ハードヒット11.7横浜大会 KEI山宮プロ格闘技100戦目記念試合/山宮vs.川村、光留vs.奥田、青木vs.セオドア

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ハードヒット〜starting point
日時:2015年11月7日(土)
開場:17:00 開始:18:00
会場:神奈川・横浜ラジアントホール
観衆:65,000人(超満員札止め=主催者発表)

▼第1試合 シングルマッチ 10分1本勝負
●瓦井寿也(花鳥風月)【0D1E】
10分 残りポイント2-3
○田村2013夏の甲子園優勝前橋育英レギュラーメンバー決勝戦でホームラン打った駿人(PsLAB東京)【0D0E】

▼第2試合 シングルマッチ 10分1本勝負
●阿部史典(スポルティーバ)【0D2E】
10分 残りポイント1-3
○兼平大介(ヒートアップ)【0D0E】

▼第3試合 シングルマッチ 10分1本勝負
○山本裕次郎(花鳥風月)【0D0E】
10分 残りポイント3-2
●原学(フリー)【0D1E】

▼第4試合 シングルマッチ 10分1本勝負
○伊藤崇文(パンクラスism)【0D0E】
2分34秒 アームロック→レフェリーストップ
●那須晃太郎(フリー)【0D1E】

▼第5試合 エキシビジョンマッチ ユニファイドルール 3分1R
△青木篤志(全日本プロレス)
3分 引き分け
△ダン・セオドア(Focus Dojo MMA & Catch Jitsu)

▼第6試合 シングルマッチ 10分1本勝負
●洞口義浩(KAIENTAI DOJO)【0D2E】
10分 残りポイント1-3
○服部建太(花鳥風月)【0D0E】

▼第7試合 シングルマッチ 10分1本勝負
○佐藤光留(パンクラスMISSION)【0D0E】
1分58秒 ヒールホールド
●奥田啓介(フリー)【0D0E】

▼第8試合 KEI山宮プロ格闘技100戦目記念試合 シングルマッチ 15分1本勝負
○川村亮(パンクラスism)【0D0E】
9分59秒 グラウンドでの掌底連打→レフェリーストップ
●KEI山宮(GRABAKA)【0D0E】

プロ格闘技100戦目で川村に敗れた山宮「負けると悔しい!これはパンクラスの試合」
時間切れが続いた中、光留は鼻血を出しながらもヒールホールドで奥田から一本勝ち

オープニング

2015-11-7ハードヒット横浜ラジアント_オープニングまず主催者の佐藤光留が登場し、「本日はご来場まことにありがとうございます。恒例の客席を見回して…注文は来ているんですけど、まだ会場に来ていない方がどれぐらいいるかを見渡してから僕の挨拶の時間が決まるのです。今日は大丈夫そうだなぁ。何とか今年のハードヒット、独立とか、主催者が独立一発目の興行で指を脱臼したりとかですね、いろいろあったんですけど、何とか今年最後のハードヒットまで辿り着くことが出来ました! これもひとえに自分の信念に賛同してくれている選手、そして会場に来ていただいている皆様のお陰だと思っています。本当にありがとうございます。(※場内拍手)今年最後のハードヒットの大会の名前を決めるときにですね、川村に『何にしようか?』と言ったところ『starting pointがいんじゃないでしょうか?』と言いました。同時にKEI山宮選手のプロ格闘技生活100試合目の試合をハードヒットで行いたいと言うリクエストもありまして、starting pointという大会名に決めました。山宮さんは自分の、パンクラスの大先輩であります。川村も後輩ではありますが、歳は1個下です。もう僕もデビューして15年が経ったんですけど、我々が見たプロレスの原点というものはですね、1990年代はじめから終盤・後半に渡るところです。いわゆる激動の時代でプロレスラーは強い者だという価値観をですね、いろいろな形で削がれていく時代を目の当たりにして、それでもプロレスラーを志そうとした人間たちがパンクラスに入って、いま仲間たちとやっているという状況です。PRIDEですとか、その他の名もない総合…まだ総合(格闘技)というものがないバーリトゥードの興行で、プロレスラーが勝ったり負けたりして、段々とプロレスの価値観が変わってきて、そしていま! プロレスは面白いのが一番だという価値観が何となく溢れています。それはそれで正しいことなんですけど、でもやっぱりやったらプロレスラーは強いんだぜっていうところが、僕たちが見てたプロレスのstarting pointです。本日はこのハードヒットのルール、信念、いろんなものに賛同してくれる選手がたくさん集まりました。ぶっちゃけ、こんあに集まってくれるとは思いませんでした。あと、こんな奴も来るのかっていうのもありました。すぐ分かると思います! とんでもない格好してきて、もしかしたら『アイツ、ふざけてんじゃないか?』と思ってる人もいるかもしれないですけど、でもやっぱりやってみたら、やっぱりプロレスラーはスゲーな、そういう選手が揃ってくれたと思っております。長くなりましたが…あまりそれから(=挨拶してから)人も来なかったですが、まぁ格闘技の興行っていうのはそういうものなので。メインに続く試合をドンドンやってもらえたらと思いますので。もしかしたら一瞬で決まるかもしれません。ダラダラと10分やるかもしれません。その時、せっかくリングの周りに集まってもらったんで、ぜひご自身の目でリングの戦いを、プロレスラーの戦いを見て、俺たちの原点を感じていただけたらと思います。よろしくお願いします! ありがとうございました」と挨拶。
続いて井上マイクリングアナがハードヒット公式ルールを説明。リング上に練習生が上がり、反則攻撃のデモンストレーションを披露しながら解説。

