全日本3.27後楽園大会 潮崎vs.宮原の三冠戦、青木vs.鼓太郎の世界ジュニア戦
2015 ドリームパワーシリーズ【最終戦】
日時:2015年3月27日(金)
開始:19:00
会場:東京・後楽園ホール
観衆:874人
▼第1試合 シングルマッチ 20分1本勝負
○KENSO
6分23秒 ダイビング・エルボードロップ→片エビ固め
野村直矢
▼第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負
ゼウス(先駆舎)/●ボディガー(先駆舎)
13分39秒 クロス式足首固め
○真霜拳號(K-DOJO)/タンク永井(K-DOJO)
▼第3試合 8人タッグマッチ 30分1本勝負
秋山準/金丸義信/●渕正信/青柳優馬
10分15秒 アックスボンバー→片エビ固め
○大森隆男/SUSHI/土方隆司(フリー)/中島洋平
▼第4試合 6人タッグマッチ 60分1本勝負
諏訪魔/ジョー・ドーリング/●佐藤光留(パンクラスMISSION)
15分36秒 ダイビング・ボディプレス→体固め
曙/吉江豊(フリー)/石井慧介(DDT)
▼第5試合 世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]●青木篤志
17分10秒 ジャベリン→片エビ固め
[挑戦者]○鈴木鼓太郎(Jr.BATTLE OF GLORY優勝者)
※第37代王者・青木が6度目の防衛に失敗。鼓太郎が第38代王者となる
▼第6試合 三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○潮崎豪
24分11秒 ラリアット→体固め
[挑戦者]●宮原健斗
※第51代王者・潮崎が2度目の防衛に成功
これが全日本の未来だ!死闘となった宮原とのXceed対決を制し潮崎が三冠防衛!
ジュニアリーグ覇者の鼓太郎が青木を下して世界ジュニア王座を奪取!
第1試合
野村は『名探偵コナン』のテーマ曲で入場。いきなり張り手で野村をダウンさせたKENSOは、場外に放り出すと鉄柵に叩き付けていく。観客からビールを奪い取って殴るかと思いきや、観客に返しておいて野村に張り手。
リングに戻ったKENSOはラリアットを叩き込む。カウント2で返した野村にもう一発ラリアットを叩き込んだKENSOはSTFへ。ロープに逃れた野村はショルダースルーを狙ったKENSOを蹴り上げる。
KENSOは逆水平チョップを打っていくが、野村もエルボーで応戦。ショルダータックルでぶつかっていくが、KENSOはなかなか倒れない。張り手からロープに飛んだKENSOだが、かわした野村は勢いのついたショルダータックルでどうにかなぎ倒す。
串刺しジャンピングエルボーからノーザンライト・スープレックスで投げた野村は、ロープに飛ぶが今度はKENSOがかわしてカウンターのラリアット。カウント2で返した野村はブレーンバスターを狙ったKENSOを逆に投げると、ミサイルキックを発射。
かわして自爆させたKENSOは垂直落下式ブレーンバスターで叩き付けていくが、野村はこれもカウント2で返す。ならばとKENSOはもう一発垂直落下式ブレーンバスター。これもカウント2で返していった野村。するとKENSOはコーナーに登ってダイビング・エルボードロップを投下し、ガッチリと抑え込んで3カウント。
<試合後コメント>
野村直矢
ーー敗れはしたものの野村選手の成長をお客さんも感じたのではないかと思いますが?
野村「いや、まだまだですね。まだまだです。その一言に尽きます」
ーー今は地方大会でも先輩方とシングルマッチで対戦する事が多いようですが、ある意味これだけ恵まれた環境はないのではと思うのですが?
