【会見全文】スターダムがブシロード傘下へ!大田区総合体育館大会や海外イベントでの試合が決定!ロッシー小川はエグゼクティブプロデューサーへ
17日、都内某所にてスターダムが新体制発表記者会見を行い、スターダムとブシロードグループの株式会社キックスロードが事業譲渡契約を締結したことが発表された。
ブシロードは新日本プロレスの親会社であり、株式会社キックスロードはキックボクシング団体『KNOCK OUT』を運営するブシロードのグループ企業。
他方、スターダムとは、全日本女子プロレス時代からその名を馳せるロッシー小川によって2011年に旗揚げされた女子プロレス団体。現存する女子プロレス団体の中では最大勢力を誇り、近年では宝城カイリ(現:カイリ・セイン)、紫雷イオをWWEに送り出すなど海外からの注目度も高い団体だ。
これでブシロードグループ内に男子プロレス団体と女子プロレス団体がそれぞれ存在することとなり、今回の新体制発表は業界の情勢を大きく変えることとなる。
会見の場にはスターダム所属選手たちと社長のロッシー小川が登場し、ロッシーが挨拶を行った。
ロッシー「本日、一部報道にも掲載されましたけども、株式会社スターダムと株式会社キックスロード様とが事業譲渡の契約を締結したことをここに発表させていただきます。スターダムは2011年1月23日に新木場1stRINGにて旗揚げをしまして、来年の1月でちょうど10年目に入る団体でございます。これまで歴代の選手、スタッフの尽力により、今や女子プロ団体のトップ団体であることを自負しております。今回、株式会社キックスロード様より事業譲渡のお話をいただきまして、色々考えたんですけど、やはりスターダムの未来・将来を考えた場合、ブシロード傘下に入ることでより多くの発展を確信いたしました。そしてなによりもブシロード関係者の方はスターダムに対してご理解ありますので、その下で安心してやっていけるという判断になりました。今後の展開につきましては株式会社キックスロードの原田社長とブシロードの木谷オーナーによってお話させていただきます。原田社長、木谷オーナー、お願いします」
ロッシーに呼び込まれ、株式会社ブシロードの木谷高明オーナー、株式会社キックスロードの原田克彦社長が登壇し、挨拶を行った。
原田「本日は新体制に移行ということでお集まりいただいてありがとうございます。株式会社キックスロードの社長をやってます原田と申します。今後の展開に突きましてご説明させていただきます。私ども株式会社キックスロードはキックボクシング興行のKNOCK OUTを運営してまいりました。今回のスターダム様との事業譲渡の契約によりまして、12月1日から会社名を『ブシロードファイト』と名称変更させていただきまして、今後は従来のキックボクシング興行と女子プロレス興行を軸に事業を展開していきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。
次にですね、今後の日程に関してまして発表致します。スターダムは、2021年に旗揚げ10周年を迎えます。それに向けた取り組みを企画しておりますが、まずはビッグマッチの第一弾といたしまして、2020年4月29日『東京シンデレラ2020』と題しまして、初の大田区総合体育館大会を開催致します。あと、8月8日、9日後楽園ホールの2連戦を行っていきたいと思っております。こちらの方の開催の概要につきましては決定次第のご報告となりますが、今後も追加日程に関してましては随時皆様にご報告させていただきたいと思いますので、ご期待いただければと思います。
続きまして、2019年12月7日、8日にアメリカのアナハイムコンペンションセンターで開催致します、ブシロードグループ主体による『CharaExpo USA 2019』に出場致します。こちらは既に発表されている新木場大会と日程が重なっていることがありますが、出場選手につきましては、岩谷麻優選手&中野たむ選手と、坂井澄江選手&ニコル・サボイ選手の試合を予定しております。新木場大会での両選手の出場を楽しみにされていたお客様には大変申し訳なく思いますが、今後のスターダムの海外展開に向けた大きなきっかけになると思いますので、どうぞご理解の程よろしくお願いします。
