大仁田厚&雷神矢口が斉藤ブラザーズに敗れ世界タッグ王座挑戦権獲得ならずも「負けたけど俺たちには明日があるさ」
“邪道”大仁田厚率いるFMWEが12月17日、“聖地” 神奈川・鶴見爆破アリーナ(鶴見青果市場)で年内最終戦「FMWEホーム第10戦~OUT OF CONTROL」を開催した。「雷神矢口デビュー30周年特別試合」で大仁田、雷神矢口組は“巨漢双子”斉藤ブラザーズ(斉藤ジュン&斉藤レイ=全日本プロレス)に敗れ、世界タッグ王座への挑戦権獲得はならなかった。
全日本の11月29日、新宿FACE大会に来場した大仁田は「今度のFMWEは俺の盟友、雷神矢口選手のデビュー30周年記念試合。お祝いに世界タッグに挑戦させてもらえないか?」と要望。斉藤ブラザーズが「鶴見でオマエらが勝ったら挑戦させてやる」と条件を付けたため、この一戦が大仁田組にとっては挑戦権をかけた戦いになった。
試合形式は「地獄のデスマッチⅥ~北側有刺鉄線電流爆破+有刺鉄線地雷ボード爆破+電流爆破バット+邪道ロケット+電流爆破有刺鉄線ボード・タッグデスマッチ」。試合はいきなり場外戦となり、大仁田と弟レイ、矢口と兄ジュンが激しい乱闘を展開。リングに戻ると、4選手がもみ合うような形で有刺鉄線電流爆破に突っ込んで1発目の爆破。続いて、斉藤兄弟が爆破起動スイッチを押して、大仁田をコーナーに押し込むと邪道ロケットが直撃。大仁田はジュンに毒霧噴射で反撃。大仁田と矢口はレイにダブルブレーンバスター、ダブルDDOと好連係。斉藤ブラザースは場外の有刺鉄線地雷ボードに大仁田を落として大爆破。死力を振り絞ってリングに生還した大仁田だが、今度は斉藤ブラザーズが電流爆破バットを持って、サンドイッチする形でぶっ叩いて完全にダウン。その間に、斉藤ブラザーズは電流爆破有刺鉄線ボード上に矢口をダブル・チョークスラムで投げ捨てる。そして、ジュンが矢口に電流爆破バットをフルスイングしてトドメを刺した。
レイは「俺たちが勝ったぜ。今日俺たちが電流爆破に参戦するにあたって、賛否両論あってな。今日試合をして最高に楽しかったぜ。矢口選手、今日アンタの記念日なんだな。俺たちはアンタをボコボコにしてやった。また呼んでくれ」と勝ち誇った。
世界タッグ挑戦にたどり着けなかった大仁田は「世の中負けるときもたくさんある。悔しいこともたくさんある。だけど俺たちには明日があるさ!」と絶叫。
バックステージに戻った大仁田は「負けることもあれば、人生いやなこともある。負けたら悔しいから、いつか勝てばいいし。明日いいことがあると思って生きてる」とポツリ。今年は腹部大動脈りゅうが見つかってステント挿入手術を受け、左腕を骨折するなど苦難の1年となった。
来年はいよいよデビュー50周年記念イヤーに突入する。デビュー記念日の4月14日には本拠地・鶴見での大会も決まった。「俺と電流爆破やりたいと言うから、1月7日に後楽園ホールにウナギ・サヤカのところにあいさつに行こうかな。全日本には、同期の渕(正信)さんが50周年だから、後楽園に行く。その後はDDT(1月14日)でアジアタッグがある」と新年早々動き回る腹積もりだ。そして「来年50周年ということで、目指すは藤波辰爾さんをリングに上げたいと思ってます。藤波さんは猪木イズムを継承してますけど、僕は(ジャイアント)馬場さんにプロレスを教えられた人間ですから。馬場イズムと猪木イズムが戦ったらどうなるか。ぜひ上がってもらいたい」と藤波にラブコールを送った。
一方、快勝したレイは「さすがに今日はビビっと来た。回数も多かったし。俺たちが矢口選手をDOOMしちまったから、いい試合だったんじゃない。(電流爆破は)全日本でやらないんだったら、また(FMWEで)やりたいな」、ジュンは「前回全日本でやったときより火薬の量が多かった。電流爆破自体は賛成だが、俺はタイトルをかけては反対だ。機会があればまたやりたい」と再度の電流爆破参戦に前向きだった。