野村「そうですね。その先輩方にもどんどん噛みついて行って、自分が成長できるようにもっともっと意識していかなきゃいけないなと思いました」
第2試合
KAIENTAI-DOJO/凶月の真霜とタンクとゼウス&ボディガーのゼウス&ボディガーのザ・ビッグガンズが対戦。先発で出ていった真霜がヘッドロックに捉えるが、そのまま持ち上げようとするボディガー。真霜はロープに飛んでショルダータックルでぶつかっていくが、倒れないボディガーはカウンターのショルダータックルで真霜をなぎ倒す。
続いてタンクとゼウスがリングイン。ロックアップからゼウスがロープに押し込むが、殴りかかってきたところをかわしたタンクがエルボー。
しかしボディスラムで叩き付けたゼウスはリフトアップスラム。圧倒的なパワーを見せるゼウスはスリーパー。ロープに逃れたタンクだが、ボディガーが入ってきてダブルタックル。さらにボディガーがボディスラムから首を捻りあげる。
さらに逆水平チョップを叩き込んでいったボディガーは串刺しラリアットからショートレンジラリアットを連打してからのフラップジャック。防戦一方のタンクだったが、抱え上げられそうなところを脱出すると、ロープに飛んでジャンピングショルダー。
タッチを受けた真霜はの左腕にDDTを決めると、その腕にミドルキックを叩き込んでから腕固め。ゼウスがカットしようと走り込むが、カニ挟みで倒してボディガーに激突させた真霜は、ビッグガンズを2人まとめて腕固めに捉える。どうにか耐えたボディガーが逆水平チョップを打っていくが、真霜は左腕にショルダーアームブリーカー。
だが、パワースラムを返したボディガーはゼウスにタッチ。コーナースプラッシュからフロントスープレックス、ブレーンバスターと畳みかけたゼウスだが、真霜もバックドロップを返してタンクにタッチ。
タンクのエルボーに逆水平チョップで応戦したゼウスだが、タンクはローリングエルボーからブロックバスターホールド。さらに串刺しショルダー2連発を狙ったが、2発目をラリアットで迎撃したゼウスは投げ捨てのブロックバスター。ボディガーにタッチすると、ゼウスのラリアットとボディガーのスピアーを同時発射。
さらにダブルののど輪で捕まえるが、真霜がカット。ビッグガンズは真霜ににじり寄るが、真霜はうまくゼウスを場外に落とすとボディガーに延髄斬り。さらにタンクとトレイン攻撃から真霜がベアハッグに捉えたところにタンクがダイビング・ネックブリーカー。
ゼウスがカウント2でカットしたが、タンクがゼウスを場外に連れ出す。その間に真霜はブレーンバスターの体勢に。しかし逆に投げたボディガーはラリアット。カウント2で返した真霜はハイキックをキャッチするとアンクルホールドに捉える。下から蹴り上げたボディガーだが、真霜はその足にローキックを叩き込むと、リバースデスロックを決めてギブアップを奪った。
敗れたゼウスは近づくカメラマンを手で払うと、鉄柵を揺さぶって八つ当たり。
<試合後コメント>
真霜拳號&タンク永井
真霜「見ただろう? 見ただろう? 楽勝だよ!」
永井「全然効いてないよ、あんなの!」
真霜「キン肉マンコンビ! パワーだけだな、お前らが強いのは。ちょっと関節やってやったら(笑)」
永井「インナーマッスル鍛えておけ!」
真霜「その通りだよ! 弱いんだよ、お前らなんかよ!」
第3試合
秋山組、大森組が入場したあとに、一人で入場テーマ曲に乗って登場したSUSHI。SUSHIダンスを踊るSUSHIの前に立ちはだかり睨み付ける秋山だが、怯まず踊りきったSUSHI。
