 試合はじっくりとしたグラウンドレスリングに始まり、互いに藤波の得意とするキーロックをかけ合う高度な攻防を展開。棚橋がショルダータックルで吹き飛ばしボディスラムで叩きつけて先制するも、藤波はワンハンド・バックブリーカーで反撃しサソリ固め。足を痛めた棚橋にドラゴンスクリューを見舞いドラゴンスリーパー。

 棚橋はこれをツイスト・アンド・シャウトで切り返し、ドラゴン張り手をドラゴン張り手で返してスリングブレイド。さらにハイフライアタック、ハイフライフローと連撃して3カウントを奪った。

 マイクを取った藤波は、北沢さんをリングに呼び込み「この50年、色んなことがありました。デビュー戦の相手をしてくれた北沢さん、本当にありがとうございます。あれから50年、こんな素晴らしい選手と渡り合うことが出来ました」と一礼。
 そして、猪木さんに向けて「本来、師匠である猪木さんもこのリングに立ってくれる約束でした。それが叶わぬことになりましたが、ただ!我々レスラーはこれからも猪木さんの遺志を継いで邁進していきます!どうぞ、これからもプロレスをよろしくお願い致します!本日は本当にありがとうございました!」と堂々のマイクで締めようとする。

 しかし、棚橋が慌てて目配せすると、藤波は「すみません!あまりにも衝撃のジャンピング・ボディプレスを食らって一番肝心な締めを忘れてました!(笑)今頃猪木さんが天国で『バカヤローッ!』って怒ってますよ(笑)」とお茶目な一面も見せ、最後は全員で「1!2!3!ダーッ!」と拳を突き上げて大会を締めた。


 バックステージに戻った藤波が「やっぱりトップを張っていた選手はやっぱ強いね。頑張っていたつもりだけど」と笑顔で棚橋を称える。
 これを受けた棚橋が「僕、プロレスラーになりたくて、で、藤波さんを目標に頑張ってきて、間違いじゃなかったと思いました」と涙を流しながら思いを語り始めると、藤波は「泣くなよお前!(笑)俺引退じゃないんだぞ!(笑)」と棚橋の胸に優しくチョップ。

 さらに、藤波が「僕が猪木さんを独り占めにしたときとまったく同じ心境かどうか分かりませんけど、まあなにか伝えられればいいかなと思ったんですけど、僕はご覧の通り体調が、足がどうしてもイマイチっていうか。負け惜しみじゃないんだけどね?(笑)現役バリバリの選手とやるときはもうちょっと調整したいんだけど、今回はちょっと慌てすぎた一戦だったね」と振り返ると、棚橋は「じゃあ藤波さん、僕と一緒に肉体改造してください!」と打診。藤波も「おっ!もう1回チャンスくれるのか!」と笑顔で応じながらトレーニングについて語り合い、ガッチリ握手を交わした。

 そして、藤波は『炎のファイター』で入場したことについて「足がすくんじゃうね(笑)」と苦笑いしつつ、「猪木さんは永遠ですよ。僕らの後ろには猪木さんがいるって気持ちでリングに立ってますから」と胸中を吐露した。

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