【試合詳細】5・30 PANCRASEスタジオコースト大会 【フェザー級KOP】ISAOvs中島太一 小川徹vs秋葉太樹 上田将竜vs猿飛流 八田亮vs宮澤雄大

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大会名:PANCRASE 321
日程:2021年5月30日(日)
開始:13:00
会場:USEN STUDIO COAST
観衆:2021人(満員)

[メインカード結果]
▼第1試合 フライ級 5分3R
●ライカ(RIGHT THING ACADEMY)
判定0-3
○法DATE(Team DATE)

▼第2試合 バンタム級 5分3R
○平田丈二(総合格闘技道場暗愚羅)
1R 3分57秒、KO(グラウンドのパンチ)
●福島啓太(K-PLACE)

▼第3試合 バンタム級 5分3R
○TSUNE(リバーサルジム新宿Me,We)
1R 4分57秒、タップアウト(チョークスリーパー)
●鬼神光司(CAVE)

▼第4試合 ストロー級 5分3R
●高島俊哉(リバーサルジム新宿Me,We)
2R 4分55秒、タップアウト(アームロック)
○野田遼介(ALLIANCE)

▼第5試合 バンタム級 5分3R
●平岡将英(KRAZY BEE)
1R 2分48秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○井村 塁(Nexusense)

▼第6試合 フェザー級 5分3R
●田村一聖(JC)
1R 3分36秒、TKO(グラウンドのパンチ→タオル投入)
○中田太貴(和術慧舟會HEARTS)

▼第7試合 ウェルター級 5分3R
○近藤有己(パンクラスイズム横浜)
判定2-1
●鈴木淑徳(K-PLACE)

▼第8試合 フェザー級 5分3R
●透暉鷹(ISHITSUNA MMA)
3R 4分59秒、TKO(フロントチョーク→レフェリーストップ)
○Ryo(RINGS)

▼第9試合 ライト級 5分3R
●松本光史(M PLATIC)
3R 1分03秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○アキラ(武蔵村山さいとうクリニック&MOSH)

▼第10試合 ストロー級KOP次期挑戦者決定戦 5分3R
●八田 亮(ストライプル オハナ)
判定0-3
○宮澤雄大(K-PLACE)
※宮澤が次期挑戦者に決定。

▼第11試合 セミファイナル① フライ級暫定王者決定戦4人トーナメントBブロック 5分3R
●上田将竜(G-face TEAM緒方道場)
判定1-2
○猿飛流(リバーサルジム川口REDIPS)
※猿飛流が決勝に進出。

▼第12試合 セミファイナル② フライ級暫定王者決定戦4人トーナメントAブロック 5分3R
○小川 徹(TRIBE TOKYO M.M.A)
判定3-0
●秋葉太樹(フリー)
※小川が決勝に進出。

▼第13 試合 メインイベントフェザー級キング・オブ・パンクラシスト タイトルマッチ 5分5R
【王者】○ISAO(NEVER QUIT/第8代KOP)
判定3-0
【挑戦者】●中島太一(Lotus世田谷/挑戦者)
※ISAOが2度目の防衛。

コロナ禍を乗り越えパンクラスが今年初の大会を開催!ISAOが中島太一を下してフェザー級KOP防衛に成功!フライ級暫定王者決定戦は猿飛流vs小川徹に決定!宮澤雄大がストロー級KOP挑戦へ!

 コロナ禍で開催できず、今年初の大会となった「PANCRASE 321」。6月を目の前にしてナンバーシリーズがようやく始動した。
 ファンも選手も待ち望んでいた大会は、一本や逆転勝ちが続出。後半4 試合はタイトルマッチ、またタイトルマッチにつなぐ試合で、選手の気合も十分。非常に見応えのある内容となった。

第1試合


 元ボクシング女王のライカは2015年に総合に転向。前戦は昨年7月の端貴代戦で、判定負けを喫している。

 対する法DATEは2019年12月にパンクラスデビュー。今回は約1年半ぶりの試合となる。

 1R。法DATEはTeamDATEの代名詞・サイドキックを出しながら回る。ライカは左右ジャブを出しながら出て行く。
 法の蹴り足を取ったライカ。法DATEは組むが、ライカがケージへ押し込んでヒザ。法DATEはカカトを連打するがブレイク。
 法DATEはまたサイドキック。ライカがパンチから組んでケージへ押し込むが終了。
 ジャッジは三者とも10-9で法DATE。

 2Rも前に出るライカ。法DATEは首相撲からヒザを連打。しかしライカはなおも距離を詰め、組んでケージへ。さらにテイクダウン!
 ライカは抱えてボディ連打。いったん離れるが、すぐにかぶさってボディを連打。法DATEは押さえ込まれたまま終了。
 ジャッジは二者10-9ライカ、1人が10-9法DATEと割れた。

