PANCRASE309に参戦するため初来日したタチアネ・フォンテス、アニー・カロリネ、アレキサンダー・ラカスが公開練習!日本の印象と意気込みを語る!
10月17日夕、都内新宿区のHIDE’S KICKで、『PANCRASE 309』(10 月20日、新木場スタジオコースト)に出場する外国人3選手の公開練習が行われた。
女子バンタム級で1位の東陽子(和術慧舟會AKZA)と対戦するのはタチアネ・フォンテス(WARRIORS MSP)だ。2019年5月の修斗ブラジルで勝利するなど、現在2連勝中。柔術がベースで、ムエタイやキックも練習しているという。
女子フライ級で3位のライカ(RIGHT THING ACADEMY)と闘うアニー・カロリネ(NAJA FIGHT TEAM)は、MMA歴7年目。MMA戦績は6勝7敗で、将来はUFCに上がりたいと言う。散打がバックボーンで、現在はムエタイを教えながらMMAを続けている。
ウェルター級で髙木健太(リバーサルジム川口REDIPS/4位)と闘うアレキサンダー・ラカス(CRO COP TEAM)は、ミルコ・クロコップのチームに所属している。なんと、ミルコ自らラカスを誘い、チーム入りが決まったという。空手がバックボーン。
3選手のコメントは以下。
《タチアネ・フォンテス》
――コンディションはいかがですか?
「大丈夫です」
――日本は初めてですか?
「はい、初めてです。すごく整理されていて、親切な人が多い印象を持ちました」
――さて、あなたのスポーツ歴を教えください。
「仕事をしながら、23歳で柔術を始めました。5年やっていて、青帯です。ブラジルのリオの柔術のイベントで、64kgで優勝しました」
――MMAに転向したきっかけは?
「MMAは26歳で始めたので、2年間やっています。本当は、MMAはあまり好きではなくて、やるつもりはありませんでした。でも、欠場した選手の代理に抜擢されて、試合に出ることになったんです。その試合の3週間前に(出てほしいと)言われて、私は柔術しかできないので、柔術だけで闘おうと思って、アームロックで勝ちました。その試合をやってMMAが好きになって、インドへ行きました」
――えっ、インドですか!? MMAの修行に行かれたのでしょうか。
「インドで、いろんな格闘家を集めて闘っていくというリアリティショーがあって、それに出演したんです。2試合して、1勝1敗でした。最後はインドの選手が優勝しました」
――ちょっと変わった経験も含め、自分では、どんなファイターになってきていると思いますか?
「私は何でもできるファイターだと思っています。グラウンドもスタンド、どちらもできます」
――首相撲が強い印象ですが、ムエタイの経験があるのでしょうか?
「ムエタイやキックボクシングも練習でやっています」
――MMAで尊敬する選手はいますか?
「UFCに参戦しているポリアナ・ボテーリョ選手です。ハビブ・ヌルマゴメドフのようなスタイルが好きですね」
――パンクラスからオファーが来たときの気持ちは?
「オファーをいただいて、すぐにOKしました。この試合は、自分のキャリアにおいて、すごく良いチャンスになると思います」
――相手の東陽子選手の印象は?
「あまり資料が見つからなかったんです。でも、どんな相手が来ても大丈夫です。いい試合をして勝ちます」
――東選手は、柔道で実績のある選手です。
「準備は万端です。もしスタンドになれば、殴り合いなら私が勝ちます。首相撲からのヒザ蹴りは練習でもよくやっています。とにかく、1分1秒でも早くフィニッシュしたい。相手が来たら、こちらから向かって行って終わらせます」
――今後の目標は?
「パンクラスは大きな大会で、有名選手がたくさんいます。私もそうなりたいです」
――日本のファンにメッセージをお願いします。
「パンクラスのような大きな大会に参加できて感謝しています。私は準備していますから勝ちます。相手は経験豊かですが、私が勝つと思っています。(相手は)ランキング1位ですが、私が勝ってベルトを巻きます」
《アニー・カロリネ》
――コンディションはいかがですか。
「長い旅でしたが、コンディションは良いです。よく寝て疲れも取れました」
――日本へは初めてですか?
「はい、初めて来ました。まだ来て間もないですが、日本には良い印象を持ちました。ハイテクがすごいですね」
――あなたのスポーツ経歴を教えてください。
「14歳で散打を2年ほどやりました。しばらく中断して、また戻りました。また、2009年、ブラジルのアマチュアムエタイの大会で優勝しています。今は、ムエタイを教えながらMMAをやっています」
――MMAを始めたきっかけは何ですか?
「私の州では、柔術やムエタイが盛んで、私も茶帯を持っています。そのうち、MMAも盛んになって来たので、MMAも始めました。それが7年前、2012年のことです。格闘技の選手になりたくて、MMAをやるチャンスがほしいと思っていました」
――好きだった選手は?