中島と青柳の先発で試合開始。ロープに押し込んだ青柳は離れ際にエルボーを連打。しかし中島は逆水平チョップでなぎ倒すとヘッドロック。だがロープに振った青柳はショルダータックルで倒されながらもアームドラッグからドロップキック。
エルボーの連打で向かっていく青柳だが、ショルダースルーで投げた中島は土方にタッチ。「来い、来い」と青柳のエルボーを受け止めた土方は張り手でダウンさせると、さらにドロップキックを自爆したところを蹴り飛ばす。ボディにソバットを叩き込むとSUSHIにタッチ。ショルダースルーで投げられながらもすぐに立ち上がってドロップキックを返した青柳は金丸にタッチ。
カウンターエルボーからSUSHIを場外に出すが、SUSHIは素早くリングに戻る。地獄突きを連打したSUSHIはスペース・ローリング・エルボーを狙ったが、完全に失敗。すかさず大森たちが飛び込んできてトレイン攻撃でフォローすると、SUSHIはダイビング・ヘッドバットを投下。
金丸がかわして自爆すると、秋山がSUSHIを場外に連れ出すが、逆に秋山を鉄柵に投げつけたSUSHI。怒った秋山はブレーンバスターで投げてからボディスラム。SUSHIをリングに戻した秋山は金丸とクイックタッチでボディスラムを連発。渕も俺の出番だとばかり手を伸ばすが、秋山は無視して青柳にタッチ。
するとSUSHIが逆にボディスラム。すかさず秋山が入ってきてSUSHIを捕まると、タッチを受けた金丸がエルボースマッシュから飛び付き式DDT。だが、コーナーにホイップされたSUSHIはエプロンに逃れると、スワンダイブ式ミサイルキックを決めて大森にタッチ。
秋山にニールキックを見舞った大森はランニングネックブリーカー。秋山のチョップにエルボーで応戦した大森はアックスボンバーを狙ったが、正面からキャッチした秋山はエクスプロイダー。ここでようやく渕にタッチ。満を持してボディスラムを狙った渕だが、大森が踏ん張る。サミングからどうにかボディスラムを決めた渕だが、腰に大きなダメージが。
しかし秋山と金丸が飛び込んできて大森をロープに飛ばすと、渕はドロップキックを叩き込む。秋山たちは相手チームを抑え付けていき、渕はもう一発ドロップキックを放っていくが、自爆させた大森は立ち上がってきた渕にアックスボンバーを叩き込んで3カウント。
<試合後コメント>
秋山準
ーー昨年チャンピオン・カーニバルで決勝を争った大森選手との対戦でしたが?
秋山「俺もこの前世界タッグでは負けましたけど、まだまだカーニバルも二回目の優勝を狙っているし。まぁいいコンディション整えてカーニバルに臨みます」
ーー今日の試合ですが、カードを見た時は青柳選手が主役になるのかと思っていたのですが、最後は渕さんが全部持って行ってしまいましたね。
秋山「それが渕さんの巧さであり……ただ、最後しかでていないですけど(笑)。なるべく体力を温存してもらってと思っていたんですけどダメでしたね(笑)」
ーー今、青柳選手と野村選手は地方会場では一線級の選手たちとシングルで当たっています。ある意味恵まれた環境だなと思うのですが?
秋山「それをどう活かすかはあいつら次第なんで。ただ単に体を動かしていればいいというもんじゃないんで。しっかり頭を使って自分が何が悪かったのか、何を伸ばせばいいのか、何が要らないのかをちゃんと自分で考えて。お互いに歳もキャリアも近いんで、切磋琢磨して上がってきてもらいたいですね」
ーー今はお互いが闘うよりは先輩と闘った方がいい経験になると?
