12.13パンクラス273でエリック・マイケル・フォートと対戦する佐藤天と、神酒と対戦する清水清隆が公開練習

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11月20日午後、都内練馬区のTRIBE TOKYO M.M.Aで、「PANCRASE 273」(12月13日、ディファ有明)に出場する佐藤天と清水清隆が公開練習をおこなった。佐藤は1人でシャドーを、清水はパートナーと総合スパーリングを披露した。両選手ともコンディションは上々、好調をアピールした。

佐藤は2013年、パンクラス初の大晦日興行でパンクラスデビュー。翌年のネオブラッド・トーナメントでウェルター級優勝を飾り、今年3月まで4連勝してきたが、8月、高木健太にKO負けを喫した。今回はエリック・マイケル・フォート(ノヴァ・ウニオン)との対戦。王座を目指す佐藤にとって、大事な一歩、巻き返しの一戦となる。

佐藤天
「あと3週間ですが、しっかり仕上がってきていて順調です。無敗記録が止まって悔しいですけど、負けて色々考えました。前回は1つランクが上の選手との試合で、勝てば上に行けるので、どうしても白星を取りたかったのに落としてしまいました。でも、あの負けを経験して意識が変わりました。このままではいけないと痛感しましたし、練習の質を変えて、私生活も全て格闘技を意識して過ごすようになりました。
それこそ、暴飲暴食をやめたり、睡眠時間を十分にとったり。以前は、休みの前日だったら夜更かししたりしていましたけど、今は次の練習に向けてしっかり休もうと思いますし、“先”を意識するようになりました。僕は日本人の中では身体が大きいほうですけど、やはり外国人の中に混じると大きくはない。コーチにも、先を見据えた練習や生活をするようにアドバイスを受けて、それを意識した生活をしています。以前は目の前の試合のことだけでいっぱいいっぱいでしたけど、だいぶ変わりましたね。

相手に関しては、海外での試合映像を2つほど見ました。打撃より、組み付いて何とかしたいのかなという感じですね。しっかりやれば、立っても寝てもやれると思います。外国人は骨格が大きいとかありますけど、やることは同じです。身長の高い相手との経験はあるので、そういう相手を克服するための練習もしてきました。前回の負けもあるので、相手に何もさせずにKOか1本取るような勝ち方をしたいです。

いま、パンクラスのウェルター級は強い選手がたくさんいます。でも、その中で、自分にもチャンスはあると思います。現チャンピオンの鈴木(槙吾)さんはすごく強いと思いますけど、勝って高木選手にリベンジしたいです。やるべきことをやって、来年のうちにベルトを獲りたいと思っています。
僕の「天」という名前は、父がつけてくれました。「天」と書いて「たかし」と読みます。柔道をやっていた父が、天のように高く、誰よりも強く、トップになれるようにという意味だそうです。だから、僕はパンクラスでベルトを巻きたいです。そのためにも、この試合はとても大事な試合になります。全てにおいて、他の選手とは違うということを周りに見せつけるような試合をします」
第2代フライ級キング・オブ・パンクラス清水は、第4代修斗世界バンタム級王者・神酒龍一(CAVE)と対戦する。清水はパンクラスでは12戦負けなしだが、修斗、DEEP、VTJなどパンクラス以外の団体では芳しい成績を残せていない。特に今年に入ってからは、TTF CHALLENGE1戦、VTJ2戦は全て判定負け。これに対してコミッションより「パンクラスのルール上、“王者として不適格な試合”に抵触する」との伝達で、王者査定試合をおこなうこととなった。負けた場合はもちろん、勝った場合でも、内容いかんでは王座返上、もしくは王座を剥奪されるという。ある意味、防衛戦よりも厳しい試合だ。パンクラスでは6度の防衛を果たし、記念のゴールデンベルトも贈られている清水としては、これ以上はない崖っぷち、意地でも負けられない。
「少し痩せた」と言う清水だが、まさに背水の陣で練習に取り組んでいる証拠だろう。

パンクラス_公開練習を行った佐藤天と清水清隆清水清隆
「今年は負けてばかりだったので、ベルトを持っている人間として不甲斐ない1年だったと思います。自分を応援してくださっている人、パンクラス関係者の皆さん、そして同じ階級の選手にも申し訳ない気持ちでいっぱいです。ほんとに、チャンピオンになってから何回負けてるんだって感じですよね。
今回は“査定試合”で、負け、もしくは、しょっぱかったら王座を剥奪されます。同じくらいだったらアドバンテージは相手につくでしょう。だから、完全決着するしかないです。

神酒選手は僕に引導を渡すと言っているようですけど、よそから来た人間に言われたくないです。ずっとパンクラスでやってきた奴に言われるならまだしも。でも、まあ仕方ないんでしょうね。
神酒選手はソツなく何でもできる選手というイメージですね。五角形のグラフみたいなのを書いたら、いびつじゃなく、きれいな図形になりそう。僕と彼が似ているタイプですか? 光栄なのか、侮辱なのかわからないけど(笑)。

今回のポイントは、自分の気持ちと、あとはきちんと決着をつけることですね。判定判定だったら、多分ダメだと思います。もし逃げるような試合で判定になったら、王座を剥奪されても仕方がないと思います。パンクラスでの久しぶりの試合が査定試合になってしまったのは、自分の不甲斐なさが原因です。でもこうして、蜘蛛の糸みたいなチャンスをいただいたので、必ずものにしたいです。たとえハイランカーでも、ぐちゃぐちゃの試合で勝っても誰も納得しないでしょう。ギリギリの試合ができそうな相手を当てていただけたので、当日まで気持ちを作って、相手を殺すつもりでケージに入って、全てをぶつけるつもりです。

練習は、打撃のスパーリングを多めにやっています。だから、本当に殺し合いみたいな時間が増えました。これは、接戦を逃して来た部分を巻き返すためです。緊張している時間が長ければ長いほど試合に近い状態になります。人間の本能に近いような感じです。それで、当日向かい合ったときに、絶対に退かない気持ちが出るんです。言葉は悪いですけど、殺す! みたいなところは大切だと思います。

今のパンクラスは、僕が6回目の防衛をした後ぐらいから、強い選手がたくさん出て来ていて、アイツとやるのかなと思って見ていました。若い選手も増えて、ランキングが華やかになっているなと思います。ブラジル人が一番おっかないですね。
でも、今の自分は、まずはこの一戦です。応援してくれている人や、こころよく送り出してくれているパンクラスの顔に泥を塗ってしまいました。本当に申し訳ないです。勝っていれば、いろんな人に迷惑をおかけすることもないのに。そういう、いろんなことを金網の中で爆発させたいです」

【写真・文/佐佐木 澪】

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