全日本5.6後楽園大会 曙&吉江vs.潮崎&宮原の世界タッグ戦、金丸&ウルティモvs.秋山&SUSHIのアジアタッグ戦、Evolution対決
2015 スーパーパワーシリーズ【開幕戦】
日時:2015年5月6日(水・祝)
開始:12:00
会場:東京・後楽園ホール
観衆:711人
▼第1試合 シングルマッチ 20分1本勝負
○野村直矢
6分03秒 逆エビ固め
●青柳優馬
▼第2試合 シングルマッチ 20分1本勝負
○渕正信
11分16秒 首固め
●井上雅央(フリー)
▼第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負
鈴木鼓太郎/●中島洋平
8分04秒 ニールキック→片エビ固め
○石井慧介(DDT)/梅田公太(DNA)
▼第4試合 シングルマッチ 30分1本勝負
○大森隆男
7分08秒 アックスボンバー→片エビ固め
●KENSO
▼第5試合 Evolution対決 スペシャルタッグマッチ 60分1本勝負
○諏訪魔/青木篤志
14分36秒 ラストライド→体固め
ジョー・ドーリング/●佐藤光留(パンクラスMISSION)
▼第6試合 アジアタッグ選手権試合 60分1本勝負
[王者組]○金丸義信/ウルティモ・ドラゴン(闘龍門MEXICO)
19分40秒 ブルーサンダーを切り返す→片エビ固め
[挑戦者組]秋山準/SUSHI
※第97代王者組・金丸&ウルティモが初防衛に成功
▼第7試合 世界タッグ選手権試合 60分1本勝負
[王者組]曙/●吉江豊(フリー)
23分00秒 パッケージ・ジャーマンスープレックスホールド
[挑戦者組]潮崎豪/○宮原健斗
※第69代王者組・曙&吉江が初防衛に失敗。潮崎&宮原が第70代王者組となる
吉江の巨体を見事に投げて世界タッグ初戴冠の宮原が諏訪魔“専務”の行動を批判!
藤田和之は現れず!されど同門対決で絆を深めたEvolutionは対IGFに向け一致団結
オープニング
大会開始前に4月27日に逝去されたバーンガニアさん(享年89)、4月28日に逝去された阿修羅原さん(享年68)をしのんで、追悼セレモニーが行われた。ガニアさんの遺影を持った渕、原さんの遺影を持った和田京平レフェリーを先頭に、出場選手がリングサイドに集合。
村田アナがガニアさんと原さんの経歴を読み上げたあと、追悼の10カウントゴングが鳴らされたあと、原さんが入場曲に使っていた『阿修羅』が鳴り響いた。
第1試合
腕を取ってからヘッドロックに移行した野村だが、ロープに押し込んでいった青柳は離れ際にエルボー。野村もエルボーを返していくと、トーキックから再びヘッドロック。ロープに飛ばした青柳だが、野村はショルダータックル。アームホイップを返した青柳はドロップキックからストンピング。
走り込んできた青柳にカウンターエルボーを見舞った野村。青柳はボディスラムを狙ったが、うまく逃れた野村はドロップキックから逆にボディスラム。そこから逆エビ固めに捉えるが、青柳はどうにかロープに逃れる。
野村はエルボーから「よっしゃいくぞ!」と叫んでノビのある串刺しジャンピングエルボーからノーザンライト・スープレックス。しかしロープに飛ばされた青柳もフライング・フォアアームを返すとドロップキックからコーナーに登ってダイビング・クロスボディー。さらにフィッシャーマンズ・スープレックスでカウント2まで追い込む。
エルボーを打っていく野村だが、エルボーを連発していった青柳。しかし野村は突進してきた青柳をショルダースルーで投げる。青柳も首固めで丸め込むがカウントは2。ならばとロープに飛んだ青柳だが、野村は顔面にドロップキックを叩き込むとブレーンバスター。そこからもう一度逆エビ固めに捉えると、青柳はタップアウト。
<試合後コメント>
野村直矢
ーー今日はいつもよりもドロップキックを効果的に使っていたという印象でしたが。
「はい。相手の隙を突いたというか、隙があったんでドロップキックで一発逆転でやりました」
ーー特に最後のフィニッシュにつながるドロップキックはかなり有効だったと……
「あれはかなりダメージがあったと思います」
ーー青柳選手は自分でもドロップキックは得意技と言っていますので、その辺の意地もあったのではないでしょうか?
