「負けるわけにはいかないんだよ、まだ!」世羅りさが鈴季すずとの姉妹対決を制して哀愁と覚悟を吐露

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 14日、東京都・後楽園ホールにてスターダム『5★STAR GP 2024 in KORAKUEN』が開催。世羅りさが鈴季すずとの姉妹対決を制した。

 『5★STAR GP』とは毎年夏に行われるスターダムのシングルリーグ戦であり、今年は8月10日~8月31日の期間で13大会開催される過密日程で開催。4ブロック28選手が参戦する女子最大規模のシリーズとなり、全国各地を回りながら熱戦を繰り広げて行く。
 この日は全14試合ということもあり、平日開催にもかかわらず大会は18:00開始。日程も内容も過密な大会となった。

 すずは2021年末に生まれ育ったアイスリボンを飛び出し、姉のように慕う世羅りさらと【プロミネンス】を結成。自身の信頼を裏切る形でスターダムに移籍したジュリアを追ってプロミネンス全員で乗り込みドロドロの抗争を展開してきた。
 最初こそスターダムファンに拒絶されていたプロミネンスであったが、すずとジュリアのエモーショナルな闘いやハイクオリティな試合を展開して徐々に支持を獲得。すずがプロミネンスを脱退してスターダムに入団しても関係は円満であり、参戦も3年目に入ったプロミネンスの面々は“外敵”というより一緒にスターダムを盛り上げる仲間としてファンに受け入れられている。

 今大会では、BLUE STARS-B 公式リーグ戦としてすずと世羅の姉妹対決が実現。
 世羅とすずは2022年5月にコーナーフリーウェポンヴァルキリーデスマッチで対戦しているが、その際には30分フルタイムドロー。2023年4月にすずがプロミネンス脱退を発表した際には2人は人差し指を突き立て合って再戦を約束しており、それがこの試合で叶うこととなった。

 試合は早々に場外乱闘となり、イスや観客のタオルを勝手に使っての凶器攻撃が平然と行なわれるハードコアな展開に。
 リングに戻ると真っ向からのエルボー合戦が展開され、世羅が多彩なダブルニードロップやコンバインで背中を集中攻撃。世羅はエアーズロックIIから必殺のダイビング・ダブルニードロップを狙ってコーナーに上るが、すずが雪崩式フランケンシュタイナーで反撃開始。
 すずはテキーラ・ショットからジャーマン・スープレックス・ホールド。世羅の雪崩式羅紗鋏も耐え抜いてジャーマン・スープレックス・ホールド、バズソーキック、トラースキック、ハイキックと猛攻をかけてロープへ飛ぶ。世羅は下からすくい上げるように担いでカウンターの羅紗鋏を決めて3カウントを奪った。


 世羅は自身が勝利したことが信じられないといった様子で指を3本立てながら何度もレフェリーに問う。その後はすずに歩み寄って二言三言の会話を交わし、人差し指を突き立て合って再戦を誓った。

 バックステージに戻ったすずは「世羅、お前ちょっと元気になりすぎじゃねーか?お前最近疲れてんのかなと思ってたけど、あのときの世羅りさだったよ。あのときの鈴季すずが憧れた世羅りさだったよ。だけど、悔しいからまたやろうよ」と前日の試合中に体調不良を訴えて棄権し病院直行となった世羅を気遣うような言葉を残しつつ再戦を熱望。


 一方、世羅は「勝った。勝ったわ……。プロミネンスでずっと一緒にやってきてシングルをしたのは1回だけ。そのときはデスマッチで30分ドローって結果に終わって。『ここから自分とすずはきっとデスマッチで高め合ってお互いを超えたくて切磋琢磨するんだろうな』って思ってた。2年前までは。でも、こうやってお互い別々の道を歩んで、こうして5★STARという舞台で再びのシングルを組んでもらって。……負けるわけにはいかないんだよ、まだ。すずの年上であり先輩でありお姉さんだと思ってるんで、負けるわけにはいかない。その意地だけで今日勝ったと思ってる。きっとまだ2人はこんなもんじゃない。ぶっちゃけ今日の勝ちはマグレじゃないかと思ってる。自分が一番信じられない。『あのつえーすずに勝ったんだな』って。だからまだやりたいよね。どんなルールとも言わない。フツーのでいいから、すずとはやりたい。やらせてくれよ」と様々なものを孤独に背負い続けてきた人間の哀愁と覚悟をにじませつつ、すずへの熱い気持ちを吐露した。

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