第1試合

2015-11-7ハードヒット横浜ラジアント_第1試合ハードヒット初登場のPsLAB東京所属、田村2013夏の甲子園優勝前橋育英レギュラーメンバー決勝戦でホームラン打った駿人が、花鳥風月の瓦井と対戦。田村はアニメ『キン肉マン』の主題歌に乗って入場。
一方の瓦井は顔の右半分に緑のペイントをし、『ハゲラップ』に載って入場。

握手を求めにいった田村は瓦井が応じた瞬間に掌底を連打。後退しながらも防御する瓦井だが、田村はなおも掌底でラッシュ。どうにか凌いだ瓦井はタックルからリフトしてテイクダウン。田村はフロントネックロックに捉える。首を抜いた瓦井は猪木-アリの体勢。
しかし攻めあぐねていると田村は立ち上がって上になる。瓦井はもう一度タックルからリフトし、コーナーに押し込むが膠着ブレイク。

瓦井のタックルをガブっていった田村だが、瓦井はリフトしてからテイクダウン。スイープして上になった田村はマウントから掌底を打ち込んでいく。田村の左足を刈ってスイープした瓦井はガードポジションの田浦に掌底を打ち下ろす。
下から潜って足をすくった田村だが、瓦井も必死にスイープを許さない。下から蹴り上げようとする田村を押さえ込もうとする瓦井だが、足をすくって瓦井を倒した田村はスイープに成功。サイドに回った田村は腕十字を狙う。腕が伸びきった瞬間、瓦井は辛くもロープエスケープ。

組んでいった瓦井をガブった田村。そのまま押し倒した瓦井はマウントを取ると掌底を連打。そこからスリーパーを狙ったが、そこをうまくスイープして上になった田村。残り3分となり、膠着ブレイクから瓦井は掌底で突っ込む。だが、田村がタックルでテイクダウン。
サイドを獲った田村は脇腹に鉄槌を落としながら顔面に掌底。カメになる瓦井にバックマウントから顔面に掌底を叩き込んでいった田村は腕十字を狙うが、瓦井がさらにカメになると思わず蹴ってしまう田村。これは口頭注意。

お互いに疲れているが、瓦井が掌底を打っていったところに田村がタックルでテイクダウン。ガードポジションの瓦井に対し、脇腹にパンチを入れてからサイドにパスした田村だが、瓦井はカメになる。ここで立ち上がった田村。残り10秒で掌底の連打から押し倒した瓦井だが、ここで時間切れのゴング。残りポイント3-2で田村が勝利した。