 3Rも距離を取る法DATE、詰めて行くライカ。ライカが組みに行くが法DATEは付き合わない。ライカはパンチから組んで押し込みヒザを入れるが、法DATEが倒して上に。すぐに立つライカ。法DATEがバックを取っているが、ライカが入れ替えてケージへ。法DATEが入れ替えるがブレイク。
 ライカは再びパンチで出る。組むが、法DATEが倒してパウンド、さらにバックマウント。しかしライカが上になる。法DATEは下から三角を狙うが決まらず。回って達、パンチを出した法DATEだが終了。
 判定は二者29-28、1 人が30-27、3-0で法DATEがパンクラス初勝利。

第2試合


 平田は2015年よりパンクラスに参戦。大阪大会を中心に闘っているが、今回は2017年3月以来の東京大会となる。前戦は昨年8月の大阪で福島秀和に判定負けしているだけに、東京参戦は大きなチャンスだ。
 対する福島はFighting NEXUSで6連勝を挙げ、満を持してのパンクラス初参戦だ。連勝記録を伸ばせるか、両者ともに絶対に負けられない一戦。

 1R。福島はロー、右ハイキック。しかし平田は距離を詰めていく。パンチを振る福島。フェイントをかけながら狙う。
 平田は蹴り足を取られそうになるが逃れる。福島は追って左フック、ロー、ミドル。さらに鋭く重そうなパンチを振りタックルからケージへ。
 入れ替える平田。福島はヒザを打ち込む。さらにパンチ、ハイキックとたたみかける。さらに追い込もうとするも、平田のパンチがヒット、ダウン! 平田はすぐにかぶさりパウンド。福島の意識が飛んだ。
 福島の勢いある攻撃で攻め込まれた平田だったが、劇的な大逆転勝ち。

第3試合


 2015年から参戦しているTSUNEは現在4連敗中。滝澤謙太、金太郎、アラン“ヒロ”ヤマニハにはKO、TKO負けを喫しているが、前戦は春日井 寒天 たけしに2-1の判定負けしている。闘ってきた相手はすべてRIZINバンタム級トーナメントにエントリーしている。勝って存在感をアピールしたいところだ。

 一方の鬼神は修斗を主戦場としてきたが、今回パンクラス初参戦。バックボーンはレスリングだという。
 意地を見せたいTSUNEか、初参戦で負けられない鬼神か。

 1R。パンチで出るTSUNE。鬼神が組んでケージに押し込んだ。TSUNEは払い腰で投げようとするが、首を抱えてヒジを入れる。片足を取っている鬼神はTSUNEに尻もちをつかせるが、TSUNEはすに立つ。投げる鬼神。TSUNEはケージを背に立ち上がった。
 まだ鬼神がケージへ押し込んでいる。入れ替えたいTSUNEだが、また尻もちをつかされてしまう。しかし、再び立つTSUNE。殴る鬼神だが、TSUNEが倒して上に。ケージに押し込むと、なんとドアが開いてしまいタイムストップ。
 再開し、鬼神が立つとTSUNEがヒザ!さらにバックを取り首を狙う。残り時間がわずかだが極まり、鬼神がタップ。
 TSUNEが2年半ぶりに会心の勝利。

[TSUNE ケージ上コメント]
「TSUNEです。2年半ぶりに勝てました。応援してくれているみなさん、お待たせしました! もうちょっと頑張ります。これからも応援よろしくお願いします」

第4試合


 2016年からパンクラスに参戦している高島は、2017年NBTストロー級優勝。その後は3勝2敗だが、ここ2戦連勝しており、昨年2月には、今回ストロー級次期挑戦者決定戦を闘う宮澤雄大に一本勝ちしている。今回の相手・野田には2018年12月に一本負け。ここでリベンジし、アピールしたいところ。

 対する野田は2017年より参戦。パンクラスでは4連勝中。高島戦後の2019年9月、ONE「Road to Century」で木内 SKINNY ZOMBIE 崇雅に1R TKO負けで初黒星を喫した。パンクラス2年半ぶりの試合が復帰戦となる。
 高島がリベンジを果たすか、野田が再び勝利するのか。

 1R。野田のパンチで高島が尻もち。すぐに立ち上がる。高島がカーフキック。野田もローを返す。
 野田がタックルに入ると、高島が受け止めてヒザ。ケージへ押し込んでいく。さらに高島がテイクダウンからバックマウントへ移行する。首を狙うがこれは決まらず。すると野田が一気に反転し、高島に尻もちをつかせた状態に。
 逆にバックを取った野田が腕を狙うが、高島が腕を抜いた。高島が乗っていき、野田は下から殴って終了。
 ジャッジは二者10-9高島、1人が10-9野田を支持。