続きまして、今後のプロモーション展開戦略。まずはテレビ放送についてご報告を致します。テレビ放送については、BS日テレにてレギュラー放送が開始されます。試合はもちろんですけども、選手の個性もより魅力的に発信していきたいと思います。さらにTOKYO MX TVでもレギュラー放送を開始する予定でございます。こちらもどうぞご期待ください。この他の詳細についてはHP・ツイッター上にて発表していきますので、どうぞご注目ください。
最後になりますが、選手契約になります。今後は株式会社ブシロードファイトが各選手との選手契約を行っていくこととなります。選手がより一層プロレスに集中できる環境を作れるように務めていきたいと考えております。選手ファーストの考えのもとに一丸になってより高みを目指していきたいと思いますので、皆さんどうぞ宜しくお願い致します。以上でございます」
木谷「本日はこの会見にお集まりいただいてありがとうございます。なぜこのような新体制になったかというと、私の中の動機を正直に言いますと、2年前くらいから悩んだというか、迷っておりました。世界的にプロレスのみならず格闘技団体、他のスポーツも含めて、女子というのが非常に大きな位置を占めていると。そんな中でブシロードグループの中で新日本プロレスは大きな収益を上げておりますし、今後もしばらく混ざることはないと思っています。特別なお祭り的な大会で上がることはあると思いますけど、今の所は関わることは無いと思います。例えば海外、新日本プロレスもアメリカで大会を開催しております。これも年々数が増えてますから、海外ですと『なぜ女子の試合が1試合も入っていないのか』みたいな、これはもう世の中の流れですよね。その流れで言われてることもあったり、あらゆるプロレス団体・格闘技団体を見てて、メジャーなところでは女子の試合が入っていないものは1つもないというふうに僕は認識しています。そんな中で、『何もやらないでいいのか』とずっと思っておりまして、少しずつリサーチを実は始めておりました。その中で、キックスロードと……これはブシロードファイトという社名になりますが、原田が色んな方々と、女子プロレスの関係者とお話する中で、ロッシーさんが一番ピンとくるというか、フィットすると。またスターダムという団体には可能性がある。現状も素晴らしいけど、非常に可能性がある団体であると報告を受けまして、私も見に行かせていただきまして、やっぱり、これは行けるんじゃないかということで、協議に至るという形になっております。先程申し上げましたように、当面新日本プロレスと混ざることはないです。お祭り的な大会や海外で出たりすることはあるかも知れません。ただ、僕自身はある日突然『なんで女子の試合無いの?』と、急に世の中の空気が変わるリスクっていうのを実は思っていてですね、『いまどきそれは無いでしょ』と世の中の空気が変わるリスクもあるなと思ってて、現状は別路線、別立てで、女子プロレスをやるのがいいのかなと思った次第でございます。これから正式には12月からということにはなりますが、一緒になって、より今の素晴らしいスターダムをもっともっと大きなものにしたいなというふうに考えています。その中で、いくつかその方向を目指していきたいというものを申し上げますと、1つは選手が試合をする環境整備をどんどんしていきたいなと思っています。いい環境の中でもっとのびのび試合が出来るようにというのを、リングの内外を含めてやっていきたいですし、せっかくやるからにはもっと多くの大勢のお客さんに見てもらうような環境も……直接見てもらえるのもそうですし、さっき発表もありましたテレビとかネットを通じてみてもらうということも考えています。
