【試合結果】9・9 PANCRASE新木場スタジオコースト大会 田村一聖vs中島太一 三浦彩佳vsクリス・マクファー 林大陽vsジョアウン・サウダーニャ 小林裕vs高橋弘

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『PANCRASE 299』
日程:2018年9月9日(日)
開始:17:15
会場:新木場 スタジオコースト
観衆:1987人

[プレリミナリーファイト]
▼第1試合 バンタム級 3分3R
○工藤修久(禅道会 小金井道場)
1R 1分19秒、チョークスリーパー
●高杉遼介(新潟イエローマンズ)

▼第2試合 バンタム級 3分3R
○田代悠生(パラエストラ千葉)
判定3-0
●聖王DATE(Team DATE)

▼第3試合 バンタム級 3分3R
○高城光弘(リバーサルジム横浜グランドスラム)
3R 2分23秒、TKO(タックルにより足首負傷)
●飯嶋重樹(ALLIANCE)

▼第4試合 フェザー級 3分3R
○加藤泰貴(ロデオスタイル)
判定2-1
●松井幸太(東京イエローマンズ キュート)

▼第5試合 フェザー級 3分3R
○鬼山斑猫(KRAZY BEE)
2R 2分00秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●立成洋太(FIGHT FARM)

▼第6試合 ライト級 3分3R
●上田厚志(総合格闘術骨法烏合會 矢野卓見道場)
2R 0分18秒、TKO(スタンドのパンチ→レフェリーストップ)
○金田一孝介(K-PLACE)

[本戦]
▼第1試合 第24回NBT フライ級決勝 3分3R
○鈴木千裕(P’SLAB吉祥寺)
判定3-0
●杉山廣平(SPLASH)
※鈴木がフライ級優勝。

▼第2試合 第24回NBT バンタム級決勝 3分3R
⚫︎野村優眞(NEVER QUIT)
判定3-0
○大橋悠一(P’sLAB大泉)
※大橋がバンタム級優勝。

▼第3試合 第24回NBT フェザー級決勝 3分3R
○亀井晨佑(パラエストラ八王子)
1R 1分09秒、KO(右フック)
●DARANI DATE(Team DATE)
※亀井がフェザー級優勝、並びにMVP獲得。

▼第4試合 ウェルター級 3分3R
○丸山数馬(TEAM LTDR)
3R 1分41秒、TKO(スタンドのパンチ→レフェリーストップ)
●脇本恭平(T-Rex Jiu-Jitsu Academy)

▼第5試合 フェザー級 3分3R
●木村一成(パンクラスイズム横浜)
判定0-3
○冨田翔市(パラエストラ東大阪)

▼第6試合 ライト級 3分3R
○小林 裕(フリー)
判定3-0
●高橋 弘(パンクラスイズム横浜)

▼第7試合 バンタム級 5分3R
○林 大陽(CAVE)
3R 0分22秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●ジョアウン・サウダーニャ(CERRADO MMA)

▼第8試合 セミファイナル ストロー級 5分3R
○三浦彩佳(TRIBE TOKYO M.M.A/52,3kg)
1R 3分20秒、アームロック
●クリス・マクファー(Yeam Macfer/52.2kg)

▼第9試合 メインイベント フェザー級 5分3R
●田村一聖(KRAZY BEE/65.7kg)
判定0-3
○中島太一(パラエストラ東京/65.8kg)

ロシア帰りの中島太一が約3年ぶりの凱旋試合で勝利!三浦彩佳が7ヶ月ぶりの試合を1R勝利!NBT決勝戦は各階級とも明るい未来を感じさせる大熱戦!

