「女子プロレスラーは現代を生きるプリキュア」神取忍がスカウトした逸材がLLPW-Xから鮮烈デビュー!
21日、東京都・TDCホールにて井上貴子デビュー35周年イベント『ひとしずくの勇気』が開催。LLPW-Xが誇る大型新人・キャサリンがデビューを果たした。
井上貴子は1988年に全日本女子プロレスでデビュー。元祖アイドルレスラーとして人気となり、その後2005年にLLPWに入団。今に至るまで現役を続け、現在のアイドル出身レスラーたちに多大な影響を与え続けている。
1992年に風間ルミさんや神取忍らが旗揚げした『LLPW』を前身に、2011年に『LLPW-X』に改名し活動を行ってきた同団体。所属選手は神取忍、井上貴子の2名だけであったが、先月にはかつてアイスリボンでプロレスラーとしても活躍した総合格闘家・NØRIの所属が発表。さらに現役インストラクターで169cmの大型新人キャサリンのデビューが発表された。
キャサリンという名だが神奈川県出身の純日本人であり、大塚のゴールドジムに行こうとしていたところを神取忍から偶然スカウトされた逸材。
学生時代は水泳とダンスとサッカーを経験し、高校3年間は週7で女子サッカー部で汗を流した。その後大学進学後は趣味でフットサルを行いながらバンド活動などスポーツとは離れていたが、インストラクターとして就職後は趣味でジム巡りを行っていた。
コーチとして見てきた神取は「これからデビューなので、デビューする子の中ではこれだけのガタイの大きさとか、タッパのスケールの大きさとかは他の新人と比べても群を抜いてるからそこは自慢できるところ。あと見た目勝負ってあるじゃん?あとは新人というところでどこまでの気持ちを出していけるかというところだろうね」と評価。
貴子も「私から見て、荒削りではあるけれども頑張った結果が出てきてるなという感じはあります。デビュー戦なので、今までの努力と練習したもの、経験をすべてリングで出さないとダメじゃないですか?ここは完全に自分のすべてを出し切って、お客さんを楽しませるという事よりも、自分がほんとにデビューして気持ちよかった、プロレスラーになってよかった~って気持ちになってもらう事が1番だと思うので、2人にはそういう気持ちを味わってもらいたい。リング上でしか体験できない興奮が待ってるから。そういうプロレスの良さを自分が1番気がついてもらいたいなと思います」と思いを伝えていた。
親族一家がプロレスファンということで、親兄弟を含めて応援を受けてのデビューとなるキャサリン。LLPW-Xのある豊島区は区長がプロレス観戦を行い応援していることもあり、大塚から生まれるレスラーとして各方面から期待が集まっていた。
キャサリンのデビュー戦は、中森華子&NØRIvs薮下めぐみ&キャサリンのタッグマッチで実施。
キャサリンは入場後の選手コールを忘れてすぐにエプロンで控えてしまうなど緊張した初々しい様子を見せる。
試合はキャサリンとNØRIの対面に始まり、キャサリンはボディブローや右フックなどの鋭い打撃からボディスラムで叩きつけるなど豪快なパワーファイトを展開。薮下も黒帯攻撃でキャサリンのアシストに回って一気に優勢となり、キャサリンのデビュー戦初勝利に期待がかかる。
しかし、中森が高い壁として立ちはだかりキャサリンを蹂躙。キャサリンも必死のエルボー連打やドロップキックの連打を見せるが中森はビクともせず。
最後はNØRIとの一騎打ちの構図となり、NØRIが軽やかなドロップキックやスピンキックで連撃。キャサリンもレッグロールクラッチなどの丸め込みで粘りを見せるが、NØRIは中森とのサンドイッチ式サッカーボールキックからエアースーリヤ(※旋風脚)を叩き込んで3カウントを奪った。
試合後、ダメージも深く緊張も抜けないキャサリンは「明日から練習を1からし直します。すごい緊張したんですけど、たくさん応援してもらってすごい勇気をもらいました」と口数も少なく語る。
しかし、今後の目標について問われると「(女子プロレスラーは)現代を生きるプリキュアだと思いますので、皆様に勇気と元気を与える存在でいたいと思います」と力強い言葉とともに笑顔を見せた。
また、今大会ではLLPW-Xの練習生として3人が紹介。まだ中学生の「にこ」「わかな」に女子大生の「なつき」の3人がリングに上ってファンにその姿を見せた。
約5年間興行を行っておらず水面下に潜航する形となっていたLLPW-Xだが、今後はどんどん世の中に話題を発信する団体として再機動することになりそうだ。