 2R。パンチで前に出る野田。タックルに入った野田を、高島がガブって首を抱えケージへ押し込んでいく。しかし離れた。
 またパンチで出る野田。さらにタックルに入るが、切られてしまう。高島が入ってテイクダウン! 上から殴る。野田はヒジを入れる。高島も殴る。残り1分。
 三角を狙う野田。高島は回って抜けようとするが、野田は腕を極め、高島がタップアウト。

[野田 ケージ上コメント]
「ほとんどの人が初めましてだと思います。ALLIANCEの野田遼介と申します。下っ端なので手短にしたいと思います。
 試合は久しぶりで、勤めている会社や家族、チームの皆さん、サポートしてくれた人のお陰で勝てました。これで5位に勝てたので、6月の山北(渓人)選手と尾崎(龍紀)選手の勝者とやらせてください」

第5試合


 平岡は2016年よりパンクラスに参戦。2019年にはNBT同級で優勝している。昨年は花レメ紋次郎TKに判定負け下が、10月には関原翔にTKO勝ち。連勝して勢いをつけたい。

 一方の井村は昨年より参戦、同年のNBT同級優勝者。決勝まで全て一本で勝ち上がり、MVPも獲得している。
 今回はNBT後、初の試合。同じNBT優勝者として負けられない。

 1R。平岡がいい感じでボディブロー。さらにパンチを打ち込んでいく。井村は組みつこうとするが、かわされてしまう。
 さらにパンチで出る平岡。左ハイキックがヒットするが、井村は効いていないとアピール。前に出る平岡にタックル、尻もちをつかせる。平岡は立つが、井村がケージへ押し込んでいく。ケージ際で腕を狙うが、平岡は腕を抜いて立つ。
 スタンドに戻り、上下のパンチを打っていく平岡。しかし井村の蹴りがヒット、平岡ダウン! 井村がカバーしパウンドを落とすとレフェリーが止めた。
 何かやってくれそうな雰囲気を持つ井村が、見事なKO劇を見せた。

[井村 ケージ上コメント]
「どうも、Nexusenseの井村塁です。マイクは初めてなので、これで終わります」

第6試合


 元UFCファイター・田村は2015年よりパンクラスに参戦。翌年には牛久絢太郎を破りフェザー級暫定KOPに。しかし、2017年にはナザレノ・マレガリエに一本負けを喫し、王座を明け渡した。その後、鈴木琢仁、堀江圭功、杉山和史らを降したが、昨年10月にはアキラにKO負け。今回が復帰戦となる。

 対する中田はラグビー、空道がバックボーン。その後MMAに転向し、2019年にはアマチュアパンクラス全日本選手権で優勝している。昨年はNBTライト急にエントリーし、準優勝。今年2月には「Road to ONE:4th Young Guns」で岩本達彦にTKO勝ちを収め、満を持してのパンクラス復帰戦となる。
 元王者が貫禄を見せるか、新鋭がベテランの壁を越えるか。

 1R。重いロー、パンチの田村。中田は組もうとするが付き合わず。渾身のパンチを打ち込んでいく。中田もパンチを返す。
 どんどんパンチを打ち込んでいく田村。しかしよく見ると、打っているのは右ばかり。左は負傷しているのだろうか。もしそうであれば、勝負は早く決めたいはず。
 中田も退かない。田村がケージを背にするとパンチを打ち込む。しかし、田村は組もうとはせず打ち返す。組んでも強い田村。やはりどこか負傷があるのか。フルスイングでやや疲れが見える田村に中田のパンチがヒット、田村ダウン! パウンドラッシュの中田。ここにタオルが投入され、KO!
 プロ1年目の中田が元王者に大金星を挙げた。
 しかし、田村も一切退かずに前に出た。重い打撃は素晴らしく、もし怪我があるのなら、完全な状態で復帰してほしい。

[中田 ケージ上コメント]
「皆さま、このような大変な状況の中、本日集まっていただき、ありがとうございます。このような中、大会を開催してくれたパンクラスにも感謝を伝えたいです。ファイターには、闘うことしかありません。しっかり出し切ろうと思ったので、この結果になったと思います」

第7試合


 無差別、ライトヘビー、ミドルと3階級制覇・4度の戴冠、今年デビュー25周年を迎えた、パンクラスのレジェンド・近藤有己。現在はパンクラス2連敗中と振るわないが、昨年7月、北岡悟自主興行「iSMOS.1」では餅瓶太に1ラウンドTKOで快勝している。
 “闘い続けるレジェンド”として、約7ヶ月ぶりのパンクラスでどのような闘いを見せるか。

