「タイトルマッチの乱発が今のプロレスを面白くなくしてる!」王者からの逆指名を拒否した暴走女が”世間に響かないような試合”を批判!
17日、横浜ラジアントホールにてアイスリボン『横浜リボン2023・July』が開催。メインイベントではトトロさつきの持つICE×∞王座にYuuRI(ゆーり)が挑戦した。
今年の3月に安納サオリからアイスリボンのシングル王座・ICE×∞を取り返したトトロさつき。
若手で勢いのある星いぶき、外敵の宮城倫子(みやぎみちこ)、重量級同士のぶつかりあいとなったYappy(やっぴー)を倒し防衛ロードを進んできたが、先月24日のタッグ戦でトトロから勝利したガンバレ☆プロレスのYuuRIが「そのシングルのベルト、最近の週プロとかメディアとか、タイトル戦の扱い悪くなってませんか?所属選手がそのベルトを持つより、他団体の私が獲ったほうがもっと世界に発信していくことができるんじゃないですかね」と挑発し王座戦が決定していた。
試合が始まるとお互い髪を掴んで睨み合い、エルボー合戦からYuuRIがショルダータックルで突っ込むも、倍近い体重差があるためトトロは一歩も動かずにふっ飛ばしていく。
ならばとYuuRIはコーナーに駆け上がり、落下エネルギーを味方につけたミサイルキック。さらにサッカーボールキックや619と得意の蹴り技で攻め立てていくが、トトロは力任せにブレーンバスターで叩きつけるとカミカゼからダイビングセントーンと圧殺。これで終わりかと思われたが、YuuRIが会場に音が響き渡るほどのヘッドバッドを叩き込んでふらつかせる。
トトロは仕切り直してラリアットで叩き伏せていくと、必殺の動くこと雷霆の如し(=片翼の天使)で突き刺しフォールもYuuRIが丸め込むも2。
動揺したトトロにYuuRIはバズソーキック連発からスワントーンボムを投下し3カウントを奪った。
デビューから2年8ヶ月でベルト初戴冠となり、現存する女子プロレス団体で一番の老舗団体でシングル王者となったYuuRIは「ずっと弱くて弱くて、勝てなくて勝てなくて、負け続けてばっかの泣き虫の奴だったんですけど、こうやってちゃんとベルトという形に残せたこと、ほんとに自分にとって大きな大きな成長の証だと思ってます」と号泣。
トトロは抱きしめてグータッチし健闘を讃えるも、YuuRIが次期挑戦者に"取り扱い注意”の暴走女・海乃月雫(うみのつきな)を指名すると会場の空気が一変する。
マイクを持った海乃は「常々言ってますけど、私”プロレスでハッピー”にベルト必要ないと思ってるんですよね。トトロさん、今日負けてハッピーでした?飛香さんひなたさん、復帰再デビューおめでとうございます。お二人も今日負けてハッピーでした?タイトルマッチってプレッシャーなかったらもっと復帰戦楽しくできたんじゃないですかね?別にベルトとか、タイトルマッチとかなくても、ドラマって生まれると思うんですよ。なんですけどいまあるのってタイトルマッチと前哨戦だけなんですよね。ベルトがドラマをお膳立してくれるからって、戦いの流れをつくることを怠ったり、世間に響かないような試合をして・・・YuuRIさんおっしゃってましたよね?マスコミの扱い悪くなってんじゃないって。そりゃマスコミも離れますわな!それどころかお客さんも離れていきますわ!今のプロレス界、1年間でどんだけタイトルマッチあるんすかね?殆ど世間に届かないタイトルマッチもあると思いますよ。そういうタイトルマッチの乱発が!今のプロレスを面白くなくしてると思うんですよ私は」と、アイスリボンの根幹のみならずプロレス界全体の流れを否定し波のようにまくしたてる。
ガミガミとした剣幕を受け止めたYuuRIは、7月30日の利府大会でノンタイトルでのシングルマッチをすることを受け入れた。
再デビューから数えるとわずかキャリア8ヶ月しかない海乃がぶち上げた業界批判。この渦がどのように世間に響くのか、YuuRIとのシングルマッチの反響に注目が集まる。