【試合詳細】7・24 PANCRASE新木場大会 ISAOvsアキラ ライカvs端貴代 中村勇太vs菊入正行 杉山廣平vs有川直毅

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『PANCRASE 316』
日程:2020年7月24日(木・祝)
開始:14:45
会場:新木場スタジオコースト
観衆:500人(※コロナ対策のため)

 7月24日、『PANCRASE 316』が開催された。コロナ禍のもと、3月の政府のイベント自粛要請を受け、今年2月以降、開催が見送られていたパンクラス。3月、4月、5月の3大会が見送られ、今大会も日程をずらしての開催となった。
 現状を鑑み、入場時の検温や観戦中のマスク着用はもちろん、客席を減らし500人のみの入場、観戦時は大声を出さず拍手での応援を推奨。また、スタッフももちろんマスクを着用、サブレフェリー、カットマンはフェイスシールドを着用し、1試合ごとにケージやマットを消毒するなど、感染のないよう配慮がなされた。また、場内でも注意事項が繰り返しアナウンスされ、観客の注意を喚起した。
 もちろん、選手の健康にも細かい配慮がされた。出場予定選手は試合1週間前に抗体検査を実施。さらに大会当日にも抗体検査を行い、陽性となった場合は試合中止という厳しい制限を設けたが、幸い全員が検査をパスし、無事に大会を迎えることに。
 観客を減らしての開催は初めてのことだったが、検温にもきちんと列ができ、大きな混乱はなかった。大声での応援を控えたため場内は静かだったが、久しぶりの大会に際して熱気は高く、選手も、観客も、スタッフも、生の闘いの場を共に作り上げる喜びに溢れていた。

[メインカード]
▼第1試合 ライト級 5分3R
●平 信一(綱島柔術/ZST)
2R 2分14秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○葛西和希(マッハ道場)

▼第2試合 フェザー級 5分3R
●小森真誉(GRABAKA)
1R 3分12秒、バックチョーク
○透暉鷹(ISHITSUNA MMA)

▼第3試合 バンタム級 5分3R
○土肥 潤(総合格闘技道場MIBURO)
判定3-0
●関原 翔(リバーサルジム東京スタンドアウト)

▼第4試合 バンタム級 5分3R
●平岡将英(KRAZY BEE)
判定0-3
○花レメ紋次郎TK(リバーサルジム新宿Me,We)

▼第5試合 フライ級 5分3R
○杉山廣平(SPLASH)
2R 4分06秒、バックチョーク
●有川直毅(K-PLACE)

▼第6試合 ウェルター級 5分3R
●中村勇太(T-Rex Jiu-Jitsu Academy)
2R 2分35秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○菊入正行(NEVER QUIT)

▼第7試合 セミファイナル 5分3R
●ライカ(RIGHT THING ACADEMY)
判定0-3
○端 貴代(和術慧舟會AKZA)

▼第8試合 メインイベント フェザー級 5分3R
○ISAO(NEVER QUIT)
判定3-0
●アキラ(武蔵村山さいとうクリニック/& Mosh)

コロナ禍を乗り越えPANCRASEが約5ヶ月ぶりの大会開催!フェザー級王者ISAOがアキラに貫禄勝利!端がライカとの女子格レジェンド戦に勝利!

第1試合


 元ZSTライト級王者・平は昨年7月にパンクラス初参戦。初戦では松岡嵩志に判定負けを喫したが、同年10月の次戦では阿部右京に判定勝ち。さらに、今年1月、ZSTで佐野哲也に判定勝ちし、2連勝中。今回の試合前には「投げる」と宣言しているが、果たして見せられるか。

 対する葛西は、昨年NBTでパンクラスデビュー。決勝まで勝ち上がったが、名田英平に判定負け、惜しくも準優勝となった。今回はライト級に上げての試合。どのような闘いを見せるか。

 1R。葛西がパンチ。平がパンチで出て組む。葛西が入れ替え、ケージへ押し込む。さらに入れ替え合い、平が投げるが、崩れて葛西が上に。パウンド、ヒジを落とす葛西。平はケージを背にしてたち阿知賀、葛西はハーフマウントへ。さらにヒジを落とす。
 足を狙う平。葛西は立って逃れ、再びかぶさる。どこからか出血している葛西が殴って終了。
 ジャッジは三者とも10-9で葛西。

 2R。葛西がパンチ連打。さらに倒須賀、平が上に。お互い殴るが、立とうとする葛西を平がジャーマンで投げた! しかし、平は消耗したのか、力がない。葛西が上になりパウンドを連打すると、レフェリーが試合を止めた。
平は肩を脱臼したようだ。

