一国一城の主として故郷へ錦!地域密着で地元に愛される社会人プロレス代表・キアイリュウケンエッちゃんがコロナ禍を超えて悲願の凱旋
21日、岡山県・おかやま未来ホールにて『プロレスリング紫焔岡山大会』が開催。紫焔の設立者であり岡山県出身のキアイリュウケンエッちゃんがサプライズなドリームマッチを引っ提げて5年ぶりに地元凱旋を果たした。
プロレスリング紫焔は、大阪学院大学の学生プロレス団体OWFの出身者であったキアイリュウケンエッちゃんが2010年に大阪で旗揚げした社会人プロレス団体。
紫焔のネーミングは「支援」にかけたもので、「プロレスを知らない人にもっとプロレスを知ってもらいたい」との思いから、旗揚げ以降大阪を拠点に草の根的なプロレスの普及活動に尽力。地元住民にも受け入れられており、来年2025年の3月を以って15周年を迎える。
大阪市の中心部に位置する大阪上本町駅前にある複合施設ハイハイタウンエントランス屋外イベントスペースで月に一回のペースでプロレス興行を無料で開催。駅前で人通りも多く飲食に訪れた人や道行く人がプロレスに見入ってしまい、いつしか黒山の人だかりが出来ている。いまでは上本町の名物イベントのひとつとして広く知られるまでに定着した。
一方で、有料興行も精力的に行ってきた。2015年に府立エディオンアリーナ大阪第2競技場での5周年記念興行を成功させ、2019年には初の東京進出を果たす。プロレスで街も人も元気にしたいとのコンセプトのもと快進撃を続けてきた紫焔だったが、コロナ禍には活動自粛を余儀なくされた。
今大会は学生プロレスのダークマッチも組まれ、地元の社会人プロレス団体から選手が参戦。大阪から故郷に思いを馳せ、地元ファンとの再会を待ちわびていたであろうエッちゃんの故郷を愛する思いがあふれた大会に。
メインイベントでは、キアイリュウケンエッちゃん&松山勘十郎vsALLマイティ井上&ブルアーマーTAKUYAのタッグマッチが実施。
割れんばかりのエッちゃんコールの中を御開帳(エッちゃんの目に留まったお客さんの前で入場ガウンを全開するパフォーマンス)を繰り返しつつ悠然と練り歩き感慨とも覚悟ともつかぬ神妙な面持ちでリングイン。
TAKUYAと勘十郎が大阪ではお馴染みのハリセンバトルで観客を和ませると、エッちゃんもサイキックなプロレス技ブラックホールを披露。セコンドからレフェリーに至るまで両手で作った輪の中へ吸い込んでいく。場外に転落したTAKUYAをセットして子どもたちを参加させてゴムパッチン。だがエッちゃんと井上がリング上で対峙するやバチバチのチョップ合戦で空気が一気にヒートアップ。
かつてのタッグパートナーであるTAKUYAがボディプレス、リバーススプラッシュとエッちゃんを圧殺して引導を渡すかに見えたが、地元凱旋で負けられないエッちゃんの闘魂に火が点き逆水平の打ち合いからラリアット合戦へ。
最後は勘十郎の好アシストを追い風にエッちゃんが渾身のバーニングラリアットでTAKUYAを倒し3カウントを奪った。
試合後にマイクを取ったエッちゃんは井上に「来年またここでやるかもな!そしたらまた松江から来いやあ!」と噛みついたあと、感極まったか言葉詰まらせ呼吸を整えてから「5年ぶり、待ち焦がれたあーっ!岡山に生まれて良かったーっ!ありがとうございまーす!」と感謝を叫んだあと、物販でのTシャツの購入を猛アプローチ。最後は観客と共に「1、2、3、紫焔!晴れの国、岡山ーっ!」と叫んで大団円を迎えた。
本大会終了直後、会場のスクリーン上で、来年2025年9月20日次回岡山大会の開催が発表された。
試合直後のバックステージでもエッちゃんはファンに向け「もっともっと面白いことをしたいんで次もまた是非とも足を運んでください。」と語り桃太郎所縁の国で鬼よ笑えとばかりに、来年へと思いを馳せた。
現在、日本国内に100以上存在するインディープロレス団体はそれぞれの独自性を持ち、社会貢献活動を行うなどリングの外でも地元のファンに愛されながらプロレスを続けている。
メジャー団体だけでは網羅し切れないプロレスファンの声に応え、プロレスの裾野を広げていくインディープロレスラーたちのさらなる活躍に期待したい。