秋山「先輩と闘った後にお互いが戦った時に、どういう風にお互いが変わっているか。で、相手が変わってるなと思えば相手の方が考え、努力していたという事だし。まぁそれも楽しみかなと。……ありがとうございました!」
第4試合
諏訪魔&ドーリングに光留を加えたEvolutionと、世界タッグ王者となった曙&吉江にDDTの石井を加えたトリオが激突。曙&吉江は世界タッグのベルトをアピールしながら入場。
光留と石井の先発で試合開始。ショルダータックルでなぎ倒した光留はドロップキックを自爆した石井にランニングロー。しかし石井もこれをかわすと、光留はドーリングにタッチ。石井が曙にタッチすると、両者は睨み合い。
ドーリングがショルダータックルでぶつかっていくが、曙は肩を出してショルダーブロック。ドーリングがヨロめいたところにコーナースプラッシュを見舞った曙は「終わりや!」と早くもヨコヅナインパクト(=ジャンピングパイルドライバー)の体勢に。しかしドーリングはリバースで切り返して諏訪魔にタッチ。
吉江とエルボー合戦を展開した諏訪魔はダブルチョップからバックを取るが、吉江はコーナーに押し込んでいくとヒッププッシュ。だが、諏訪魔が対角線上のコーナーに押し返すとエプロンから光留が延髄斬り。
諏訪魔はナックルパートを叩き込むと、ダブルチョップを連打。タッチを受けたドーリングもナックルパートを叩き込むが、吉江は逆水平チョップで反撃。しかしハンマーを振り下ろしていったドーリングはエルボードロップ。諏訪魔も入ってきて交互にエルボードロップを落としていくと、ダブルタックルで吉江の巨体を吹っ飛ばす。
逆片エビ固めに捉えた諏訪魔だが、吉江は何とかロープに脱出。タッチを受けたドーリングはエルボーから前蹴り、ハンマーと吉江を痛めつけるとボディスラムの体勢に。だが、吉江は体重をかけて押し倒すと、ようやく曙にタッチ。
串刺しラリアットからエルボードロップを落とした曙だが、コーナースプラッシュをかわしたドーリングはラリアット。倒れない曙を肩口に担ごうとしたドーリングだが、曙は阻止。しかしエプロンから諏訪魔が蹴り飛ばすと、ドーリングがクロスボディーでなぎ倒す。タッチを受けた諏訪魔はショートレンジラリアットの連打から走り込んでのラリアットでなぎ倒す。
10分が経過して諏訪魔は背後から飛び付いて万力スリーパーホールド。しかしコーナーに押し込んで逃れた曙は突進。蹴りで迎撃した諏訪魔は走り込むが、曙は64で叩き付けるとランニング・ボディプレス。かわして自爆させた諏訪魔。
ここで両者タッチして石井と光留がリングイン。ドロップキックからサマーソルトドロップを落とした石井は低空ドロップキックから延髄斬り。だが、光留もジャンプして空中で石井の足をキャッチするとアンクルホールド。さらにバックドロップで投げてから腕十字、STFと決めていった光留だが、ロープに逃れた石井。
光留はミドルキックを蹴っていくが、石井もカウンターの延髄斬りを返すとオーバーヘッドキックを叩き込んで吉江にタッチ。超低空サマーソルトドロップからコーナースプラッシュを決めた吉江だが、諏訪魔が飛び込んできて吉江を捕まえると、諏訪魔とドーリングのトレイン攻撃からダブルのブレーンバスター。
そこに光留がランニングローを叩き込むと、ローキックを連打してから走り込むが、吉江はテーズプレス。さらに曙と石井が入ってきてトレイン攻撃を決めると、吉江がスティンクフェイス。さらに曙のランニング・ボディプレスから吉江がジャンピング・ボディプレス。ドーリングがカウント2でカットすると、曙がドーリングにラリアット。
吉江が諏訪魔を場外に排除すると、吉江はコーナー最上段から光留にダイビング・ボディプレスを投下して3カウント。
<試合後コメント>
諏訪魔&ジョー・ドーリング
諏訪魔「あの巨漢2人が世界タッグのベルトを持っている。どうも気に食わない。もうチャンピオン・カーニバルが始まるんで、もうドンドンやってやる。まずはピンクの豚野郎、沖縄で焼き豚にしてやる。調子に乗ってるんじゃねぇぞ」
ーー今回のチャンピオン・カーニバルは次の後楽園での諏訪魔選手と潮崎選手の試合を事実上の決勝戦と見ているファンも多いようですが?