2つ目は、今申し上げました、とにかく露出を増やして行きたいと思っていますので、もしかしたらブシロードグループのイベントに出ていただいたり、番組に出ていただいたり、もしかしたらCMに出ていただく可能性もあるんじゃないかというふうに思っています。これは新日本プロレスのときにも言いました。その当時、役員会でも他の役員に説明するのに『プロレスはキャラクターコンテンツだから』ということをずーっと説明してたんです。やはり、人間が感動するのはキャラクターとストーリーだと思っています。スポーツに於いてもそれは例外ではないと思っていまして、この素晴らしいキャラクターとストーリーをもっと広められるように努めていきたいと。これが2つ目でございます
3つ目はですね、やはりスポーツ部門と言いますか、もっと広い言い方をしますとライブエンターテイメント部門というのはブシロードグループの中でも非常に重要な部門になっていますので、スターダムもその一員となってですね、より大きくライブエンターテイメントというものをですね、もっと世の中に発信していきたいと思っておりますので、色んな新しいことをやっていきたいと思っています。
大体こんなようなところがですね、今回の買収に至った経緯ではございます。個別に突っ込んだことはあとで質問コーナーで質問していだだければと思いますので。とりあえず私の話はこれで終わらせていただきます。とにかく、この素晴らしい団体をもっともっともっと素晴らしい、世界に広がる団体にしたいなというふうに考えています。ありがとうございました」
質疑応答の時間となり、選手たちは一旦全員退場。その後、選手代表として岩谷麻優、星輝ありさ、渡辺桃、林下詩美、木村花、ジャングル叫女、花月が再登場。
――小川社長、この事業締結のあとの小川社長のお立場は
小川「現状運営の変化は特にはないんですけど、特にというか、ブシロード側からスタッフが増えたりして、よりスタッフが強固になる。従来のスタッフはそのままいると。私の立場は……何ていうんですかね?スターダムの責任者って感じですかね?」
原田「小川社長にはスターダム事業部門の最高責任者、エグゼクティブプロデューサーという形で就任していただくことになります。しっかり現場の方を見ていただいて、これまで色々煩雑な運営面というか経営面は我々ブシロードファイトでやらせていただきますので、現場の方で思う存分力を発揮していただければと思います」
――ファンからも疑問の声があったが、里歩選手は継続参戦するか
ロッシー「はい。一応参戦致します」
――KNOCK OUTの運営に関しての変化は
木谷「そこは特に変化は無いですね。ただ、試合数は圧倒的にスターダムのほうが多いですから、社員全員で業務量としては、2:1とか3:1くらいになるのかもしれませんが、KNOCK OUTも今まで通りの運営になると思いますし、社員が増えることでやりやすくなると考えています。そちらはご心配なさらずに。こっちはこっちで力を入れていきます」
――木谷オーナー、スターダムに可能性や伸びしろ、改善点、問題点、もったいないなと思ったところは
木谷「まずもったいない部分から行きますと、何回か会場に行かせていただきましたけど、これは他の女子プロレス団体含めて言えることだと思いますけども……すみません、ここの3人はジジイの部類に入ると思うんですけども、お客様の年齢が高いですね。そしてほぼ男性しかいない。まず、客層としてもったいないのは若い男性がいないというのが1つ、もう1つは女子がいない。僕らが中学生・高校生・大学生くらいのとき、女子プロレスが非常に流行ったときって、支えてたのは女子だったんですよね。なので、環境整備ってさっきは一言で言っちゃいましたけど、女子が見やすい会場・大会・イベントにしたいなと思っていますし、あとは最初の段階は、わりかし若い男性を引っ張りつつ、女子にアプローチするというやり方をすると思いますけど、それはやはり、応援文化というか、頑張っている人を応援したいという文化は昔よりもあると思っています。若い男性の中にも、若い女の子が一生懸命頑張っているのをもっともっと応援したいという人がいると思っています。そこにちゃんとアピールする。