「そうですね。意地の張り合いというか、気持ちでは絶対負けないつもりでやりました」
第2試合
ガッチリ握手を交わしてから試合開始。ロックアップからロープに押し込んだ井上はクリーンブレイク。再びロックアップすると、今度は渕がロープに押し込み、井上のお腹をポンと叩いてブレイク。そこから腕を取って捻っていった渕だが、井上がハンマーロックで切り返すとすぐにロープエスケープ。
背後に回った渕は再び腕を決めていくとショルダーアームブリーカー。井上もハンマーロックで切り返すが、渕は素早くロープに逃れる。反撃しようとしてもすぐに逃げられる井上は「なんでだよぉ」とぼやく。
渕はトーキックからボディスラムを狙うが、踏ん張る井上に観客から空気を読め的な感じで「マサオ〜」という声が飛ぶ。すると渕はサミングからボディスラムを決めるが「結構重たいぞ」とぼやく。それでも井上を持ち上げると、滞空時間の長いボディスラム。観客の「もう一丁」というコールに応えて3発目のボディスラムで叩き付けた渕は、続けてドロップキック。
たまらず場外にエスケープした井上だが、これ幸いとばかりに渕も座り込んで休憩。エプロンまであがってきた井上にドロップキックをする素振りを見せて牽制する渕。そのせいでなかなかリングに戻れない井上。
渕がエプロンに出ようとすると、リングに入ろうとする井上。しかし渕が素早くリングに戻り、ようやく井上がリングイン成功。すかさずサミングを見舞った井上は、その場での連続串刺しラリアットからブレーンバスターを狙うが、踏ん張った渕は首固めで切り返す。首固め3連発をどうにかカウント2で返した井上は場外にエスケープ。
しかし渕も場外に出て井上をリングに戻してからの首固め。これもカウント2で返した井上は再び場外へ。だが、渕は井上をリングに戻すと、やっぱり首固め。これも返して場外にエスケープした井上だが、渕も疲れた様子で井上をリングに戻しての首固め。
これを逆に首固めで切り返した井上だが、カウント2で返した渕は場外にエスケープ。今度は井上が渕をリングに戻し、「よっしゃ、もらったー!」と叫んでから首固めを狙うが、先に渕が首固めで丸め込んで3カウント。
第3試合
鼓太郎の持つ世界ジュニアヘビー級王座への挑戦が決まっているDDTの石井慧介が、これが全日本初参戦となるDNAの梅田公太とタッグを組んで鼓太郎と前哨戦を行う。入場してくるXceedを子供たちが花道で迎え入れる。
いきなり鼓太郎vs.石井で試合開始。ショルダータックルでなぎ倒した鼓太郎は、石井の亜アームホイップからのサマーソルトドロップをかわすが、石井はアームドラッグで投げていく。ここで中島と梅田がリングイン。スピーディーなロープワークからお互いにアームドラッグで投げると、梅田がコルバタで中島を投げていく。
場外に出た中島だが、リングに戻ると梅田はチョップ。中島も逆水平チョップを返すと,串刺しドロップキック。続いて鼓太郎がカウンターエルボーを叩き込むと、敢えて梅田のミドルキックを受け止めてからロープに飛ぶ。しかし梅田はカウンターのミドルキックで蹴り倒す。さらにブレーンバスターを狙った鼓太郎を逆に投げていった梅田。
しかしその場跳びドロップキックを弾き飛ばした鼓太郎はロープに飛ぶ。カウンターのドロップキックで迎撃した梅田は石井にタッチ。フロントキックを連打していった石井はDDTからサマーソルトドロップ。さらに立ち上がろうとする鼓太郎の側頭部にベースボール・スライド(=スライディング式ドロップキック)。
エルボー合戦からロープに振った石井だが、鼓太郎はビット(=ハンドスプリング・エルボー)から串刺しジャンピングニーを叩き込むと地獄の断頭台。バックを取った鼓太郎だが、エルボーで脱出した石井。しかし鼓太郎はカニ挟みからファンネル(=619)を叩き込むと、肩口に担ぎ上げる。背後に逃れた石井は、続く串刺し攻撃をかわして背後に回るとジャーマンで投げ捨てる。
しかしニールキックを腕でブロックした鼓太郎はエルボー。石井も投球フォームからのチョップを返すが、鼓太郎は掌底アッパー。だが、石井は返す刀でジャンピングハイ。タッチしようとする石井だが、中島が控えの梅田にドロップキックを見舞って阻止。
石井にミサイルキックからバックドロップを決めた中島はダイビング・フットスタンプを投下。カウント2で返した石井は中島のスピンキックをかわして投球フォームからのチョップ。だが、中島も石井のジャンピングハイをかわして延髄斬り。さらにミドルキックからロープに飛ぶが、石井はフロントキックからロープに飛ぶ。トラースキックで迎撃した中島はスピンキック。
かわした石井はスクールボーイで丸め込むがカウントは2。ならばと顔面にニールキックを叩き込んで3カウントを奪った。試合後、鼓太郎と石井は睨み合い。世界ジュニア戦まで待ったなしといったところだ。
<試合後コメント>
石井慧介
ーー前哨戦で見事に勝利をおさめました。
「まぁ相手にプレッシャーをかける意味でもよかったんじゃないかと。ただ前回と違ってさすがチャンピオンというか、ニールキック対策磨いてきたなと。あのガードはやっぱ、自分のニールキックに威力がある分、非常に効きましたね。あのガードはやっぱ気をつけないと。でも今日どんなもんか見れたんで、ニールキックの強化。ガードされてもガードごと吹っ飛ばす。ガードできなかったら確実に一撃で仕留める。自分の必殺技を21日までに磨きたいと思います」
ーー鼓太郎選手も石井選手に対しては警戒というか、下に見ることなく来ているなと感じましたが。
「そうですね。やっぱさすがチャンピオンというか、絶対に油断はしてこないと思うんでね。倒せるように」
ーー中島選手からは石井選手に対するジェラシーを強く感じましたが。
「まぁでも、今日きっちり倒したんで。僕は鼓太郎さんに集中したいんで。世界ジュニア獲れるように集中するだけです」
ーー今日のパートナーの梅田選手にはこの後アドバイスもされるかと思いますが、どのような言葉をかけますか?