第1試合


 フライ級決勝は昨年3月の再戦となった。鈴木は1999年生まれの何と19歳。杉山もまだ23歳で、まさにネオブラッドにふさわしい1戦だ。前回は鈴木が1R秒殺しているが、今回も勝つか、杉山がリベンジを果たすか。
 1R、杉山が左ハイを放つが、鈴木はパンチ、ローで冷静に対処していく。杉山がタックルに入ると、鈴木は尻餅をつくがすぐに立つ。さらにテイクダウン! 上体を引きつける杉山だが、鈴木は首を抜き外して立つ。鈴木、パンチ、首相撲からのヒザで猛攻! 終了。
 2R。パンチを打っていく鈴木。杉山のタックルを切る。首相撲からヒザを入れると、杉山はケージへ押していくが、鈴木は入れ替えて投げ、テイクダウン! サイドからハーフマウントへ。さらにサイドに移行しアームバーを狙うが、これは極まらず終了。
 3R。入ってくる杉山を捉え、入れ替えてケージへ押し込む鈴木。ヒザを連打するがブレイク。杉山は蹴りを入れるが、鈴木の右パンチで尻餅をつく。鈴木はすぐにかぶさるが、杉山は下から腕を狙う。鈴木、外した。残り1分。鈴木は位置を変えながらマウント。肩固めを狙う。これは極まらず、杉山がバックを取ったところで終了。

 判定3-0で鈴木が優勝。素晴らしい勝利への執念を見せた鈴木。心技体ともに、今後の成長が楽しみだ。

第2試合


 柔道をバックボーンとする者同士の決勝。野村はこのNBTでプロデビューしたばかり。一方の大橋はデビュー3年目。昨年から3連勝、さらにNBTでは1本、TKOと勢いに乗っている。優勝を果たすのはどちらか。
 1R。大橋がパンチ、ハイキック。さらに右ハイキックがヒット。突っ込んでいく大橋を受け止めた野村は、大橋のヒザをもらうが潰して上に。野村は鉄槌。大橋は首に足を絡めるが、野村は外す。大橋は投げて倒すが、野村がリバース、殴ったところで終了。
 2Rもパンチ、ローで攻めていく大橋。野村はパンチで入ってきた大橋に組みつきテイクダウン! 大橋は三角狙い。外そうと殴る野村。極まらず終了。
 3R。パンチで出る大橋は野村のタックルを切る。やや疲れが見えるか? しかしパンチ連打。野村がタックルに入ると、大橋はケージへ押し込む。野村は潰してバックマウント! しかし大橋は抜けて上を取り殴る。野村は下から絡んでいくが、大橋は回って外す。首を狙う野村だが、外れてしまう。大橋がサイドからヒジ、パンチを落として終了。
 判定は3-0で大橋が勝利。登竜門であるトーナメントではあるが、それを超えた見応えある一戦となった。時を置いて、再び見てみたいカードだ。

第3試合


 身長185cmの亀井。昨年、プロ昇格トーナメント優勝、同年12月、TAGにTKO勝ちしてパンクラスデビューを飾っている。徳留一樹、高橋“Bancho”良明を彷彿とさせる、“パラ八っぽい”選手だ。一方のDARANI DATEは、インド王族武術をバックボーンに勝ち上がってきた。果たしてどんな闘いとなるのか。
 1R、斜めに構えたDARANIがサイドキック。さらにバックキックを見せる。亀井は飛び込んでパンチ。さらに右パンチを入れるとDARANIがダウン! レフェリーはすぐに試合を止めた。
 亀井が先輩たちに負けないポテンシャルを見せ、最高の勝ち方で優勝を決めた。さらにMVPも獲得。今後の成長と活躍に大いに期待したい。

 今年のNBT決勝は3試合ともにハイレベルな闘いとなった。NBTは大勢のランカーや素晴らしい選手を生み出しているが、今年は特に「豊作」なのではないか。優勝者のみならず、準優勝の選手も忘れがたい印象を残した。若い選手たちによる今後のパンクラスの活性化を、大いに期待したい。
なお、全試合後、NBT表彰式が行われ、各階級の優勝者が廣瀬隆司・パンクラスコミッショナーからトロフィーを授与された。

