「この王座を父、母、テリー・ファンクに捧げる」四天王プロレスに憧れたエディ・キングストンが13歳の頃からの夢を叶え新日本プロレスで王座戴冠を果たし漢泣き!
5日、東京都・後楽園ホールにて、『レック Presents NJPW STRONG INDEPENDENCE DAY』が開催され、エディ・キングストンがKENTAを破ってSTRONG無差別級王座戴冠を果たした。
2020年8月、コロナ禍の中で誕生した『NJPW STRONG』は新日本プロレスが製作しているアメリカのプロレス番組。無観客試合から始まったNJPW STRONGだが、LA DOJOの選手のみならずアメリカの実力者が集っていき、今では“もう1つの新日本プロレス”、“アメリカの新日本プロレス”と呼ばれるまでに成長。新日本のリングでも各タイトル戦線に常に絡み続けるなど強い存在感を放っている。
今回は、NJPW STRONGが日本初上陸し、4日&5日の2DAYSで後楽園ホール大会を実施することに。5日のセミファイナルでは、KENTAvsエディ・キングストンのSTRONG無差別級王座戦が実施された。
エディは13歳で初めて新日本プロレスを見たときから新日本マットに上がる夢を持ち続け、数多のインディー団体での活躍の末に現在はAEW所属。尊敬するプロレスラーとして四天王(三沢光晴、川田利明、小橋建太、田上明)の名を挙げており、コスチューム、ファイトスタイル、技のチョイスやフォームといった端々からも四天王の影響が強くうかがえる。
エディは、KENTAの持つSTRONG無差別級王座に挑戦が決まってからは、四天王の系譜にあたるKENTAを強く意識。前日の前哨戦では日本のプロレスファンにとってはどこか懐かしいムーブの数々や気持ちのこもった熱いファイトで場内を沸かせ、一気に観衆の心を掴んでいた。
ゴングが鳴ると、KENTAはのらりくらりとした態度で中々触れ合わずエディの顔面に張り手。怒ったエディを場外に誘い込んで鉄柵を使ったアームロックから容赦のない腕へのミドルキック連打でエディの右腕を徹底破壊。
場内は「レッツゴー!エディ!」のコール一色。声援を力に変えて立ち上がったエディは、袈裟斬りチョップの連打からエクスプロイダー。さらにバックドロップからハーフネルソン・スープレックスを狙うが、KENTAがレフェリーを引っ掴んで転倒させたり、本部席から持ち込んだSTRONG無差別級のベルトで殴りかかったりと反則三昧。
エディはベルトを奪って本部席へと返却するも、その間にKENTAはもう一本のDEFYのベルトを持ち出してエディを殴打。KENTAはダイビング・フットスタンプからgo 2 sleepを狙うが、エディはストレッチプラムで切り返す。KENTAは、バックフィスト・トゥ・ザ・フューチャー(※裏拳)をかわしてローリング袈裟斬りチョップ。さらに張り手を猛連打してエディをダウンさせる。
しかし、エディは折れること無くKENTAのgo 2 sleepをかわしてジャンピング・ハイキックを叩き込み、バックフィスト・トゥ・ザ・フューチャーから強烈なラリアット。さらに顔面への前蹴り連打からバックフィスト・トゥ・ザ・フューチャーを叩き込み、最後はノーザンライト・ボムを決めて3カウントを奪った。
エディは歓喜の涙を流し、盟友・ホミサイドと抱き合って大喜び。場内は大歓声&エディコールで見送った。
バックステージに戻ったエディは、「これは3人の人に捧げられるものだ。母、父、そしてテリー・ファンク。俺にとって史上最高の人たちだ。俺は、俺はこの瞬間を夢に見てきた。ここで涙は流したくない。感情を爆発させたくない。でも21年戦ってきた。皆、納得できないことに面することがある。自分の時間を無駄にしていると感じることがある。世界中の子どもたちに伝えたい。俺は本来、ここにいる人間じゃないんだ。俺はバカなことをやってるストリートキッドだった。誰かに殺されてもおかしくない、刑務所に入っていてもおかしくないヤツだった。でも、そうはならなかった。なぜならプロレスが、日本のプロレスが俺を支えてくれたからだ。俺にできたのだから、誰にだってできる。ほかに俺が言えることは何もない。ただ感謝したい。真剣に命をかけてこの王座を守る」と目に涙を浮かべながら真摯な気持ちを語った。