「まだキャリア半年で、全日本の後楽園に出られるというのはすごい経験だと思うし、自分も全日本に出続けて成長した部分があるんで。彼もいろいろ吸収して帰ると思います」
第4試合
ロングガウンを客席に放り投げたKENSOはGAORA TVチャンピオンシップのベルトも放り投げる。するとKENSOは大森に握手を求めていく。当然躊躇した大森だが、熟考の末に握手に応じると、KENSOは張り手をお見舞い。そのまま大森を場外に連れ出して鉄柵に投げつけると、イスで殴打していく。
客席に雪崩れ込んでいったKENSOは大森をひな壇席に叩き付ける。大森もチョップを打っていくが、張り手を返したKENSOはイスの山の上にブレーンバスターで叩き付けていく。さらに大森を応援するちびっ子に向かって「大森大森、うるせぇんだよ」と一喝。
朦朧としながらリングサイドまで戻ってきた大森はどうにかリングに戻るが、KENSOは全体重を乗せたラリアットでなぎ倒す。そこからコーナーに登っていくが、追いかけていった大森は雪崩式ブレーンバスターを狙う。KENSOも逆に投げようとするが、最終的に投げたのは大森。
しかしすぐに立ち上がったKENSOは逆水平チョップ。大森もチョップを返していくと、チョップ合戦からフロントキック。倒れないKENSOにニールキックを叩き込んでようやくなぎ倒した大森はバックドロップ。
そしてアックスボンバーを狙ってロープに飛んだ大森だが、逆にカウンターラリアットでなぎ倒したKENSOはダブルニードロップを投下。これをかわして自爆させた大森はアックス・ギロチン・ドライバーで叩き付ける。カウント2でどうにか返したKENSOだが、大森はアックスボンバーを狙う。ラリアットの相打ちに持ち込んだKENSOは、走り込んでくる大森に腰紐でのチョーク攻撃を狙ったが、読んでいた大森はフロントキック。
さらに後頭部にラリアットを叩き込むと、正面からダメ押しのアックスボンバーを叩き込んで3カウント。試合後、KENSOに近づいていって何やら語りかけた大森は握手を求める。何とそれに応じたKENSOは大森の肩に担がれて退場していった。
<試合後コメント>
大森隆男、KENSO
大森「DKが全日本にケンカを売った。今まで(KENSOは)好き勝手にやってきたけどさ、お前の闘い方に俺はちょっと興味があるんだよ。考えてみてくれ」
ーーKENSO選手も思うところあって、大森選手の差し伸べた手を握り返したと思うのですが?
KENSO(長い沈黙の後)「……俺の背中には4人の(DKの)メンバーがいる。そのメンバーを生きながらえさせるためにも、そのメンバーのためにも大森とは手をつなぐ必要がある。軍団の長として、今日は握手した。それは別に突発的なものではなく、深く考えて深く考慮して。……俺の背中にはDKのメンバーがいる。だから握手した。以上」
第5試合
前日、IGF大阪大会に単身乗り込み、対戦を希望している藤田和之と睨み合った諏訪魔だが、シリーズ開幕戦ではEvolution同士のタッグマッチを行う。諏訪魔は入場の際、IGF側のために用意していた席をチラリ。そこに誰も座っていないことを確認し、憮然とした表情でリングへ。
同門対決ということで4者握手を交わし、青木vs.光留で試合開始。タックルを仕掛けた光留はテイクダウンを奪うが、足をすくってスイープした青木。バックの取り合いからロープに押し込んだ青木はクリーンブレイク。もう一度タックルを仕掛けた光留だが、コーナーまで押し込まれた青木は諏訪魔にタッチ。すると諏訪魔はドーリングを睨み付ける。
光留がドーリングにタッチするとロックアップからロープに押し込むが、体勢を入れ替えた諏訪魔はクリーンブレイク。再びロックアップするとまたもロープに押し込んだドーリングは離れ際にエルボー。そこからエルボー合戦になると、諏訪魔はヘッドロック。ロープに飛ばしたドーリングにショルダータックルでぶつかっていった諏訪魔だが、ドーリングは倒れない。
逆にショルダータックルで諏訪魔をなぎ倒したドーリングは光留にタッチ。ミドルキックを蹴っていった光留はローを織り交ぜながらバチバチと蹴って行く。光留を睨み付けた諏訪魔は強烈なエルボーで光留を吹っ飛ばす。光留を引き起こして下から蹴り上げた諏訪魔は、さらに顔面も下から蹴り上げる。
光留も立ち上がってミドルキックを連打。意地で諏訪魔に尻餅をつかせた光留はタックルを仕掛けるが、強引にブン投げた諏訪魔は場外に放り出すと鉄柵に投げつける。さらに客席まで行って藤田が座るはずだったイスを怒りの形相で手にした諏訪魔は、そのイスで光留を何度も殴打。
光留をリングに戻して踏みつけた諏訪魔は「もうダメだな。もう終わり」とつぶやく。それでも立ち上がってチョップを打っていく光留だが、ダブルチョップで吹っ飛ばした諏訪魔はレフトハンドラリアットを叩き込むとブレーンバスターの体勢に。