第4試合


 丸山は2015年のNBT同級覇者。2016年、2017年と2連勝しているが、パンクラスでは1年5ヶ月ぶりの試合となる。対する脇本は、今年2月、GONO戦でデビュー。判定負けを喫しているが、7月にはRFCでKO勝利を挙げている。
 1R。突進していく脇本。丸山がケージへ押し込むと、ヒザを連打する。丸山が離れると、脇本は追ってケージへ。押し込みながらヒザ。パンチを打ち合い、丸山が入れ替えてヒザ。離れてパンチを打ち合い終了。
 2Rも脇本がケージへ押し込んでいき、尻餅をつかせる。丸山はヒジ連打。立つと、脇本が鼻から出血している。脇本のスピードが落ちつつある。スタミナ切れか? しかし、根性でバックを取りジャーマン! 小さめだったが投げた。しかし、丸山は立って離れる。脇本が距離を詰めパンチ、ヒザを打ち合って終了。
 3R。打ち合う両者。丸山が右パンチで脇本にヒザを着かせる。しかし脇本は諦めずタックルへ。丸山はこれを切り、パンチ。脇本はもうふらふらになっているが打ち合う。打たれながらタックルに入った脇本だが、丸山が上に。立った丸山はパンチを打ち込み、脇本の顔面に連続でヒットすると、レフェリーが止めた。

第5試合


 2015年からパンクラスに参戦している木村はNBT2年連続準優勝。今年7月、約1年ぶりに戦線復帰したが、ベテラン・滝田J太郎に判定負けを喫した。今回は勝って連敗を止めたいところだ。対する冨田は大阪を中心に闘い5戦全勝中。今年7月、パンクラス大阪大会に初参戦し、岩本達彦を判定で下している以外はフィニッシュしているという実力の持ち主だ。東京初参戦で大阪魂を見せるか。
 1R。パンチで出る木村。冨田はタックルで長い距離を押し、ケージへ押し込む。尻餅をついた木村は立とうとするが、冨田は足をかけて再び尻餅をつかせる。木村は立つと正対して入れ替える。さらにバックを取る。終了間際、冨田はタックルで向かい側のケージまで押すが終了。
 2R。冨田が右ミドル。木村はパンチで出るが、冨田はこれをかいくぐり、組んでケージへ押し込む。ヒザをもらいながらも突き放した木村だが、強いローでバランスを崩す。しかし、右ハイキック、パンチと前に出る木村。組んだ冨田だがすぐに離れる。さらに前に出る木村。冨田は組んでケージに押し込むが、木村は入れ替え。離れると、富田がパンチ、ローから組んでケージへ。そしてテイクダウン! ハーフマウントになったところで終了。
 3R。木村が飛びヒザ。冨田はタックルからケージへ押し込み、ヒザ連打。さらに引き込んで尻餅を地下せるが、木村は立って正対し、入れ替える。さらに入れ替え合いが残り1分となり、両者ともペースが落ちている。木村が力を振り絞ってパンチで出るが、時間切れ。
 判定3-0で富田が勝利。

第6試合


 小林はISAOの実兄で、パンクラスには2014年より参戦。2016年にはNBT同級優勝を飾っている。前回は今年5月、網潤太郎に勝利。高橋は昨年11月よりパンクラスに参戦。前戦は小林と同じく今年5月、上田厚志を破っている。
 1R。打ち合う両者。前に出る気の高橋だが、小林にパンチを効かされてしまう。小林はパンチ連打。バックに回る小林。高橋は入れ替えたいが、すぐに戻されてしまう。小林は押し込んでキープし、ヒザ、ボディブロー。そしてテイクダウン! 小林がボディを殴って終了。小林がペースを握る。
 2Rも打ち合うが、小林のパンチで高橋がダウン。すぐに立つが、小林はケージへ押し込む。入れ替えさせない小林。高橋は倒そうとするが、倒せずバックに回る。正対した小林はケージへ押し込む。高橋がパンチを打って離れ、終了。
 3R。このラウンドも小林がケージへ押し込む。入れ替え合って、小林はパンチ、高橋はヒザを打って離れる。飛び込んでいく高橋。パンチで出ながらケージ際でバックを取る。ヒジを入れ離れる小林。高橋はパンチ連打。これが効いたか、小林はヒザをつくが、立つ。高橋がさらにパンチでケージへ追って終了。
 判定3-0で小林が勝利した。