 一方の鈴木は、これがパンクラスデビュー戦。しかし、鈴木もキャリアは11年目。2010年、修斗でデビューし、昨年からFighting NEXUSに主戦場を移して闘っている。NEXUSではフェザー級で闘っていたが、今回は階級を上げての参戦となる。

 1R。鈴木がタックル。近藤は受けてケージへ。鈴木はヒザを入れるがブレイクがかかる。
 鈴木のパンチをかわす近藤は、組めず。鈴木が入ってボディ。近藤も左パンチ。鈴木が再びタックルに入ると、近藤が潰して殴る。終了。
 ジャッジは二者10-9近藤、1人が鈴木に付けた。近藤は落ち着いている。相手側セコンドの声も聞こえている様子。

 2R。鈴木がジャブ。近藤もパンチを振り、左ハイ! お互いパンチを出してはいるが、単発になっている。近藤が少しずつ距離を縮めているか。鈴木が右パンチ、ボディ。鈴木の片足タックルを潰し、近藤が殴ったところで終了。
 ジャッジは三者10-9で鈴木。

 3R。鈴木がジャブ、近藤がロー。近藤は蹴り、パンチと手数を増やしてきた。近藤の右パンチがヒット! 効いた鈴木。タックルに入るが、近藤は潰し、サイドポジションへ。近藤は鈴木を立たせずマウントを狙うが、鈴木は足を掴んでいる。
 近藤はケージへ押し、尻もちをつかせてさらに押し込む。殴る鈴木。近藤が倒そうとするが、鈴木はこらえる。首狙いか? 近藤が首を外して残り20秒。鈴木が最後の連打で攻めるが終了。
 ジャッジは1人が30-27鈴木、二者が29-28で近藤。2-1で近藤が勝利を収めた。

 最後までブレずに闘い切った近藤が、スプリット判定で勝利。やや手数が少なかったものの、テイクダウンを許さず、相手のフィールドには持ち込ませなかった。
 「死ぬまで闘う」と言う近藤。近藤なら、言葉だけではなく本当にやってくれるかもしれないという気がしてくる。
 勝つことも、外の舞台に出ることも、ベルトを巻くことすべて大切だ。その意味では、近藤は他の選手にはなかなか追いつけない格闘技人生を歩んできたと言えるだろう。
 だから近藤は、人生で大切なことは勝つことだけではなく、外の舞台に出ることだけではなく、ベルトを巻くことだけでもないことを知っている。なぜなら、闘うことそのものが、最も大切なことだからだ。
 近藤にとって、闘うこと=生きること。
 言葉にすると簡単そうだが、実は、これを体現できる選手はそれほど多くないのではないか。
 25周年という節目の年の初戦での白星。今後も近藤の格闘人生を見ていきたい。

第8試合


 6位の透暉鷹は2019年、修斗新人王となったあと、昨年からパンクラスに参戦中。小森真誉、田中半蔵とひとクセある選手たちに2連勝している。

 対するRyoも昨年よりパンクラスに参戦。第3代THE OUTSIDER 70-75kg王者という実績を持つ。パンクラスでは滝田J太郎、林優作に2連勝し、現在14位だ。観客席には前田日明が座り注視する。
 透暉鷹が上位の意地を見せるか、Ryoが下克上するか。

 1R。Ryoが前蹴り。透暉鷹は組んでケージへ。Ryoが入れ替えると、突き放して上に。速い! サイドポジションから首を狙う。これは極まらず立つ。しかし、バックは取ったまま、大きく投げる。Ryoは腕を狙うが、透暉鷹は抜け、パンチを落とす。
 ガードポジションから頭を引きつけ、殴るRyo。透暉鷹が立ち上がり、Ryoが蹴り上げたところで終了。
 ジャッジは三者とも10-9透暉鷹。

 2R。パンチから組む透暉鷹。Ryoが足を払ってテイクダウンするが、透暉鷹は反転する。Ryoが立って投げ、またテイクダウン。ギロチンを狙うが、透暉鷹は回って外す。会場から拍手。
 透暉鷹がテイクダウンすると、Ryoは下から掌底。透暉鷹はパンチを落とす。透暉鷹のパンチが大きくなり、ボディ、そしてヒジ!
 めくるように返したRyoだが、透暉鷹は足狙い。さらにRyoが腕十字を狙ったところで終了。
 このラウンドも、ジャッジは三者とも10-9透暉鷹。