だが、踏ん張った光留は逆に投げていくと、ようやくドーリングにタッチ。串刺しラリアットからショートレンジラリアット、エルボードロップと続けたドーリングはランニング・ブレーンバスターで叩き付ける。ファイアーマンキャリーで担ごうとしたドーリングだが、背後に逃れた諏訪魔はスリーパー。
ドーリングもパワーボムの体勢に。しかし諏訪魔がリバースで切り返すと、青木とトレイン攻撃。10分が経過し、青木がダイビング・ボディプレスを投下するとブレーンバスターの体勢。これは持ち上がらないと諦め、ドロップキックのスイッチした青木。しかしドーリングはショルダータックルで吹っ飛ばすと、光留とのダブルタックルをお見舞い。
さらに光留は串刺し式ミドルキックから、青木のドロップキックをキャッチしたアンクルホールド。。前転した青木は腕十字を狙うが、光留はアキレス腱固めで切り返す。延髄斬りで逃れようとした青木だが、その蹴り脚をキャッチした光留はアンクルホールド。そこからバックドロップで投げた光留は腕十字へ。
ロープに逃れた青木は右腕だけでエルボー合戦を挑むが、左腕を蹴っていった光留。青木も光留の左腕にエルボースマッシュを叩き込むと、蹴り飛ばしてから諏訪魔にタッチ。光留は左右の張り手から蹴りの連打で向かっていくが、ダブルチョップで迎撃した諏訪魔はジャーマンで投げ捨てる。
そしてラストライドを狙うが、光留はフロントネックロックで切り返す。だが、そのまま持ち上げた諏訪魔はアバランシュホールドで叩き付けて脱出すると、ローリングラリアットを叩き込む。カウント2で返す意地を見せた光留だが、諏訪魔は豪快なラストライドで叩き付けると馬乗りフォールで3カウント。
大の字に倒れたままの光留の頬を張って目を覚まさせる諏訪魔。諏訪魔と青木で光留を引き起こすと、最後は同門対決らしくノーサイドで健闘を称え合う。諏訪魔とドーリングも握手を交わすが、結局藤田をはじめとするIGF勢が姿を現すことなく、諏訪魔は用意した席を一瞥してから引き上げていった。
<試合後コメント>
Evolution
ーーまずは試合から振り返っていただきたいのですが、Evolution対決ということである意味理想の闘いができたのではないでしょうか?
諏訪魔「やっぱこうやって激しくぶつかり合うプロレスというのを俺は全国どこでも見せていくというか。そういう意味では同じ価値観を持っているので非常にやりがいがある。唐突に組まれたカードだけどリングでは充実感というのが一番かな。ただ今日、俺がわざわざ大阪のIGFにチケット持って行ったんだよ、2枚もよ。その誘いをこうやってスカす。俺は純粋に一レスラーとして藤田和之と闘いたい。昨日はチケットとともにサイモン(ケリー猪木IGF取締役)にことづてしたんだよ。それが伝わってないのか、あえてスカしてるのか、やる気がねぇのか! なんだ逃げてるのか。俺はもう決心固まってるんだよ。それをこうやってスカすというね。なんの連絡もなしにね。逃げてるんじゃないかよ。藤田和之のやり方はどうかと思う。昨日さんざん試合終わって、いや試合中から向こうが『やってやる、やってやる』ってまくし立ててたよ。それを今日になって、冷静になってやっぱやりませんって。そういうやり方はどうなんだと」
ーー実際に藤田選手の試合を見て、あらためて魅力は感じましたか?
諏訪魔「当然、日本人であの体。激しく当たる打撃だとかタックル。レスリングだって実績あるし。当然やりたくなるよ、いちレスラーとして。それをこういうかたちで人の気持ちを踏みにじる。そういうのはどうなのかなって思うよ。藤田和之、サイモン。この2人だけは絶対に許さない。馬鹿にしてるよ。人をさんざん呼んでおいて。俺は交通整理をしてから行ったんだぞ。そういう準備はできてたんだよ。それにそれを楽しみにしている全日本のお客さんだっているんだよ。お客さんの気持ちを踏みにじるのはよくないんじゃないの? お客さんも見たいと思ってるから、俺もやろうと思ったんだから。その辺に対しての回答を俺は求めるよ。変なやり方なんてしなくていいよ。藤田和之、サイモン。このままじゃニコイチだよ」
ーーこれから諏訪魔選手と藤田選手の個人闘争の枠を超えて、IGF対Evolutinといったかたちになる可能性はあるのでしょうか?
諏訪魔「それはわかんないね。わかんないけど、俺には信頼できるストロングな仲間がいるんだよ。まだまだ考えられないね、俺はね。周りの人間に聞いてみればいいんだよ」
ーー青木選手にとってIGFは未知の世界かと思うんですけど……
青木「未知じゃないよ。俺は2回出ているんだ」
ーー失礼しました。実際これからやるとして、魅力を感じるかという意味ではいかがでしょう?
青木「団体にはないな。悪いけど。あるとしたら1人くらい。それ以外ない」
ーーその名前は今は言わないというところですか?
青木「わかんだろ、そんなの」
ーー諏訪魔選手からするとやるのかやらないのかはっきりしろと?