次はですね、女子が女子を好きだっていうのが、昔よりも非常にもう、僕はスゴイ増えていると実感しています。ですから、その客層を取れるはずなんですね。そのへんを増やしたいなと。将来的に、本当にお客さんが増えてきたら、自分も『レヴュースタァライト』という舞台をやってるんですけども、7公演やったら1日だけ女子限定にしたりしてるんですね。女子だけで2000人集まるんですよ。2000人の舞台7回やってたりするんですけど、スターダムもアレですよね、女子限定興行とかやりたいと思います。日曜日の昼と夜を分ければ問題ないんじゃないですかね。面白いと思います。ただ、これはお客さんが増えてからだと思ってますけど、やったら面白いかなと思います。そのときはまずね……いいんですかね、この会見で言っても(笑)女子だけの空間を作ると女子の歓声って全く変わるんですよ、男がいるときと。うん。なので、それに触れると女子プロレスラーの人もちょっと違う動きやオーラなんかが出るんじゃないかなと考えています」
――収益の部分で、新日本プロレスの場合は積極的に広告を投入したり、当時はまだ存在しなかった新日本プロレスワールドというコンテンツを増やして収益を上げてきた。スターダムの収益を上げるアイディアは現段階でありますか
木谷「まずはやっぱり興行の規模を大きくしていくしかないと思ってますね。興行の規模さえ大きくすれば、商品の売り上げも増えますし、配信サービスもスターダムでやられているので、会員が増えたりとか、あとは色々メディア・芸能収入も増えますし。まずはイベント・露出を増やしてイベントの規模を大きくしていくことで色々派生していくものを取っていくという感じだと思います」
――是非選手の声を聞いてみたいのですが、いかがでしょうか
岩谷「皆さんこんばんは!スターダムのアイコン、岩谷麻優です!今回このような新体制になるということで、自分は旗揚げメンバーなので、1年目からスターダムが出来上がっていくときから今までずっとスターダムでやってきているんですけど、今年MSGの大会に出させていただいた時に、ホントに会場の大きさだったりとか、たくさんのお客さんに圧倒されて、いつかスターダムでも沢山の人に見てもらえるような試合ができればいいなと思っていました。この新体制になってから、多分大きい会場も増えていくと思うので、どんどんどんどん大きくなっていくスターダムを見せていきたいですし、自分たちも楽しんでいきたいと思います」
星輝「スターダムの星輝ありさです!自分は去年の11月に復帰をしたんですけど、1年があっという間だなと思っていて、この短い1年の中で、こんな大きな出来事があって、ほんとにスゴイなと思います。それで、個人的にやっていきたいなと思っているのは、今は新木場とか後楽園ホールが多いんですけど、東京でしたら。さっき麻優ちゃんも言ってましたけど、もっと大きな会場でやっていきたいなというのは自分が復帰したときからずっと思い描いていたことです。なので、両国国技館以上のところでもやっていけるように自分自身も頑張っていたいと思います。以上です」
桃「Queens Questの渡辺桃です。この新体制になって、私の目標なんですけど、大きい会場でやったりとか、テレビで放送されるとか、かなり女子プロレスを広めることになると思うので、自分の10代の世代とか同世代の人にも私が広められるように頑張っていきたいと思います」
詩美「Queens Questの林下詩美です。私は元々プロレスがずっと好きで、それで昨年デビューさせていただきまして、新体制になってからは色んな所でもっとスターダムを取り上げていただいて、スターダムのプロレスを色んな人に知っていただいて、たくさんのお客様に来て頂き、大きい会場でスターダムの最高の試合をもっと色んな人に届けていけたらと思っております」