諏訪魔「いやぁもう! 誰がチャンピオンだか俺は分からないし。俺がチャンピオンだって言ってもあまり見ていない奴は誰だってそう思うよ。そうじゃないか? 俺かジョーがチャンピオンにしか見えないんだよ、どう考えたって。……不満が高まってきたな!」
ーーその不満をチャンピオン・カーニバルにぶつけるという事で……
諏訪魔「本当だよ! 今は青木がこういう状態でチャンピオンで踏ん張ってるから、俺らも一緒にいられるんだけど。納得いかないぞ。考えようだな!」
ドーリング「ヘイ! シー・ユー・トーナメント・ファイナル!」
諏訪魔「OK! ……よし!」
第5試合
先シリーズの「Jr.BATTLE OF GLORY」で優勝した鼓太郎が、決勝戦で対戦した青木の持つ世界ジュニア王座に挑戦。
まずはロックアップから青木がロープに押し込むが、ここはクリーンブレイク。ヘッドロックに捉えた青木だが、ロープに振って逃れた鼓太郎はフライングメイヤーもショルダースルーも着地すると、カニ挟みからファンネル(=619)。しかし青木はかわしていく。
腕を取った青木はブレーンバスターの体勢に。鼓太郎が踏ん張ると場外に向かって投げようとした青木だが、エプロンに着地した鼓太郎。しかし青木はコーナーに叩き付けてから自分もエプロンに出るとバックドロップでエプロンに叩き付ける。さらに鉄柵に投げつけてから鉄柵越しのサーフボードストレッチ。
リングに戻ってきた鼓太郎の背中にストンピングを落とした青木は逆エビ固め。ロープに逃れた鼓太郎は青木のボディにエルボー。ロープに振った青木だが、ビット(=ハンドスプリング・エルボー)を返した鼓太郎は串刺しジャンピングニー。
かわした青木はスクールボーイから低空ドロップキック、ミサイルキック、串刺しジャンピングエルボー。しかし2発目を狙う青木を追走した鼓太郎は、串刺しジャンピングニーから地獄の断頭台。さらにボディへのエルボーからファンネル。バックドロップを着地した青木はカウンターのドロップキックから逆エビ固めを狙うが、鼓太郎はステップオーバーする瞬間に体をねじって元の体勢に戻す。
さらにそこからサムソンクラッチで丸め込むが、青木も今度こそ逆エビ固め。ひっくり返してエビ固めで抑え込む鼓太郎だが、青木も回転エビ固め。カウント2の応酬から青木が低空ブレーンバスターからサッカーボールキック。
青木はバックドロップの体勢から山折り気味に落とすとテキサス・クローバー・ホールドへ。10分が経過し、ロープに逃れた鼓太郎だが、青木は腰へのエルボーから突進。ショルダースルーでエプロンに出した鼓太郎はエルボーで場外に叩き落とすとトペを発射。青木をリングに戻した鼓太郎はタイガードライバーの体勢に。
踏ん張った青木は飛行機投げから腕十字を狙ったが、逃れた鼓太郎は左右のエルボーでコーナーに追い込むと、ローリングエルボーからコーナーに登っていく。ダブルアームで青木を持ち上げた鼓太郎は最上段まで登っていくが、腕のフックを外した青木は最上段からスーパー雪崩式フランケン。
手首を掴んだ青木は鼓太郎の左腕にオーバーヘッドキックを叩き込むと、鼓太郎をコーナーに乗せて再び最上段へ。しかし今度は鼓太郎は雪崩式アームホイップで投げて叩き付ける。ダブルダウン状態から立ち上がってエルボー合戦を展開すると、鼓太郎はアッパー掌底からワンツーエルボー、ボディへのエルボー。しかし青木も浴びせ蹴りを返して15分が経過。
