「歴史を変えるのに必死で焦りすぎた」最速王者の早すぎた革命はファンの批判を受け頓挫

10日、東京都・後楽園ホールにてスターダム『STARDOM NIGHTER 2025 in KORAKUEN Sep.』が開催。星来芽依がハイスピード王座の7度目の防衛に成功した。
NEO女子プロレスから受け継がれる歴史深きベルトであるハイスピード王座。
伝統あるベルトだが、2025年から星来芽依の提案により新ルールで運用。以前は通常のプロレスルール(+場外カウント10カウント)で30分1本勝負での試合が行われていたが、【合計10分の中で3本勝負】【10分終了時に同点引き分けの場合は王座防衛】という変更が為された。
そんな変革のさなかにあるハイスピード戦線のトップに立つ星来は20代の若い選手たちでスターダムの新しい時代を創るべく結成されたギャルユニット【NEO GENESIS】に所属し、ユニットでのタイトル総なめに向けて驀進している。
この日、星来に挑戦したのは水森由菜。
体格を活かしたパワーファイターであった水森は【COSMIC ANGELS】加入の条件として中野たむから減量指令を課され肉体改造に成功。パワーはそのままにスピードも手に入れ、ハイスピード王座を強く意識するように。
水森は昨年10月にも星来の持つハイスピード王座に挑戦しているが、その際には力の差を見せつけられて敗北。今回は約10ヶ月ぶりのリベンジに燃えていた。
ゴングとともに水森がドロップキックで突っ込んでいくも、軽々かわした星来が回転エビ固め。水森もひっくり返してスーパーガールで切り返し、目まぐるしく攻守が入れ替わるエビ固めのシーソーゲーム。これを制した水森がショルダータックルでぶっ倒してエプロンでの攻撃を狙うも、星来はターンバックルの間を抜けるドロップキックというひらめきで対抗。
星来が畳み掛けるが、水森は息もつかせぬ丸め込みで星来を翻弄。ブーメラン式のドロップキックやロコモーション式エビ固めといった身軽な動きからパワフルなスライディング・ラリアットを叩き込み、武者返しを発射。星来はこれをかわしてエビ固めも、水森がヘッドシザース・ホイップから腕も取ってそのまま変形首4の字固めに。これを逃れた星来がスワンダイブ式の攻撃を狙うが、ダメージからか2度連続で転落。
この隙を見逃さず水森が強烈な張り手から変形TPサンシャインも、星来が即座に起きて投げっぱなしジャーマン・スープレックス。さらに顔面をぶち抜く強烈なドロップキックも、水森が耐えて熊本の不沈艦(=ラリアット)。さらにトロピカル☆スマッシャーを狙うが、着地した星来が顔面にトラースキックからチェックメイト。これを返した水森が熊本の不沈艦を叩き込んだところでフルタイムドローを告げるゴング。両者が本当にノンストップで動き続けた濃密な10分の死闘が終わった。
王座規定により防衛成功となった星来だが、笑顔はなく「なんとか防衛できたのに、10分3本勝負で初めて決着付けられなかった。なんかモヤモヤする……」と涙声で語り始める。
水森は「星来芽依から1本獲るのって、こんなにも重いんだよ。私たちのハイスピードで10分は短いよ。15分1本勝負でまたやろう!」と、旧ルールに近い内容での再戦を要求。
星来もこの提案を受け入れて水森との再戦を求め、岡田社長もその場でルール変更を承認。そこへ月山和香が乱入してきて水森よりも先に挑戦すると主張し始めると、混乱した星来は「ちょっと考えさせて……」と頭を抱えながら退場していった。
バックステージに戻った星来は、不透明決着に終わった試合へのモヤモヤを語りつつ「あと1つ自分が本当に悔しかったのは……これ言ったら『チャンピオンとして弱い』とか色々言われるかもしれないけど、結構この10分3本勝負に対して、結構批判が多かったんですよ。だから自分はハイスピードの歴史を変える、変えるっていうのに必死になりすぎて、ちょっと焦りすぎたかなって思った。もう1回、15分1本勝負っていう時間の中でゆなもんと決着付けられるように頑張りたいなって思いました。……すいません」と憂いを帯びた表情で吐露した。