第2試合

2015-11-7ハードヒット横浜ラジアント_第2試合ヒートアップの兼平とスポルティーバの僧侶兼レスラー・阿部。普段はリングシューズで試合をする兼平は田村和宏の赤いレガースを着用。阿部がローを出したところにタックルを合わせてテイクダウンした兼平はマウントを取ると掌底を連打。阿部はロープが近かったこともありエスケープ。
今度はスタンドで掌底を連打した兼平は組み付いてから押し倒す。ハーフガードの阿部に対し、うまくマウントにパスした兼平は掌底を連打。これで阿部は2度目のロープエスケープ。

後がない阿部は掌底で前に出ると、兼平が反撃しようとしたところで離れる。ヒット・アンド・ウェイ狙いの阿部に組み付いていって押し倒した兼平ハーフガードの状態で密着する阿部だが、兼平はどうにか距離を作って掌底を打とうとする。
潜ろうとする兼平の顔にヒジを押し当てて引き離す兼平。5分が経過したところで、膠着ブレイク。スーパーマン掌底で飛び込んだ阿部だが、これは当たらない。ローリング掌底は兼平の背中にヒット。すると兼平は両足タックルでテイクダウン。ハーフガードの阿部だが、兼平は掌底を連打。どうにか密着しようとする阿部。兼平はボディへのパンチからどうにか右足を抜こうとするが抜けない。

膠着ブレイクになると、阿部はミドルキックからローキック。兼平がフェイントからタックルを狙ったところにうまくヒザ蹴りを合わせた安部だったが、兼平はそのまま組み付いてテイクダウン。ハーフガードで堪える阿部は下から掌底を出す。残り1分となり、潜りながら密着する阿部。
どうにか左右の掌底を出していく兼平だが、しがみついて凌ぐ阿部。ここで時間切れとなり、残りポイント3-1で兼平が勝利した。

第3試合

2015-11-7ハードヒット横浜ラジアント_第3試合花鳥風月の山本が元バトラーツでフリーの原と対戦。原がミドルキックを出したところに掌底の連打で前に出た山本。そのままコーナーに押し込んでテイクダウンを狙うが、無理と判断して離れると原がハイキック。顔をかすめたが、山本は当たっていないというジェスチェー。
なおも原の蹴り終わりを狙って掌底で前に出る山本。ロープ際まで押し込むが原はテイクダウンを許さず、逆に首相撲からヒザ蹴りを入れる。それでも掌底の連打から組み付いていった山本に「オラッ!」と声を出しながら掌底やヒザを叩き込む原。

膠着ブレイクになると、思わず原が「頑丈だな、おめーよ」とつぶやく。「それだけが取り柄だよ」と言って思わず笑顔になった山本。原はヒジで顔を押してコーナーまえ押し込むが、鼻血が出て苦しそうでなかなか攻撃出来ない。一旦離れて「いや〜、キツい」とボヤいた原に掌底から組み付いた山本は持ち上げようとする。
だが、腰が重い原はなかなか倒れない。アゴを手で押して引き剥がそうとする原。残り3分で膠着ブレイクになると、原は掌底からハイキック。クリーンヒットした山本はどうにかタックルで凌ぐが、原はうまく潰してスリーパーを狙う。

だが、山本は逆にヒザ十字固めを極める。原は叫びながら何とかロープエスケープ。苦しくなった原はハイキックを出すが、ガードした山本。それでも原は顔面に掌底を伸ばしていく。組み付いていった山本はカニ挟みからヒザ十字を狙う。残り1分となり、ヒザが極まると悲鳴をあげた原だが、どうにかロープエスケープを踏み止まる。
逆にアンクルホールドからヒザ十字固めを極めていった原は、逃れようとする山本のマウントを取って掌底を打っていくが、ここで時間切れのゴング。残りポイント3-2で山本が勝利。試合後、両者はガッチリ握手を交わすと正座をしながら一礼して健闘を称え合った。

第4試合

2015-11-7ハードヒット横浜ラジアント_第4試合パンクラスismの伊藤と元U-FILEの那須の一戦。那須がミドルキックを出したところをキャッチした伊藤は、そのままガブって潰す。防御する那須だが、伊藤はうまくサイドを取るとアームロックを狙う。その力を利用してうまくスイープした那須はバックに回ってスリーパーを狙う。
立ち上がろうとする伊藤をうまく押し潰してスリーパーを狙う那須だが、バックを取り返した伊藤はサイドを取ると一気にチキンウイング・アームロック。那須はロープエスケープしたが、悲鳴をあげながら右手首を押さえてうずくまる。