バックドロップで投げた青木だが、カウント1で返した鼓太郎。ならばとラリアットを叩き込んだ青木はスパイラルポセイドン(=腕決め式ノーザンライトボム)。カウント2で返した鼓太郎に青木は首をかっ斬るポーズからアサルトポイント(=レッグロック・スープレックス)を狙う。
だが、空中でヒザ蹴りを叩き込んで脱出した鼓太郎はエルボーの連打で青木に両ヒザをつかせると、そこに滑り込むようにランニングエルボーを叩き込む。さらにブルーディスティニーを決めるがカウントは2。ならばと渾身のランニングエルボーを叩き込むが、これもカウントは2。青木は絶叫しながら立ち上がって走り込むが、ボディへのエルボーで迎撃した鼓太郎はワンツーエルボーからボディへのエルボー。そしてアゴをカチあげるようにジャベリン(=アッパー式エルボー)を叩き込んで3カウント。
敗れたが、青木の健闘を称える諏訪魔とドーリング。新チャンピオンとして腰に世界ジュニアのベルトを巻いた鼓太郎は「ようやくこのベルト、手にすることが出来ました。これからはこの力すべてこのベルトに使っていきたいと思います。これが全日本ジュニアの今の闘いです。この次(のメイン)が全日本の未来の闘いです。しっかり目に焼き付けて帰ってください」とメインの潮崎vs.宮原のXceed対決にバトンを渡した。
<試合後コメント>
鈴木鼓太郎
ーータイトル奪取、おめでとうございます。まさに全日本ジュニア最高峰の戦いを制しての勝利でした。
鼓太郎「そうですね。これが今の俺と青木のレベルだと思います。そこにどんどん食いついて欲しい。背中で引っ張ると言った以上、責任も持ちますけどやっぱり試合で、試合の内容で引っ張っていけるチャンピオンを目指したいんでね。たぶんセコンドについていない選手も試合は見ていると思うんですよ。どう感じてどう動くか」
ーー序盤からかなりレベルの高い読み合いの攻防でしたが?
鼓太郎「青木とはここ最近やり合ったわけじゃないんで。組んでる時期も長かったし、その前も長かったし。予想だにしない技も食らいましたけど、ああいう技が効きますね。面識がないんで。まぁ引き出しで言えば俺も少なくはないんでね。出し尽くしたというか、極限までできたというか。でもまだその先がありそうな予感もしますよね」
ーーリング上で「未来の闘い」とおっしゃっていましたが?
鼓太郎「さっきリング上で言った通り、この闘いは現段階の全日本ジュニアの闘いです。次の試合(潮崎vs.宮原)は全日本の明るい未来を予感させるような試合をしてくれます。……いや、してくれないと困ります」
ーー青木選手がベルトを獲った時に強さを求めるジュニアの世界を創っていきたいと言っていましたが、鼓太郎選手のイメージする全日本ジュニアは?
鼓太郎「僕が追い求める背中はたったひとつなんで。そこにどれだけ近づけるか、このベルトを持って近づけるかだと思います」
ーーそれをファンも見守ってほしいと?
鼓太郎「そうですね。しっかり見ていてほしいです。まぁでも全く発言しないチャンピオンというのもどうかなというのを、散々青木とやり合って気づかされたんで。しっかり言うことは言って。でも引っ張っていけるのは俺の試合であったり、背中だと思います」
ーー改めてこの10か月で青木選手が高めたベルトの価値についてはいかがですか?
鼓太郎「そうですね。本当に独自の青木節でこのベルトの価値も上がったかと思います。この価値を更に上に引き上げないと、また何言われるかわからないんで」
――次のチャレンジャーについてはいかがですか?