第2試合


 昨年7月、パンクラスに初参戦した小森。1R2分でTAGにTKO勝ちデビューを飾った。続く9月は近藤孝太に判定勝ちと勢いに乗ったが、同年12月は林大陽に判定負けを喫した。連敗は避けたいところだ。

 一方の透暉鷹は、これはパンクラス初参戦。昨年は修斗フェアー級新人王となっている。

 1R。小森がジャブ&ロー。透暉鷹が蹴ると、受け止めた小森がテイクダウンを狙う。堪えた透暉鷹。お互い入れ替合って、透暉鷹がテイクダウン。バックを取る。小森が立つが、透暉鷹は離さない。
 透暉鷹がローから投げ! 小森は背負って立つが、透暉鷹がチョーク! 小森がタップした。

第3試合


 土肥は2011年よりパンクラスに参戦中。地元・大阪での大会参戦が多かったが、2014〜2015年にかけ東京大会にも参戦しており、インパクトを残している。その後は再び地元での参戦が続いたが、今回5年ぶりに東京にお目見えした。独特の土肥ワールドを見せてくれるか。

 対する関原は昨年5月からパンクラスに参戦。3連勝しているが、いずれも同ランクの選手との闘いだった。格上相手に連勝を伸ばすか。

 1R。関原がパンチ、ロー。土肥は一気に近づき、関原の右ハイキックを取る。ケージへ押していくとテイクダウン。関原はケージ際に移動して立ちたいが、立てない。バックを取った土肥は連打。残り1分。脱出を試みる関原が返すが、起き上がった土肥がケージに押し込んで終了。
 ジャッジは三者 10-9で土肥。

 2R。プレッシャーをかける関原。しかし、土肥が片足タックルからケージへ押し込み、尻もちをつかせる。関原は殴り、ヒジを出すが、やや勢いが落ちているか。
 しかし、立って離れた関原。そこへ土肥が片足タックルから尻もちをつかせる。ケージへ押していく土肥。関原が殴って立つ。しかし、土肥はケージへ押し、尻もちをつかせる。立った関原だが、土肥が崩したところで終了。
 ジャッジはこのラウンドも三者10-9で土肥。

 3R。土肥が片足タックルからバックを取る。「ヤバイ」という表情の関原。立ちたいがコントロールされている。なんとか尻もちに戻すが、押し込んでいく土肥。ボディを殴り、立つチャンスをつかみたい関原だが、まるで蟻地獄のように抜け出せない。
 ようやく立った関原。ヒジ。土肥がまたケージへ押し込んでいくが、関原はヒジで離れた。パ渾身のンチを打ち込む関原。土肥がどこかカットし出血。しかしまた捉えた! 土肥が足をつかんで上になり、殴って終了。両者ともにかなり消耗している。
 判定は二者29-28、1人が30-27の3-0で土肥が勝利。

第4試合


 平岡は意外に古く 2016年よりパンクラスに参戦。2017年、2018年とNBTに挑戦し、昨年三度目の正直で優勝をつかんだ。今回は、優勝後、初の試合となる。

 花レメは2011年よりパンクラスに参戦。大阪・総合格闘技道場コブラ会所属選手として闘ってきたが、2013年6月以降、仕事の関係でケージから遠ざかっていた。しかし、昨年5月、東京のジムに移籍して復活。坂野周平に判定負けを喫したが、ポテンシャルの高さは変わっていなかった。今回は1年2ヶ月ぶりの試合となる。東京での練習は、花レメをどう変えたのか。

 1R。低い構えの花レメ。平岡はジャブ、左キック。花レメがケージに押し込みテイクダウン。さらにマウントへ移行し殴る。尻もちに戻した平岡は、ケージを背にして立とうとするが、花レメは両足を完全に足ではさんでいる。肩パンチ、そしてパンチ連打。再びマウントになり殴って終了。
 ジャッジは三者10-9で花レメ。花レメはどこかカットしたか、出血が見える。

 2R。右目が晴れている花レメ。平岡は遠い距離からのパンチ。花レメがタックルに入るが、平岡は切る。ジラ丘はジャブ、ボディから左パンチと攻める。しかし花レメが再びタックル。平岡は切りきれず、尻もちをつく。ヒジ、パンチを入れる。
 平岡はヒジを入れながら立とうとするが、花レメは離さない。平岡はヒザをつき、ヒジを落とす。終了。
 ジャッジは二者が10-9花レメ、1人が10-9平岡。花レメは攻めきれなかった。右目尻から出血している。