第7試合


 林は2015年、プロ昇格トーナメントを勝ち上がりプロデビュー。昨年のNBTでは1回戦敗退するも、その後4連勝。下から這い上がってきたということで「崖登りの男」と呼ばれている。今回は初めての国際戦に挑戦。
 対するサウダーニャは柔術とルタ・リーブリをバックボーンに持つグラップラーだ。
 1R、サウダーニャが打撃戦を仕掛けてくる。パンチ、蹴り、飛びヒザなど猛攻。林のパンチがヒットすると、サウダーニャはケージへ押し込んで倒す。しかし、林はすぐ立ってパンチ、ヒジで激しく攻める。入れ替えてケージに押し込むと、引っ掛けてテイクダウン! サイドからヒジ、パンチを落とす。亀になったサウダーニャをさらに殴り追い詰める。苦しいサウダーニャは足にしがみつくが、終了。ジャッジは三者10-9で林。
 2R。組みにきたサウダーニャはバックに回り、ボディ連打。とにかく首を守る林。お互い殴るが、林が逆転! 会場から拍手が起こる。林はヒジ、パンチなど亀になったサウダーニャに浴びせまくって終了。このラウンドもジャッジは三者10-9で林を支持。
 3R。サウダーニャが明らかにスタミナ切れ。林がパンチで出ると亀に。林、パウンド連打! サウダーニャは立ったものの、パンチをもらい倒れる。林がすかさずパウンドに入ると、レフェリーが止めた。
 「崖登りの男」は強くなっていた!セコンドについていたのは、バンタム級KOP・石渡伸太郎。石渡は技術のみならず、その熱さも大きな持ち味だ。今回、林は石渡らとの厳しい練習をやり切り、この試合に臨んだという。計量では「ここを見てください」と話した林。その言葉通り、直伝の石渡イズムを発揮して見事TKO勝利を果たした。この日は林の誕生日。最高のバースデーとなった。

林 大陽「“崖登りの男”こと林大陽です。4連勝していると言っても、ぽっと出で、先輩方や皆さんのおかげで強い選手に勝つことができました。崖の上のてっぺんにはベルトがあると思います。そこを目指して頑張ります」

第8試合


 昨年3月よりパンクラスに参戦、4戦全戦が国際戦の三浦。昨年10月には現女王、ヴィヴィアニ・アロージョの打撃の前に1Rで敗れたが、今年2月のソ・イェダム戦では判定勝ちを収めた。これまでは得意の首投げからの押さえ込みで勝ってきたが、今回は打撃を強化してきたとのこと。
 対するマクファーは初参戦。韓国の武術ハップキドーをはじめ、ブラジリアン柔術、ムエタイ、テコンドーをバックボーンに持つ。MMAは2013年より始め、3勝1敗1分の成績を持つ。

 1R。パンチを出し合う両者。マクファーが強いローを放つ。三浦は組んでヒザ。マクファーは上から背中を殴る。三浦は首を抱えるが、離れる。三浦が再び組むと、マクファーが顔面にヒザ! 見ている方まで痛くなる。さらにヒザ! しかし三浦はケージへ押し付け、ヒザ、パンチ。マクファーがまた顔面にヒザ! ここで三浦が得意の投げを見せ、固めてアームロック! マクファーがタップ。三浦が完勝した。

 これまで減量に苦しんできた三浦だったが、今回は3〜4ヶ月かけて体調管理を行い、余裕で計量もパス。顔色も良く、精神的にも落ち着いている様子だった。
 練習では打撃を磨くだけでなく、愛宕神社での階段ダッシュなど、これまで嫌いだったこと、苦手だったことを積極的に取り入れた。これにより、三浦は選手として強くなっただけでなく、精神的にも大きく成長したようだ。いったん覚悟を決めた女性は強い。ヴィヴィアニとの再戦を目指して、出世の階段を突き進んでほしい。

三浦彩佳「7ヶ月ぶりの試合で、しっかり勝ててよかったです。パンクラスでは今までしっかりした勝ち方ができなくて、体重調整に失敗したこともあったり、皆さんに迷惑をかけてきました。今回は弱い自分に勝つために、苦手なことをやってきました。
 先日、試合をされた(藤野)恵実さんにもセコンドについていただいて心強かったです。まだまだなので、もっと練習して、もっと強くなりたいです」