花「TOKYO CYBER SQUADのユニットリーダーをやってます木村花です!そうですね、これからやっていきたいこと。女子プロレスをあまり良く分かっていない同世代の方とか、女性とか、プロレスよくわからない方がすごく多いと感じているので、まだよくプロレスが行き届いていないところに、『女子プロレスってこういうものですよ』というのを伝えていきたいと思うのと、最近よく思うのが、障害とか施設とかでハンディキャップを持って日頃暮らしている人たちに勇気を与えることが出来る職業だと思っているので、やりたいなと思っていることは、施設とかで暮らしている子達や、それこそ色々合って刑務所とかで過ごしている方たちに私達が試合を見せて、自分たちの可能性とか若い人たちの可能性とかを見せて、『こういう選択肢もあるよ』っていうのを伝えていきたいと思っています。ありがとうございました」
叫女「TCSのジャングル叫女です。木谷さんがすごい具体的にスターダムのことを考えてくださって、これから女性の方を増やしていきたいっていう意見を頂いて、本当にそのとおりだなって思いましたし、男性のお客様も、やっぱり女性がたくさん見に来ている会場のほうが嬉しいと思いますので、そういったコンセプトに沿ってスターダムの選手、ほんとにいろんな個性があって、キャラが強くて魅力ある選手、たくさんいます。ただ、やっぱりリング上だけだと見せられる部分も限られてくると思いますので、テレビ・メディア、そういった露出を特に増やして、自分はベシャリが好きで、喋る仕事をしたいなって話を、以前ブシロードさんの方にしたんですけど、ラジオとかやってみたいなと強く思うので、テレビ・メディア露出が増えていくように、そしてスターダムの魅力、ジャングル叫女の魅力をもっと多くの人に伝えていけるように精進していきたいと思っております」
花月「大江戸隊の花月です。今回はこういう新体制になるということで、とても選手一同嬉しく思っております。今ここにいる選手は、すごく未来の展望を、あとは社長も未来のことをすごく楽しみに、それは私も一緒です。ただ、今ここで私が申し上げたいのは、私は2年前にスターダムに入団しまして、選手の底上げを徹底してきたつもりです。今回こういう形になったということは、かなり底上げができたんじゃないかなと自負しておりますが、これからもっともっと露出度が増えると思いますが、選手のクオリティ、試合のクオリティを一切落としたくないというところが私の課題かなと思っております。私自身、露出したい、メディアに出たいということも高くありますが、新しい時代を作っていくということは、多くの皆様に見られるということで、女子プロレスという根本的なものを私は消したくないと思っております。だから、新しい時代、新しい風を取り入れつつ、しっかりと昔から築き上げてこられた女子ならではのプロレス、闘いをスターダムで見せていけるように頑張っていきたいと思います。以上です」
――木谷オーナー、『新日本プロレスと関わることはない』という話もありましたが、ブシロードの中で、D4DJやバンドリ!といった女性によるライブエンターテイメントを数多くされていると思います。スターダムも以前はももいろクローバーZのライブ会場でも試合をやったこともあったと思います。そういったブシロードの女性のライブコンテンツとの連携は考えられますか
木谷「これはですね、今昔以上に今のお客さんって自分が好きなものに違うものが混ざってくるのって嫌がるんですよね。世の中にコンテンツ・IPが増えたからだと思っています。どちらかというと、薄く広くよりも狭く深いものがいっぱいあるのが今の時代だと思っていますので、そこは慎重にやらなきゃいけないと思ってますけれども、ただ、出来ることがあればやりたいと思っています。例えば、先程キャラエキスポを紹介させていただきましたけど、キャラエキスポっていうのはですね、アメリカのアナハイムのコンペンションセンターでやるんですけど、カードゲームのイスだけで1300くらいあるんですね。カードゲームのプレイヤーがいて、ステージがあって、一般の出展ブースがありつつ、リングもあるんですよ。そこはどちらかと言うと完全なお祭り空間にしてですね、アニメもゲームもカードゲームもプロレスも楽しめるということで、そういうシチュエーションだったらみんな楽しむことが出来るので、どういうふうにやるか。新日本プロレスが最初にグループ会社になったときも、TGSでリングを作って見せたんですね。