 3R。透暉鷹がロー、左右パンチから組んでケージへ。ヒジを落とすRyoを引き込んでテイクダウン! 肩固めを狙うが、Ryoが一気に反転して脱出、バックマウント。だが、透暉鷹がさらに反転、パンチを落とす。
 下から細かく掌底を打つRyo。返そうとするが、潰されてしまう。なんとか脱出したRyo。透暉鷹がバックを取る。Ryo脱出し、首を取って引き込む。しかし時間がない。このまま終了かと思われたが、Ryoは「落ちてる!」とアピール。残り1秒での一本勝ちとなった。
 最後の最後までリードされていたRyoだったが、ワンチャンスをモノにしたRyoが劇的な逆転勝ちを収めた。

[Ryo ケージ上コメント]
「透暉鷹選手、今日、試合をしてくれてありがとうございました。見ての通り、本当に負けてもおかしくないくらいの試合でした。でもこれが、最後まで諦めない格闘技の素晴らしさです。皆さんも、明日から諦めずに頑張ってください」

第9試合


 松本は、前修斗ライト級王者。2011年にパンクラスで1戦しているが、その後は上がることはなかった。
 しかし、2019年10月の「ONE Championship」で行われた修斗対PANCRASEの対抗戦で、現KOPの久米鷹介に判定負け。リベンジを誓い、ベルトを返上してパンクラスに参戦を表明した。
 2020年10月、9年ぶりのパンクラスで上迫博仁に判定勝ち。是が非でも勝利し、久米との対戦に近づきたい。

 対するアキラは2013年に初参戦とパンクラス歴も長くなった。ゴツい肉体、ゴツい打撃が身上だ。昨年はフェザー級に落としてISAO、田村一聖ら同級トップ選手と対戦、ISAOに判定負けを喫したが、田村にはKO勝ちしている。今回は再びライト級に戻しての試合となる。

 1R。お互い速いテンポでパンチを打ち合う。松本がタックルに入るが、アキラは付き合わない。プレッシャーをかけながらパンチを打っていく。
 残り1分でアキラがタックル。これは切られ、お互いパンチを出し合って終了。
 ジャッジは二者10-9アキラ、1人が10-9松本。

 2R。松本がジャブを打っていく。左目が赤くなっているアキラ。ロー。松本は組みにいくが切られる。パンチを出し合うが、アキラがもらっているか。
 松本が蹴ると、アキラが足を取りケージへ押し込む。しかし、ここで終了。
 松本が当てているように見えたが、このラウンドもジャッジは二者10-9アキラ、1人が10-9松本。

 3R。後がない松本は決めたいところ。パンチで前に出て行く。しかし、松本が当てているように見えたが……。
のパンチがヒット、松本がダウン! かぶさりパウンドを落とすアキラをレフェリーが止めた。

[アキラ ケージ上コメント]
「みなさん、ありがとうございました。アキラといいます。2戦続けてチャンピオン級の相手でしたが、勝つことができました。チャンピオン級の2人に勝ったので、ぜひライト級タイトルマッチに絡ませてください」

第10試合


 元ZSTフライ級王者・八田は2016 年より参戦。初戦ではストロー級KOP・砂辺光久の相手として参戦したが、3ラウンドTKO負けを喫した。しかし、その後“下になることを厭わない寝技師”として見応えある勝負を展開。現在2連勝中で、2つ目のベルト獲りに挑む。

 対する宮澤は2018年より参戦。ストロー級とは思えないフィジカルを誇る。昨年は高島俊哉に一本負け、井島裕彰にKO勝ちと1勝1敗だったが、直近では4勝ち1敗と調子を上げている。
 勝者が次期挑戦者となる一戦。タイトルマッチへの切符を手にするのはどちらか。

 1R。八田がパンチから遠い距離のタックルに入るが、宮澤は付き合わない。この後も八田がタックルを仕掛けるが、宮澤は付き合わない。
 しかし、八田はさらにタックル、テイクダウンに成功。宮澤が上になるが、八田は尻もちをつかせた状態でケージへ押し込んでいく。さらに押し込む八田だが、宮澤が上になりパウンド連打。宮澤は立ち上がり、八田に“立て”のジェスチャー。しかし、ここで終了。
 ジャッジは三者10-9で宮澤。

 2R。プレッシャーをかける宮澤。このラウンドも八田がタックルを仕掛けていくが、宮澤は付き合わない。
 八田のタックルに蹴りを合わせる。八田、立ったが効いたか。宮澤がパンチを出すがブレイク。
 宮澤はパンチを出すが単発。八田は展開の糸口をつかめないまま終了。
 ジャッジはこのラウンドも三者10-9で宮澤。