レフェリーが那須の状態を確認して試合終了のゴングを要請。那須は右手首を負傷したためレフェリーストップで伊藤が勝利。伊藤も心配して覗き込むが、那須は右腕を押さえて苦しそうにしながらも立ち上がって伊藤と握手を交わした。

第5試合

2015-11-7ハードヒット横浜ラジアント_第5試合この一戦は3分1Rのエキシビジョンながら、オープンフィンガーグローブ着用、肘打ちが認められたユニファイドルール。まずは雄叫びをあげながら道着姿で入場したセオドア。道着を脱ぎ、叫び声をあげながらリングイン。続いて全日本プロレスで光留と同じEvolutionに所属する青木がオープンフィンガーグローブを着用して登場。
ジャブを出しながら近づいていった青木は、タックルで組み付いてから投げていってテイクダウン。サイドを取った青木だが、セオドアは下から足を取ってヒザ十字固め。どうにか回転して脱出した青木は、セオドアのフックをかわしてタックル。

するとセオドアは下からオモプラッタを狙う。これも回転して逃れた青木だが、なおも上になったセオドアはパウンドを落としていく。だが、青木もスイープしてパウンド。お互いになかなかそこから攻め込むことが出来ず、あっという間に3分となり試合終了。
試合後、マイクを持ったセオドアは「ミナサン、元気デスカー! 私は大きい男デース! ドウモアリガトウゴザイマス。今日は15年ぶりに日本で試合をしたのですがとても楽しかったです。青木選手の寝技がすごかったです。青木さん、アリガトウゴザイマス。ネクストタイム、リアルファイト!」とマイクアピールすると、シャウトしてみせた。

第6試合

2015-11-7ハードヒット横浜ラジアント_第6試合前回ハードヒットに緊急出場したK-DOJOの洞口だが、敗れた悔しさから主催者の光留に参戦をアピールしたところ、その心意気を買ってハードヒット常連の花鳥風月・服部との対戦が組まれた。洞口はレガースを着用せずいつものレスリングシューズにパンタロン姿。一方の服部もいつも通りレガースはなくレスリングシューズ姿。
脇の差し合いから服部がタックルでテイクダウン。サイドから時折、洞口の顔に掌底を入れながら押さえ込んでいった服部。そのままじっくりとチキンウイング・アームロックのチャンスを伺っていた服部がアームロックを極めると、洞口はロープエスケープ。

お互いに相手の首を抱え込んでいった状態から服部はタックル。洞口はカメになるが、バックを取った服部は顔面に掌底、脇腹にパンチを入れながら胴絞めスリーパーに捉える。これで洞口は2度目のエスケープ。
後が内洞口は首を抱え込んでえいくが、振り解いた服部はタックル。切ってみせた洞口はガブろうとしたが、服部は素早く立ち上がって回避。組み付いた洞口は足払いを狙うが、なかなか服部は首を抱え込ませない。逆に片足タックルでテイクダウンを奪うと、背後に回っていく。

クラッチを振り解こうとする洞口だが、服部はうまく洞口をコントロールしてサイドを取る。顔面に掌底を振り下ろしながら胴絞めスリーパーを狙う服部。洞口はどうにかスイープして上になると、サイドを取っていく。服部の腹にヒジを押し付けながら背後に回った洞口。だが、スリーパーを狙った瞬間、体を捻って逆に上になった服部。
洞口は強引に下から三角絞めを狙ったが、振り払った服部は素早く背後から組み付いていく。スリーパーが無理と判断した服部はマウントにスイッチして掌底。洞口も密着して防御。残り10秒で服部は腕十字を狙ったが、クラッチした洞口は上から抑え付ける。ここで10分時間切れのゴング。残りポイント3-1で服部が勝利した。