鼓太郎「今の試合を見てどう思うかですよ。ついていけないと思うなら挑戦しなかればいいし、俺もやれるっていうならいつでも上がってきてもらいたい」
第6試合
世界ジュニア王座を奪取した鼓太郎に続き、メインでは潮崎の持つ三冠ヘビー級王座に同じXceedの宮原が挑戦。Xceedのメンバーである中島は宮原のセコンドにつく。同門対決だが握手しないまま試合開始。
ロックアップからロープに押し込んだ潮崎だが、まずはクリーンブレイク。ヘッドロックに捉えた宮原だが、潮崎がロープに飛ばす。ショルダータックルを見舞った宮原だが、倒れない潮崎に宮原はエルボー。しかし潮崎は逆水平チョップを返す。
ロックアップからエルボーを叩き込んだ宮原。すぐさま潮崎も応戦するが、走り込んできた宮原に潮崎はカウンターの逆水平チョップ。しかし宮原もすぐにフロントキックを返すと、潮崎の逆水平チョップをかわしてニー。だが、潮崎もかわしてみせる。ハンマーロックに捉えた宮原は背中に乗って後頭部にエルボー。
これに怒った潮崎は立ち上がってエルボーでコーナーまで追い込むと、強烈な逆水平チョップをお見舞い。さらに串刺し攻撃を狙った宮原を逆水平チョップで迎撃すると、エプロンに出して逆水平チョップ。
場外に落ちた宮原を追いかけた潮崎は鉄柵に投げつけるが、宮原も潮崎をファイアーマンキャリーで担ぎ上げると、鉄柵の上に投げつけた。エプロンに潮崎を乗せた宮原はフェースクラッシャーで鉄柵に叩き付ける。さらに鉄柵に潮崎の首をくぐらせてキャメルクラッチ。さらに鉄柵に投げつけてからフロントキックを叩き込むと、場外でドリル・ア・ホール・パイルドライバー。
宮原はダメージの大きい潮崎をリングに戻すと首筋にエルボー。潮崎もエルボーを返すと、首筋に袈裟斬りチョップ。だが、宮原はカウンター気味にヒザを突き上げる。クリーンヒットした潮崎はダウンするが、何とかカウント2で肩を上げる。しかし宮原がロープに飛ばそうとしても足元がおぼつかず倒れてしまう。
それでも宮原の串刺し攻撃をかわした潮崎だが、宮原はエルボーからコーナーの上に腰をかける。しかし潮崎は下からドロップキックで突き上げ宮原を場外に叩き落とすと、エプロンまで戻ってきたところにラリアット。さらに鉄柵に叩き付けてから逆水平チョップ。さらに場外でDDTを決めた潮崎。
10分が経過して宮原をリングに戻した潮崎はまだ立ち上がっていない宮原にラリアット。さらにフィッシャーマンバスターから鈍い音が館内に響くほどのエルボー。宮原もエルボーを返していくが、仁王立ちで受け止めた潮崎は強烈な逆水平チョップから腰から落ちた宮原に袈裟斬りチョップ。
さらにジャーマンで投げた潮崎は逆水平チョップからブレーンバスターの体勢。だが、宮原が踏ん張ると潮崎はロープに飛ばすが、ヒザに低空ドロップキックを叩き込んだ宮原は、潮崎の顔面に低空ドロップキック。さらに串刺しジャンピングエルボーからノーザンライト・スープレックス。パワーボムの体勢に入った宮原をリバースで投げた潮崎は、走り込んできた宮原にカウンターの逆水平チョップ。
さらにフロントキックをかわしてトルネードボムで叩き付けると、トラースキックを顔面に叩き込んで場外に追いやりプランチャを狙ってダッシュ。しかし素早くエプロンに戻って迎撃した宮原は、ローリング袈裟斬りをブロックしてバックを取り、奈落式ジャーマンを狙う。
必死に抵抗する潮崎だが、場外に落ちた宮原はそこからエプロンの上の潮崎を奈落式ジャーマンで投げていった。15分が経過し、リングに戻った宮原は串刺し二段式ニーから豪快なライガーボム。カウント2で返した潮崎だが、宮原は超滞空ジャーマンスープレックスホールド。これもカウント2で返された宮原はブレイクハート(=ペディグリー)の体勢に。腰を落とす潮崎をヒザで蹴り上げた宮原は二段式ニー。