これはすごい実は受けてですね、あるお客さんのつぶやき見てたら、『でかいスクリーンにプロレスが映ったから、最近のゲームはすごくCGが発達したんだなと思ったら実は本当に試合をやってた』っていうのがあって、そういう相乗効果も含めていろいろ考えていきたいと思ってますけど、今『コレ!』ってのは無いですね。コレは出来るかなと思うのは、女子プロレスに入った人には舞台出身の人もいたりするんですね。これはプロレスやりながら舞台に出るというのは、有り得る話だなと。これはあまり違和感ないと思っていますので、ファンの皆さんに受け入れられること、前向きにビックリしてもらえること、喜んでくれることから少しずつやりたいと考えています」
――今キックスロードのKNOCK OUTでは解説で相羽あいなさんがいらっしゃいますが、今後スターダムの解説で相羽あいなさんが出てくる可能性は
木谷「それはあるんじゃないですかね?それは全然本人もやりたいと思うと思いますけど、聞いてはいないですけどね。まだ話してはいませんから(笑)ただ、リングに上がるのは僕は止めますけどね(笑)まあ、本人もリングに上がりたいとは思ってないと思いますけど、関わりたいとはすごく思ってると思います」
最後に木谷オーナーが締めの言葉を述べた。
木谷「先程の質問コーナーの前のところの会見で『2年前くらいから考え始めた』という話をしたと思います。最初は女子プロレスっていうものに関わっていないと、こういう流れがきたら嫌だなってところから動機はもちろん始まっております。ただ、検討している内に、今年の夏くらいから、どちらかと言うと、正直言ってそのときの主体が新日本プロレスにありました。新日本プロレスを守るために、伸ばすために女子プロレスが必要になるんじゃないかなと思っていました。誤解がないようにしていきたいんですけど、見てる内にスターダムはスターダムでこれは立派なIP・キャラクターコンテンツなので、これはこれで大きく伸びる可能性あるんじゃないかなと思って、新日本プロレスを伸ばすっていうところから、スターダムをもっともっと伸ばすっていうところに発想が変わっていったというところはご理解いただきたいと思います。そんな中で今回の新体制発表に至ったと理解していただきたいと思っていますので、後ろ向き、防御的なことではなくて、あくまでも前向きに『これはこれでもっと伸びるんじゃないの?』って。その中でお互いちょっと混ざる部分があってもいいんじゃないかなというふうに思っているだけで、当面はお祭り的なとか海外じゃないかなと思っています」
<囲み取材>
木谷高明オーナー&原田克彦代表&ロッシー小川代表&岩谷麻優
――小川さんにお伺いしたいですが、ご自身で作って育てたスターダムが最初に事業譲渡を聞いたときはどのようなお気持ちでしたか?
小川「以前からブシロードさんとは何か絡みたいとは思ってたんですよ実は。思ってたんですけど、そういう事業譲渡という発想はなかったですけどそういう時がきたのかなと」
――惜しいとか自分の手を離れてしまうという気持ちは
小川「いや別に経営するのは得意なわけじゃないんで、やっぱりソフトを作ったり運営したりするのが自分の本来の姿。そういう部分は専門の原田社長とかにやっていただければいいと思います」
――女子プロレスのコンテンツとしての魅力はどのへんにあるのでしょうか?
木谷「そうですね、フレッシュさがあるところですね」
小川「(新日本などに比べると)若い団体ですしね」
木谷「非常に可能性があるなと。海外でも前と違う景色が見えたと思いますし。新日本でもよく言ってたんですけど、新日本プロレスワールドで10年ぐらい前の映像を見ても試合内容そんなに変わってないですよね。ただ3000人入ってない会場に、例えば広い会場で両国国技館に三千何百人しか入ってないよりも、そこに1万人パンパンに入っていたほうが一万人のオーラでやってる方も色気が出てくるんですよね。やってることが同じだとしても。成長させていけば試合している選手のほうが出すオーラがもっともっと変わっていくんじゃないかなと」
――2年ぐらい前からリサーチされてたということですがスターダムだけではなく色々な団体をリサーチされた?