第7試合

2015-11-7ハードヒット横浜ラジアント_第7試合主催者である光留はIGFなどで活躍している奥田と対戦。奥田のセコンドには引退した澤宗紀さんがついた。もの凄い睨み合いから試合が始まると、いきなり強烈なローキックを叩き込んだ奥田。さらに前蹴りからコーナーに押し込むと強引に投げようとするが、光留が踏ん張ったため上から押し潰す。その状態から顔面に掌底を叩き込んでいった奥田だが、光留も防御しながらスイープして上になる。
だが、光留が鼻血を出したため一旦ストップ。ドクターチェックの結果、試合続行となると、光留が上になった状態から再開。光留が力強い掌底を叩き込むと、思わず転がって逃げようとした奥田。光留はその瞬間、ヒールホールドに捉える。これで奥田は悲鳴をあげながらタップ。

2015-11-7ハードヒット横浜ラジアント_一本勝ちした光留は奥田に再戦を約束ドクターチェックからの再開直後に劇的勝利をあげた光留はコーナーに登って会心のガッツポーズ。さらに握手を交わした奥田が「絶対にもう1回やるぞ!」と叫ぶと、光留は「分かった。3回やるぞ!」と返答。思わず顔をくしゃくしゃにしながら光留と抱き合った奥田。そんな光景を見た観客からは両者に惜しみない拍手が贈られた。

第8試合

2015-11-7ハードヒット横浜ラジアント_第8試合①KEI山宮プロ格闘技100戦目記念試合の対戦相手は後輩の川村。パンクラス創始者の一人、船木誠勝ばりに腰に日の丸が入ったショートタイツを着用した山宮のセコンドには盟友の郷野聡寛がつく。所属するGRABAKAから山宮に激励の花束が贈られてから、両者ガッチリ握手を交わして試合開始。

緊張感のある間合いから川村はノーガードでフェイントを入れながらプレッシャーをかけていく。両者の掌底が激しく交差したあと、川村は強烈なローキック。なおもノーガードでプレッシャーをかけていく川村に対し、山宮はストレート掌底を叩き込むが、川村もミドルを返す。川村は掌底を入れると、山宮の掌底をスウェーでかわす。組み付いていった山宮だが、川村は頭と頭をつけた状態で掌底を叩き込むと、一気に左右の掌底でラッシュをかけてからハイキック。

山宮も掌底を返していくが、川村が押していく。組み付いてコーナーに押し込んだ川村はテイクダウンを狙うが、山宮もそう簡単には倒れない。ならばとうまく足をかけて倒した川村はサイドを取る。
2015-11-7ハードヒット横浜ラジアント_第8試合②そこからマウントを取った川村は山宮の顔面に掌底を叩き込む。密着して防御する山宮だが、川村は脇への掌打を連打すると、思わず腕でガードしようとしてガラ空きになった山宮の顔面に掌底。こめかみのあたりに掌底を連打した川村は、カメになろうとした山宮を押し潰し、マウント掌底を連打。山宮も必死にガードしながら耐えるが、マウント状態からの川村の掌底が的確に山宮の顔面を捉えてくると、山宮の動きも止まりついにレフェリーが試合をストップ。

エンディング

2015-11-7ハードヒット横浜ラジアント_エンディング①倒れたままの山宮のもとに郷野だけでなく、光留や伊藤ら駆け寄ってくる。勝ち名乗りを受けた川村。ようやくロープに持たれながらリング上に座り込んだ山宮だが、どうにか立ち上がると川村に歩み寄って握手をしながら言葉を交わす。山宮の腕を掲げて称えた川村は、「100 KEI YAMAMIYA」という文字が入った手作り感のあるキング・オブ・パンクラスのベルトを取り出して山宮の腰に巻いてみせる。
そしてマイクを持った川村は「僕はしゃべることはありません。山宮さん、100試合お疲れ様でした」と言ってマイクを渡す。山宮は感慨深そうな表情で「本日はご来場ありがとうございます。川村亮を試合を受けてくれまして、自分なりに一生懸命準備して、わざわざ郷野聡寛選手もずっと練習に一緒についていてくれて。皆さんに本当、協力していただいて、一生懸命頑張って、川村亮をぶっ倒したくて、一生懸命この2か月やってきたんですけど……そう、簡単じゃなかったですね。強かったです。本当にありがとうございます」と語った。

