PANCRASE311のメイン戦で暫定ストロー級QOPを争う藤野恵実とチャン・ヒョンジが調印式に出席!藤野「私が格闘技を始めた頃は男子と一緒の大会で女子のメインは有り得なかった。続けて来て良かった」

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 12月5日午後、都内新宿区のパンクラスで、暫定ストロー級クイーン・オブ・パンクラス調印式が行われた。
 この試合は『PANCRASE 311』(8日、新木場スタジオコースト)のメインイベントとして組まれている。現在、正王者であるヴィヴィアニ・アロージョがUFCに参戦中のため、藤野恵実(FIGHT FARM)とチャン・ヒョンジ(THE SSEJIN)が暫定女王の座を懸けて激突する。
 暫定王座決定戦は、今年9月、4人のトーナメントとして組まれた。しかし、初出場のチャンの相手として組まれていた法DATEが計量オーバーで失格。チャンは不戦勝となり、ファンの前で闘う姿を見せることなく決勝に進んだ。
 対する藤野はエジナ・トラキナスと対戦、1R終了でトラキナスが負傷、TKO勝ちしている。

 藤野はおなじみの「BBAナメンナ」Tシャツ、チャンも黒のTシャツで着席。両選手とも落ち着いた様子でベルトへの思いを語り、廣瀬隆司・パンクラスコミッショナーの立ち会いのもと出場誓約書にサインした。
 両選手のコメントは以下。

――お互いに一言ずつお願いします。
藤野「びっくりするくらい、いろんな方に盛り上げていただきました。去年したタイトルマッチを今年もやらせていただけるなんて思いませんでした。いろんなところからプレッシャーを与えられているので、必ず獲りたいです。これを集大成にして終わるつもりはないですけど、やってきたことを全て出します」

チャン「タイトルマッチという重い試合をやらせていただくことになって、今回ものすごく練習しました。勝ち負けは後にして、練習したことを全部出せたらいいなと思っています」

――お互いの印象をお聞かせください。
チャン「心も身体もものすごく強い選手だと思っています」

藤野「前回の試合を見られなかったのでデータがないんですけど、気持ちが強くて打ち合ってくるファイターだと思っています」

――前戦を振り返っていただけますか。
藤野「最後がちょっとスッキリしませんでしたけど、しっかり打撃もテイクダウンもできました。1ラウンドの中でもやりたいことができたと思っています。内容的にも問題ないと思います」

チャン「運が良かったというか、でも、自分らしく試合をやっていたとしても、タイトルマッチは間違いなくやっていたと思います」

――相手の計量オーバーで試合がなくなった時の気持ちは?
チャン「ものすごく悔しかったです。自分は遠いところから試合をやるために来たので、試合ができないということが本当に悔しかったです」

――藤野選手が有利と言われていますが、それに関してはいかがですか。
チャン「やってみないと分からないことなので、どう言われても、あまり気にしていません。自分が持っているものを、その日に出すこと、全力を尽くすことだけ考えています」

藤野「相手が誰であっても、自分が有利だと思ったことはないです。私も今、チャンピオンではありませんし、お互い挑戦者です。その部分でも気持ちは負けていません。挑むためのベルトなので」

――どんな試合をして、どう勝ちたいですか?
チャン「自分が練習したことを全部出せるわけはないと思いますし、相手の動きに合わせて戦うつもりです。自分は打撃中心で動きますが、もしグラウンドになったとしても負けません」

藤野「理想は一本かKOですけど、そんな簡単には行かないと思います。でも、今までやって来たという自負はあります。5ラウンドやって、泥くさくても最後は自分が手を挙げていられればいいです」

――藤野さんは、ベルトを持っている女子格闘家たちに「こっちへおいで」と言われていましたね。
藤野「すごく嬉しかったです。でも、プレッシャーもあります。“いいかげん獲れ”と思われていると思います。最初は自分のためだけにやっていましたけど、今はみんなに納得してもらいたいと思っています」

――そのために磨いて来たところは?
藤野「期間もそんなにないので、何かが劇的に変わるということはないです。これまでやって来たことをやって来ました」

――自分が相手より上回るところは?
チャン「自分はまだ若いので、打撃も体力も負けません」

藤野「年齢と経験値は負けません」

――パンクラスのベルトを獲るために必要なことはなんだと思いますか?
藤野「身体も気持ちもテクニックも、すべて持ち合わせていないと獲れないと思います。すべてが必要です」

チャン「自分も同じ気持ちです。精神力も何もかも、チャンピオンは負けられないので」

――これがパンクラス2019年の最終戦になります。何を見せたいですか?
チャン「メインなので、ファンが失望しないような試合をします」

藤野「『藤野を見ろ!』と。それだけです」

――藤野選手は15年以上闘って来て、もう実力を証明する必要はないと思います。それでもベルトにこだわる気持ちは?
藤野「執着ですね。何回も目の前で逃して来ましたから。これをもって終わるわけじゃないですけど、形として残したいです。パンクラスで獲れるなら、形として最高だと思います」

――チャン選手は、ベルトに対しての気持ちはいかがですか。
チャン「初めての挑戦ですけど、ベルトを獲ったとしても、それが終わりではなく、始まりだと思っています」

――最終戦で、メインで、タイトルマッチ。しかも女子の試合がメインになることは多くありません。
藤野「私が格闘技を始めた頃は、男子と一緒の大会で女子がメインを張るなんてことはありませんでした。それが、カードとして普通に見てもらえるようになったことは嬉しいです。続けて来て良かった、ありがたいと思っています」

――ベルトを前にして、いかがですか。
藤野「去年もこうして見ましたが、今度こそ獲りたいです」

チャン「いろいろな意味で重そうです」

――最後に、ファンに向けてメッセージをお願いします。
藤野「12月8日、私がチャンピオンになります」

チャン「ベルトは私のものです」

 この2人なら、お互い真っ向勝負を挑んで行くことだろう。格闘家生活16年、30戦のキャリアを持つ藤野か、新鋭のチャンか。果たしてベルトの行方は!?

(写真・文/佐佐木 澪)

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