 3R。平岡がパンチ。花レメはすぐにパントォ返してタックル。ケージへ押し込んでいく。尻もちをつく平岡、立ちたいが足を絡められて動けない。
 残り2分。花レメは背中をつかせ、ボディを殴っていく。残り30秒。腕を狙った花レメだが、時間切れとなる。
 ジャッジは二者30-27、1人が29-28、3-0で花レメが勝利。
 花レメを中にして喜びを爆発させる花レメ陣営。地元を離れた東京でも良い仲間と練習を手に入れたようだ。

第5試合


 2016年よりパンクラスに参戦している杉山。コンスタントに試合を行い、2018年にはNBTフライ級で準優勝。昨年はGLADIATOR王者・加マーク納、ランカーの中村龍之に連勝し、地道に力をつけてきている

 有川は昨年4月よりパンクラスに参戦。3連勝で勢いに乗る。さらに連勝を伸ばせるか。

 1R。パンチで前にでる杉山。有川は入り込んでテイクダウン。杉山が三角を狙うが、有川はこれを外してパウンド。しかし、杉山は立ってテイクダウン。倒してバックにつき、首を狙う。有川は防いでいるが抜けられない。残り1分。有川が返して殴るが、杉山はタックル。有川は上に。ケージへ押していく。杉山は足を引き、ひっくり返したところで終了。
 ジャッジは三者10-9で杉山。

 2R。お互いパンチ、ロー。有川が片足タックルから尻もちをつかせるさらに殴る。しかし、杉山は外して立ち、逆にケージへ押し込んでヒ連打。胴をしっかり抱えて離さない杉山。動けない有川。杉山が倒した。サイドポジションから肩パンチ、さらにヒザ、鉄槌、ヒジとたたみかける。背中を向けた有川に杉山がバックチョーク! これが極まり、有川がタップした。
 淡々と、黙々と闘った杉山が一本勝ち。

第6試合


 中村は2005年からパンクラスに参戦。柔道、柔術をバックボーンとし、豪快に闘ってきた。しかし、2011年から近藤有己、村山暁洋、阿部大治、手塚裕之などKOP経験者相手に6連敗を喫していた。しかし、ここ2戦は2連勝中で、2011年3月に一度負けている一慶にもリベンジを果たしている(3019年11月)。

 一方、菊入は2017年にパンクラス初参戦。キックボクシングをバックボーンとし、4連勝を挙げた。2018年4月には、草・MAXを右フックでKOしている。今回、ライト級からウェルター級に階級を上げての初戦となる。

 1R。中村がパンチから組み、ケージへ押し込む。ローキック。菊入は離れ、パンチ。中村のパンチも当たっているが、菊入の右パンチがヒット、中村がダウン! 中村はすぐに立つが、効いている。
 ミドル、ローを出す中村。前に出た菊入のパンチが再びヒット、中村が二度目のダウン。両者打ち合うが、菊入のパンチがヒット、中村がヒザをついてしまう。しかし、危ないところで息を吹き返した中村。組んでケージへ。しかし、離れる。
 菊入もパンチをもらっているが、終了間際に右パンチが入り、中村が後ろへ倒れた! 菊入がかぶさるが、ブザーに救われる。
 ジャッジは二者10-9、1人が10-8で菊入を支持。

 2R。お互い打ち合っていくが、ペースは菊入。お互い鼻から出血している。中村はフラついているが、下がらない。菊入のラッシュをなんとかしのぎ、前に出ていくが、効いている中村。菊入の前蹴りで尻もちをつくと、菊入はかぶさって鉄槌連打。レフェリーが試合を止めた。
菊入、パンチをもらいながらも新階級でランカーにKO勝ち。中村は食らいつく根性を見せたが、力及ばなかった。

第7試合


 元ボクシング世界王者・ライカはMMAに転向、2015年よりパンクラスに参戦している。これまでの7戦は、中井りん戦(2016年7月)以外すべて外国人選手との対戦。今回は4年ぶりの日本人対決となる。

 対する端は2002年にプロデビューし、SMACKGIRL、JEWELSなどに参戦、2014年にはInvicta FCでフライ級タイトルマッチも経験している。パンクラスには2018年より参戦。
 まさに、女子格闘技の歴史を見てきた2人のレジェンド対決となる。

