末期がん患者の議員を電流爆破!西村修がドリー・ファンクJr.との師弟タッグで勝利し死闘から生還!
24日、神奈川県・富士通スタジアム川崎にてFMWEが主催するテリー・ファンク一周忌 大仁田厚デビュー50周年記念大会『川崎伝説2024』が開催。末期がんの西村修が電流爆破デスマッチで勝利を飾った。
この日のメインイベントでは、『テリー・ファンク一周忌追悼・大仁田厚デビュー50周年記念特別試合 川崎伝説2024ダブルヘル電流爆破』と題されたドリー・ファンク・ジュニア&西村修vs大仁田厚&雷神矢口のタッグマッチが実施。
この試合は「大仁田とドリーの電流爆破戦」というテーマが強いが、西村修がこの試合に挑むということの意味は大きい。
西村は1991年に新日本プロレスでデビューし、ジュニア戦士として活躍。1998年9月にガン(後腹膜腫瘍)を宣告されるも、ガンと闘いながらプロレスラー生活を継続。2011年には文京区議会議員となり、2023年4月には4選を果たすなど政治基盤も盤石だ。
しかし、西村は現在ステージ4の食道癌であることを告白。左側上半身全体に転移をしており、既に末期ガンの状態だという。
この試合では南北側に地雷爆破、東西側に有刺鉄線電流爆破が設置され、電流爆破バットも4本用意されるという大規模なギミックが用意された。
今回の電流爆破戦は、報道陣ですら「撮影中の火傷、負傷、事故について一切の責任を主催者側が負わない」という誓約書にサインをしなければ現場に立ち会えないほど大きな危険を伴う試合。実際に爆破される選手の危険度はさらに大きいものであり、西村の身体を心配する声も多く挙がっていた。
試合前には、西村が自身の5歳の息子を含む子どもたちから花束贈呈を受けて闘志を高める。
試合が始まると、ドリーは熟練のグラウンドテクニックで矢口を圧倒。しびれを切らした大仁田が荒々しくカットに入ると、西村は大仁田を有刺鉄線ロープに叩き込んで爆破。さらに電流爆破バットで大仁田をぶん殴り、川崎の夜空に花火を上げる。
さらに追撃を狙っていくが、大仁田が西村の顔面に毒霧を噴射。視界を失った西村を矢口が電流爆破ロープに叩き込んで爆破。末期がん患者を爆破するという恐らく世界初の惨状に場内からは大きな悲鳴が上がる。
西村が動けなくなると、大仁田&矢口はドリーに集中攻撃。大仁田が電流爆破バットでドリーを爆破。さらにもう1本も起爆するが、2発目は西村が身を挺してドリーを守る献身を見せる。
マトモに動けるはずの無い状態の西村だったが、鬼気迫る様子で2人を同時に相手取って無双。大仁田&矢口を地雷ボードに叩き込んでまとめて爆破し、矢口にも電流爆破バット一閃。
ドリーが矢口にスピニング・トー・ホールドを決めると場内からは大歓声。そのまま試合が終わるかと思われたが、ドリーは西村を呼んでバトンタッチ。ドリーの粋なはからいによって師弟競演が実現し、最後は西村のスピニング・トー・ホールドで矢口がギブアップ。
試合後には、ドリーが「ネバー・クイット!フォーエバー!」を連呼。
その後を受けて西村がマイクを取り「時代とともにプロレスというものが近年とんでもなく進化を遂げております。しかしながら、決して忘れてはならないこと、失ってはならないことがございます。今日でいよいよ最後の来日&試合となってしまいましたが、今までの60数年のドリーさんの功績を称えて、どうか皆様の頭の片隅で結構でございます。ドリー・ファンクJr.を永遠に記憶されてください。私自身もやり残したこと、言い続けたいことがあります。必死にプロレスとともに、そして政治とともにまだまだ生きて参りたいと思います」と決意表明。ドリーは「ガンバッテクダサイ!」と愛弟子にエールを贈った。