諏訪魔「昨日あれだけまくし立ててるんだ。ただ俺はああいう場で、はっきり決めろって俺は思ったよ。だから冷静になってここに来て考えてくれと。サイモンに返事もらおうと思ってたんだよ。それをこういうかたちでスカすって……。逃げたとしか思えねぇ」
光留「大丈夫ですよ。青木さんは(出場したのは)2回でしょう? 俺は6回出てるから。絶対諏訪魔さんの方が強いから。大丈夫ですよ。もしなんかあったら僕も行きますよ! 仲間だっていったでしょう」
諏訪魔「……まぁね。こうやって言ってもらえるというのはありがたいよ。俺一人で暴走してる感があったかもしれない。だけどこうやって仲間が理解してくれている。さっきジョーとも話したらOKと言ってくれた。ただまずは俺と藤田がやらないと始まらないんだ。俺はそう思う。以上です」
第6試合
曙とのタッグでアジアタッグ挑戦を目論んでいたSUSHIだが、曙はチャンピオン・カーニバルで優勝し、三冠奪取に専念したいということで、SUSHIは秋山にパートナーになってほしいと懇願。秋山から封印していたブルーサンダーも解禁され、満を持してアジアタッグに挑戦する。
やる気十分のSUSHIは新マスク&新コスチュームで登場。頭の上の寿司も心なしかjyっかん大きくなったような……。先発を買って出たSUSHIはウルティモをグラウンドに持ち込むが、ウルティモがぎゃくにリバースのデスロックに捉えるとロープに脱出。
手四つの力比べで押し込んでいったSUSHIだが、ウルティモは後転して下から捻り上げると金丸にタッチ。SUSHIも秋山にタッチしてバーニング対決に。ショルダータックルでなぎ倒した秋山は腕を取ってハンマーロックに捉えると、ヒザを支点してさらに絞りあげる。
続いてSUSHIがショルダーアームブリーカー。金丸もエルボーを返すと延髄斬り。しかしヘッドロックに捉えたSUSHIはロープに飛ばされるとショルダータックル。金丸もカウンターのドロップキックを返すと、スワンダイブを狙ったSUSHIをドロップキックで迎撃して場外に落とす。
すかさずウルティモが鉄柵に叩き付けると、金丸も降りてきたフロントキックからボディスラム。さらにサッカーボールキックを叩き込んでからリングに戻るとウルティモにタッチ。カウンターエルボーからスタンディングクラッチに捉えたウルティモ。金丸はエルボー合戦からエルボースマッシュでカチあげると、控えの秋山にドロップキック。
そこから場外に出て鉄柵に投げつけると、鉄柵の上に乗ってレッグドロップを投下。リングに戻って串刺し攻撃を狙うが、SUSHIがかわしてエプロンに出ると、ロープ越しのショルダーネックブリーカー。そこに秋山が走り込んでランニングニー。
さらに秋山はそのまま場外に出てウルティモを抱え上げて鉄柱に叩き付けると、金丸も鉄柵に投げつけてからボディスラム。SUSHIも場外に出て金丸をボディスラムで叩き付けてからリングに戻す。そして秋山とダブルのカウンターエルボーを叩き込むと、秋山がキャメルクラッチに捉えたところに。SUSHIが顔面への低空ドロップキックで合体。
10分が経過し、SUSHIはシャチホコ気味の逆片エビ固めに捉える。どうにかロープに逃れた金丸はエルボー合戦からパントキック(=下から顔面を蹴り上げる)、ドロップキック。
タッチを受けたウルティモは串刺しラリアットからショルダースルーで投げると、ロー、ミドル、ローリングソバットと叩き込んでからラ・マヒストラル。これは秋山がカットして羽交い締めに。そこにSUSHIがラリアットを放っていくが、ウルティモがかわして秋山に誤爆。すかさずウルティモはSUSHIに裏足4の字固め。どうにかロープに逃れたSUSHIだが、ウルティモはリバースのインディアンデスロックからSUSHIの両腕を掴んで反転。
カウント2で肩をあげたSUSHIはウルティモがブレーンバスターを狙ったところを逆に投げようとしたが、背後に逃れたウルティモは延髄斬り。しかしSUSHIもニールキックをニールキックで迎撃して秋山にタッチ。
15分が経過し、お互いに相手の攻撃をかわしていくが、バックを取られた秋山は急所蹴りからダイビング・クロスボディー。しかしディープ・インパクトを急所蹴りで迎撃した秋山に、SUSHIが「俺にくれ!」と懇願。秋山がタッチすると、SUSHIは金丸にラリアットを叩き込んでから、秋山がランニングニー。SUSHIはダイビング・ヘッドバットを投下すると、リバースブレーンバスターのようなフェースバスターからムーンサルトプレス。
これをかわして自爆させた金丸はウルティモとのトレイン攻撃からダイビング・ボディプレスを投下。さらにディープ・インパクトを決めるがカウントは2。ならばと垂直落下式ブレーンバスターで叩き付けるが、すぐに立ち上がったSUSHI。金丸のラリアットにも後退せず逆にラリアットを叩き込むと、スシサンダー(=ブルーサンダー)の体勢に。これをカットしたウルティモはソバットからアサイDDTの体勢に。
秋山がカットに入り、ダブルラリアットで秋山とウルティモを吹っ飛ばすと、金丸にランニングニーからエクスプロイダー。続いてSUSHIがカツオの一本釣り(=フィッシャーマンバスター)で叩き付けると、TEEKAMAKI(=レインメーカーの動作→エビ固め)。
金丸がエビ固めで切り返すがカウントは2.SUSHIはチンクラッシャーからトラースキックを叩き込むと、満を持してスシサンダーを狙ったが、金丸はこれを巻き投げ固めで切り返して3カウント。
SUSHIの健闘空しく金丸&ウルティモが初防衛に成功。マットを叩いて悔しがるSUSHIだが、秋山は何やら言葉をかけると「惜しかったよ」という感じでポンと頭を叩いた。
<試合後コメント>
金丸義信&ウルティモ・ドラゴン
ーーSUSHI選手の頑張りはいかがでしたか?