 1R。回りながらパンチを出し、距離を縮めていくライカ。端が組んでケージへ押し込む。テイクダウン狙いの端だが、ライカはこらえる。ライカが入れ替えてボディ連打。しかし端はケージへ押してしのぎ、投げてテイクダウン! バックに回り、残り20秒でチョークを狙うが、時間切れとなる。
 ジャッジは三者10-9で端。

 2R。小さく打ち合い、ライカが組んでケージへ。ボディにヒザ。しかし、」入れ替えた端が尻もちをつかせる。ライカはケージを使い立つが、端はケージへ押し込んでヒザ連打。さらに崩して端が上に。バックを取る。残り1分。立ちそうになるライカを潰し、殴る端。バックチョークを狙うが時間切れとなる。
 ジャッジは三者10-9で端。

 3R。ライカはもう一本かKOするしかない。パンチで前に出る。端はやや疲れているか。ライカは体力的には余裕がありそう。ボディ、パンチと攻め込んでいく。
 終盤近く、端が組み、尻もちをつかせる。上になり殴る。抜けられないライカ。立ってバックを取った橋が崩すが、ライカは立つ。残り30秒、端がけ0時へ押し込んでバックに回った。引き込んだところで終了。
 ジャッジは二者が30-27、1人が29-28、3-0で端が勝利。

端 ケージ上コメント
「嬉しいです! コロナで準備が大変な時もありましたが、気持ちが大切だと思っていました。コロナで、まだ見に来られない人がいると思いますが、たくさんのお客さんに見てもらえるような環境で試合をしたいです」

第8試合


 ISAOは2009年より参戦し、フェザー級・ライト級の二階級を制覇している。現在持つフェザー級タイトルは、2019年5月、ナザレノ・マレガリエから奪取。同年10月にはカイル・アグオンの挑戦を退けている。

 対するアキラは2013年より参戦。ゴツいフィジカルと強力なパンチが身上だが、北岡悟、徳留一樹などベルト経験者には勝てていない。今回はフェザー級に階級を落としての初戦。ノンタイトルながら、王者との一線が組まれた。ここ2戦連敗しているだけに、金星を挙げたいところだ。

1R。冷静にプレッシャーをかけていくISAO。アキラがタックルに入るが、これを切ってパンチ。アキラが片足タックル。足を引くが、ISAOはこらえて倒れない。さらに突き放す。
 ISAOのローキックをキャッチし潰したアキラだが、ISAOはバックに回りチョーク。なんとかしのいだアキラだが、ISAOはバックをキープし、アキラは脱出できないまま終了。
 ジャッジは三者ともに10-9でISAO。

 2R。首相撲に捕らえたアキラ。しかしISAOはケージへ押し込む。ヒジを入れて離れた。お互いパンチを出した後、ISAOがミドルキックから組んでケージへ押し込む。ヒザを入れて離れる。
 アキラがやや遠い距離からタックルに入ると、ISAOはフロントチョークに取る。アキラはケージへ押していくが、ISAOは立って入れ替える。残り20秒。ヒザを入れて離れたISAOが右ハイキック。終了。
 ジャッジは三者10-9でISAO。

 3R。一気に距離を縮めてパンチを打ち込むアキラ。ISAOは入ろうとするアキラを受け止め、バックを取ってチョーク。殴るアキラ。なんとか脱出したいが、ISAOは逃さずケージへ押し込む。アキラが入れ替えてヒザを入れるが、ISAOが倒して上に。ヒジを落とす。アキラは返せず、ISAOが殴って終了。
 ジャッジは三者30-27、3−0でISAOが勝利。
 危なげなく、まさに横綱相撲と言える試合だった。しかし、王者。欲を言えば一本かKOでフィニッシュしてもらいたかったところ。
 アキラは計量時、試合をやってみた感触で階級をどうするか考えると話していたが、今後、ライト、フェザーどちらで闘っていくか気になるところ。王者クラスの選手をどう攻略するかも、今後の課題となっていくだろう。

ISAO ケージ上コメント
「今日は、これまで色々やってきたことを出そうと思い過ぎて硬くなり、上を取って終わってしまいました。今後は、どこからでもフィニッシュできる選手になりたいです。
 もっとパンクラスの王者として胸を張れるよう、どんな団体、どんな選手にも勝てる魅力ある選手になりたいです。
 世界中が大変な時に、こんなにたくさんの人に入って頂いて、テレビでも見て頂いて、応援してくださったことが力になりました。これからもっと活躍していきたいと思うので、応援よろしくお願いします」