木谷「2年前ぐらいから女子も考えなきゃいけなかなと思い、正直言って女子プロレスそんなに関心なかったんですよ。なぜかっていうと、あんまり女の子に痛いことさせたくないから。ただ世界的に女子プロレスだけじゃなくてスポーツもそれ以外の世界でも頑張る女の子で感動したいという人が増えてると思うんですね今。スターダムもそうだなと思って、今までの考えを改めようと」
原田「実際リサーチさせていただいてお会いさせていただいた団体の方もいらっしゃいますし、一年前ぐらいから木谷オーナーに会うたびに『あの話はどうなってる?』というような感じでいつも聞かれていたので、これは早く進めなきゃいけないなと思いまして、いくつかの団体の方とはお会いさせていただいたという形です」
木谷「やらなきゃいけないのかなという思いの中にはWWEの存在もあって、あっちが持っていてこっちが持っていない、こっちがちゃんとした舞台を作らないとちょっと人気が出たら向こう行っちゃいますよ。こっちにそれなりの舞台があればね、アメリカ行きたいっていうのもあるけどこっちに大きな舞台あるからいいかと、むしろこっちの方がいいのかなと考えたりして、親御さんも娘を遠くに出すのか、ニューヨークに行っちゃうのというよりはね、場を作ってね」
――最終的にスターダムが決め手になったのは
原田「やっぱりフレッシュさや、所属選手たちが海外に行かれたりとかここは露出含めて団体の新陳代謝の良さと言いますか、良い意味での競争が働いているんだろうなと思いまして、やはり団体としても大きくなる要素は十分にあるなと考えさせていただきました」
――選手にはどのような形で伝えられたのでしょうか?
岩谷「そうですねやっぱりあの、昨日集められて小川さんからブシロード傘下に入るということを言われたんですけど、まあ、自分の目標としては日本に居ながら世界に注目してもらえる選手になりたいという自分の目標があるので、日本に居ながらほんとに世界一有名になれるんじゃないかなとそういう希望もあってすごい嬉しかったし、小川さんが社長でなくなるかもしれないというすごい残念というか、おじいちゃん大丈夫かなというそういう気持ちもあったんですけど、周りの方がしっかりされてると言ったらすごい上から目線になっちゃうんですけど、ここだったら安心してプロレスラーとしてプロレスに打ち込める会社だなと思うので、ほんとにこれからが楽しみです」
――新日本プロレスと絡むとしたらお祭り的なイベントということでしたが、それはドームとかではない?
木谷「まあ、可能性としたらあると思いますけど、現場を優先したいんで、昔の15年前ぐらいのいいからやれって言ったら実現するんだったらいいけどそうじゃないから(苦笑)どう思いますか?って入らなきゃいけないので、明言はできないですけど可能性としてはあるかなと。あとやっぱり今日の反応も含めてファンがどういうリアクションをするか。一回見てからでもいいのかなと。まあ、ちょっとTwitterで見ても両方ありますよね。まあお祭り的なものや海外だったら仕方ないよね今はみたいないろんな反応がありますね。それを一回まとめてみたいなと。新日本としてもそういうことを真剣に考えるいい機会ですね」
――別コンテンツのファンは混ざるのを嫌がるのでじっくり考えるという言葉がありましたが、例えばプロレスを題材にした新しいコンテンツを作るとかは
木谷「裾野がだいぶ広がってきたらありでしょうね。先程言った混ぜるのを嫌がるというのは、プロレスを通したら実はそこまで違和感がなかったりするし、女の子同士でも違和感はない。そこは、まあまあじっくり考えたいと思います」
――先ほどおっしゃられていた新しいファンを増やすのはなかなか難しいと思うが
木谷「会場で見たら平均年齢40歳超えてるんじゃないですか?それぐらい若い人いない」
岩谷「そうですね、あんまりいらっしゃらないですね、正直(苦笑)」