金丸「今までにはない、全日本に戻ってきてあれだけ頑張ったSUSHIは初めて見た。最後は危ない部分もあったけど、普段からやってることが違うんで。まだまだベルトは渡せないです」
ーータイトルマッチだけ頑張っても意味はないと?
金丸「そうですね。やっぱりあれだけのことを言ってきて、パートナーが秋山さんだったんで、本人も締まったんじゃないですか? やっぱり俺も秋山さんと組んで覚えたこともあるんで、どんどん組んでやった方がSUSHIのためにはなるでしょう」
ーー今回が初防衛戦ですが、あらためてパートナーとしてのドラゴン選手はいかがでしたか?
金丸「そうですね。リング上で安心して任せられるところは任せられて。このまま防衛回数を伸ばせると思うんで」
ーードラゴン選手にとっては体の負担はともかくとして、秋山選手とタイトルを争うという今まで見られなかった……
ウルティモ「そうですね。今までにない、最初にSUSHIが挑戦表明してきた時に、誰連れてくるんだって話しじゃないですか。最初は金丸くんと誰が来たって同じだろうという話をしたんですけど、まさかね、まさか秋山準が出てくるなんて夢にも思わないじゃないですか。それはやっぱり底力も自分と全然違うし、一瞬内心ビビッているところもあったんですけど、自分らの方がタッグ組んでるのは長いんで。もちろん本来はシングルプレイヤーですけど、向こうチームはSUSHIがまだまだ。ただ秋山社長としても経験を積ませるために、もっともっと上に上がってほしいという意味も込みでね。タイトルも欲しかったと思うんですけど、全日本にとってはいいことじゃないですか。だから秋山社長と若いのが組んで挑戦してくるなら、その時は僕らが壁になっていいと思う。本当に今日は秋山準に感謝しています」
ーーこれからも例えばジュニアタッグであったり、今日のようにヘビーの選手と戦ったりと、いろんなバリエーションの闘いを見せてくれるチームだなと思いましたが。
金丸「そうですね。ジュニアの2人がベルトを巻いていますが、ヘビーの相手でもいいし、ヘビーとジュニアというパターンもあると思うし。いろいろなパターンがあるだろうけど、どんな相手でも来るからにはきっちりと試合内容を作って、その先には勝つと」
ウルティモ「あと世界タッグでは見せられない世界を金丸とウルティモ・ドラゴンで。世間的には世界タッグの方が上だと思われてるかもしれないけど、そんなことないよな? 自分らが新しい世界、新しい価値観を築いていく。全日本では世界タッグが上にあるっていう前提でやってますけど、別にそういうつもりはないんで。もちろんヘビー級の選手とまともにやったらアレですけど、僕らで世界を作ってどれだけお客さんを沸かすか。防衛はどんな手を使ってもできる。相手が10と10で20なら、僕らは10と10で40でも50にでもなる。僕らにしかできない世界が作れる」
ーードラゴン選手には素晴らしいタイトル歴がありますが、ほとんどがシングルのベルトです、タッグのベルトでもウルティモ・ドラゴンの世界を見せてもらいたいなと。
ウルティモ「それは金丸義信がパートナーなんでね。もっともっとすごい世界が築けていけるかなと。これは2人で作るものですから。でもパートナーが金丸ですから、逆にこちらからお願いしたい。これからは壁にもなっていかないといけないし」
第7試合
チャンピオン・カーニバルで悲願の初優勝をし、今シリーズ最終戦5.21後楽園での三冠挑戦が決定したが、王者・潮崎は曙の持つ世界タッグ挑戦を逆要求。そこでこの開幕戦で曙&吉江の持つ世界タッグ王座に潮崎&宮原が挑戦する。
三冠のベルトを腰に巻いて入場した潮崎。一方、世界タッグの2本のベルトを高々と掲げた曙はそのまま潮崎に詰め寄り見下ろしていった。
王者組は曙が先発で出て来ると、潮崎は宮原を下がらせ先発で出て行く。いきなり潮崎を突き飛ばした曙。ロックアップからもう一度突き飛ばした曙は、一気にロープまで押し込むが、潮崎も詰め寄って睨み付けると逆水平チョップ。すると曙は張り手を返す。潮崎がヘッドロックからショルダータックルでぶつかっていくが、ショルダーブロックで逆に後退させた曙は、気合いの入った雄叫びからショルダーブロックを連発。
潮崎を倒すとエルボードロップを落とすが、辛くもかわした潮崎。ここで曙が吉江にタッチすると、潮崎は曙を睨み付けながら宮原にタッチ。バックを取った宮原はロープに押し込むと、離れ際にエルボー。
しかし吉江も「来い来い来い」と挑発するとエルボー合戦。宮原のショルダータックルも受け止めた吉江に回転エビ固めを狙った宮原だが、吉江は雷電ドロップ。これをかわした宮原は潮崎とダブルのトーキックからダブルのブレーンバスターを狙う。だが、逆に2人まとめて投げていった吉江。
そこに曙が「オイ、チャンピオン!」と叫びながら潮崎にショルダータックルをお見舞いして場外に吹っ飛ばすと、宮原には吉江とのダブルタックル。場外に出た曙は潮崎を鉄柵に投げつける。吉江は宮原にエルボードロップを落としてから曙にタッチ。
「来いオラ」と宮原を挑発していった曙。宮原はエルボーで向かっていくが、張り手一発で腰から崩れ落ちた宮原を踏みつけていった曙。たまらず場外にエスケープした宮原だが、リングに戻ってきたところにコーナースプラッシュをお見舞いした曙は吉江にタッチ。コーナーに叩き付けてからヒッププッシュ、座り込んだところにストンピングを見舞った吉江はヘッドバットを連打。