「クリス・サイボーグ選手ですね。ちょうど私がMMAを始めた頃に調子が良かった選手で、憧れました。私もそのスタイルを取り入れています」
――MMAを始めてみて、その魅力とは何でしょう?
「予測が不可能なところです。相手が何をしてくるか分からないのが、とても面白いです。私は、スタンドも殴り合いも、何でもできます」
――2016年にヴィルナ・ジャンジィローバと対戦していますが、どんな経験になっていますか?
「自分にとって、すごく大事な試合です。今のような精神状態で臨めていれば、もっと良い結果を残せたのではないかと思っています。連敗続きの時に試合をOKしてしまったのも、あまり良くなかったです」
――ジャンジィローバとの試合の後、少しブランクが空いているようですが、どうしていたのですか?
「特にありません。ただ練習していただけです」
――パンクラスからのオファーが来たときの気持ちは?
「初めてその話を聞いたときは、信じられなかったです。すごく嬉しくて、今、モチベーションがすごく高くなっています。パンクラスは、ブラジル人が参戦してからずっと見ていました。シッジ・ホッシャやマイラ・カントゥアリアが印象深いです。でも、まさか自分が出られるとは思っていませんでした」
――今回の相手の印象はいかがでしょうか。
「ライカ選手の出た試合をたくさん見ました。殴り合いが素晴らしいです。私も殴り合いが好きなので、殴り合いましょう! 私は柔術もやっているので、極めます」
――どんな決着になりそうですか。
「どうやって終わるかは想像できませんが、私の手が挙がっているのは想像できます」
――今後の目標を教えてください。
「またパンクラスに参戦して試合をしたいです。そして、将来はUFCに参戦したいと思っています。
――パンクラスのベルトを巻きたいですか?
「もちろん!」
――意気込みをお願いします。
「パンクラスに参戦できて、すごく嬉しいです。できるだけ良い試合を見せたいです。そして、ライカ選手も、私と同じようにいい調子であってほしいです。殴り合います!」
《アレキサンダー・ラカス》
――コンディションはいかがですか。
「とても良いです」
――日本は初めてでしょうか。
「はい、そうです。まだ東京しか見ていませんが、素晴らしい人たちのいる、素晴らしい国だと思います。幸せです。子供の頃から日本のことを知っていて、今回日本に来られて本当に嬉しいです。ハッピーです」
――あなたのスポーツ歴を教えてください。
「MMAの前は松濤館空手をやっていました。空手歴は7年で、茶帯です。クロアチアのナショナルチャンピオンになりました」
――MMAを始めたのは?
「5年前から始めました。空手のあと、キックボクシングをやって、MMAに移りました。その流れの中でチーム・クロコップに入りました。マーシャルアーツが好きでしたし、ミルコのファイトを見たのが直接のきっかけです。ミルコはとてもグレートな選手です。世界的なファイターであり、クロアチアでは国民にとってのアイドル的存在です」
――チームに入った経緯は?
「ミルコから直接、誘われたんです。スカウトされたような形です。ミルコはおそらく、パンチ力を評価してくれたのではないかと思います」
――直接とはすごいですね。ミルコのジムにはどのくらいの人がいるのでしょうか?
「ミルコのジムは1つだけで、石井慧もメンバーです。他にも何人かプロ選手がいます。
――石井慧選手からアドバイスはありましたか?
「内緒です(笑)。でも、前戦のフィニッシュ、キムラはサトシサンから教わりました」
――チームでは、ライト級の選手はあなただけで、ほかのチームメイトは大きいですが、どうやって練習しているのでしょうか。
「クロアチアの、他のジムへ練習に行っています」
――さて、パンクラスからのオファーが来たときの気持ちはいかがでしたか?
「非常に興奮しました。そして、今も興奮しています。パンクラスはベストな位置にある団体です。そこで戦えるのはハッピーです」
――相手の髙木健太選手の印象は?
「いいファイターですし、尊敬もしています。戦えるのを楽しみにしています。髙木選手は打撃が強い選手ですが、私もストライカーの1人として、ベストを尽くしたいです。また、ケージの中でプラン通りに試合をしたいです」
――あなたの得意な攻撃は?
「左の蹴りです。ローもハイも全部好きです」
――ミルコ選手と同じですね。ミルコ選手には、サウスポースタイルのアドバイスはもらっていますか?
「はい。私はミルコの試合をいつも見ていますし、試合をコピーするくらい参考にしています」
――では、試合では左のハイキックが見られますか?
「多分(笑)。ミルコからは、『いつも通りのファイトをしろ』と、いつもベストなアドバイスをもらっています」
――髙木戦の後にKSW(コンフロンタチャ・シュトゥク・ヴァルキ、ポーランドの総合格闘技団体)での試合が決まっていますが、髙木戦をクリアできるという自信の表れですか?
「怪我なく、次のファイトに臨むことを希望しています」
(写真・文/佐佐木 澪)