第9試合


 2015年よりパンクラスに参戦している田村は第6代フェザー級KOP。昨年3月、ナザレノ・マレガリエに敗れタイトルを失ったが、鈴木琢仁、堀江圭功を破り、現在ランキング2位につける。再びタイトル挑戦を目指すため、負けられない一戦だ。
 対する中島は2012年よりパンクラスに参戦、同年NBTバンタム級優勝。2014年にはワールドスラムトーナメントでマルシオ・セザールを破り優勝。戦慄の後ろ回し蹴りは今も記憶に鮮やかだ。しかし、2015年11月のハワイ大会ののち、ロシアのイベント「ACB」に参戦しパンクラスを離れていた。今回は約3年ぶりの凱旋となる。

 1R。田村がいきなり右パンチ。その重さに会場がどよめく。田村はさらに威嚇するようなロー、パンチを見せていく。プレッシャーをかけながらロー。中島はヒジの仕草。田村が左フック。さらに強いパンチで吹っ飛びそうになる中島。攻めあぐねている。田村がケージへ押すと、中島は入れ替えるが、田村はボディにヒザを連打。さらに、離れてパンチを見舞う。中島が組んでテイクダウン。しかし、展開できないまま終了。
 ジャッジは三者ともに10-9で田村。
 2R。プレッシャーをかけていく田村。ローも強い! 中島は組んでケージへ押し込むが、田村が重い腰でこらえ倒すことができない。ヒジを打ち入れ替える田村。さらにヒザを打ち込むが、ブレイクがかかる。
 再開。お互いにプレッシャーをかけていく。中島がジャブ、ロー、前蹴り。次いで組み、ケージへ押す。お互いヒザを入れるが再びブレイク。
 中島がタックルに入るが、田村は切る。中島はケージへ押して行き、投げようとするが無理。さらにケージへ押し込むも、倒せないまま終了。
 ジャッジは三者10-9で中島。
 五分で迎えた最終ラウンド。中島はタックルに入るが、田村は切ってパンチ連打! 田村はタックルに入り、ケージへ押し込む。ヒザ連打するものの、ブレイクがかかる。
 プレッシャーをかけていく田村。パンチを放っていく。さらにタックル。中島はこらえ、ケージへ押していく。ヒザを入れ合う両者。残り1分。田村が入れ替えるが、中島は足をかけてテイクダウン! 残り30秒、中島がパウンドを打って終了。

 判定は三者29-28で中島が判定勝利を収めた。中島は勝利者賞のボードをマットに叩きつけて感情を爆発させた。人目をはばからず号泣。ロシアでは、アウェイで闘う辛さを知ったという。日本で、応援団の歓声を聞きながら闘う心強さ、ありがたさを噛み締めたことだろう。
 海外で闘いたい気持ちが強いという中島。今後、パンクラスに再び参戦していくのか、海外を目指していくのかは未定だ。しかし、“ワクワクする相手”としてISAO、高谷裕之、日沖発らの名も挙げている。これまで、マネジメントに頼るのでなく、自分で交渉し、自分の道を切り拓いてきた中島。団体の枠にとらわれず、自身の格闘技道を歩んでいくだろう。さらなる成長が楽しみだ。

 一方、敗れはしたが、田村のポテンシャルは健在だった。ベテランではあるが、衰えることなく伸びている印象だ。今回は若手キラーとはいかなかったが、今後も若手にとって高くて分厚い壁になるはずだ。「今年は3試合したい」と語っていた田村。再びの戴冠を目指し、再起することだろう。

中島太一「もともとパンクラスでやっていましたけど、海外でやりたくて、ずっとロシアで闘っていました。約3年ぶりにパンクラスでやることになりました。俺、泣き過ぎ。ロシアでやっている間に、パンクラスはAbema TVやTOKYO MXで放送されるようになったので、僕のことを知らない人はぜひ覚えてください。世界のチャンピオンを目指して、何の保険もかけずにやっています。SNSの他にYouTubeも始めたので、ぜひ登録してください。
 成績、そんなに良くないのに、今日は50人を超える人たちが来てくれて、世界のチャンピオンになると信じてくれて、ずっと応援してくれて(号泣)。田村選手はすごいパワーの選手だと思っていましたが、すごくスピードがありました。試合は、すごく怖いです。好きでやっているのに怖いです。でも、終わるとまたやりたくなるんです。闘っているときにナイーブになったりもします。でも、またやりたくなるんです。これからも世界のチャンピオンを目指してやって行きます」

(写真・文/佐佐木 澪)

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