木谷「やっぱり20代30代、場合によっては10代の人も来てほしい。女性には全年齢来てほしいですね。上の男性に来てほしくないってわけじゃなくて、来てない人に来てほしいって意味なんで、例えばテレビで放映していけば偶然見る機会ってあるわけですね。偶然見て面白いなこれっていうのでもいいし、可愛い子出てるなってそういうのでもいいと思うんですけど、一回会場行ってみようかなって思ってくれればいいなと。やっぱり露出はあらゆる意味で増やしてひっかかりを多くしたい。これは新日本でもそうですけど、発表になってる売上の推移は97年が39億でしばらくそれからずっと下がってて、2010年で10億ちょっとまで下がっちゃった。でも、内容的には今と2007年~9年ぐらいからあんまり変わらなくなってたんですよ。なんで、内容的には面白くなってるのにお客さん増えなかったって、やっぱり露出だったのかなと思うんですよ。露出を増やすことでパンパンパンと、転がり始めると実は段々転がってることによって、今日は大勢のメディアの人に集まっていただいてますけど、この今集まっていただいたメディアの人にまで『最近女子プロレスブームみたいだね』と取材にも入ってテレビも入ってとりあげたいとなったりとか、早く回転させるべき。会見では言わなかったですけど、やっぱり2年間が勝負だと思います。2年で一気に上げなきゃだめ。売上2億程度ですが2年で3倍の6億にしたい。2億を10億にしたら5倍じゃないですか。新日本も10億ちょっとから前期54億まで行って5倍になってるんですね。僕の中ではそもそも大きいものを大きくするよりも小さいものを大きくするほうが倍率的には早い。3年でほんとは10億にしたい。そうするともっといろんな事できやすくなるんですよ。6億超えてくると新日本みたいに選手バス作りましょうかみたいな話になると思うんですよ。そうするとそのバスが走っている事によって、宣伝にもなるじゃないですか。見かけますよねTwitterとかでも、高速道路のサービスエリアに新日本のバス停まってるって」
――新日本での成功例が今後スターダムにも生かしていける?
木谷「まったくイコールではないと思いますけど、参考にはなる部分はいっぱいあると思います」
――キック界に比べるとスターダムは出来上がっている状態だと
木谷「格闘技の難しいところって色々あると思いますが、一個だけ上げるとすると試合数が少ないところです。これが今の時代にあってないんですよ。どういうことかというと、年間150試合ありました、150回何千人のお客さんが集まるわけですよね?そしたら明日新日本の大会だ、今日面白かったってSNSでつぶやくわけじゃないですか?だから数が少ないとSNS時代に向いていないんですよ。なので、スターダムももうちょっと興行数多くしたほうがいい。もうちょっとあの、すぐにじゃなくていいので、そのたびに選手もお客さんもつぶやくので、これはTwitterの事だけ言ってますけど、それ以外のSNS含めてそういう意味で盛り上がりを繋いでいくことが格闘技は難しいなと思ってますね。プロレスのほうがはるかにやりやすい」
――先日の後楽園でちょっとスキャンダラスなイメージが出てしまったと思いますがそれに関しては
小川「ちょっとリングに上げてお騒がせして申し訳ないなと思うんですけど、実際はですね、先方の報告によりますと先日の10月の12日、13日にいきなり退団を表明したように発信されているのですが、本人にヒアリングしたところ先月末に退団したいという意思表示をしてまして、それでなかなか埒が明かないと。最初はベースアップの話かと思われたらしいんですが、本人はそういうことじゃなくスターダムでプロレスをやりたいというその一心だったんで、その本気の覚悟を感じたんでこういう事になったんですけど」
原田「私も含めて小川さんとご一緒に先方にコンタクトさせていただいて、経緯の方をご説明させていただきます」
――それはこれから
原田「そういった部分もあって筋を通すという事だと思うんで」
木谷「やっぱり昭和っぽさが残っている(苦笑)そのへんも含めて当社がきっちりやっていきますし、当然の事ながら僕は知らなかったですし、Twitter見てると木谷がやらしたみたいにありますが、大事な会見の前にそんな揉め事起こすはずないじゃないですか。そこはあくまでも昭和という事でご理解ください」
――全選手契約はこれから新たに組み直すと
木谷「そうです」
――ジュリア選手に関しても問題が解決したら契約をすると
木谷「どこかで契約してる人を新たに契約などできるはずがないんですよ、二重契約になっちゃうじゃないですか?」
――そのあたりをせずにリングに上ったのは遺憾と
小川「ファンの方をお騒がせしました」
木谷「ほんとロッシーさん勘弁してよぐらいの話ですよ。時代は平成すら終わってんですよみたいな、昭和のやり方はだめです(苦笑)」