アメリカ行きが決定している惡斗がアクトレスガールズの新王者に！「海外と行き来したいっていう自分の欲はある」

　14日、アクトレスリング後楽園ホール公演『ALL LIGHTS ON ME』が開催。メインイベントでは空位となったAWG王座をめぐり惡斗と夏葵が対戦した。

　2015年に旗揚げされたプロレス団体『Actwres girl'Z（アクトレスガールズ）』は、2018年に『Beginning』と『Color's』の二団体制へ移行。Beginningにアクセサリーブランド『THE KISS』がデザインしたAWG王座が設立されると、安納サオリが初代王者に君臨し、その後才木玲佳・高瀬みゆき・SAKI（沙紀）が歴代王者へ。
　2021年末にプロレス団体としての活動を終了するとAWG王座は封印され、2022年から『プロレスを用いたよりエンターテインメント性の高い公演』へと移行してアクトレスガールズは新体制となる。
　プロレスの『アクトレスリング』と、舞台演出にプロレスの要素を取り入れた『アクトリング』という分け方で始動し、新体制になって間もなく続々と新人が加入していき旧体制アクトレスを上回る勢力を誇る団体へと急成長した。
　そんな中2023年に、技術・演技力などリング上でのパフォーマンス力を測る【実力】、パフォーマンス力を高めるための練習・習得技術などへの【努力】、集客力と物販の売上などファンへのアピール力を測る【人気】、サイコロの出目で加算ポイントが決まる【運】といったポイントを数値化して大会前に集計し、ポイントで上回った選手が試合で勝利することが決まる『ポイントマッチ』のAWG王座が誕生。
　同名ながらルールの違う王座の初代王者には青野未来が君臨し、絶対エースとして保持し続けていた。その牙城を茉莉が崩すが、わずか3ヶ月で澄川菜摘が奪取。しかしその澄川は3週間後に初防衛戦を行うも、翌日にマリーゴールド旗揚げ会見に乱入しアクトレスガールズを電撃退団。王座も返上され、“引き抜き爆弾”と揶揄されたこの事件でアクトレスガールズは“ストロング暴力スタイル”が支配する混迷の一途を辿ることとなった。

　凶器・乱入なんでもありの“ストロング暴力スタイル”でバッドエンドが続く状況に、夏葵が「ふざけんなよ！悪がトップだったらこんなのが通用すんのか！これは違うでしょう。こんなのアクトレスガールズじゃない！こんなメイン誰が喜ぶんだ！いつまでたってもこんな事が続くなら！私が！アクトレスガールズのチャンピオンになる！ベルトがあればアクトレスガールズのトップになれる！それがアクトレスガールズの力の象徴になる！8月14日後楽園ホール！アクトレスリングのこのリングで！私と正々堂々勝負しろ～～～！！！！」と絶叫。
　これを聞いた惡斗は「負けたやつが何言ってんの？やりたいって言ったら挑戦できるものなのかベルトは？返上されたベルト、そのベルトに価値はあるのだろうか？」と団体の状況を憂い拒絶。だが今月1日に夏葵がタッグマッチながら惡斗から3カウントを奪い、この結果を受けて惡斗も王座戦を受け入れた。

　試合はすぐに場外戦となり、惡斗が夏葵を客席や鉄柱に叩き込んでいく。夏葵はジャンピングニーやサッカーボールキックを叩き込んでいくも、惡斗はキャッチすると得意のマフラーホールドで足を痛めつけていく。さらに変形ドラゴンスクリューから惡朱螺（＝フロントネックスイング）で追い込むとACTスペシャル（＝オクラホマスタンピート）で叩きつけフォール。返した夏葵もキューティースペシャルで叩きつけ反撃するが、最後はシャイニング・ウィザードを避けた惡斗が大蛇（＝首極めストレッチマフラー）からACTΩ（＝ファイヤーサンダー）で突き刺し3カウントを奪った。

　夏葵は泣きながら「こんな時だからこそ私みたいなまだまだ全然ぺーぺーがベルト巻きたかった。次こそ絶対にベルト巻かなきゃいけないって思います。（ポイントは）全部が同点で、同点だとキャリアが上の方がポイントが追加されるっていうルールがあるので、今回は運が悪かった…って言ったら聞こえはいいですけど、でももっとやれたと思うし、もっと自分の頑張れる部分があったんじゃないかって思うので、負けは負けです。アクトレスガールズ、今新しい子も増えて今すごく活気がある団体だと思うので、私もうかうかしてられないので、どんどん下が成長してきて、どんどん上の先輩が上に行くので、私も追いかけ、追い上げられないように、置いていかれないように常に努力していきたいと思います」とコメント。

　勝利した惡斗は「獲ったからには、この時の止まったベルトをさらに高みへ連れて行くことを約束する！私的にこのベルトは、夏葵が持った方が色々下の奴らが回せるベルトなんじゃないかなって正直思ってました。自分のアメリカ行きが決まってたし、こいつは日本にあった方がいいんじゃないかなとか色々考えた結果、最後サイコロの運で全部決まるなって思ってたからこそ、自分の人生もちょっと賭けてみようかなって思って。これで負けた時の自分と、勝った時の自分と、自分自身の今後をちょっと賭けてみた結果、ベルトが私の腰に来ました。覚悟を決めて、このベルトを高めるためにもうちょっと現役選手頑張ってみようかなって思います！海外と行き来したいっていう自分の欲はありますけど、もう運に任せてます。アメリカに行ってさらに高い高い壁になって、10月14日の後楽園ホール戻ってこようと思います。以上！」と思いを語った。

　惡斗は本来は半年以上アメリカにいるはずだったが、今回は1ヶ月半で帰ることを先方と約束。アクトレスガールズを背負う立場になった惡斗に誰が挑み引導を渡すことになるのか、今後の展開から目が離せない。