宮原もエルボーで向かっていくが、ヘッドバットで尻餅をつかせた吉江はヒッププッシュからエルボードロップ。逆片エビ固めに捉えていった吉江だが、宮原はどうにかロープに脱出。タッチを受けた曙は控えの潮崎にラリアット。溜まらずリングインした潮崎だが、曙は張り手をお見舞いすると、場外に掘り出す。
そして宮原にコーナースプラッシュからエルボードロップ。潮崎がカウント2でカットしたところで10分が経過。余裕の笑みを浮かべた曙はヨコヅナインパクト(=ジャンピングパイルドライバー)の体勢。宮原が踏ん張ると、コーナーに突き飛ばして体当たり。しかし宮原もフロントキックを返して潮崎にタッチ。
ジャンピングショルダーでもビクともしない曙にトラースキックから逆水平チョップ、DDTを決めた潮崎だが、意地ですぐに立ち上がる曙。だが、逆水平チョップでなぎ倒した潮崎はブレーンバスターの体勢に。踏ん張った曙は張り手。潮崎も逆水平チョップで対抗すると、さらにラリアットを連打。
だが、走り込んできた潮崎をのど輪で捕まえた曙は張り手を叩き込んでからバックドロップで投げると、ランニング・ボディプレスを投下。宮原がカウント2でカットしたが、吉江が排除するとトレイン攻撃を狙う。トラースキックで迎撃した潮崎は曙にラリアット。相打ちに持ち込んだ曙だが、潮崎は渾身のラリアットでなぎ倒す。立ち上がったところに宮原が二段蹴り式の串刺しジャンピングニー。
すると潮崎が曙の巨体をブレーンバスターで投げていき、さらにコーナーに登っていく。エプロンから吉江が足止めし、さらに裏拳を叩き込む。潮崎も逆水平チョップで応戦するが、コーナー最上段まで追いかけていった吉江はボディプレスで浴びせ倒す。
15分が経過し、宮原が吉江にエルボーの連打からヒザへの低空ドロップキック。さらに顔面への低空ドロップキックから串刺しジャンピングエルボー。ノーザンライト・スープレックスで投げようとしたところを押し潰した吉江はコーナースプラッシュからスティンクフェイス。ぐったりする宮原に超低空サマーソルトドロップを落とした吉江は、ラリアットを狙うが、飛び付いた宮原はスネークリミット(=三角絞めからの腕十字)。
ロープに足が届いた吉江だが、脇腹を押さえながらも潮崎がラリアットを狙う。しかし横から曙がブチかましをお見舞いして潮崎を場外まで吹っ飛ばすと、宮原にサンドイッチ体当たり。そこから吉江はセントーン、ボディプレスとお見舞いすると、コーナーに登っていく。
エプロンに上がった潮崎が足止めするが、背後から曙が攻撃。しかし宮原もコーナーに登っていき雪崩式ブレーンバスター。その間に場外では曙が鉄柱を背にした潮崎に体当たりしてサンドイッチ。リング上では宮原が串刺しジャンピングニーからブレイクハート(=ペディグリー)を狙うが、吉江がリバースで切り返して雷電ドロップを投下。
カウント2で宮原が返したところで20分が経過。曙のコーナースプラッシュから吉江がスティンクフェイスをお見舞いすると、倒れた宮原に曙のランニング・ボディプレスから吉江がジャンピング・ボディプレス。カウント2で潮崎がカットすると、王者組は同時にコーナースプラッシュ。だが、挑戦者組も同時にラリアットを叩き込むと、宮原が吉江のバックを取ってSHIN-SEKAI(=宮原のジャーマン+潮崎のラリアット)を決める。
カウント2で曙がカットするが、潮崎がトラースキックで場外に追いやる。どうにか立ち上がった宮原はエルボーで向かっていくが、渾身の裏拳を叩き込んだ吉江は雄叫びを挙げてもう一発裏拳。かわした宮原は飛びヒザ蹴りからジャーマンで投げたがカウントは2。ならばと強引にブレイクハートを狙うが、今ひとつ高く持ち上がらず決まりが浅い。
ならばとバックを取った宮原はパッケージ・ジャーマンスープレックス(=ダルマ式ジャーマン)の体勢。吉江の太い身体に腕を回した宮原は完璧なブリッジで吉江の巨体を投げて3カウントを奪った。これで潮崎&宮原が世界タッグ王座を奪取。場内からは世界タッグ初戴冠を祝福して「宮原」コールが起こる。
エンディング
潮崎は三冠ヘビー級と合わせて五冠王となったが、三冠の防衛戦を前に脇腹にかなりのダメージを負った様子。曙が近づいていくと、潮崎は試合前とは逆に2本のベルトを掲げて睨み付ける。そして両者は「次は三冠戦だ」とばかりにがっちり握手を交わした。潮崎は脇腹のダメージもあってか、一旦リングを降りて鉄柵にもたれかかる。
するとリングのど真ん中に立った宮原が「やっと、やっと! 結果出せました! それも皆さんの声援のお陰です。僕はこの全日本で生まれ育ったレスラーじゃないです。でも1年間、この全日本プロレスのリングに上がり続けて、俺にはもう全日本愛があります。もう俺は全日本プロレスのプロレスラーです! だから! だからひとこと言わせてもらいますよ。昨日ヨソの団体に乱入した(人が)いるでしょう。いるでしょ、取締役。あぁ? いつの時代か分かってんのかよ。もうあの時代は終わってんだよ、もう平成だぞこの野郎! あぁ? もうあんな終わったスター相手にしてる暇はねぇんだよ! 平成は俺らが作っていくんだよ、俺らが! あぁ、聞こえてんのかよEvolution! 諏訪魔! 青木! おめーらに言ってんだこの野郎! オイ、聞こえてんなら出てこいこの野郎!」と、IGFに乗り込んでいった諏訪魔“専務”の行動を時代遅れと批判!