 3R。
 諦めずタックルを仕掛けるはった。潰す宮澤。八田もパンチを出し、再度タックルへ。ケージへ押し込み投げをうつが、宮澤が上になりヒジを落とす。蹴って離れる八田。
 なんどもタックルを試みる八田だが、宮澤は乗ってこない。八田は最後のタックルで上を取られ、宮澤が殴って終了。
 ジャッジは三者30-27で宮澤が次期挑戦者に決定した。

[宮澤 ケージ上コメント]
「勝ったぞー!! さんざんKOすると言っておいて、判定になってすみません。
 北方(大地)選手はRIZIN参戦が決まったみたいですけど、RIZINに出ている場合じゃないぞ! 僕はKOPになりたくてやっています。パンクラスが一番だと思っています。応援よろしくお願いします!」

第11試合


 フライ級暫定王者・翔兵が、怪我のためベルトを返上。4選手でトーナメントを行い、勝者が暫定王者となる。決勝は8月大会の予定だ。

 Bブロックの上田は2013年より参戦、同年NBTスーパーフライ級優勝。2019年には、暫定王座戦で翔兵に敗れている。一度は引退も頭をよぎったが、再びケージへ。同年12月には元王者・神酒龍一に惜敗するも、1年後の昨年12月には杉山廣平に判定勝ち。再びベルト獲得へ歩み出す。

 一方の猿飛流は2017年より参戦し、2019 年NBT同級優勝。昨年2月にはランカー・荻窪祐輔を降し、勢いに乗る。
 まさにサバイバルマッチとなる一戦だ。

 1R。お互いに距離を取り様子をうかがう。上田の蹴り足を取った猿飛流がテイクダウン。お互いに殴る。上田がひっくり返して上に。しかし、残り30秒。
 起き上がった猿飛流がケージへ押し込んで終了。
 ジャッジは三者10-9で猿飛流。猿飛流は左目尻をカットしたか。

 2R。お互いパンチを出し合う。猿飛流が長距離のタックルからケージへ押し込む。さらに投げるが、すぐに立つ上田。猿飛流は再び投げるが、上田が上になり殴る、立とうとした猿飛流だが、上田がケージへ押し込む。猿飛流は左目あたりから出血している。
 上田がヒザを入れると、猿飛流が入れ替えてケージへ押し込んだところで終了。
 ジャッジは1人が10-9猿飛流、二者が10-9上田。

 3R。お互い消耗している両者。猿飛流がバックハンド、パンチから片足タックルへ。上田が」受け止めてケージへ押し込む。お互い入れ替え合う。猿飛流が押し込むと、上田はヒザ連打。投げをうつ猿飛流だが、上田はこらえて倒れない。
 さらに押し込む猿飛流。上田はヒザを連打するが離れる。お互いパンチ。上田が組んでケージへ。ヒザ連打。猿飛流が入れ替えてヒザ。残り30秒。片足を掴む猿飛流。殴るが終了。
 ジャッジは二者29-28で猿飛流、1人が29-28上田。判定2-1で猿飛流が勝利をもぎ取った。

[猿飛流 ケージ上コメント]
「本日はご来場まことにありがとうございました。このような状況の中、大会を開催していただき、たくさん来場していただき、この時代の中、幸せだなと思います。
 自分は格下なのに、試合を受けてくださった上田選手にも感謝しています。
 この状況が1日も早く落ち着いて、正王者の仙三選手と2人揃ってベルトを巻きたいです。そして、パンクラスと格闘技を盛り上げて行きたいと思っています」

第12試合


 トーナメントAブロックでは、小川徹と秋葉太樹が激突。
 小川は2014年より参戦。翌年にはNBTスーパーフライ級優勝。2019年には第4代KOP・マモルに判定勝ちしたが、ライリー・ドゥトロにTKO負けを喫する。その後、ヒザの手術を行い長期欠場することとなった。
 今年2月には「Road to ONE」で山中憲次に判定勝利し、1年5カ月ぶりの再起を果たした。今回は満を持してのトーナメントとなる。

 一方の秋葉は2015年よりパンクラスに上がっている。大阪大会を中心に闘ってきたが、2017年、東京大会に進出。安永有希、荻窪祐輔らを破った。2019年には元KOP・神酒龍一を降したが、ルサンド・ピコに判定で敗れている。
 しかし、昨年11月の「DEEP & PANCRASE」では、パンクラス代表として安谷屋智弘に判定勝利。絶対に掴みたいチャンスだ。

 1R。お互いロー。小川が手数を増やしていく。左ミドル、左右ジャブ。秋葉は距離を取りロー。小川が左ハイキック。さらにプレッシャーをかけながらパンチを出して終了。
 ジャッジは三者10-9で小川。