もう一度ブレイクハートを狙うが、潮崎はショートレンジラリアット。場外に転落した宮原に対して潮崎はヘビー級にも関わらずトップロープの上からノータッチプランチャを投下。リングに戻った潮崎は串刺し式逆水平チョップから雪崩式フランケン。そして拳を握った潮崎はゴーフラッシャーの体勢に。
だが、逆にブレーンバスターで投げた宮原は背後から串刺し式の飛びヒザ。さらに垂直落下式ブレーンバスターからバックを取る。20分を経過し、超滞空ダルマ式ジャーマンスープレックスホールドで投げた宮原だがカウントは2。ニーリフトでアゴを突き上げた宮原だが、走り込んだところに潮崎がカウンターのショートレンジラリアット。
両者朦朧としながら立ち上がるとエルボー合戦へ。そこから逆水平チョップを叩き込んだ潮崎だが、宮原もエルボーを連打。しかしカウンターのローリング袈裟斬りを叩き込んだ潮崎は打ち下ろすようなローリング袈裟斬り3連発。これをカウント1で返した宮原だが、潮崎は豪腕ラリアットを叩き込む。これもカウント2で返した宮原。
潮崎は盤石の体勢からゴーフラッシャーを決めたが、宮原はカウント2で返す。潮崎は拳を握ると対角線をダッシュし、渾身のラリアットで宮原を吹っ飛ばしていき3カウントを奪った。
試合後は勝者も敗者もしばらく大の字に倒れたまま。それほどの激闘だったが、三冠のベルトは再び潮崎の手に。勝ち名乗りを受ける潮崎をリング上に座り込みながら悔しそうに見つめた宮原。そんな宮原に近づいていった潮崎が握手を求めると、宮原も自力で立ち上がってから握手に応じた。
マイクを持った潮崎は「ひと言……ひと言、いわせてください。これからも全日本プロレス、どうか見届けてください! よろしくお願いします!」と叫んで激闘を締めくくった。
<試合後コメント>
潮崎豪
ーータイトル防衛おめでとうございます。まさに死力を振り絞っての勝利だったかと思いますが?
潮崎「いや! もうそれは分かっていた事だし、あいつもまだこれで終わりじゃないし。俺もこんなところで止まっていられないから」
ーー今回はチャンピオンとして宮原選手と対戦しましたが、チャレンジャーとしての宮原選手はいかがでしたか?
潮崎「チャレンジャーでも……そうなんですよね。リング上に立って向かい合って、それで変化なんかないし。でも健斗も、あいつの気持ちがこれだけのものというのも間違いじゃないし。今日はあいつに感謝ですね」
ーー試合序盤でアクシデント的なダメージを受けたようにも見え、リング上ではこれまで見たことのないダメージの潮崎選手の姿がありましたが?
潮崎「そうだね。俺のイメージでも、もっと俺のペースで試合を進められると思ったけれど、やっぱりプロレスって何が起こるか分からない。それだけ刺激的な戦いだし、今日は会場に来てくれた皆さん、サムライTVでの生中継見てくれた皆さん、この三冠の価値というものをほんの、ほんの一部分見せられたんじゃないかと思います。」
ーーこれでチャンピオン・カーニバルにチャンピオンとして臨むわけですが、全員のターゲットとして狙われる存在となります
潮崎「……いや! それに関しては俺はチャンピオンだけど、チャンピオン・カーニバルではなんの実績も残していないし、まだ回数も出てないしね。まっさらな気持ちで臨ませてもらいたいと思います。ただ、今年のチャンピオン・カーニバルは、これまでのチャンピオン・カーニバルを超えていくから。レベルを挙げていくし、それについてこれない人間が出てくるかもね」
ーー今回はゲスト参加的な選手のいない、内需拡大的なサバイバルのカーニバルになるのではと思うのですが?
潮崎「そうだね! ベルトを持って行っても、全日本プロレスの過酷な、沖縄から始まる過酷な試合を、リーグ戦をぶっちぎりで突き抜けていきたいと思います」