[プレリミナリーファイト]
▼第1試合 バンタム級 5分3R
●力也(KRAZY BEE)
2R 3分55秒、TKO(フロントチョーク→レフェリーストップ)
○聖王DATE(Team DATE)

▼第2試合 フェザー級 5分3R
○櫻井裕康(NEVER QUIT)
判定3-0
●風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)

▼第3試合 フライ級 5分3R
○安永有希(東京イエローマンズCUTE)
判定3-0
●聡−S DATE(Team DATE)

第1試合


 力也は、2012・2013年レスリンググレコローマンスタイル インカレ二連覇、2014年レスリング世界学生選手権グレコローマンスタイル5位入賞という実績を持つレスリングエリート。山本KID氏の推薦選手候補としてABEMA TVの格闘代理戦争のトライアルに参加している。
 2019年11月、パンクラスで田代悠生にチョークスリーパーで一本勝ちデビューを果たしている。
 しかし、今年2月の後藤丈治戦ではパウンドでTKOを負けを喫しており、星を戻したいところ。

 対する聖王DATEは2017年、プロ昇格トーナメントで優勝。2018年から3年連続NBTに出場している。今年は、2月、大谷啓元に判定負けし1回戦敗退。

 1R。タックルから組み付いた力也がテイクダウン。聖王はガードを取るが、力也が立ち上がってパウンドを落とす。聖王も立つが、力也はすぐに潰し、殴る。聖王は蹴り上げる。
 力也が立ってロー。聖王も立ち上がる。組むとケージへ押す力也。お互い殴るが、力也が離れたところで終了。
 ジャッジは三者10-9で力也。

 2R。聖王が蹴りから組む。しかし力也はすぐに離れ、飛び込んでパンチ。聖王がダウン! 力也はすぐにかぶさりパウンド連打。力也はいったん離れるが、蹴り上げた聖王に再びかぶさりサイドに。聖王は足を頭に絡めようとするが展開できない。力也は外して再びサイドを取るが、聖王ももう一回仕掛ける。動けない力也。さらに絞めるとレフェリーが止めた! 聖王が大逆転勝利。

第2試合


 櫻井は2018年6月、パンクラスでプロデビュー。渡辺謙明、上野惇平(同年12月)と2連勝している。
 対する風間は、昨年、全日本柔術選手権の紫帯で無差別級準優勝している。MMAはこれがデビュー戦となる。

 1R。
いきなり飛び蹴りを放った風間。櫻井じわじわ詰めてジャブを入れる。左ミドル。櫻井が膝で飛び込むが、風間タックルを合わせてバックに回る。スタンドでバックを奪うとケージを蹴って倒し四の字バック。バックからパウンド。マウントに移行しようとしたが櫻井反転して上に。ガードからパウンドを入れる櫻井。風間が足に絡んでいくが外した櫻井。またガード。風間腕十字を狙うが読まれている。スイープで返した。櫻井返され際に立つとがぶるが、振りほどいて離れた櫻井。風間がパンチを出していくが櫻井じわじわ出る。ゴング。
1R一者櫻井、二者風間。
2R。またじわじわ出る櫻井。風間がパンチを出したところにカウンターを狙う。パンチ連打出でる風間。桜井の左がヒット。タックルのフェイントを見せた風間。風間パンチから間合いを詰めようとするが、櫻井は距離を取り組み付かせない。左ミドルを入れた櫻井。風間パンチで出るが頭の位置が動いておらず櫻井のパンチを貰う。鼻血。風間シングルレッグで倒した。しかしすぐ立った櫻井。櫻井のパンチがあたっている。風間もパンチを出していく。左ミドル。残り20秒で風間またタックル。シングルレッグから引き込むが、櫻井のパウンドをもらう。肘。ゴング。
2R三者櫻井。
3R。また櫻井がじわじわ出ながらパンチを入れていく。風間タックルで倒したが、押さえ込む前に立たれる。パンチで出た風間。タックル。倒した瞬間にバックを狙ったが、櫻井上に。ガードを取る風間にインサイドからパウンド。離れて立った櫻井。スタンド。風間またパンチで出るとタックルに入るが切られる。風間間合いを詰めてパンチからタックル。ケージでこらえる櫻井。風間引き込みながら上を取ろうとしたが、櫻井はこらえて離れる。風間タックル。切られた。風間がパンチを当てていくが効かせられない。それでも手数を出していく風間。タイムアップ。
29-28×2、30-27の3-0で櫻井勝利。
風間はテイクダウンと打撃に課題を残したデビュー戦となった。