 2R。小川はロー、ミドル。秋葉が飛び込んでパンチ! 小川がグラつく。秋葉はさらにパンチを打ち込み、組みつく。背中に乗っていく。バックから殴る秋葉。しかし小川が反転する。
 スタンドに戻るが、小川がパンチでバランスを崩す。ダメージが残っているか? 秋葉のパンチがヒット、これも効いたか。秋葉は組んでケージへ押し込むが、小川が入れ替えてテイクダウン。上から殴る。立ちたい秋葉。立たせない小川。
 小川はパンチ、ヒジを落とす。経とうとした秋葉を投げた小川。さらに投げてパンチを見舞う。そのまま殴り続けて終了。
 ジャッジは二者10-9秋葉、1人が10-9小川を支持。

 3R。秋葉がパンチで飛び込む。が、バランスを崩し、そこにすかさず小川がパンチ。効いた。小川はたたみかけようとするが、これは秋葉が避けた。
 小川がタックルからテイクダウン! 首を抱えた秋葉。返したいが、小川がさせない。小川はガッチリ離さず殴る。小川が立つと秋葉も立つが、小川がまたすぐにタックル。バックを取り殴る。小川は起き上がらせず殴る、ヒジ。秋葉が返せないまま終了。
 ジャッジは1人が30-27、二者29-28、3-0 で小川の勝利。

[小川 ケージ上コメント]
「コロナの中、たくさんの応援どうもありがとうございました。次の試合で僕が暫定王者になると思うんですが、言いたいことがあるので言わせてください。
 正王者は、規定で1年以内の試合をしないといけないはずです。正王者の仙三選手(2018年2月戴冠)、防衛しないんだったら返上してください」

第13試合


 2009年からパンクラスに上がり続けているISAOは、同年NBT優勝。さらに第5代ライト級KOP・第8代フェザー級KOPと二階級を制覇している。
 2018年、松嶋こよみ戦で負傷し、1年1ヶ月の長期欠場を余儀なくされたが、2019年5月、正王者ナザレノ・マレガリエとの統一戦に勝利、ベルトを手にした。同年10月には早くもタイトルマッチを行い、カイル・アグオンを降して防衛。今回は正王者として2度目の防衛戦だ。

 対する中島は、ISAOがライト級KOPとなった2012年4月大会でデビュー、COROに判定勝ちしている。2016年以降はロシアのイベントACB に参戦していたが、2018年9月、パンクラスマットに復帰。翌2019年は2連敗を喫したが、2020年は2連勝。勢いに乗り、ベルトを手にすることができるか。

 1R。お互い距離をとり、様子をうかがう。ジャブで出るISAO。中島は左右パンチからタックルへ。ISAOは腕を狙うか? しかし立つ。
 ISAOがタックル、中島が切る。ISAOは立ち、中島のバランスを崩して膝をつかせる。首を狙うが、中島が上に。
 ISAOはすぐに立ってロー。中島はジャブ。ここで、ISAOのローキックがローブローとなりタイムストップ。
 再開すると、中島がタックルからケージへ押し込むが離れる。ISAOがタックルを仕掛けるが、中島はこらえて倒れない。ISAOは投げたいところだが、終了。
 ジャッジは三者 10-9 ISAO。

 2R。ISAOが長いタックル。ケージへ押し込んでバックを取るが、中島が正対。離れると、中島が右パンチ! 続いてタックルに入るが、ISAOはこれに合わせてフロントチョーク。ISAOはさらに深く入れる。中島はボディを殴り頭を抜いた。
 ISAOはヒジ連打から立つ。バックを取った中島が投げる! 正対してケージへ押し込む中島、パンチで振り切るISAO。中島のパンチがヒット! タックルに入るが、ISAOは潰す。首は狙えず。ヒジを入れて終了。
 ジャッジは1人が10-9 ISAO、二者が10-9中島。

 3R。中島がパンチからタックル、ケージへ押し込む。ヒジで話したISAO。パンチから片足タックル、ケージへ押し込む。投げてバックを取るが、中島は正対。ケージへ押すが離れる。
 ISAOがパンチからタックル。離れ際にヒジを打つ。離れると、中島が左眉のあたりをカット、出血が見られドクターチェックが入る。
 再開。中島がパンチ、蹴りとたたみかけていく。しかし、ISAOがタックル。中島は受け止めてケージに押し込むが、ISAOは首相撲から膝、肘を入れて離れる。中島はパンチで前に出るが終了。
 ジャッジは三者10-9でISAO。