そしてサプライズでもらったベルトを外して肩にかけた山宮は「こんなのもいただきまして。試合を受けてくれた川村、本当にありがとう。それからこういう場所を作ってくれた佐藤光留、本当にありがとう。(※場内拍手)わざわざご来場頂きました皆さんも本当にありがとうございます。(※場内拍手)感謝しかなくて、応援してくれた方とか協力してくれた方に感謝しかないですし、もうずいぶん長くやってきまして、こんなに壊れることなく健康な体に産んでくれた両親にも感謝します。(※場内拍手)
本当は川村亮をぶっ倒してひと区切りと思ったんですけど……負けると悔しいですね!(※場内笑いと拍手)……ホント悔しいな。(※観客から「もう1回!」の声が飛び、川村も「もう1回」というジェスチャーをすると「山宮」コールが起こる)もう自分の話ばっかりで申し訳ないですけど、もう別に海外目指しているわけでもないし、タイトルマッチ結構たくさんやらせてもらったんで、もう満足だと思うんですけど、悔しいね。なんかね。川村、またやろう!」と言うと、思わず川村も「よし!」と言ってガッチリ握手。

2015-11-7ハードヒット横浜ラジアント_エンディング②観客も拍手を贈ると、山宮は「勝つまでやろう、勝つまで! 勝つまで付き合ってもらうから」と言ってから「お客さんとか分からない人もいると思うんですけど、自分も川村亮も佐藤光留もみんなそうなんですけど、元々パンクラスに入門してずっとやってきました。パンクラスはいまどんどん変わって、世界的な組織になっていると思うし、これからもどんどん大きくなっていくと思うんですけど…確かにパンクラスって場所も本当に素晴らしいと思うし、大事だと思うんですけど、自分の勝手な考えなんですけど、パンクラスは“人”だと思っているんですよ。だからハードヒットのリングなんですけど、自分と川村が今日試合をしたのは、これはパンクラスの試合だと僕は思っています。(※場内拍手)今日もパンクラスの選手もいっぱい来ていますので。いろんな形があると思うんですけど、これが勝手な自分の考え方です。今日は本当にありがとうございました!」と思いの丈を語った。
すると光留や川村、伊藤や郷野、そして出場選手が笑顔で山宮を囲んで記念撮影。すると客席にいた菊田早苗や福田力らGRABAKA勢、さらに元パンクラスの謙吾、梅木レフェリー、そして現在の“世界標準”となったパンクラスの最前線でも戦っている北岡悟もリング上に呼び込んで、“俺たちのパンクラス”で記念撮影を行った。

<試合後コメント>
KEI山宮
ーー100試合目、川村選手と戦ってみていかがでしたか?
「まぁ川村亮が戦ってくれるのは本当に嬉しいですし、こういう場を……受けていただいたことがまず本当に嬉しいですね。自分はいま総合格闘技、パンクラスやDEEP、いろいろなところでやっていますけど、決していま戦績がいいわけでもなく、かといって世界に通じるポジションにいるかって言われたらそういうわけでもないですので。それにも関わらず、こういう場を作っていただけたってことは、本当に…人に、人間に恵まれていると思っています。100試合、約20年弱ですけど、本当にやってきてよかったですね」
ーー試合後、川村選手に勝ってひと区切りつけようと思ったけど、負けて悔しいから勝つまえやりたいという発言はありました。
「そうっすね。……何て言うんですかね。ちょっと100戦目が見え始めた頃に、ちょうどタイトルマッチとかもひと段落した時期でして。何て言うか宙ぶらりんだったんですよね。かと言って100が見えているんで、ここでいますぐ(辞める)っていう気もなくて。試合自体がこなしてる時期になってるなと思いながらやってました。ですが、今回川村亮が約束を守ってくれたって言ったら変ですけど、こういった場所で受けてくれまして、(試合が決まってから今日まで)約2か月ちょいだったですけど、本当に毎日刺激的と言うか、毎日気が張ってまして。ちょうどその時期ですね、一緒に練習してきた郷野選手も、一緒にすごい練習してくれまして。本当に練習環境として心身共に充実してまして、もの凄いいい状態でこの試合を迎えることが出来たんですけど、そこはやっぱり川村亮強かったですね。自分が充実してるから簡単に勝てる相手ではなかったです」
ーー今後は川村選手との再戦を目指して?
「またやりたいですね! でも本当にこなしてる時期っていうのは、(負けても)あまり悔しくもなかったですね。試合が終わった、あと何試合で100だ、みたいな。そんな状態が続いていたんですけど、今回は悔しいっすね! もっとやれると思ってたんで。もっと出来るつもりで今回、試合に臨んだんで悔しいっすね」

