PANCRASE292に参戦の徳留一樹が公開練習!ハードトレーニングで自らを追い込む心境を語る!「少しでもズレやブレがあったら勝てない」

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 11月22日昼、都内渋谷区のクロスフィット代官山で、徳留一樹(パラエストラ八王子)が公開練習をおこなった。
 内容は、徳留が普段おこなっているサーキットトレーニング。今日はランニングとバイクが中心だったが、短い時間で強度の高い運動を繰り返すこのトレーニングは、何度か取材したが、いつ見てもキツい内容だ。
 しかし、だからこそ、このトレーニングは徳留を救った。一度は引退を考えたこともあった。しかし、トレーニングで数値が上がっていることで伸びしろがあると再確認でき、再び上を目指すことを決意したのだ。
 壁に描かれたライオンに向かって叫ぶごとく、バイクのペダルを踏み続けた徳留。この積み重ねが、さらなる強さを作っている。
 トレーニングを終えた徳留に、現在の心境を聞いた。

——まず、この試合が決まった時の気持ちはいかがでしたか。
「“来たな”と思いました。嬉しかったです」

——前回の試合(2016年9月)を改めて振り返ってみていかがですか。
「あの試合があったから、自分をもう一度見つめ直すことができたと思います。今思えば、プラスになったなと思います。試合はやってみないとわかりませんけど、やってみたいことがあって、それがしっかりできたら、前回の負けは良かったと思います」

——敗因は何だったと思いますか。
「向こうがしっかり作戦を立てて来ていましたね。遠い距離の打撃が苦手で、その部分をうまく衝かれました。それで気づいたんですけど、自分は、自分の長所で弱い部分を隠していただけだったんです。相手が衝いて来たのはそこでした。でも、逆に、そのことを明らかにしてくれたので、今回はそこを磨いて来ました」

——前回と変わったところはありますか?
「スタイルは変わっていません。でも、全部強くなっていると思います。それを試合で見せられたらと思います」

——前回の久米選手、そして今年4月(マティヤ・ブラジセビッチ戦)の久米選手をご覧になっていかがですか。
「進化していると思います。自分との試合の前とはステップが違っていましたし、あんなに積極的に出てくるとは思いませんでした。(自分との試合を経て)相手を倒せるとわかったんだと思います」

——今回の試合のテーマは?
「前回は、勝って防衛すればUFCに行けると思っていました。あの試合を勝手に自分の通過点と考えていたんです。でも、今思えば軽い考えでした。あの時の自分に会えるなら、ふざけんなと言ってやりたいです。今回はそういう考えはなく、この試合だけに集中して来ました。

——今年7月のキーラン・ジョプリン戦は勝ちましたが判定で、目指していた9月開催のUFCには上がれませんでした
「そうですね。あの試合はUFCに出たいと言っておきながら、スカッとしなかったですし、アピールできなかったので仕方ないです。パンクラスが押してくれているのに申し訳なかったです。
 でも、だからこそ学べたこともあります。心が1つの方向を向いていないとダメなんですね。“勝ったらUFC”なんて考えていたら、この試合は勝てない。少しでもズレやブレがあったら勝てない。そこがよく分かりました」

——徳留選手にとって、久米選手はどんな存在ですか。
「以前は、UFC前に練習させていただいたりしてお世話になった人でしたけど、今は前回の負けがあるので、潰そうかなと思っています」

——この試合は、まさに日本のライト級トップを決める一戦だと言えると思います。
「ありがとうございます。自分自身も、どの団体を含めて見ても、ライト級で一番いい試合だと思います。今までの中でも、この試合が一番重要なので、精神的にも肉体的にも、試合の時に頂点に持って行けるようやっています」

——どう闘いますか。
「向こうは近場で闘っていました。自分のウィークポイントを衝かれたので、もう付け込まれないよう、そこの練習をして来ました。試合はやって見ないと分かりませんが、自分から攻めていきたいです。対策はチーム一丸となって練っています。ぜひ試合を見てください」

——この大会は、パンクラスのディファ有明におけるラスト興行です。そのラストマッチになります。
「それだけパンクラスが自分たちに期待してくれているということだと思います。最期に持って来てくれるというのは、それだけ押してくれているということだと感謝しています」

——どんな試合にしたいですか。
「できれば分かりやすい試合がいいと思いますけど、とにかく1ラウンドからしっかりやります」

 今回の徳留は、少し雰囲気が違っていた。気持ちが一つの方向にしっかり向き、ブレていないからだろう。笑顔はほとんど見せなかったが、それが不自然に感じないほど、集中していることが感じ取れた。
 当日は、再びの戴冠に向けて獅子奮迅の闘いを見せてくれることだろう。新たな名勝負が生まれるに違いない。

(写真・文/佐佐木 澪)

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