 4R。中島のパンチがヒット。しかしISAOはタックルから尻もちをつかせ、ケージへ押し込んでいく。中島は細かくボディを殴りながら、ゆっくり立った。ISAOは大きくヒジを入れ離れる。中島もパンチ。打ち合うと、ISAOがタックルからケージへ。中島は入れ替えるが、ISAOがヒジで突き放した。
 中島タックル、ISAOが切る。ISAOのタックルを中島が切る。ここで、ISAOが額から出血。バッテイングか? ドクターチェック後、再開。
 ISAOがタックルから投げ、首を狙う。決めるか!? しかし終了に。
 ジャッジは三者10-9 ISAO。中島は一本取るか、KOしかない。

 最終ラウンド。中島が飛びヒザ。ISAOが受け止めてテイクダウン。ハーフマウントに。固めて殴る。さらに肩固めへ。しっかり押さえ込むが、中島がブリッジ。ISAOはマウントになり殴る。中島根性のブリッジで返した! 立つが、ISAOがケージへ押し込む。
 すくって尻もちをつかせたISAO。中島が再び出血している。バックに回るISAO。中島もバックを取り返してヒザ。ISAOは正対して離れる。残り1分。
 ISAOがタックルから上に。首をフロントチョークに取る。残り30秒。中島は殴るが、外せず終了。
 ジャッジは二者49-46、1人が50-45、3-0でISAOが防衛を果たした。
 かなり肉薄していた中島。ISAOの気持ちが弱くなった場面もあったが、見事防衛を果たした。両者ともに5Rフルに動き続け、まさに死闘と言える、見応えのある試合となった。

[ISAO ケージ上コメント]
「まだまだコロナ禍の中、いつも応援やサポートありがとうございます。中島選手は、ともにパンクラスで闘い続けてきた選手なので、感慨深いものがあります。いろんな思いがありますが、最後まで諦めない気持ちがすごく伝わってきて、自分が押されかけたところもありました。
 まだまだです。また、自分を見つめ直して精進します。ぜひまた会場に来てください」

[ISAO 試合後コメント]
「勝てて安心しています。やってみないと判らないことがあります。今日の中島選手は、今まである程度見て来た中島選手とちょっと違いました。
 中島選手のカットは、ヒザを当てたので。入ったのがわかりました。僕のカットは、頭かどこか当たってカットしたみたいです。お互い、頭を下げていたので。
 中島選手はスクランブルに強いと知っていたので、要所要所、取り切れたところと、このベルトを守らないといけないという意地を出して闘いました。中島選手の気持ちの強さも、スクランブルですごく感じました。やはり、5分5Rはキツイですね。
 肩肩めは、フィニッシュしたかったですけど、ポイントが違いました。
 今後ですか。それは、皆さんがどう評価してくれるかによると思います。まだ終わったばかりですし、流れもあると思うので。
 今回、今年初めての興行で、中島選手とタイトルマッチをやるとは思っていませんでした。本当に感慨深かったです。
 勝ててよかったと安堵しています。作戦というよりは、どんな場面でも対応するという考えでした」

[ポストリミナリー&第27回ネオブラッド・トーナメント]

▼第1試合 NBT フェザー級1DAY 4人トーナメントAブロック
○三宅輝砂(ZOOMER)
1R終了時 TKO(アゴの骨折)
●為房 虎太郎(総合格闘技道場コブラ会)

▼第2試合 NBT フェザー級1DAY 4人トーナメントBブロック
●星野 豊(和術慧舟會HEARTS)
判定0-3
○牧野滉風(G-face)

▼第3試合 ストロー級ワンマッチ 5分3R
○大塚智貴(CAVE)
判定3-0
●石井涼馬(パラエストラ柏)

▼第4試合 NBT バンタム級 8人トーナメントAブロック
○風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)
2R 2分36秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●高杉遼介(新潟イエローマンズ)

▼第5試合 NBT バンタム級 8人トーナメントAブロック
●矢澤 諒(パンクラスイズム横浜)
判定1-2
○田嶋 椋(OOTA DOJO)

▼第6試合 NBT バンタム級 8人トーナメントBブロック
●上野惇平(ハイブリッドレスリング八戸)
2R 1分27秒、タップアウト(リアネイキッドチョーク)
○小川隼也(CAVE)

▼第7試合 NBT ライト級 4人トーナメント
○伊良波 心(NOVA UNIAO JAPAN)
2R 2分19秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●森井一輝(パラエストラ柏)

▼第8試合 NBT フェザー級1DAY 4人トーナメント決勝
○三宅輝砂(ZOOMER)
1R 3分03秒、タップアウト(リアネイキッドチョーク)
●牧野滉風(G-face)
※三宅輝砂が第27回NBTフェザー級優勝。

(写真・文/佐佐木 澪)

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