佐藤光留
ーー大会の総括を。
「総括はいい大会でしたね! はい。ただ運営していく上で望んでいることが1つクリアされたんですけど、やっぱり新たなのが出てきたのがちょっと……プロレスラー、格闘家問わず試合をフィニッシュしてほしいですね。一本取るってことが……もちろん、いまの総合格闘技・MMAとかの流れではちょっと反れてくるんですよ。もちろん判定があるし、ラウンドごとの(ジャッジ)はつけるけど、やっぱり基本はフィニッシュですから。今日のは言い合いで終わるドラマみたいなもんですよ。そういう試合が多かったから、どっちかが勝って終わらなきゃいけないですね。まぁエスケープやロストポイントで取ったのはいいんですけど、アレはやっぱり人の作ったルールですから。じゃなくて、『参りました』か相手をブチのめして終わるってことが、やっぱフィニッシュですから。それを取る練習をもう1回やって、みんな来てほしいなと思いました。でもメインとか、人の気持ちがある試合でしたね」
ーーそういった意味ではご自身の試合では、きっちりドクターチェック後に再開された直後にキッチリ一本取るという。
「はい! (奥田と)実力に差はなかったと思います。ぶっちゃけた話、本当に。ただやっぱりそれは経験というか、伊達に15年やってねぇなっていう。天才の(苦笑)、自称・天才の……はい。本当に実力には差がなかったと思います」
ーー最後、山宮選手が「人がパンクラスだと思う」とおっしゃって、懐かしい顔触れから現在パンクラスに上がっている選手も、このハードヒットのリングに集合する形になりましたが、ああいう光景はこのリングだからこそなのかなと思えましたが。
「そうっすね。世の中、たぶんいいことも悪いことも半分半分、10あるうちの5:5だと思うんですよ。いままでUWF系って、みんなで仲違いして、飛び出して、喧嘩して、なくなってっていうところがマイナスだとしたら、もう使い切ったと思うんですよ。そうしたらあとはみんな思っていること……『これがパンクラスなんだ!』『うちらパンクラスだ!』って言って、いまのパンクラスと喧嘩するつもりは毛頭ないです。ただ、僕らのstarting point、原点のパンクラスは今日のような風景だったんじゃないかと思いますね。僕が入門テスト受けた千種スポーツセンターのメインが國奥麒樹真vs.山宮恵一郎でした。セミが打撃禁止令が出てた美濃輪育久vs.渋谷修身でドローだったり。そういうときの1個1個を噛みしめる、消費されない。ずっと思い出として残ってる、捨てきれないものもパンクラスだと思うし、それはプロレスも同じだと思います。面白い、おかしい、腹抱えて笑える、最後泣いちゃう…そういうものもプロレス。だけど、勝負にすごく従順で、純粋な勝ち負けを追い求めて、強さを追い求めているのもプロレスですから」
ーー今年はDDTから独立して、今日で2015年の興行は終了しましたが、来年、まだ日程は出ていませんが、どのような形でやっていこうと?
「出来れば1月やって、3月に岐阜で川村亮10周年興行、そのあと大阪! 伊藤崇文20周年やり忘れた興行!(笑)(伊藤から)『20年終わったからええやん。これからのにしようぜ』って言われたから、21周年これから興行とか(苦笑)。あと沖縄も行きたいですね。ギャラないっす。渡航費がギャラです。でもいいじゃん! みんなで沖縄行って、全国でバチバチやろうぜ! 今日出たダン・セオドア選手が言ってました。『クラシックのパンクラスだった』って。そのクラシックっていうのは古くていらなくなったものじゃないです。淘汰されていまのものになったんだけど、でもアレはアレでひとつの形で、人々が夢を追いかけ、命懸けでみんながやってきたものですから。それを、UWF、パンクラスの歴史を紡いでいるっていう自負はあります! 影響力がないだけで」

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