第3試合


 安永は2010年、修斗でプロデビューし、翌年からパンクラスに参戦。同年のNBTフライ級で優勝し、その後は破竹の5連勝。2012年、清水清隆の持つベルトに挑戦したが、惜しくも敗れた。その後、2014年〜2016年にかけて5連勝しているが、2016年7月、フライ級王者決定戦で神酒龍一に敗れて以来、6連敗を喫してしまった。
 2年ぶりの再起戦。「なんとか1勝してリズムを取り戻したい」と話していた安永。今度こそ、復活のきっかけをつかむことができるか。

 対する聡-S DATEは2019年初参戦。NBTで1回戦敗退したが、その後3連勝している。今回はベテラン食いとなるか、壁となるか。

 1R。回る安永。タイガーの蹴りをかわし、安永がタックルからケージに押し込む。ヒジを入れるタイガー。安永はさらに押し込み足をかけるが、タイガーは離れる。
 タイガーの蹴りに合わせ、安永がタックルから尻もちをつかせる。ヒジを落とし、じわじわとケージ際へ持っていく。安永が離れるとタイガーは蹴り上げるが、安永は再びかぶさりパウンドを落としたところで終了。
 声を出しながらパウンド落とした安永。ジャッジは三者ともに10-9で安永。

 2R。プレッシャーをかける安永は、さらに変な動きで挑発する。タイガーもローキックからプレッシャー。しかし康長のパンチがヒット、タイガーがダウン! 安永はハーフマウントで押さえ込む。タイガーは下から細かく殴り、安永は肩パンチ、ボディブロー、ヒジで立たせない。残り30秒、安永が殴り続けて終了。
 ジャッジは三者10-9で安永。

 3R。クネクネと身体を動かし挑発する安永。やや疲れが見えるか。
 タイガーが遠い距離から蹴るが、安永はくぐってタックル、テイクダウン。尻もちをついているタイガーをケージへ押しつけていく安永。タイガーは一本かKOしかない。殴り、腕を狙うが安永が上に。
 蹴って立ったタイガー。遠い距離から蹴るが、安永は距離を取り、もらわない。安永はセコンドに「踊れ!」とアドバイスされ、回りながら距離を取る。追いかけて来たタイガーにタックルしたところで終了。
 ジャッジは三者30-27で安永が4年ぶりの勝利を挙げた。

 試合が終わったあと「もうダメやな」「ハァ」とため息をついていた安永。試合の間隔が2年も空いて、以前の感覚とは違ったのだろうか。欲を言えば、一本かKOで格の違いを見せつけて欲しかったが……。
 とはいえ、「1勝すれば勢いに乗れる」と思いながら、なかなかその端緒がつかめずにいた安永。ついに勝利をつかみ取った。
 安永が連勝していた頃と比べると、選手の顔ぶれも変わって来ている。今後、どのような闘いを見せていくのか楽しみだ。そして、見たいのは“あのころに戻った”安永ではなく、“今”の安永だ。

[第26回ネオブラッドトーナメント]
▼第1試合 フライ級 5分3R
●西村大輝(ALLIANCE)
1R 2分50秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○梅川 毒一郎(総合格闘技道場コブラ会)

▼第2試合 フライ級 5分3R
●田代悠生(パラエストラ千葉)
1R 3分58秒、バックチョーク
○坪内一将(総合格闘技道場コブラ会)

▼第3試合 フライ級 5分3R
○山中憲次(FREEDOM@OZ)
判定3-0
●井上暉也(パラエストラ加古川)

▼第4試合 バンタム級 5分3R
○宮島 夢都希(KRAZY BEE)
3R 1分22秒、TKO(タオル投入)
●大谷啓元(パンクラスイズム横浜)

▼第5試合 フェザー級 5分3R
○井上雄斗(パラエストラ加古川)
2R 4分17秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●DARANI DATE(Team DATE)

▼第6試合 ライト級 5分3R
●鹿志村 仁之介(IGLOO)
1R 1分47秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○狩野 優(TRIBE TOKYO MMA)

▼第7試合 ライト級 5分3R
●春川広明(パラエストラ広島)
判定0-3
○中田大貴(和術慧舟會HEARTS)

▼第8試合 ミドル級 5分3R
●村元佑成(ハイブリッドレスリング鹿児島)
判定0-3
○荒井勇二(GUTSMAN)

▼第9試合 ミドル級 5分3R
●山下 剛(マッハ道場)
判定0-3
○廣野雄大(パンクラスイズム横浜)

(写真・文/佐佐木 澪)

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