すると青木が出てきて、IGF勢が座るはずだったイスを手にリングサイドまで上がってくると「あのさ、ベルト獲って今一番調子いいのは分かるけど、なぁ? 散々俺らがお前らを挑発しただろ? その時にお前ら食ってかかってきたか? え?」と言い返す。観客が青木の言葉を支持するように拍手をすると、宮原は「どっちだよ? XceedかEvolutionなのか、どっちなんだよみんなは?」と観客に尋ねる。
しかし青木は「ちょっと待て、健斗。ちょっと黙れ。いいか? 結局そういうことなんだ。俺らがお前らに対して散々挑発してきただろ? お前(=鼓太郎)もだよ、お前(=中島)もだよ、分かるだろ? 潮崎、お前もだ。その時に火をつけなかったのはお前らなんだよ。それは分かるだろ? いいか、ベルト獲って今調子いいのは分かる。だけど俺らもベルト持ったとき、散々お前ら挑発したよな。その時にお前らどうしてた? ソッポ向いてたろ? だからな、つまらなかったんだよ。いいか? だったらな、今お前らがベルト持っているんだったら、散々俺らのことを無視してきたんだから、俺らをもっと焚きつけてくれ。いいな?」と言うと、観客も青木の発言を支持するように声援を贈る。
青木が引き上げていくと、宮原は「やってやるよ。青木、口が立つからな。でもな! 口でも今まで大人しくしていた俺がいれば負けねぇんだよ! Evolution対Xceed、俺が楽しくしてみせますよ。俺は全日本プロレスが大好きなんですよ。皆さんも全日本プロレス大好きですか? ありがとうございます。本当に最後まで、今日世界タッグ獲れてめちゃめちゃ最高の気分です! 皆さんにもっといいものを見せられるよう俺ら頑張っていきます! 今日はありがとうございました!」と叫んでシリーズ開幕戦を締めくくった。
<試合後コメント>
潮崎豪&宮原健斗
ーーこれで潮崎選手は五冠王。宮原選手は世界タッグ初戴冠となりました。本当の意味で結果を出されたと思います。
宮原「こうやって俺は全日本に入って1年半。結果を出す、結果を出すといってまだアジアタッグしか巻いたことがなくて。この世界タッグというヘビー級最前線のベルトを俺が巻いてるってことが、今の全日本を証明できると思うんで。こういう俺がベルトを巻くことで全日本も新しくなったと思わせたい。その第一歩です」
ーー潮崎選手もチャンピオン・カーニバルでのダメージが体に大きく残る中での激闘でした。
潮崎「いやぁそのシリーズは終わって、今日から新しいシリーズ。そんなこと言ってられないし、健斗にこの世界タッグというものを獲らせてくれたんで。またね、健斗と三冠をかけてやりたいしね。試合後には強いひと言があったけど、これからの闘い……もっともっと激しく、そして今シリーズの最終戦で俺がベルトを守る。ありがとう」
ーーこれで五冠王とし三冠戦に臨めるのは最高のかたちになったかと思いますが?
潮崎「そうだね。次は後楽園に五冠王者として戻ってきて、横綱、曙を倒します」
ーーこれだけ饒舌というか雄弁なイメージは宮原選手には今までなかったのも、結果を出したことで……
宮原「そうですね。物事には順序というものがあって、結果を出してから初めて自分の意見が言えるのであって、自分自身からみなぎった自信かもしれないですけど、もう俺は自信があるから。あぐらかいてるおじさんたちの座を俺がどんどん奪っていきますよ。Xceedというチームは、Evolutionは色とか統一してるけど、俺らは個々の力で1+1が2以上になる。そういうものを僕らは目指しているんで、Evolutionにとやかく言われる必要はないし、Xceedの中で俺は潮崎さんとタッグを組んでますけど、俺は常に潮崎さんの首を狙ってるんで。そこは潮崎さんにも見ている人たちにも誤解されたくないんで。とにかく俺が狙っているのは個々の相乗効果。Xceedが全日本を引っ張りますよ」
ーーリング上で言っていましたが、昨日の諏訪魔選手の行動はノーだと?
宮原「僕はノーだと思います。立場がある人がああいうことをすると……。僕は闘う場所、闘う相手、業界の中で闘う相手を間違えているんじゃないかなと思います。僕もみなさんと一緒で、インターネットの中でしか見ていないですけど、率直に僕は闘う場所、業界で闘う相手を間違えているんじゃないかと思います。そこは勝手にしてもらって。俺が全日本を盛り上げるんで、勝手にやってくれって感じですかね」